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個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。

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Cinemaの王国 vol.234

発行日: 2004/6/25


★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・

 =週刊「Cinemaの王国」= vol.234(2004. 6.25)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『白いカラス』―
■2.今週のもう1本!
  ―『キューティーハニー』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

あらまあ、6月も最終週ですか。1年の半分が終わろうとしているのですね。今
年もズルズルと過ぎていくような……。アハハハ(と笑ってゴマかす)。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『白いカラス』(THE HUMAN STAIN)
(2003年 アメリカ)(上映時間1時間48分)
監督:ロバート・ベントン
出演:アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、ゲイ
リー・シニーズ、ウェントワース・ミラー、アンナ・ディーヴァー・スミス
*みゆき座ほか東宝系にて全国公開中
ホームページ http://www.white-crow.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
名門アテナ大学の学部長コールマン・シルク(アンソニー・ホプキンス)は、
黒人学生への差別発言の疑いをかけられ、辞職に追い込まれてしまう。その知
らせを聞いてショックを受けた妻は、あっけなくこの世を去る。妻と職を失っ
たコールマンは、フォーニア(ニコール・キッドマン)という女性と知り合い
、生きる希望を持つようになるのだが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ウソに包まれた人生を描いた苦〜〜い人間ドラマ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ピュリッツアー賞作家フィリップ・ロスの原作を『クレイマー、クレイマー』
の巨匠ロバート・ベントン監督が映画化した作品。

これはねぇ〜、苦〜〜〜〜いドラマですよ。 (>_<")
ブラック・コーヒーをさらに濃く、濃く、濃〜〜〜くしたような苦さです。

オープニングは、雪道を進む車のシーン。運転するのはアンソニー・ホプキン
ス。そして、彼の肩にもたれかかるニコール・キッドマン。
おいおいおい! ジイサンと若い女のラブ・ロマンスか? そんなの気色悪く
て、あんまり見たくねぇなぁ〜〜〜。 (`ヘ´) 
などと思ったのでありました。

講義の最中に発した「スプーク」の一言が、黒人学生に対する差別発言だと非
難され、辞職に追い込まれてしまった大学教授コールマン。おまけに、そのシ
ョックで妻が急死してしまう。
それからしばらくして、若くて風変わりな女フォーニアと知り合ったコールマ
ンは、彼女にメロメロになってしまう……。 (*^。^*)

て、やっぱりそうですか。若い女に狂って奈落の底へ落ちていく男の心情をジ
ワリジワリと描いていくわけですね。滅びの美学? 落ちていく快楽? うー
ん、そういうのって、あんまり観る気しないんですけど。

でも、それにしちゃ、この元教授、なんだかヘン。そして、相手の若い女にも
暗い影が感じられるしなぁ〜。

と思っていたら、突然話は思わぬ方向に急展開。 w(゜o゜)w
若き日の元教授が描かれ、彼の出生の秘密が明かされていく。その具体的な内
容については、ここでは伏せますが、最初のほうの人種差別のエピソードが深
〜く関連しているんですよね。とにかくビックリの秘密。
でもって、その秘密ゆえに彼はウソの人生を生きることになるのです。

途中まで邦題の『白いカラス』というのは、ニコール・キッドマン演じるフォ
ーニアのことなのかと思っていたら、実はアンソニー・ホプキンス演じる元大
学教授コールマンのことだったんですねぇ〜。

一方、彼が愛したフォーニアも、過去の出来事によって心に深い傷を負い、今
もその悪夢を引きずったまま。

そんな2人の傷だらけの人生と愛を、淡々と、ていねいに描き出していく。そ
れが哀しくて、切なくて、とても苦いのです。
奇をてらったり刺激的な描写はほとんどないし、ストレートなメッセージもま
ったくナシ。それでも、観ているうちにジワジワと心に染みてくるんですよね
ぇ〜。凍てつくような映像も見事。 (~ヘ~;)

もちろん演じるのが名優アンソニー・ホプキンスと、最近大充実のニコール・
キッドマンだからこそ、これだけ深みのある描写が可能になったのでしょう。
それにしても、トム・クルーズと別れてからのニコールの活躍はスゴイ。別れ
てよかったわ!?

