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Cinemaの王国 vol.235
発行日: 2004/7/2
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=週刊「Cinemaの王国」= vol.235(2004. 7. 2)
http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
―『ブラザーフッド』―
■2.今週のもう1本!
―『子猫をお願い』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■
今週は韓国映画特集です! いや、ホントはただの偶然なんですけどね。
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●『ブラザーフッド』(TAEGUKGI)
(2004年 韓国)(上映時間2時間28分)
監督・脚本:カン・ジェギュ
出演:チャン・ドンゴン、ウォンビン、イ・ウンジュ、コン・ヒョンジン、チ
ェ・ミンシク、キム・スロ
*日比谷スカラ座ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.brotherhood-movie.jp/
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<ストーリー>
朝鮮戦争の戦場となった場所で遺骨発掘が行われ、そこからイ・ジンソクとい
う兵士の遺品が出てくる。実は、それは彼の兄ジンテのものだった。1950年代
の戦争勃発直後、強制徴用された弟ジンソク(ウォンビン)の身の上を案じて
、自らも戦地におもむく兄ジンテ(チャン・ドンゴン)。激戦の最前線で、勲
章をもらえば弟を除隊させられると危険な任務を進んで引き受けるが、そんな
兄にジンソクは反発し始める……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
超ヘビー級のメガトンパンチ。力ワザでねじ伏せられる戦場での兄弟愛の物語
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ズシリと重い超ヘビー級のメガトンパンチのような映画です。観終わってグダ
ーッと疲労感を感じてしまいました。とにかく見応えは十分。 (−_^;)
『シュリ』のカン・ジェギュ監督が、朝鮮戦争を舞台に兄弟愛を描いた映画。
仲の良い兄弟の弟が、朝鮮戦争勃発とともに強制徴用され、それを阻止しよう
とした兄も一緒に連行されて、戦場に送り出されてしまう。
この設定がどうにも納得できん! (`ヘ´)
いくら仲が良いからって、わざわざ自分で徴用列車に乗り込むか? 黙っとき
ゃ、自分は徴用されなかったのにサ。兄弟で共倒れしたら家族はどうなる?
な〜んてことを言っていては話が始まらないので、それはまあいいでしょう。
オープニングは現代のシーン。年老いた弟ジンソクのところに、「ジンソクと
いう名の遺品が出た」との連絡。実は、それは彼の兄ジンテのものだった。
というわけで、そこから先は50年以上も前の朝鮮戦争にさかのぼります。でも
って、ほとんどが戦場でのシーンです。スゴイです。参りました。(_ _,)/~~
なにしろ弾丸バリバリ、爆弾ズドン、炎メラメラ、手足は吹き飛ばされ、顔面
はつぶれ、血がドクドク。
『プラトーン』だの『プライベート・ライアン』だの、戦闘シーンの凄まじさ
が話題になった映画は数あれど、それらに優るとも劣らない超絶の迫力。な、
なんじゃこりゃぁ〜〜〜〜。オエ〜〜〜。 (゜〇゜;)
戦闘シーンだけでなく、その舞台裏でも、人間がまさに悪魔と化し、ぶっ殺し
あいをする地獄絵図がド迫力で描かれていきます。
その中で、兄弟の愛と対立の物語が展開されます。
弟を除隊させるために、勲章をもらおうと戦争の鬼になって戦う兄。それに対
して、しだいに違和感を感じ、ついに決定的に対立する弟。
そして、やがて悲劇が起きる。国家に忠誠を尽くして貢献したはずなのに、兄
弟と家族の身の上にとんでもないことが起きてしまう。 (T^T)
だから、いつも言ってるでしょ! 国家なんて信用できないんだからサ。
そういう韓国の歴史の傷の部分も、きちんと描き出しているワケ。
とにかくねぇ〜、熱いのよ。細かいアラはいろいろあれど、力ワザでグイグイ
と押し倒して、感動の渦に引き込もうとするんです。ほらほらほら! スゲェ
ー悲劇だろう? これに感動できなくてどーすんだ? みたいな強引さで、観
客をスクリーンに引きずり込んでいきます。
それがもっとも端的に表われるのが、ラストの戦場での再会シーン。すごい盛
り上げようです。ていうか、あんなことありえねぇ〜〜〜。そこまでやるか?
冷静に見れば疑問を持つようなこともおかまいナシ。無理無理引きずられてい
くボクたち観客。 ( `.'メ)==C彡。O)…ズルズル…
兄弟役のチャン・ドンゴンとウォンビンの演技も、これまた熱い、熱い。この
映画のタッチにはピッタリコンでヤケドしそうだぜ。 (∋_∈)
というわけで、強引すぎるほど強引な手口で盛り上げる兄弟愛のドラマは、そ
れなりに見応えがあります。クライマックスで感涙にむせぶ人もいるのでは?
