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Cinemaの王国 vol.229

発行日: 2004/5/21

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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.229(2004. 5.21)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『ビッグ・フィッシュ』―
■2.今週のもう1本!
  ―『スイミング・プール』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.お詫びと訂正
■6.メールちょうだいッ!!
■7.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

台風襲来にも負けず、今週も行ってみたいと思います。まずはティム・バート
ン監督の話題作から。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『ビッグ・フィッシュ』(BIG FISH)
(2003年 アメリカ)(上映時間2時間5分)
監督・脚本:ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジ
ェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、スティーブ・ブシェミ
*日比谷スカラ座1ほか東宝系にて全国公開中
ホームページ http://www.big-fish.jp/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
ジャーナリストのウィル(ビリー・クラダップ)は、父のエドワード(アルバ
ート・フィニー)がウソだらけの冒険談ばかり語るのに反発し、しばらく疎遠
になっていた。そんなある日、父の病気が悪化したという知らせでウィルは帰
省する。そんな彼に、父は相変わらずホラ話を続けるのだが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ファンタジーと感動の人間ドラマが融合したティム・バートンの最高傑作
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ティム・バートンが贈る最高の感動作」ですと?
誰がアンタに感動作なんか期待するもんか。超オタク監督として、いつものよ
うに毒をたっぷり含んだファンタジーを見せてくれなきゃ、納得しませんから
ね。フン! (`ヘ´) 

な〜んて思ったりしたのだが、角が取れて丸くなったこのファンタジーを観て
いるうちに、ボクは不覚にも自然に笑顔になってしまったのだ。最初から最後
までニコニコしたままだったのだ。これはいったいどうしたことだろう。
(・_・?)

オープニングは息子ウィルの結婚式。そこでいつものようにホラ話をする父エ
ドワードがイヤになり、口をきかなくなってしまったウィル。
だが、それからしばらくして、父の病状悪化の知らせを聞いて、妊娠中の妻と
ともに帰省する。相変わらずの調子の父を嫌悪しつつも、かつて父から聞かさ
れたホラ話を思い出すウィル……。

というわけで、現代に軸を置きながら、話の大半はかつての父のホラ話の描写
に割かれています。息子が産まれた時に川で釣り上げた巨大魚の話、少年時代
に出会った魔女の話、故郷で出会った大巨人の話、旅の途中で訪れた不思議な
町の話、母との電撃的な愛の話、母に会いたい一心で加わったサーカス団の話
などなど。

いやぁ〜、このホラ話がとんでもなくおもしろいんですヨ。「バカだなぁ〜、
そんなことありえねえよ」と思いつつも、文句ナシの楽しさについつい顔がほ
ころんでしまう。 (*^。^*)
しかも、映像がハンパでなく美しい。父が母にプロポーズした水仙畑の映像な
んて、この世のものとも思えない美しさなんですから。

そりゃそうだよねぇ。なんせこれまでずーっと、魅力的なファンタジーを描き
続けてきたティム・バートン監督だもん。ファンタジーならおまかせ!
丸くなったとはいえ、ファンタジー部分には、ティム・バートンらしいアヤシ
サもそこかしこにチラチラと……。それもまた魅力なのだ。

そんなホラ話の数々を観ているうちに、ボクは完全に童心に帰ってしまいまし
た。
そういえば、ボクも父親のホラ話に目を輝かせた経験が……。アルバート・フ
ィニー演じる貫録のホラ親父が、ボク自身の父親の姿とダブってきました。子
供にとっては、聞かされた話が真実だろうとウソだろうと関係ナシ。楽しけれ
ばそれでいいのだ。 (^o^)/

しかし、大人になったウィルにとっては、そうやって本心を見せない父親がイ
ヤでたまらない。死期が近いのにまだホラ話なんですから。なので完全な父子
の断絶状態。

とくれば、その先にあるのはこれはもう"和解"という結末しかないのだが、そ
の決着のつけ方が実に秀逸。ある種の父と子による伝統芸の継承みたいなもの
で、「人生にはこういうホラ話も絶対に必要だよなぁ〜」としみじみ感じてし
まいました。よし! ボクもホラ吹きまくろうっ!!(てのは違うだろ)
さわやかな感動をもたらしてくれる、とても温かな結末です。(^。^;)ホッ

父と子の対立と和解なんてありふれたテーマだし、いくらファンタジーとはい
え出来すぎの話が多いのも事実。だけど、ワクワクするような楽しさと、しっ
とりした情感が見事に融合しているおかげで、そんなことはまったく感じませ
んでした。

