個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。
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Cinemaの王国 vol.250
発行日: 2004/10/15
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=週刊「Cinemaの王国」= vol.250(2004.10.15)
http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
―『恋の門』―
■2.今週のもう1本!
―『ツイステッド』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■
祝250号! て、別に何も変わったことはないんですけど(笑)。それでも、
たまには気分を変えて、日本映画から先に行ってみますかね。
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●『恋の門』
(2004年 日本)(上映時間1時間54分)
監督・脚本・出演:松尾スズキ
出演:松田龍平、酒井若菜、大竹まこと、大竹しのぶ、平泉成、忌野清志郎、
小島聖
*シネマライズほかにて公開中
ホームページ http://koinomon.com/
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<ストーリー>
石で漫画を描く自称「漫画芸術家」の蒼木門(松田龍平)はOLの証恋乃(酒井
若菜)と知り合う。恋乃はコスプレ好きで、コスプレの似合うボーイフレンドを
探していたのだ。恋乃は門をアニメソング界の人気者・阿部セイキの一泊ツアー
に誘うのだが……。
<レビュー>
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ありえねぇ〜人たちがありえねぇ〜行動を展開するギャグだらけの映画
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劇団「大人計画」の人気演出家にして、役者でもある松尾スズキの初映画監督
作品。「恋の門」というタイトル通りに、恋のお話です。
しか〜し! そのへんに転がっている恋の話ではない!! ていうか、ありえ
ねぇ〜人たちによるありえねぇ〜恋愛話なのだ。
なんたって、アナタ、「恋の門」ってタイトルも、主人公カップル証恋乃と蒼
木門の名前を組み合わせたものなんですから。
まず、なにが「ありえねぇ〜」かというと、主人公の蒼木門。石で漫画を描く
自称「漫画芸術家」、しかも童貞って、なんなんだお前は??? その相手にな
る証恋乃はコスプレ大好きの同人誌漫画家。どっちもどっちのブチ切れキャラで
す。 _(__)ノ彡☆ばんばん!
ブチ切れてるのは彼らばかりではなく、出てくるヤツがみんなブチ切れじゃぁ
〜〜〜!! (^o^)/
娘に劣らぬコスプレマニアの恋乃の両親だとか、門のアパートの不気味な住人
だとか、恋乃が勤務しているヘンな会社の幹部だとか、気色悪いアニメ歌手だと
か、もはや魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界といっても過言ではありますまい。
こういう人たちが展開するドラマも、当然ながらありえねぇ〜ことばっかりで、
これはもう笑うしかない。全編ギャグ満載のブッ飛びコメディーです。
予告編を観た時には、もっとシュールでアバンギャルドな笑いかと思ったので
すが、ベタなギャグが多かったのが意外。恋乃とエッチしそうになった門が、途
中で恋乃の顔がアニメ歌手に見えて吐いちゃったりとかサ。エロネタもけっこう
多し。 (*^.^*)エヘッ
でも、ベタとはいっても、けっしてウケ狙いではなく、自分の好きな世界をサ
クレツさせているだけなので、ついていけない人もいるかもしれません。かくい
うボクも、最初はちょっと???だったのだが、途中からけっこうハマってしま
いました。
恋の展開自体はどうってことありません。紆余曲折がありつつ進んでいく。コ
スプレ、コミケ、アニメソングなど、オタクネタで目新しさを出しているものの、
どうってことのない話。
原作は人気マンガらしいのだが(読んでなくてスンマセン)、けっこうヘヴィ
ーなところもあるというウワサ。しかし、この映画はひたすら笑いに走るのみ。
人生に思いを走らせるようなところもまったくなく、理想と現実の間、親との葛
藤、虚飾に彩られた人生など、多少出てくるテーマらしきものもサーッと素通り。
最初から最後まで笑いに徹しまくりなのだ。 (^0^)
後半は、松尾スズキ自身が演じる元有名漫画家と、門、恋乃の三者によるマン
ガと恋の大バトルが展開されます。これまた実にオバカなバトルでござる。よう
やるわ、ホンマに。
おまけに、松尾クンったら酒井若菜とキスまでしやがって。そんな役得あるか
いッ! (^0^)
石のコスプレ、大爆発、清志郎の歌と踊りと、最後の最後までもう何でもアリ
のやりたい放題。「ついてこれないヤツなんか知らんぜよ。ついてこれるヤツ
だけついてこい!」てな感じです。
「せっかくなら笑わせるだけじゃなくて、たまにはホロッとさせたり、うーむ
と考えさせるところがあってもいいんじゃないの?」とか、「石の話は引っ張り
すぎ! 父親の死で克服したはずでしょ!!」てな気になるところはたくさんあ
るものの、なんだかそういうことを言ってもしょーがないような雰囲気の映画
なのです。もうこれは、何にも考えずに笑うしかないのだろうか!?