元教授の友人で、狂言回し役の小説家を演じるゲイリー・シニーズの重みのあ
る演技も印象的。そして、ニコール・キッドマンの夫役のエド・ハリスの狂気
に満ちた演技も心に残る。

ウソだらけの人生を背負った元教授と、心に傷を負った女。そんな2人の愛の
結末が悲劇的なことになるのは当然なわけで、これまた苦いよなぁ〜。大人の
ドラマだよなぁ〜。

気になるのは、なんだかずいぶん駆け足だったり、不自然な展開が多いこと。
これって、たぶん原作を2時間弱に収めるために、あっちこっちはしょったせ
いなんでしょうね。できれば、もっと大胆にカットして、そのへんをすっきり
させてし欲しかったのですが。

それに、コールマンのウソだらけの人生と、フォーリアの傷だらけの人生、そ
して2人のラブロマンスなど、いろんな要素が雑然と混在していて、ちょっと
散漫な感じがしてしまうのも惜しいところ。 (´ヘ`;)

それでも、久しぶりに出会った大人のドラマに、それなりに引き込まれてしま
いました。ジミだし、暗いし、苦すぎるけれど、良質な小説を読んだような余
韻が残る映画でした。

ただし、観終わったあとの充実感がイマイチ物足りなかったのは、全体の構成
がゆるいからでしょうか。それとも、ボクの内面がいまだにガキだからか!?

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(映像といい複雑な心理描写といい、なかなか見応えのある大人のドラマ。た
だし、構成をもっと練り上げれば、相当に感動できるドラマになったと思うの
だが……。ベストセラーの映画化って難しいですね。)
                            <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年6月19日(土)ワーナー・マイカル・シネマズ板橋にて。午後2時35分
の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

続いては、ほとんどの映画館で、今日で上映が終わっちゃう映画ですが、ほか
にネタがないので載せま〜す。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『キューティーハニー』
(2004年 日本)(上映時間1時間33分)
監督・脚本:庵野秀明
出演:佐藤江梨子、市川実日子、村上淳、及川光博、片桐はいり、小日向しえ
、新谷真弓、吉田日出子、手塚とおる、篠井英介
*渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://www2.cutiehoney.com/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
如月ハニー(佐藤江梨子)は、ふだんは目立たないOLだが、チョーカーに触
れて「ハニーフラッシュ!」と叫べば大変身!「Iシステム」を起動して何に
でも変身できる無敵のパワーを備えたスーパーヒロイン、キューティーハニー
になれるのだった。ある日、シスター・ジル率いる謎の秘密結社パンサークロ
ーが、Iシステムをねらって刺客を送り込み、ハニーは刑事の秋夏子や新聞記
者の早見青児の助けを借りて敵と対決するが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
サトエリのパワーが大サクレツ! だけどイマイチ笑えない……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
永井豪の人気アニメ「キューティハニー」を「新世紀エヴァンゲリオン」シリ
ーズの庵野秀明監督が実写化した映画。

これはねぇ〜、サトエリこと佐藤江梨子がいなければ実現できなかった企画で
すねぇ〜。なんたって、あのコケティッシュなルックスと、バツグンのプロポ
ーションは、まさにキューティーハニーそのものですもの。
そんなサトエリの魅力が大サクレツ。もちろんお色気シーンもタップリで、お
父さんたちも大喜び!? の映画です。 (*^。^*)

この映画の最大の魅力はキャラのハジケ方。主人公のキューティハニーをはじ
め、刑事の秋夏子、新聞記者の早見青児、秘密結社パンサークローを率いるシ
スター・ジルやその子分たち。みんな、みんなバカとしか言いようがないムチ
ャなキャラ。

役者さんたちったら、こんな役を引き受けてキャリアに傷がつかないんでしょ
うか? てなぐらいトンデモな役ばっかりなんですヨ。
早見青児を演じる村上淳とかサ、パンサークローの刺客を演じる及川光博とか
サ、同じく刺客を演じる片桐はいりとかサ。エンドロールでようやく「ああ、
そうか」と気がつくほどの変身ぶり。いったい彼らに何が起きた?(・_・?)
ボク的には、『とらばいゆ』での好演が印象的な市川実日子の刑事役がよかっ
たですね。独特のツッパリぶりがスゴク魅力的。

これだけハジケたキャラが揃えば当然ながら、お腹を抱えてワッハッハの大爆
笑コメディーにして欲しいのが人情ってものでしょう。 (^0^)
たしかに、ユニークなキャラがスクリーンいっぱいに暴れ回るから、それだけ
でかなり笑えます。実写とアニメを合成した映像も、パワーにあふれ、ハニー
たちの暴走ぶりを引き立てます。

ただねぇ〜、残念ながらオバカ度はイマイチなんですよね。キャラのおもしろ
さに頼った笑いばかりで、どうにも突き抜け方が足りないんです。だから、爆
笑とまではいかないんだなぁ〜。 (´ヘ`;)