若き日の父親役のユアン・マクレガー、老いた父のアルバート・フィニー、美
しい母親役のジェシカ・ラングなど、中心となる役者も素晴らしいが、それ以
上に素晴らしいのが個性派の脇役陣。ヘンな詩人役のスティーブ・ブシェミ(
相変わらずキレてます!)、サーカス団長のダニー・デビート、そして愛する
ティム・バートンのために(でも確か籍は入ってない)特殊メイクで頑張った
魔女役のヘレナ・ボナム=カーターなど、どれも印象的な演技でした。

これまでのバートン作品のような毒はなくなったけれど、それ以上に多くのも
のをもたらしてくれた映画。完成度からいえば、間違いなく彼の最高傑作と言
えるでしょう。
ちょっぴりアヤシイ魅惑のファンタジーに心を躍らせた後で、父と子の和解に
ホロリとしてください。映画館を出る時はきっとあなたも笑顔になっているは
ず。エンドロールで流れるパール・ジャムの曲もいいですよ〜〜〜。(*^_^*)

《ぽちのオススメ度》
★★★★☆【絶対にオススメ! みんな観てねぇ〜】
(ティム・バートン監督のコアなファンには物足りないかもしれませんが、そ
うでない人には絶対にオススメです。こんなにステキなファンタジーはめった
にナシ!)
                            <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年5月15日(土)池袋HUMAXシネマズ4にて。午後12時40分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

次はフランスの才人フランソワ・オゾン監督の新作です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『スイミング・プール』(SWIMMING POOL)
(2003年 フランス)(上映時間1時間42分)
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ、チャールズ
・ダンス、マルク・ファヨール、ジャン=マリー・ラムール
*シネマライズ、シャンテシネほかにて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://www.gaga.ne.jp/swimmingpool/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
イギリス人ミステリー作家のサラ(シャーロット・ランプリング)は、スラン
プに悩み、執筆のために南仏にある出版社社長の別荘にやってくる。だが、そ
こに社長の娘と名乗る娘ジュリー(リュディヴィーヌ・サニエ)が出現。夜ご
と部屋に男を連れ込み、奔放に振舞う彼女に反発するサラだったが、やがて小
説の素材として興味を持ち始める。そんなある日、サラはプールサイドで血痕
を発見し……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
才人オゾンらしいナゾだらけのミステリー。2人のミューズが火花バチバチ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『まぼろし』『8人の女たち』など、いろんなタイプの映画を監督し、才人と
の呼び声が高いフランソワ・オゾン監督(フランソワでも男)。今度はミステ
リーに挑戦です。
しかも、主人公がイギリス人という設定なので、セリフのかなりの部分が英語
で占められているユニークなフランス映画。

スランプ気味の人気女流作家サラが、執筆のため南仏の出版社社長の別荘に行
く。静かに執筆に集中する予定が、突然社長の娘と名乗る若い女が出現。毎晩
違う男を引っ張り込む奔放な彼女に反発するサラだったが、小説の素材として
彼女に興味を持ち始め距離を縮めていく。そして、そこで起きた惨劇……。

この監督さんは、実に女優を生かすのがうまいんです。前作『8人の女たち』
なんて、8人の女優全部を生かしていましたからねぇ〜。
今回も、主人公の作家を演じる名女優シャーロット・ランプリング(『愛の嵐
』『まぼろし』など)と、若い娘を演じるリュディヴィーヌ・サニエ(『ピー
ター・パン』のウェンディ役でハリウッドデビュー)という2人のミューズの
魅力を見事に引き出しています。 (^-^)

疲れた日々の中で、若く奔放な娘に出会い、反発しつつも自らも影響されてい
くシャーロットの深みのある演技。
そして、はちきれんばかりの若さを爆発させるリュディヴィーヌの小悪魔的演
技(オッパイ全開! ついでにシャーロットも年齢を感じさせない見事なボデ
ィを披露)。
どちらもその心情の変化がヒシヒシと伝わってくる見応えある演技です。両者
の火花がバチバチ飛び散って、コワ〜〜〜〜!!   (ノ゜ο゜)ノ 

そして、全体を包む怪しげな雰囲気もたまらんのですヨ。
不気味な登場人物の数々や、タイトルにあるスイミング・プールなどの小道具
を使いながら、不可思議な世界を作り出しています。特にプールの美しい映像
が素晴らしい。
ミステリー作家が主人公という二重構造のミステリーなので、その小説の中身
も巧みに使って、ナゾを深めていきます。

こうしてナゾがタップリ詰まったミステリーと、2人の正反対の女の反発と交
流の心理ドラマを同時に展開していくあたり、さすがに才人監督と呼ばれるだ
けのことはあります。

