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個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。

  • 最新号:2008-10-10
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Cinemaの王国 vol.246

発行日: 2004/9/17


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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.246(2004. 9.17)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『ヴィレッジ』―
■2.今週のもう1本!
  ―『スウィングガールズ』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

食欲の秋だ! スポーツの秋だ! 映画の秋だ!? てことで、今週末からの
3連休に映画館に行かれる方も多いことでしょう。そんな映画鑑賞の参考には、
ほとんどならないと思いますが、今週も2本のレビューをお届けします。
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●『ヴィレッジ』(THE VILLAGE)
(2004年 アメリカ)(上映時間1時間48分)
監督・脚本・製作:M・ナイト・シャマラン
出演:ホアキン・フェニックス、ブライス・ダラス・ハワード、ウィリアム・
ハート、シガーニー・ウィーバー、エイドリアン・ブロディ
*日劇3ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.movies.co.jp/village/
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<ストーリー>
1897年、深い森に囲まれ、外界から遮断されたペンシルヴァニア州の小さな村。
住民たちは、巨大な家族のような強い絆で結ばれていた。そして彼らには守らな
ければならない3つの掟があった。長い間掟を守り、森に立ち入らなかった村人
たち。だが、ある日、掟を揺るがす事件が起きる……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この程度のネタじゃもう驚きません。シャマランも過渡期かなぁ〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ハリウッドデビュー作『シックス・センス』でユニークな才能を見せつけ、
『アンブレイカブル』でどうにか二作目を切り抜けたものの、『サイン』でペプ
シマンもどきの宇宙人を登場させて失笑を買ったM・ナイト・シャマラン監督の
新作。まあ、ここが彼にとっての正念場ということになりますか。いくら何でも
二作続けてダメダメじゃあねぇ〜〜。

さて、今作の時代設定は19世紀末。森に囲まれて外部から遮断された不思議な
村に事件が起きる。それまで森に住むというナゾのバケモノと「お互いの生活を
脅かさない」という協定を守ってきた村人たち。しかし、ある若者が森に立ち入
った直後から、村にバケモノが現れて人々の生活を混乱させる。
そんな中、若者は盲目の娘と結婚することになるが、娘を愛する別の男が嫉妬
にかられて若者を刺してしまう。若者を救うには禁断の森を抜けて、街まで行っ
て薬をとってこなければならない。盲目の娘はその役目を申し出るが……。

この映画については、完全な報道管制が敷かれて試写会で誓約書までとられて
いるとか。てことは、ここまでバラしたのはボクが最初か? どうだザマーミ
ロ! て、そんなことはないですね。スイマセン。調子に乗り過ぎました。

とにもかくにも、もともとアヤシイ雰囲気の映画がお得意のシャマラン作品だ
けあって、今回もなかなかのものでやんす。
不可思議な村の住人と森に住むというバケモノとの微妙な均衡。登場する村は、
いかにもアヤシイ雰囲気だし、村人もどう考えてもヘン。たとえば、赤いものを
極端に嫌うとか。

ホアキン・フェニックス演じる陰のある男、彼と恋仲になる盲目の娘(ロン・
ハワード監督の娘のブライス・ダラス・ハワードが好演)、オスカー俳優エイド
リアン・ブロディ演じるちょっと頭の弱い青年、こちらもオスカー俳優のウィリ
アム・ハート演じる村のリーダー、シガニー・ウィーバー演じる主人公の母親な
どなど、みんな何かしら秘密を持っているようでアヤシすぎます。

こういう人たちがアヤシサのエッセンスをたっぷりふりまき、ところどころで
観客をギャッと驚かせ、進行していく物語。
だけど、いまひとつリアルなコワサがないんだよなぁ〜。だいたい肝心の森が
セコイんだもん。夜はともかく、昼はちっともコワクないっス。どう考えたって、
あんなにセコイ森に怪物なんか住んでいるとは思えんゾ。 (`ヘ´) 

もしかしたら、これには森に対する日本人と欧米人の考え方の差もあるかも。
ホラ、外国の人ってけっこう森を恐がるでしょ。魔物が住むとかいってサ。で
も、日本人は鎮守の森というように神秘性は感じても、魔物のいるところって感
覚はあんまりないもんね。そういう違いもあるのかしら。 (~ヘ~;)

なんにしても、バケモノと村人の均衡が徐々に破れて、主人公の若者が刺され
たことから、ついに盲目の娘が禁断の森へ〜〜〜〜!! (^o^)/

てことで、いよいよシャマラン監督お決まりのドンデン返しが待ってます。で
も、これ、そんなに驚くようなネタじゃなかったなぁ〜。ボクにとっての衝撃度
はゼロ。バケモノの明確な正体はともかく、事件の輪郭はかなり早いうちに見え
ちゃってたもんね。バケモノなんかより生きた人間のほうがコワイのは当たり前
なんだしさぁ〜。
19世紀末という時代そのものをネタにしちゃうってのも、あんまり感心しませ
んでしたね。だったら、それをもっと強烈に叩き込んでおかないと、インパクト
が弱いもん。

