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Cinemaの王国 vol.233

発行日: 2004/6/18


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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.233(2004. 6.18)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『シルミド SILMIDO』―
■2.今週のもう1本!
  ―『デイ・アフター・トゥモロー』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

東京は梅雨の中休み……なのか? このまま終わっちゃったりして。ま、なん
にしても夏は近そうです。今週は韓国で大ヒットしたこの映画から。
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●『シルミド SILMIDO』(SILMIDO/実尾島)
(2003年 韓国)(上映時間2時間15分)
監督:カン・ウソク
出演:ソル・ギョング、アン・ソンギ、チョン・ジェヨン、ホ・ジュノ、イム
・ウォンヒ、カン・ソンジン、カン・シニル、イ・ジョンホン
*丸の内東映ほか東映系にて全国公開中
ホームページ http://www.silmido-movie.jp/
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<ストーリー>
1968年、韓国政府は、北朝鮮の金日成暗殺部隊を組織するため、死刑囚など社
会の底辺の人間ばかり31人を極秘にシルミ島に集める。684部隊と呼ばれた彼ら
は、「任務を果たせば英雄になれる」という思いを胸に、死者が出るほどの激
しい訓練に耐える。やがて、決行の日。だが、直前で南北融和の気運に配慮し
た政府によって、計画は中止となり、それ以降、彼らは邪魔者扱いされていく
……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
事実は重し。国家に翻弄された男たちの悲劇を正面から描いたドラマ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北朝鮮の特殊部隊の話は、これまでにも何度か映画になっていますが、韓国の
特殊部隊の話は記憶にありません。
これは実際に起きた事件をもとにした映画。しかも、彼らの存在は韓国でも闇
に葬られていて、ほとんど知られていなかったそうです。 (~ヘ~;)

というと、"隠された史実を暴露した問題作!"てな感じのドキュメンタリーっ
ぽい映画を想像してしまうかもしれません。でも、この映画は完全なエンター
ティメントとしてつくられています。

オープニングは、北の特殊部隊による韓国大統領暗殺未遂事件と、ヤクザの鉄
砲玉による殺人未遂事件を並行して描く。一見何の関係もないように見える2
つの事件がクロスして、問題の部隊の発足へとつながっていく。
「南北対立だ何だったって、結局ヤクザのケンカと一緒じゃないの?」。そん
な思いを抱かせる印象的なオープニングです。 (*^。^*)

この時のヤクザの鉄砲玉が主人公で、後に暗殺部隊のリーダー格になっていく
ワケ。死刑囚になった彼をはじめ、もう後がない連中ばかり31人を集めて行わ
れる地獄の特訓を描いた前半は、それはもうスサマジイの一語に尽きる過酷な
シーンの連続です。いくら敵を暗殺するためとはいえ、よくもまあこんなヒド
イことをやったもんですねぇ〜。訓練で人が死んじゃうんだからサ。

後半は、暗殺計画の中止をきっかけに、部隊の運命が思わぬ方向に進んでいく
。そして、ついに悲劇的なクライマックスへとなだれこんでいく……。

演出はオーソドックス。あっと驚くような工夫はまったくナシ。いまどき、こ
んなストレートな演出は珍しいぐらい。でも、そのおかげで、骨太で力感あふ
れる映画になっています。もちろん、誇張した部分や創造したところもたくさ
んあるんでしょうが、それにしてもあまりにも事実が重たいので、ヘタなツッ
コミを許さない緊迫した雰囲気が漂っています。特に「ここしかもう居場所が
ない!」という隊員たちのギリギリの思いが、ヒシヒシと伝わってきます。

人間ドラマもそれなりにきちんと展開されていて、父親が北に亡命した主人公
の苦悩や、隊員同士の対立と友情、部下の抹殺を命じられた指揮官達の葛藤な
どが全編に織り込まれています。

役者もいいですねぇ〜。
主人公役のソル・ギョング(『ペパーミント・キャンディー』)は、大杉漣を
若くしたみたいなシブイ感じがいいし、教官役のアン・ソンギ(『MUSA ─武士
─』)の苦悩を秘めた表情もいい。出てくる役者全員の面構えが、ハンパでな
くいいのよ。日本じゃ、こんなゴツゴツした感じの俳優少ないヨなぁ〜。

ただねぇ〜、もしもこの映画が事実に基づいていなかったら、どうだったかと
いうと、ちょっと物足りないんです。ありがちなアクション映画の域を出てい
ない感じ。登場人物の設定もありがちだし、展開も「国家=悪、隊員=被害者
」という視点からだけ描いていてパターン的なんだよなぁ〜。 (――;)

たとえば、ドキュメンタリー的な手法を使うとか、当時の国際情勢や韓国の政
治・社会状況を混ぜ込むとかして、「ただのアクション映画じゃないんだぜ!
」というところを、もう少し見せて欲しかったんですけれどねぇ〜。そこが残
念デス。