キャスティングもハジケまくり。およそコメディーには似合わないイメージの
松田龍平の起用が、思いのほかピッタリ。でも、それを上回るのが酒井若菜。
もともとコメディエンヌの才能はかなりあると思っていましたが、ハンパでない
ハジケ方がスサマジイ魅力を振りまいている。
でもって、脇役にもすごい人が勢揃い。忌野清志郎、大竹まこと、大竹しのぶ、
平泉成、筒井真理子、尾美としのり、小島聖、塚本晋也、小日向文世、カメオ出
演の田辺誠一、片桐はいり、市川染五郎を含めて、なんと豪華なんざましょ。
各界の有名人もワンサカ登場。松尾クンったら、自分の顔の広さをひけらかして
んのか???
てことで、ありえねぇ〜人たちによるありえねぇ〜恋の話で、徹底して笑わせ
てくれる映画。力ワザでねじ伏せられます。松尾ワールドにハマった人は、かな
り笑えるはず。
ただし、それ以外にはな〜んもない映画なので、心に残るものなんて期待しち
ゃダメですよ〜〜〜。
松尾監督がこれだけ好き勝手しているのを観ているうちに、自分も映画監督が
やりたくなってしまいました。あ〜あボクも酒井若菜とラブシーンがしたい。
って、アンタはまたそれかいッ!! だいたい役者でもないし……。(^。^/)
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(松尾ワールドにハマった人には文句ナシに最高点の映画かも。そうでない人
でもそれなりには笑えると思う。でも、オバカな笑い以外にはな〜んにもないの
で、そのつもりでネ。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年10月12日(火)シネ・リーブル池袋にて。午後1時40分の回。
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■2.今週のもう1本!■
2本目はアシュレイ・ジャド主演のサスペンスです。
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●『ツイステッド』(TWISTED)
(2004年 アメリカ)(上映時間1時間37分)
監督:フィリップ・カウフマン
出演:アシュレイ・ジャド、サミュエル・L・ジャクソン、アンディ・ガルシ
ア、デイヴィッド・ストラザーン、ラッセル・ウォン
*渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://twisted-movie.com/
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<ストーリー>
サンフランシスコ市警の殺人課に配属となったジェシカ(アシュレイ・ジャド)
は、25年前に両親を亡くしてから父親代わりのミルズ本部長(サミュエル・L・
ジャクソン)に見守られている。だが、心の傷は癒えることなく、バーで男を漁
り一夜だけの関係を結ぶ日々。そんなある日、ジェシカが関係した男が惨殺死体
で見つかる。パートナーの刑事マイク(アンディ・ガルシア)と捜査を始めるジ
ェシカだったが、第2、第3の犠牲者が出る。いずれも彼女が一夜を共にした男
たちだった……。
<レビュー>
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真相を闇に包んだまま引っ張る構成力と映像が魅力のサスペンス
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ゴールデンゲートブリッジ、飛び交うカモメ、群れ集うアシカたち……。オー
プニングの物憂げなサンフランシスコ湾の風景が心を揺さぶるぜ。
続いて、アシュレイ・ジャドの切迫した顔のアップ。流れ落ちる一筋の汗。そ
して、頬に突き立てられたナイフ……。 W(゜O゜)W
いいじゃないですかぁ〜、美しく、やるせなく、官能的なオープニング。さす
が『存在の耐えられない軽さ』の鬼才フィリップ・カウフマン監督の作品だけあ
るわい。サスペンスの出だしとしては上々です。 (*^。^*)
と思ったら、いきなり強〜いアシュレイ・ジャドによる犯人逮捕劇が展開。な
んだ? これって女刑事がヒロインのフツーの刑事ものか?????
いえいえ、そんなことはありません。やっぱりアヤシク、魅惑的なサスペンス
がくり広げられるのです。
なんたって、殺人課に配属された主人公の女刑事ったら、バーで見つけた行き
ずりの男と簡単にエッチしちゃうんですから。
しかも彼女ったら、かつての両親の悲劇的な死が今も心の傷になっていて、そ
のせいかときどき意識を失ってしまうのだ。
そんな彼女が関係した男たちが次々に惨殺されて、捜査は難航。いやいや、そ
れどころか、自分自身が犯人かもしれないという疑惑が浮上してくる。なにしろ
犯行時刻には、彼女は意識を失っていて記憶がないのだから……。
てことで、捜査する刑事が「もしかしたら自分が犯人かも!?」と思ってしま
う構図が、なんともユニークでおもしろい。
そのミステリアスな構図をさらに盛り上げるのが、映像の魔力。オープニング
に象徴されるミステリアスで、さめたタッチの映像が、ナゾをさらに深〜いナゾ
の渦に巻き込んでいく。 (?_?)