その代わりドラマ的には、彼の作品にしては深みがある映画かもしれません。
なにしろ3つの愛の物語を展開しているのですから。主人公の青年と盲目の娘と
の愛、その娘を愛する別の青年のあまりにも純粋すぎて危険な愛、そして村のリ
ーダーの愛。それぞれの愛の物語を描き出し、それがこの村に隠された秘密と絡
まっていく。そのあたりの描写はなかなか魅力的。

悲しみを背負って傷ついた人々を通して、社会の闇のようなものをあぶり出し
ていくところも、これまでのシャマラン映画にはあまり見られなかったところ
かもしれません。

とはいうものの、とてつもなく深いドラマってほどではありません。別に胸に
迫る何かがあるわけじゃナシ。「ふーん、そうなの」って感じで通り過ぎてい
きました。

期待させた割には、「衝撃の結末」に衝撃はナシ。ドラマ性でカバーしている
ものの、なんだかツメが甘くて物足りず。『サイン』よりはやや持ち直したもの
の、まだまだ才能を充分に発揮したとはいえないなぁ〜。シャマラン監督も過渡
期でしょうか。いっそこの際、「衝撃の結末」なんてやめちゃえば? でも、そ
んなシャマラン映画は誰も観ないか……。シャマランよ、キミはこれからどこへ
行く? (・_・?)

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆(+1/2★)【ちょっとだけオススメ。おヒマでしたらどうぞ】
(結末の衝撃度を期待しすぎなければ、それなりに楽しめ映画だとは思うけど。
もっともっと才能のある監督だと思うんだけどね。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年9月11日(土)池袋シネマサンシャインにて。午後1時20分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

最近なんだか日本映画が良い! てことで今週も日本映画を1本。
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●『スウィングガールズ』
(2004年 日本)(上映時間1時間44分)
監督・脚本:矢口史靖
出演:上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカ、豊島由佳梨、平岡祐太、竹中
直人、白石美帆、小日向文世、渡辺えり子、谷啓
*シャンテシネほか東宝洋画系にて全国公開中
ホームページ http://www.swinggirls.jp/
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<ストーリー>
夏休み、数学の補習に集まった女子高校生たち。友子(上野樹里)が校庭を眺
めていると、一台の車が到着する。野球部を応援するブラスバンド部の昼食を届
けに来た弁当屋が遅刻したのだ。授業をサボりたい友子たちは、自分たちで弁当
を届けることにする。ところが、その弁当を食べた部員が食中毒になってしまい、
次の試合までに即席ブラスバンドを結成しなければならなくなってしまう。弁当
が傷んだのは運び方が悪かったからだと責められた友子たちは、仕方なく楽器の
練習を始めるが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ウォーターボーイズ』女子高生版。でも、柳の下にまたドジョウがいたゾ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いぐねぇ? いぐねぇ? ジャズやるべぇ」
というわけで、『ウォーターボーイズ』の矢口史靖監督の新作。これ、はっき
り言って『ウォターボーイズ』の二番煎じです。男子高生が女子高生に、シンク
ロがジャズのビッグバンドに変わったという、ただそれだけのこと。
何事にもやる気のない高校生が、熱中できるものを見つけて……というストー
リー展開も似たようなもの。 (´ヘ`;)

こういう二番煎じ映画は、たいていは前作に及ばないんですけどね。この映画
は違いました。柳の下にちゃ〜んと二匹目のドジョウがいた感じです。おもしろ
さという点では前作を完全に超えちまいました。 (*^。^*)

何がいいって、女子高生とジャズのビッグバンドという意表を突いた取り合わ
せがいいよなぁ〜。ロックとかポップスならともかく、ジャズだもんなぁ〜。
でもって、東北を舞台にしたのも大正解。東北弁がとっても良い味を出してる
んです。

主人公は友子をはじめやる気のない女子高生たち。コイツらが、たまたま運ん
だ弁当でブラスバンド部が食中毒に。その責任を問われ、補習をサボれる魅力も
手伝って、臨時のブラスバンド部員として楽器を練習する女子高生たち。しかし、
初体験の楽器に四苦八苦。しかも、ジャズに出会ってようやくやる気になったら、
意外にも早く正規の部員たちが復帰して……。

