個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。
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Cinemaの王国 vol.239
発行日: 2004/7/30
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=週刊「Cinemaの王国」= vol.239(2004. 7.30)
http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
―『キング・アーサー』―
■2.今週のもう1本!
―『永遠の片想い』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■
いよいよ8月ですねぇ〜。なにが「いよいよ」かわかりませんが(笑)。
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●『キング・アーサー』(KING ARTHUR)
(2004年 アメリカ)(上映時間2時間6分)
監督:アントワン・フークア
出演:クライヴ・オーウェン、キーラ・ナイトレイ、ステラン・スカルスゲー
ルド、スティーヴン・ディレイン、ヒュー・ダンシー
*丸の内ルーブルほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://www.movies.co.jp/kingarthur/
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<ストーリー>
西暦415年。ローマ帝国の撤退で滅亡の危機に陥るブリテン。ローマ軍指揮官ア
ーサー(クライヴ・オーウェン)は、ブリテン人の母を同胞に殺されて恨んで
いた。円卓の騎士を率いてローマ教皇の命を受けて戦うアーサーだったが、ブ
リテン女性グウィネヴィアとの出会いから、ブリテン人の血が目覚めていく…
…。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
伝説を人間ドラマで描いたユニークな映画。ただし、お手軽な印象が拭えず
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宝剣エクスカリバーを手にしたアーサー王が、円卓の騎士とともに激戦を勝ち
抜き、戦乱の世に平和をもたらしたという西洋史上最大の伝説が「アーサー王
と円卓の騎士」。それを思い切って映画化してしまったのがこの映画です。
ま、偉そうなこと言っているボクも、あんまり詳しくないんですけどね。
ブリテン人の母を同胞に殺され、ローマ軍の指揮官として戦っていたアーサー
王が、やがて自分のアイデンティティに目覚めて、ブリテンのために無法者と
戦うようになる……てのが、おおまかなあらすじ。
どうやら、アーサー王をはじめとする登場人物や、宝剣エクスカリバーなどの
アイテムはほぼ伝説通りに描かれているようです。
製作は『パール・ハーバー』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの大作を
手がけてきたジェリー・ブラッカイマー。それだけに、スケールの大きさはハ
ンパではない。特に戦闘シーンの迫力はかなりのもので、兵士同士の1対1の
戦い、大軍の突撃、空を舞い飛ぶ矢、焼き払われる村など、ド迫力の映像が続
々と登場。ハンス・ジマーの音楽も雰囲気を盛り上げています。
そして、この映画の最大の特徴は、1500年も前の伝説でありながら、登場人物
を生身の人間として描き、愛や友情、葛藤などの人間ドラマを展開していると
ころ。この視点は実にユニークで、好感が持てました。 (*^_^*)
前半は、せっかく自由になれたと思った騎士たちがローマ教皇の命令によって
最後の、しかも過酷な戦いに乗り出していきます。そこで、部下に命令を伝え
ねばならぬアーサーの苦悩や、戸惑いつつもそれに従う騎士たちの忠誠心など
の心理が、それなりにきちんと描かれています。
キリスト教徒の異教徒に対する残虐な振る舞いも、臆することなく描き出して
います。
ただし、それほど胸に迫るドラマが展開するワケではありません。特に中盤か
ら後半にかけては、ドラマ的に首をひねる場面が増えてきます。 (・_・?)
同朋に対して屈折した感情を持ち、協力を拒んでいたはずのアーサーが、それ
を翻意するあたりの心情はお手軽というか、ありがちというか……。
母を殺し、自分たちを命の危険にさらした敵とアッサリ手を結ぶのだから、納
得できる描き方をして欲しいのに、とてもそうはなっていません。
ていうか、どっちかというと、アーサーの翻意はグウィネヴィアという女性(
恐ろしく強いぃ〜〜〜)との出会いが原因では? と思わせる描き方になって
いるのね。決断の前に彼女とベッドインするシーンを描いたりしてサ。それで
いいのか?
そのアーサー王に騎士たちが従うところも不自然。アーサーにとって故郷のブ
リテンも、彼らにとってはよその土地(他から連れてこられた)。それなのに
、せっかく勝ち取った自由を捨てて、あんなにアッサリと気持を変えるか?