でもさぁ、あそこまで全編気合の入りすぎじゃ疲れちゃうよね。最初から最後
までずーとアップの連続だし……。
特にボクのようなヒネクレ者は、あまりの力ワザの連続に、なんだかちょっと
居心地が悪い感じがしちゃいました。「どうだ感動するだろ?」な〜んて言わ
れると、つい反発したくなるもので。 (*^^*ゞ
全体にあまりにも一本調子なんだよね。盛り上げるのはいいけれど、もう少し
メリハリをつけて欲しかったなぁ〜。
そういうこともあって、個人的には兄弟愛の物語にはイマイチ感動できず。そ
れよりも、印象に残ったのが戦争の凄まじさ。
あの戦場でのシーンの前ではもう何も言えません。戦争なんてただの人殺し。
大義名分とかイデオロギーなんて関係ナシ。それがよーくわかる映画です。日
本にも戦争をしたい人がチラホラいるみたいですが、これ観ても戦争したいヤ
ツは人間じゃありません!!!!!
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(力ワザの連続攻撃はボクの好みではないけれど、戦争の悲惨さを実感する意
味でも観る価値はある映画だと思う。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年6月29日(火)池袋HUMAXシネマズ4にて。午後1時50分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■2.今週のもう1本!■
個人的には、次に紹介する映画のほうが『ブラザーフッド』より気に入りまし
たね。ミニシアター公開なのが残念。
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●『子猫をお願い』(TAKE CARE OF MY CAT)
(2001年 韓国)(上映時間1時間52分)
監督・脚本:チョン・ジェウン
出演:ペ・ドゥナ、イ・ヨウォン、オク・ジヨン、イ・ウンシル
*ユーロスペースにて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://www.koneko-onegai.jp/
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<ストーリー>
ソウルの近郊都市インチョンの女子商業高校を卒業した5人の女の子たち。高
校時代はあんなに仲良しだったのに、卒業後は別々の道を歩き出し、仲たがい
をしたり、また集まったりの毎日。そして、やがて、それぞれが新しい旅立ち
を迎える……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
女の子たちの微妙な関係をみずみずしく描写した青春映画の秀作
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「子猫をお願い」ったって、ウチはアパートで猫買えないしなぁ〜。 ミャー
ミャー 〜(=^・・^)ヘ >゜)))彡
て、そういうことじゃないか。
これは間違いなく青春映画の秀作です。何気ない毎日から、女のコたちの繊細
な心理を切り取っていく。その切り取り方が実に鮮やかな映画なのです。
オープニングは、無邪気にはしゃぐ5人の女子高生の姿。暗さなどみじんもな
い。このコたちが卒業後どうなっていったのか。友情の微妙な変化を軸に描き
出していく。
もちろん、高校時代だって、それなりに背負っていたものもあっただろうし、
ツライこともあったはず。でも、それが大人への旅立ちを前にして、ズシンと
肩にのしかかってきて、彼女たちの友情にも大きな影を落としていく。
ドラマは、上昇志向が強く証券会社に勤めるヘジュと、幼い頃に両親を亡くし
祖父母とともにバラックに暮らす貧しいジヨンとの対立を軸に描かれる。
そんな2人を仲直りさせようとするのが、家業を手伝うテヒ。それに中国系の
双子の姉妹が加わった5人の日常がスケッチされていく。
そこでは、彼女たちの微妙な心理の変化が、セリフだけでなく、ちょっとした
しぐさや表情などで、みずみずしく的確にスケッチされていきます。ただ街を
歩いたり、携帯で話したり、そんなことだけで彼女たちの微妙な気持ちが、こ
ちらにヒシヒシと伝わってくるんですヨ。
日本のテレビドラマだとセリフが多すぎて、「そんなことまでセリフにすんな
よ〜〜」と思っちゃうんですけどね。橋田寿賀子センセイのドラマとかサ(あ
そこまでセリフが多けりゃ、もはや味だけど)。そういうのと対極のシャープ
で鮮烈な脚本と演出だと思います。 (*^。^*)
しかも、5人の友情だけでなく、彼女たちそれぞれの「今」もきちんと表現さ
れています。
ヘジュは男性上司にも気に入られ、何でも言うことを聞く彼もいる。その一方
で、両親の離婚や、大卒との待遇の差に悩んでいる。
ジヨンは定職もなく貧しい生活。屋根裏部屋でデザイン画を書き続ける毎日。
また、テヒは小児まひの青年詩人の家に通い、詩をタイプに打つボランティア
をしているが、同時に父親にうんざりして、「どこか違う世界に出て行きたい
」と夢見ている。
そういう彼女たちの陰の部分もしっかりとスケッチされています。
途中までは、大した事件も起きません。何てことのない日常だけれど、それを
実にうまいこと切り取っていくんです。携帯メールの文字をスクリーンに映す
ような細かなテクも新鮮。インチョンなどの街の様子や人々の姿なども、バッ
クで生き生きと描きこんでいます。
これだけ女のコの気持ちがわかるのだから、監督は女の人じゃないのかなぁ〜
、と思ったら、やっぱりそうでした。チョン・ジェウン監督は、この映画が長
編デビュー。『ほえる犬は噛まない』のポン・ジュノ監督が『殺人の追憶』で
大ブレークしたように、この人もこの先かなり活躍しそうな予感が……。
さて、ギスギスしつつも、何とか友情を保っている5人。このまま大きなこと
も起きずに終わるのかなぁ〜。それもまあいいかもね。などと思っていたら、
後半はおっとビックリの大事件。ジヨンにとんでもないことが起きてしまう。
この展開は、ちょっと唐突な感じもしたのだが、これをきっかけに各自の抱え
た困難がよりクッキリと浮かびあがり、そしてなんと彼女たちの新たな旅立ち
まで描いてしまうのだから見事です。ラストの「GOOD BYE」のさわや
かな余韻にも感心させられました。
被写体との距離感が良いのも魅力。ベタベタしているわけでも、突き放してい