でも、それを帳消しにしちゃうのが、事実の重さ。こんな悲劇的なことが実際
に行われて、しかも今までほとんど語られてこなかったという事実が、心をグ
イグイ締め付けるんです。そして、国家に翻弄された男たちの思いがダイレク
トに伝わってくる。おかげで、ありがちなアクション映画で片付けられない余
韻が残りました。

闇に葬られていた事実をこうやって掘り返して見せてくれただけで、この映画
は価値のある映画と言えるでしょう。だからこそ、韓国で1200万人が劇場に足
を運ぶ大ヒットになったのだと思います。

いつの世も国家というのは非情なものです。国家なんてあんまり信用しないほ
うがよさそうです。ま、国家のほうもボクなんか信用していないでしょうが…
…。 (^0^)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(ありがちな人物設定や展開にかなり不満は残るものの、事実の重さはなにも
のにも代えがたい。フツーのアクション映画だと思って観ちゃダメよん。)
                            <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年6月10日(木)池袋シネマサンシャインにて。午後2時10分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

夏も近いというのに大寒波の映画です。観ているだけで凍えそうです。
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●『デイ・アフター・トゥモロー』(THE DAY AFTER TOMORROW)
(2004年 アメリカ)(上映時間2時間4分)
監督・脚本:ローランド・エメリッヒ
出演:デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール、イアン・ホルム、エミー
・ロッサム、セラ・ウォード、タムリン・トミタ
*日劇PLEXほかにて全国公開中
ホームページ http://www.foxjapan.com/movies/dayaftertomorrow/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
古代気象学者のジャック・ホール教授(デニス・クエイド)は、地球温暖化が
新たな氷河期を招くと予測していた。地球温暖化会議でそれを警告した頃、世
界各地で異常気象が発生し始める。ジャックの息子サム(ジェイク・ギレンホ
ール)がいるニューヨークにも寒波がやってきて……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ちょっぴりジミなパニック映画。ソコソコよくはできてるんだけどね
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地球温暖化という切実な問題を取り上げた映画。しかも、それがなんと氷河期
を招くという意外な展開。逆転の発想ともいうべきこのアイデアがなかなかお
もしろい。

おまけに、オープニング近くの会議で、主人公の教授がこの学説を発表し、そ
れに対して出席者が経済の重要性を主張する。「環境VS経済」の対立という
重要な問題が提示されるものだから、「あれまぁ、環境をめぐる根源的な問題
でも描いているのかしら!?」などと、ちょっぴり期待してしまったではあり
ませんか。ボクったら。 (*^^*ゞ

もちろん、そんなワケはありません。この映画、エンターティメントに徹した
ごくフツーのパニック映画です。

でも、それにしちゃあ、ジミだよねぇ〜。なんたって、相手は気象だからねぇ
。巨大なモンスターだとか、隕石だとかと違って、こっちから何か仕掛けるワ
ケにもいかないもん。ただひたすら、異常気象が過ぎ去るまでジッとガマンす
るか、どこかほかの場所に逃げ出すしかない。敵に立ち向かえないツラサがあ
るのですヨ。 (´ヘ`;)

まあ、それでもCG全開の異常気象の映像は大迫力です。巨大な竜巻がハリウ
ッドを襲い、デッカイひょうが東京に降り注ぎ(屋台帰りのサラリーマンを直
撃ぃ〜〜〜〜!)、大津波で自由の女神が水没していく……。スケールの大き
な映像は、かなりの見応え。  (ノ゜ο゜)ノ

ドラマ的には、敵に立ち向かうドラマがない代わりに、父と子の親子愛のドラ
マが用意されています。主人公がニューヨークにいる息子を救出するために、
危険を恐れず命がけで出かけていく。その決死の旅をストーリーの中心に据え
て、映画全体を盛り上げています。

でもねぇ、この話自体がありきたりだし、最初から先が読めちゃうんだな。し
かも、親子の心情もそんなにきちんと描かれないので、あんまり印象に残らな
いんだよねぇ〜。一応、この映画の柱になるドラマなんだからさ、もっとググ
グーッと深くまで描いてくれないとさぁ〜〜〜。うーん、物足りないなぁ。

ツッコミどころがけっこうあるのも、このテのパニック映画らしいところ。
主人公の父親はともかく、その友達まで命がけでニューヨークに向かうのは、
どう考えたって不自然デス。ニューヨークにいるのは、あんたの息子じゃない
だろぅ〜〜〜〜!
その息子も、生きるか死ぬかの場面で、愛の告白なんかしちゃってる。おいお
い、そんなことしてる場合かぁ〜〜〜〜!! (・_*)\ペチ
と、たくさんツッコミを入れて楽しんでください。(て、そういう映画じゃな
いか……)