いくら忠誠心が強いったって、あれじゃ人間ドラマとしては弱いよねぇ〜。
(´ヘ`;)
まあ、伝説を熟知している西洋の人は、あの程度のお手軽な描き方でも納得し
ちゃうのかもしんないけどサ。そうじゃない人にとっては、とてもとても。
疑問点はもっとあって、たとえば、敵軍(サクソン人)の大将親子の仲が悪そ
うに描かれるので、「それが伏線になって何か起こるはず!」と思ったら、結
局な〜んにもありませんでした。完全な肩透かし。
また、アーサーに恋するグウィネヴィアに騎士の1人が思いを寄せるシーンが
チラチラ登場するのだが、これもなんだか中途半端であんまり意味ナシ。とて
も効果的なエピソードとは思えません。
てことで、せっかく伝説を人間ドラマとして描くというユニークな切り口を採
用しながら、お手軽で底の浅い描写が多く、ドラマ的にはかなり物足りないな
ぁ〜。
それでもあまり深く考えずに壮大な歴史モノとして観れば、それなりに楽しめ
るのはいかにもブラッカイマー製作の映画という感じです。
むしろ印象に残ったのは、アーサー王や円卓の騎士より、キーラ・ナイトレイ
演じるグウィネヴィアですッ! 彼女ったら強すぎるぅ〜、美しすぎるぅ〜。
アーサー真っ青の活躍だよ〜ん!!
『ベッカムに恋して』の頃は、普通に美人なお姉さんという雰囲気だったキー
ラ、なんだか大化けしつつある感じですなぁ〜。 (*^。^*)
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
(けっこう話がややこしいので、「アーサー王と円卓の騎士」の伝説を知らな
いとたぶん混乱します。観るなら軽〜くでも予習をオススメします。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年7月26日(月)池袋シネマ・ロサにて。午後3時30分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■2.今週のもう1本!■
最近、韓国映画がたくさん公開されています。その中でも、これは良いッ!
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●『永遠の片想い』(LOVERS CONCERTO)
(2002年 韓国)(上映時間1時間45分)
監督・脚本:イ・ハン
出演:チャ・テヒョン、ソン・イェジン、イ・ウンジュ、ムン・グニョン、パ
ク・ヨンウ、キム・ナムジン
*シネ・リーブル池袋にて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://www.eien-kataomoi.com/
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<ストーリー>
ある日、ジファン(チャ・テヒョン)の元に、差出人の名前のない封書が届く
。中にはモノクロ写真が1枚入っていた。それを見たジファンは5年前のことを
思い出す。先輩の喫茶店でバイトをしていたジファンは、店に来たスイン(ソ
ン・イェジン)にひと目ぼれする。スインの親友ギョンヒ(イ・ウンジュ)を
交えて友情をはぐくんでいく3人だったが、やがて思わぬ出来事が……。
<レビュー>
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ノスタルジックな恋愛劇は韓国映画の十八番。切なさが胸に染みますッ!
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ノスタルジックで切ない恋愛劇は、最近の韓国映画の十八番。母娘二代の恋を
描いた『ラブストーリー』なんて、たまらなかったですからねぇ〜。
韓国で、その『ラブストーリー』をしのぐ人気を集めたのがこの映画。こちら
も切ない恋愛映画です。 (T^T)
ただし、この映画、ボクの苦手な「難病モノ」。しかも、ダブル。嫌です。観
たくありませ〜ん。と言いたいところだが、これがけっこうイケるのヨ〜。
(*^_^*)
というのも、最初のうちはごくフツーの青春映画が展開していくんです。
喫茶店でバイトをしているジファンという男のコの前に、スインとギョンヒと
いう2人の女のコが現れる。ジファンはスインにひと目ぼれしてアタックする
ものの、あえなく失敗。だが、それをきっかけに3人はたびたび会うようにな
り、友情をはぐくんでいく……。
前半は3人の楽しい日々が生き生きと描かれます。映画に行ったり、旅行をし
たり、なんということはない青春の日々だけれど、それが実に鮮やかにスクリ
ーンに刻み込まれていきます。後半の波乱の展開を予想させないそのキラキラ
した輝きが、やがて訪れる切なさをより深いものにしています。
その後は、いわば男1人と女2人の三角関係に突入するワケですが、彼&彼女
たちのビミョーな心の揺れ動きが巧みに表現されています。
最初はスインにひと目ぼれしたジファンが、やがてギョンヒに惹かれていき、
ギョンヒもまた彼が好きになっていく。でも、最初から3人で1組だっただけ
に、それを崩すような行動にはどうしても踏み切れない。特にギョンヒにとっ
てスインは離れられない親友であり、自分だけ抜け駆けすることは絶対にでき
ない。そんな彼女のツライ気持がヒシヒシと伝わってきて、たまらないのヨ〜
〜。 (T^T)
3人のキャラクターもいいんです。
『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョンが演じるジファンは、優しくて元気の良い
男のコ。一方、彼が最初に好きになるスイン(『ラブストーリー』のソン・イ
ェジン)は、内気で身体が弱い女のコ(そこで難病モノくさいのがわかっちゃ
うんですが)。そして、彼女の親友のギョンヒ(『ブラザーフッド』のイ・ウ
ンジュ)は底抜けに明るく元気な女のコ。
それぞれ個性的な3人がぶつかり合って、陰影に富んだ青春ドラマを展開して
います。
5年前の出来事と現在の主人公を並行して描く手法も効果的。観客は、すでに
ジファンと2人の女のコが別れていることがわかるので、「どうしてそうなっ
たの?」「何があったの?」とナゾを抱えつつ、5年前の3人を注視すること
になるのです。
現在の話では、1枚の写真が入った差出人のない不思議な手紙のエピソードが
印象的。写真は、全編を通して重要なアイテムとして使われています。