ラスト30分からは衝撃の展開が待っています。ある事件をきっかけに2人の女
が接近し、とんでもないことになる。

ただし、このあたりちょっと忙しすぎやしませんか? (?_?)
バタバタバタと話が進んで、あっという間に結末を迎える。しかも、最後には
またまた大きなナゾが……。
なんだか、あっちこっちにたくさんナゾが残ったままで、どうにもスッキリし
ないんだよなぁ〜。 (~ヘ~)

でも、これもオゾン監督の作戦通りなんでしょうね。じっくり練り上げたとい
うよりは、才能のおもむくままに自由に撮った映画という感じもするし。そう
いう意味でもオゾン監督は才人なのだ。

たくさんのナゾを観客に投げかけたまま終わるので、スッキリしたい方にはオ
ススメできませんが、2人の女優の見事な共演と独特の怪しいムードは一見の
価値がある映画だと思います。

あーあ、オゾン監督の才能は凡人のボクにとってうらやましすぎるぜ。なに?
 お前は才能がないだけじゃなくて、努力もしてないだろうって? そ、その
通りです。ハハァ〜〜。 M(._.)M

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観ても損はナシ】
(いわゆるハリウッド的なミステリーとはかなり違うタッチの映画。一度観る
と何度も観たくなるかも。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年5月17日(月)シャンテ・シネにて。午後2時35分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.今週のニュースあれこれ■

◎第57回カンヌ国際映画祭が開幕。
◎グウィネス・パルトロウ、女の子を出産。
◎47歳になるジーナ・ディヴィスが双子の男の子を出産!

てな感じの今週。
出産ネタはともかく、今年のカンヌはかなりの話題。特にマイケル・ムーア監
督の『華氏911』が15分間のスタンディング・オベーションを受けるなど大激
賞されました。ちなみに、テレビのワイドショーでマイケル・ムーアを罵倒し
ていたデーブ・スペクターは、自分がCIAの秘密エージェントだから嫌って
いるというウワサもありますが、ボクはただのジェラシーで発言しているのだ
と思うな。しょせんその程度のヤツよ。あの男は。 (`ヘ´) 
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.今週の新作映画情報■

<今週末(5/22)に公開のおもな新作映画>
●『トロイ』→ http://www2.troy.jp/
●『レディ・キラーズ』→ http://www.movies.co.jp/ladykillers/index.html
●『ル・ディヴォース パリに恋して』
   → http://www.foxjapan.com/movies/ledivorce/
●『あなたにも書ける恋愛小説』→ http://www.gaga.ne.jp/anaren/
●『スキャンダル』→ http://www.scandal-movie.com/
●『キッチン・ストーリー』→ http://www.kitchenstory.jp/  
●『ヒューマン・キャッチャー』
   → http://www.foxjapan.com/movies/humancatcher/
●『HIRAKATA』→ http://www.gaga.ne.jp/hirakata/top.html
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.お詫びと訂正■

前号(vol.228)の『パッション』のレビューでジョージ・ブッシュがカトリ
ックと書きましたが、実際はプロテスタントでした。勘違いしていました。ご
めんなさい。お詫びして訂正いたします。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■6.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆前号のジョージ・ブッシュの件については、(村上怜司)さんと(モーリン
小原)さんからご指摘をいただきました。

村上さんからは、キリスト教の受難と復活の意味など、キリスト教のことをい
ろいろと教えていただきました。『パッション』が、キリスト教徒の共通概念
ではないことがよくわかりました。
また、モーリン小原さんは、今週の水曜日に観に行く予定だったようですが、
もう観られましたか?

(A・K)さんからも「『パッション』観にいく予定です。結構期待していま
す」というメールをいただきました。みなさんよかったら感想を聞かせてね。

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■7.ぽちのひとりごと■

*最近なんだか★4つを連発しすぎかなぁ〜。でも、良い意味で期待を裏切ら
れる映画ばっかりなんだもん。今週末からも、なんだか良さそうな映画がたく
さん公開に。これは気を引き締めて観なければ……。ムフッ (○`ε´○)
                           (ぽち)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆このメールマガジンは
・『melma!』 http://www.melma.com/    ID:00025647
を利用して発行しています。
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■週刊「Cinemaの王国」  vol.229  2004. 5.21
●編集発行人:ぽち
●登録・解除はこちらからお願いします。
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 (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
  倒でもホームページまたは上記システムからお願いします。)
☆本誌に掲載されている評価、感想等はあくまでも個人のものであり、特定の
団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
●Copyright(c)1999-2004  ぽち  fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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