るわけでもなく、ちょうどよい距離感を保っている。おかげで、チヨッピリほ
ろ苦いものの、全体としてはとっても温かく前向きなタッチになっています。
出てくる女の子たちもみんないいんですけどね。やっぱり『ほえる犬は噛まな
い』に主演していたペ・ドゥナがいちばんいいかな。あの自然体がたまらない
のです。ジヨン役の女のコの虚無的な表情も印象的。
少女から大人へと変化しつつある女のコたちの微妙な心理を、見事に描き切っ
た秀作。やや粗っぽいところも感じられるものの、デビュー作としては大満足
の出来だと思います。
そうそう、タイトルにある子猫ですが、この子猫が女のコたちの変化のポイン
トに使われているんです。この使い方もうまいなぁ〜。それに、とってもかわ
いい子猫なのよ〜〜〜。ゴロニャン 〜(=^・・^)ヾ(^^ )ヨシヨシ
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(温かくて、チョッピリ苦い青春映画。男のボクでも「うーん」とうなってし
まった女のコたちの見事な心理描写は必見だッ!)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年6月28日(月)ユーロスペースにて。午後4時30分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■3.今週のニュースあれこれ
◎マイケル・ムーア監督『華氏911』が全米初登場1位の快挙!
◎『スパイダーマン3』も製作決定!
◎ケイト・ウィンスレット、家族と過ごすためにウディ・アレン作品を降板。
共和党系の広告会社の圧力で、上映館が868館と少なめになった『華氏911』で
すが、見事全米ボックスオフィス第1位に輝き、ドキュメンタリーとしては異
例の大ヒットを記録。日本公開が待ち遠しい!
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■4.今週の新作映画情報■
<今週末(7/3)に公開のおもな新作映画>
●『友引忌』→ http://www.tomobiki.jp/
●『午後の五時』→ http://www.cinemabox.com/gogo/
●『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』
→ http://www.herald.co.jp/official/wild_range/index.shtml
●『イザベル・アジャーニの惑い』
→ http://www.elephant-picture.jp/madoi/
●『リヴ・フォーエヴァー』→ http://www.wisepolicy.com/liveforever/
●『いつか、きっと』→ http://www.gaga.ne.jp/ituka/
●『コンクリート』→ http://www.benten.org/concrete/
●『プッシーキャット大作戦』
→ http://www.biotide-films.com/pussy/index.html
●『危情少女 嵐嵐』
→ http://www.pal-ep.com/kijyou-syoujo/htm/kijyou-syoujo.htm
●『炎のジプシーブラス 地図にない村から』
→ http://www.plankton.co.jp/brassonfire/
●『集団殺人クラブ GROWING』
→ http://www.kss-movie.com/shu-dan/forever/index.html
●『舌 デッドリー・サイレンス』→ http://www.jaraku.com/shita/
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■5.メールちょうだいッ!!■
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
◆今週は『白いカラス』の感想をご紹介します。
<白いカラスってそういうことだったんですね。確かに重い、重い内容でした
。どうしようもないような重さでしたね。すごい内容なのに、その哀しみを避
けて通るみたいです。そういう描き方をあえてしたんでしょうね。風景描写の
ようでしたね。でも人はだれでも、どこかでいつも嘘を秘めて暮らしているの
かもしれませんよ・・。 (AK)さん>
◆うーん、たしかに人はみんなウソを秘めて暮らしているのかも。ま、ボクな
んぞ、人生そのものがウソみたいなもんですが(笑)。
メールをくださったみなさん、ありがとうございました。m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■6.ぽちのひとりごと■
*ブチッという音とともに、パソコンのモニターが壊れました。しょうがない
ので、近くのパソコン屋で5000円の中古モニターを購入して急場をしのいでい
ます。壊れたモニターを修理すべきか、はたまたこの際新しいパソコンを購入
すべきか(お金はないけど)、アレコレ思案中。
(ぽち)
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☆このメールマガジンは
・『melma!』 http://www.melma.com/ ID:m00025647
を利用して発行しています。
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.235 2004. 7. 2
●編集発行人:ぽち
●登録・解除はこちらからお願いします。
http://homepage1.nifty.com/pochie/moushikomi.htm
(発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
倒でもホームページまたは上記システムからお願いします。)
☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の
団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
●Copyright(c)1999-2004 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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