また、同じく現在を描いたパートでは、主人公の妹の淡い恋が織り交ぜられて
いて、主人公の恋心と対比させているのが良い感じ。
さて、終盤は、どうして主人公と2人の女のコが別れたのかが、次第に明らか
になり、いよいよ難病モノの典型的パターンに入っていきます。
しかし、しかし、けっしてありきたりの感動物語にはなっていません。女のコ
たちの名前に関するある仕掛けが披露されて、おっとビックリ。え、そ、そう
だったのかぁ〜??? W(゜O゜)W
しかも、一度は「ああ、ハッピーエンドなのね」と思わせながら、その先には
さらにさらに深く切ない結末が待っています。ああ〜、ツライなぁ〜。
でも、けっして暗く重たい描き方をするのではなく、抑え目なタッチで、さり
げなく悲しい運命を描いていきます。だから、よけいに切なくなってしまうの
ですヨ。 (T^T)
美しい映像といい、感動をジワジワ浸透させる音楽といい、ホント「巧すぎぃ
〜〜〜!」ですねぇ〜。
韓国の抑えたタッチの恋愛映画といえば、思い出すのはハン・ソッキュとシム
・ウナによる『八月のクリスマス』。それと同様に、抑えたタッチでサラッと
描くことによって、よけいに切なさが伝わってくる映画です。ラストにかけて
の切なさの波状攻撃にはなすすべナシ。テレビの「冬ソナ」なんかより何倍も
切ないゾ!(「冬ソナ」ファンの方スイマセン。)
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(切ないぃ〜〜!! 『シュリ』や『ブラザーフッド』のような大作よりも、
こういう映画に韓国映画の真骨頂があると感じるのはボクだけだろうか。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年7月23日(金)シネ・リーブル池袋にて。午後4時45分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■3.今週のニュースあれこれ
◎『スター・ウォーズ エピソードIII』のタイトルが決定!
◎『M:I−3』の監督探しが難航。
◎『エデンの東』をロン・ハワード監督がリメイク。
◎『猿の惑星』『エイリアン』『ランボー』『スタートレック』などの作曲家
ジェリー・ゴールドスミスが死去。
『スター・ウォーズ エピソードIII』のタイトルは、『リベンジ・オブ・ザ
・シス』(原題)(シスの復讐)となったそうです。ちなみに「シス」とは、
ジェダイの教えに反し、フォースの暗黒面に身を投じた狂信者集団のこと。20
05年5月全米公開予定です。
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■4.今週の新作映画情報■
<今週末(7/31)に公開のおもな新作映画>
●『ぼくセザール 10歳半 1m39cm』→ http://boku10.com/
●『ドリーマーズ』
→ http://www.herald.co.jp/official/dreamers/index.shtml
●『風音』→ http://www.cine.co.jp/fuon/index.htm
●『好きと言えるまでの恋愛猶予』→ http://www.renaiyuyo.jp/
●『エルヴィス・オン・ステージ スペシャル・エディション』
→ http://www.shochiku-eigakan.com/east/elvis/e_01.html
●『カーサ・エスペランサ 赤ちゃんたちの家』
→ http://www.casa-esperanza.net/
●『ドット・ジ・アイ』→ http://www.dot-the-i.jp/
●『機関車先生』→ http://kikansha.tv/pc/
●『父と暮せば』→ http://www.chichitokuraseba.com/
●『Mの物語』→ http://www.finefilms.co.jp/m/
●『マエストロ』→ http://www.nowonmedia.com/MAESTRO/
●『地球で最後のふたり』→ http://www.klockworx.com/chikyu/
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■5.メールちょうだいッ!!■
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
◆今週は少し長めになったので、メールの紹介はお休みです。
メールをくださったみなさん、ありがとうございました。 m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■6.ぽちのひとりごと■
*今号から新しいメルマガ編集ソフトで編集しようと思ったのだが、慣れない
のでとんでもなく時間がかかり、ついに途中で断念して元のソフトを使用。は
たして、いつになったら新ソフトを使いこなせるのやら……。
(ぽち)
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☆このメールマガジンは
・『melma!』 http://www.melma.com/ ID:m00025647
を利用して発行しています。
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.239 2004. 7.30
●編集発行人:ぽち
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(発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
倒でもホームページまたは上記システムからお願いします。)
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団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
●Copyright(c)1999-2004 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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