それでも、まあ全体としては、ソコソコよくまとまっている映画ですね。
大迫力の映像をバックに、親子愛のドラマを展開し、極限状態における人間の
行動や心理も描き出す。ラストで、人間による環境破壊やアメリカのおごりを
批判するコメントを入れているマジメさにも好感が持てます。

だけど、そういうソツのなさが逆におもしろくないんだなぁ〜。観終わっても
「コレ!」という印象に残るところがまったくなくて、サーッと通り過ぎちゃ
う感じ。
同じくローランド・エメリッヒ監督の『インデペンデンス・デイ』も、たいし
た映画ではありませんでしたが、向こうのほうがまだパワーがある分、印象に
残るかも。

ちなみに、もし本当にこんな寒波が来たらみなさんどうしますか?(・_・?)
ワタクシはクマになって冬眠します。「早く温かくなってくれないとクマっち
ゃうよ〜ん」。カエルになって冬眠するのもいいかもしれません。「寒波よ早
く去ってケロ」。ゴールデンハムスターになって冬眠するのもいいな。「こん
なに寒いとゴールデン(凍るデン)」。(て、死ぬまで言ってなさい!)

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
(とはいえ映像がウリなので観るならぜひ劇場で。全体に薄味で印象に残らな
い映画ですが、ド迫力の映像だけで時間つぶしぐらいにはなるかも。)
                          <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年6月14日(月)池袋シネマサンシャインにて。午後3時40分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.今週のニュースあれこれ

◎マイケル・ムーア、『華氏911』のR指定に抗議。
◎トム・クルーズ、聖火リレーランナーに。
◎ヴィゴ・モーテンセン、養育費をめぐって元妻に訴訟を起こされる。

『華氏911』、日本では18歳以下も1人で観られます。1人で観たいアメリカ
のお子さまは日本に来る?
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.今週の新作映画情報■

<今週末(6/19)に公開のおもな新作映画>
●『白いカラス』→ http://www.white-crow.jp/
●『メダリオン』
  → http://www.herald.co.jp/official/medallion/index.shtml/
●『ゴッドファーザー デジタル・リマスター版』
  → http://www.thegodfather.jp/
●『ラブドガン』→ http://www.lovedgun.com/
●『ハナのアフガンノート』→ http://www.cinemabox.com/hana/
●『テッセラクト』→ http://www.tesseract-jp.com/
●『ホワイト・バレンタイン』→ http://www.twin2.co.jp/wv/
●『猫は、なんでも知っている』→ http://www.pariseiga.com/nekonan/
●『スパン』→ http://www.spun.jp/
●『ペッピーノの百歩』『ぼくの瞳の光』『風の痛み』
  → http://home.m02.itscom.net/rakusha/
●『恋愛小説』→ http://www.wowow.co.jp/stock/ren-ai/contents.html
●『ベジャール、バレエ、リュミエール』→ http://www.bcommebejart.com/
●『ヒロイック・デュオ 英雄捜査線』
  → https://www.happinet-p.co.jp/title/duo/index.html
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週は『クリムゾン・リバー2』がらみのメールを2通ご紹介します。
<『クリムゾン・リバー2』は前作より良くない・・・・・・を読んで「どう
しようか・・・・」と思っていた所、先日グットタイミングでテレビ放映が・
・これは見よう♪意気込んで夫と見ていたのですが、最後の最後で・・・・・
がくっ!と来ました。何となくこんなカンジかなぁ〜と思っていた所が『ビン
ゴ!』だったので、本当に最後には「それで終わり?」とテレビに向かって言
ってました。       (bochiママ)さん>

<『クリムゾン・リバー2』、先日TVで放送したクリムゾン・リバーを見て、
おさらいしてから見ようと思っていましたが、やっぱりやめます・・・。ヨン
様にハマった友人たちには着いてゆけない今日このごろシルミドの評論を楽し
みにお待ちしています。      (けいこ)さん>

◆『クリムゾン・リバー2』はねぇ〜、配給会社さんには悪いけど、ビデオや
DVDで十分かなという気がしますね。ま、『3』に期待しましょうか。(あ
るのか?)

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■6.ぽちのひとりごと■

*先日、大阪近鉄VS福岡ダイエーの試合を東京ドームで見てきました。そう
です。合併するあのチームの試合です(笑)。やっぱりなんとなく寂しさが漂
っていました。野球チームも哀愁が漂うようになっちゃオシマイですね。

*昨日の午後、時間が空いたので、つい『キューティーハニー』など観てしま
いました(笑)。たぶんどこかに感想を書くと思います。
                          (ぽち)
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■週刊「Cinemaの王国」  vol.233  2004. 6.18
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団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
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