全体がとにかく、明るい! 楽しい! 笑える! の三拍子揃い踏み。強引な
展開も多いけれど、あまりの楽しさにそんなこと吹っ飛んでしまいます。

大ネタ小ネタ取り混ぜて、あらゆる手法で観客を笑わせる矢口監督。おもしろ
いシーンはたくさんありますが、ボクが一番笑ったのは、イノシシ退治のネタ。
ひょんなことから女子高生たちがイノシシ退治をしちゃうんですが(ジャズはど
うした?)、そこを静止画というか、博物館にある展示物みたいな映像で描いち
ゃってるんです。これ、爆笑でしたねぇ〜。良いセンスしてますねぇ〜。

バンドのメンバーの元彼たちが、惨めったらしいフォークデュオを結成したと
ころも爆笑。ペットボトルを使った特訓だとか、楽器の練習風景も興味津々で
なかなか楽しかったです。テンポの良さも前作以上。

だいたい上野樹里(『ジョゼと虎と魚たち』でも存在感アリ)をはじめとする
女子高生たちが、みんなとんでもなく明るくて、楽しくて、ハチャメチャ。冒頭
の弁当を届ける話からして、デタラメでハジケすぎです。こういう人たちがマジ
にジャズに取り組むから、楽しくて仕方がないんですよねぇ〜。 (*^。^*)

もちろん実際の高校生はみんなこんなじゃないワケで、暗いところだってある
のは当然ですが、そういうことを全部いさぎよく捨て去っているところに逆に好
感が持てます。

『ウォーターボーイズ』にも出ていた竹中直人や、先生役の白石美帆、小日向
文世、渡辺えり子、谷啓といった役者たちも、ツボを押さえた演技を披露。

クライマックスの演奏シーンがこれまた素晴らしい! なんでも、彼女たち
(男も1人参加で黒一点!?)は本当に特訓して、吹き替えなしで実際に演奏し
たそうです。「イン・ザ・ムード」「ムーンナイト・セレナーデ」「シング・シ
ング・シング」「A列車で行こう」など、ジャズの名曲を本当に演奏しちゃって
ます。だから、ウソくささがまったくないんです。
聞いているだけでノリノリになれるこの演奏場面の見事さは、ジャック・ブラ
ック主演『スクール・オブ・ロック』のクライマックスシーンにも匹敵。映画
の中の観客はもちろん、映画を観ている観客まで楽しくさせちゃうんですから。
クドクドと後日談など描かず、キッパリと終わったラストも好きです。

中途半端な感動のドラマなど構築せず、ひたすら楽しい映画に徹した姿勢に拍
手。二番煎じの映画をつくるなら、こうして開き直って徹底してつくらなきゃ。
映画館を出るときに、明るい気持ちになれることは絶対保証だ〜いッ!
V(^O^)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(とにかく楽しい映画です。青春ファンタジーとしてはかなりの出来。特訓し
た女子高生役のコたちも見事!)
                         <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年9月12日(日)ユナイテッド・シネマとしまえんにて。午後2時30分の
回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.今週のニュースあれこれ

◎ヴェネチア国際映画祭、金獅子賞はマイク・リー監督の『ベラ・ドレイク』。
◎ドリームワークスが黒澤明監督の『生きる』をリメイク。
◎シャロン・ストーンが初のエミー賞受賞。

ヴェネチア映画祭金獅子賞のマイク・リー監督『ベラ・ドレイク』は、英国で
堕胎が禁止されていた1950年代、違法と知りながら中絶の手伝いをしていた女性
を描いた人間ドラマ。日本のマスコミが騒いでいた宮崎駿監督『ハウルの動く城』
は、オゼッラ賞(技術貢献賞)でした。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.今週の新作映画情報■

<今週末(9/18)に公開のおもな新作映画>
●『アイ,ロボット』→ http://www.foxjapan.com/movies/irobot/
●『トゥー・ブラザーズ』
→ http://www.herald.co.jp/official/two_brothers/index.shtml
●『インファナル・アフェア 無間序曲』
→ http://www.infernal.jp/index_top.shtml

今週も超メジャーから、誰も知らない映画まで、たくさんの映画が公開なので、
HPにそれぞれの公式HPのアドレスをまとめて紹介しておきました。
→ http://homepage1.nifty.com/pochie/konshuframe.htm
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■6.ぽちのひとりごと■

*先週の日曜日、としまえんの隣の「ユナイテッド・シネマとしまえん」とい
うシネコンに初潜入。さすがにアミューズメントパークの隣にあるだけに、館内
をジェットコースターが走り回り……、てそんなワケないですね。フツーのシネ
コンでした。当たり前や!

*今週はマイケル・ウィンターボトム監督の『CODE46』も観たのですが、
それは次号またはHPにて。
                            (ぽち)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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・『melma!』 http://www.melma.com/    ID:m00025647
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■週刊「Cinemaの王国」  vol.246  2004. 9.17
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ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
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