特に後半は、「愛は大切!」なんていう陳腐なテーマを中心にすえて、正義V
S悪の戦いを展開するものだから、テンションが下降してまったく笑えなくな
ってしまう。

たぶん、庵野監督って、本当にアニメの「キューティハニー」が好きなんでし
ょうね。だから、これをただのオバカ映画にはしたくなかったんじゃないでし
ょうか。
アニメのキャラやテーマ性をそのまま踏襲して、きちんとそのワクの中でつく
っている。現代的な視線を織り込みつつも、けっして暴走はしていない。いわ
ゆる庵野流のオリジナルへのオマージュって感じかな……。

その思い入れはよくわかるんだけれど、映画として見ればやっぱり物足りない
ですね。もっともっと暴走して、キャラに頼るだけじゃなくて、ディテールな
んかでもズンズン笑わせてくれないと、ボクのように「キューティーハニー」
への思い入れのない観客には、ツライものがありますぜ。 (^。^;)

ついでに言えば、悪の親玉シスター・ジルを篠井英介が演じるのはどんなもの
でしょう。ハマリすぎで、全然意外性がないんです。しかも、あの人が出ると
そこだけ重たい舞台劇みたいになっちゃう。同じ女形なら、いっそ美川憲一で
も起用したらよかったのに(て、美川は女形じゃないから)。 (^0^)

まあ、それでもサトエリの魅力はタップリだし、それなりには楽しく観られる
と思います。映像もさすがに目を引くしね。
昔の「キューティハニー」のファンやアニメ好きには、特に楽しいはず。なん
たって、「ハニーフラッシュ!」がテンコ盛りですから。あなたもハニーにチ
ャクチュクされちゃう?

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
(なかなか楽しい映画だけれど、これだけのユニークなキャストを揃えたなら
、もっともっと爆笑させて欲しかったデス。)
                          <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年6月17日(木)池袋シネマサンシャインにて。午後4時40分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.今週のニュースあれこれ

◎ウィノナ・ライダー、減刑に。
◎セレブ金持ランキング第1位はメル・ギブソン。
◎『オーシャンズ12』にブルース・ウィリスがカメオ出演。

ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツ、キャサリン
・ゼタ=ジョーンズ、ヴァンサン・カッセルら豪華キャストの『オーシャンズ
12』にブルース・ウィリスもカメオ出演とか。ギャラの総額はいくらじゃ?
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.今週の新作映画情報■

<今週末(6/26)に公開のおもな新作映画>
●『ブラザーフッド』→ http://www.brotherhood-movie.jp/
●『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』→ http://www.harrypotter.jp/
●『セイブ・ザ・ワールド』→ http://www.savetheworld-movie.com/
●『花咲ける騎士道』→ http://pia.wdnet.jp/hanasake/
●『新・O嬢の物語』→ http://www.maxam.jp/news/9/ozyou.html
●『子猫をお願い』→ http://www.koneko-onegai.jp/
●『難波金融伝 ミナミの帝王 金貸しの掟』
  → http://www.kss-movie.com/minami50/index.html
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週は『下妻物語』の感想をチラッとご紹介。
<登場人物がひとつひとつ面白いキャラクターで、飽きませんでしたね。深キ
ョンが適役ですね。大真面目にロココでいってるところが、素晴らしかった。
土屋アンナちゃんのキュートな可愛さは、エンディングでも感じました。深キ
ョンと2人で衣装を取りかえっこして楽しそうにしているはじけた感じ、あの
映画にふさわしい。     (福井のふじやん)さん>

◆ぽちも最近イチオシで、「お前はまたミーハーに走るのか!」と一部からヒ
ンシュクを買っている『下妻物語』ですが、ついに海外での公開が決定だいッ
! 外国人にあのハズシ方が理解できるかちょっと不安ですが……。

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■6.ぽちのひとりごと■

*シネコンにはほとんど行かないのですが、先週はワーナー・マイカル・シネ
マズ板橋というところに行ってみました。いや、やっぱスゴイわ。あんだけス
クリーンがあるんだもん。チケットを買うところから、初めての体験におのぼ
りさん状態のボクでした。 (・_・ ) ( ・_・)

*現在、源平合戦の本を書いていて、頭の中が頼朝や義経でいっぱいになって
おります。さぁ、源氏と平家が壇ノ浦で激突だぁ〜〜!!
                          (ぽち)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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・『melma!』 http://www.melma.com/    ID:m00025647
を利用して発行しています。
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■週刊「Cinemaの王国」  vol.234  2004. 6.25
●編集発行人:ぽち
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 (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
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団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
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