疑惑は彼女だけでなく、その周囲の人々にも広がる。アンディ・ガルシア演じ
る相棒の刑事、かつて彼女と関係があった弁護士、彼女を追いかけるストーカー
的な警察官、彼女の相談に乗る精神科医、そしてサミュエル・L・ジャクソン演
じる彼女の育ての親。
こうした人々がみんなアヤシくて、ナゾがどんどん深まっていくのだ。真相は
ずっーと闇の中です。
とはいえ、主人公が意識を失うことについては、内的なものではなく外的要因
によるらしいことが意外に早くわかっちゃうのね。
おまけに、結末は予想の範囲内。主人公の両親の死も関係しているらしいこと
を考えれば、だいたいあの真相は見えるよなぁ〜。なんたって、テレビの2時間
ドラマで鍛えたボクだもの。 (^0^)
それでも真相に至るまでは、かなり引っ張られてしまいました。混乱させるの
がウマイのね。「あ、やっぱアイツが犯人か!」と思わせて「いやいや、コイツ
も怪しいな。ホントはこっち?」という感じで。ココかと思えばまたまたアチラ。
アチラかと思えばまたまたココ。ココかと思えばまたまたアチラ。アチラかと
思えば……て、シツコイっちゅうに!!! (`´メ)
欲を言えば、主人公のヒリヒリするような悩み、苦しみがもっと伝わってくる
と良かった気がします。真犯人が誰かを混乱させるのに忙しくて、そのへんはや
や浅めにしか描かれなかった感じ。
行きずりの男と次々に関係するあたりの心的背景を、もう少しキッチリ描くと、
主人公の人間ドラマとしても深みが出た気がするのですが……。だって、あれ
じゃただの淫乱女だもんね。
それでも、サスペンスとしてはまずまずのものでしょう。陰の部分をうまく出
していたアシュレイ・ジャド、怪しさを漂わせたサミュエル・L・ジャクソン、
アンディ・ガルシアの演技もさすがでした。
特別に「すげぇー!!」てな感じのサスペンスではありませんが、魅力的な映
像と最後までナゾを引っ張る構成力で、平均点の出来にはなっている感じ。
あなたも最後まで引っ張られてみますか。 グイーッとね。
(; ・_・)―――――――――C<―_-) イテ!
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(ナゾに満ちたサスペンスとしては、まあまあの出来。映像の魅力も加わって、
それなりに仕上がっています。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年10月10日(土)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後4時30分の
回。
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■3.今週のニュースあれこれ
◎『スーパーマン』シリーズのクリストファー・リーヴが死去。
◎『華氏911』が大統領選前日にテレビ放映。
◎ジョン・ウーが人気フィギュアシリーズを映画化。
映画『スーパーマン』シリーズの主演俳優で、落馬事故による脊髄損傷で首か
ら下の自由を失ってからも、様々な活動をしてきたクリストファー・リーヴが死
去。52歳でした。
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■4.今週の新作映画情報■
<今週末(10/16)に公開のおもな新作映画>
●『エクソシスト ビギニング』→ http://www.exorcist-beginning.jp/
●『スクービー・ドゥー2 モンスター パニック』
→ http://www.scooby-doo2.jp/
●『トルク』→ http://www.torque.jp/
●『ハッスル!』→ http://www.losdebutantes.com/ (チリ)
●『スペースポリス』→ http://www.kss-movie.com/sp/index.html
●『菊花の香り 世界でいちばん愛されたひと』
→ http://www.taki-c.co.jp/kikka/
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■5.メールちょうだいッ!!■
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
◆今週は(badboy)さんから『モンスター』についての感想をいただきました。
<シャリーズ・セロンが恐い! 暴力やレイプもどきの男をやっつけるという
自分を正義化するところも見られましたが、最後に悪気もない親切な老人を殺し
てしまうところでまともに戻った瞬間は、ちょっぴりホッとしました。>
◆また、(けいこ)さんからは、『天国の口、終わりの楽園』や『ミシェル・
ヴァイヨン』の感想などをいただきました。
◆さらに、(にゃんぞう)さんからは、「このメルマガとTVブロスの映画評
が自分の指標になってます。が、今回(『アイ,ロボット』)はちょっと激しく
ネタバレだったのでは?」というご意見をいただきました。たしかに、ご指摘の
「敵だと思っていたロボットが味方になってしまう展開は〜」というところはネ
タバレかも。以後、気をつけますので今後ともよろしくお願いします。
メールをくださった方、ありがとうございました。 m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■6.ぽちのひとりごと■
*先週の台風襲来の当日に映画館の前まで行ったものの、雨脚が強まり断念。
その後、スサマジイ雨と風が……。やめてよかったぁ〜。ちなみに、その翌日
にシネコンに行ったらガラガラ。ほとんど貸し切り状態でありました。
*今週のレビューには間に合いませんでしたが、現在テアトル新宿・池袋など
で公開中の『オーバードライヴ』も、なかなかおもしろかったです。話はアホな
スポ根モノ(スポーツじゃないけど)なのだが、津軽三味線の魅力がたっぷり
詰まった楽しい映画でした。
(ぽち)
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☆このメールマガジンは
・『melma!』 http://www.melma.com/ ID:m00025647
を利用して発行しています。
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.250 2004.10.15
●編集発行人:ぽち
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(発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
倒でもホームページまたは上記システムからお願いします。)
☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の
団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
●Copyright(c)1999-2004 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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