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個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。

  • 最新号:2008-10-10
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Cinemaの王国 vol.219

発行日: 2004/3/12

★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・

 =週刊「Cinemaの王国」= vol.219(2004. 3.12)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』―
■2.今週のもう1本!
  ―『ドッグヴィル』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

いつも通り言いたい放題でスイマセン。え! 今週もまたB級映画っスか?
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●『レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード』(ONCE UPON A TIME IN ME
XICO)
(2003年 アメリカ)(上映時間1時間41分)
監督・脚本・製作・撮影監督・美術監督・作曲ほか:ロバート・ロドリゲス
出演:アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ジョニー・デップ、ミッ
キー・ローク、ウィレム・デフォー
*丸の内ルーブルほか東急・松竹系にて全国公開中
ホームページ http://www.sonypictures.com/intl/jp/movies/mexico/
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<ストーリー>
腕利きの殺し屋エル・マリアッチ(アントニオ・バンデラス)は、CIAのサ
ンズ捜査官(ジョニー・デップ)から仕事を依頼される。仕留める相手は大統
領の暗殺を企てる麻薬王・バリーリョのパートナー、マルケス将軍。実は、こ
のマルケス将軍はマリアッチにとって忘れたくても忘れられない相手だった。
復讐をはたすべく立ち上がるマリアッチだったが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ロバート・ロドリゲスにしかできないブッ飛びのアクション
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カルト的人気を誇るアクション映画『デスペラード』(1995)から8年、ロバ
ート・ロドリゲス監督(最近じゃ『スパイキッズ』でおなじみ)による続編の
登場。基本的には、アントニオ・バンデラスとサルマ・ハエックが共演した前
作をふまえた復讐劇です。

でも、ワケわかんねぇよ〜〜〜〜!!! (~ヘ~;)
話がこんがらがりすぎ。伝説的殺し屋、その妻子、CIA捜査官、大統領、麻
薬王、将軍、元FBI、地元警察などなどが入り乱れて、ああだこうだの大騒
動。前作のことなんかほとんど忘れていたボクにとっては、なおさらストーリ
ーを追っかけるのに大苦労。
うーむ、ただの復讐劇じゃシンプルすぎるから、こんなゴチャゴチャの話にし
たのだろうか???

だけど、この映画、はっきり言ってストーリーなんかどうでもいいんですよね
。物語や人物の心理描写を楽しむ映画ではありません。
ウリはアクション、アクション、アクション!!! それもケタはずれにブッ
飛びのアクションを観ながら、そこから流れてくる独特の雰囲気を感じ取る映
画だと思います。そう、ちょうどタランティーノの映画のように……。(そう
いえば、前作『デスペラード』にはタランティーノ監督もご出演でした)

それにしてもなんとまあ熱いのでしょう。ヤケドしそうです。さすがメキシコ
。みんな頭に血が上ってます。 (^0^)
ひタすら銃を撃ちまくり、バタバタと死んでいく人々。ほとんど言いがかりの
ような理由でそのへんの人が簡単に殺されていく姿は、残虐なのを通り越して
もはや笑っちゃうしかない。

銃の衝撃で大げさに空を飛び、ズルズルと地面を滑っていく。よくこんなアホ
なこと考えつくよなぁ〜、と感心してしまうハデで、ケレン味たっぷりのアク
ションシーンが大炸裂です。 (^o^)/

そして、やっぱり2人の中心人物がいいですよねぇ〜。
銃を仕込んだギターを抱えたバンデラス(でも、今回は控えめかしら)。
ヘンな義手(?)をつけて虫みたいに人をブチ殺すジョニー・デップ。
なんなんじゃ? こいつら。もー、ホント、困った人たちです。 (^。^/)

でも、相変わらずアクションシーン以外はちっともつまりません。話が錯綜し
ているうえに、たくさんの人物の背景まで描こうとする欲張りさが、ますます
話を理解させにくくする。いくら何でももうちょっと話を整理して欲しかった
よなぁ。たぶん脚本も勢いで書いて、そんなに練り上げてないんだろうけど。
(~ヘ~)

そして、クライマックスは今まで出てきた人間がみんな入り乱れての大アクシ
ョン。誰が敵で誰が味方かサッパリわかりませ〜〜ん。
あ、あ、デップがあんなことになっちゃうなんて……。でも、まだ生きている
!? バンデラスも不死身だぜ!
麻薬王のウィレム・デフォーの不気味さもいいし、あのミッキー・ロックが演
じるチワワ片手の犯罪人もたまらんぜよ。

タランティーノの映画もそうなのだが、この映画にもいろんなアクション映画
の要素が凝縮されているようです。そういう意味ではマニアにはたまらん映画
でしょう。特にB級アクション映画好きにはネ。

まあ、そうでない人は頭を空っぽにして、大げさなアクションシーンをケラケ
ラ笑いながら観ていることでしょう。けっしてストーリーや人物の心理なんか
真剣に追いかけちゃダメ。ロドリゲス監督のアクションにかける熱〜い思いと
、それを優しく受け止めてやりすぎなぐらい大げさな演技をする役者たちに拍
手してあげましょう。 (^-^)//""パチパチ

なんたったて、タランティーノの映画が彼にしかつくれないように、この映画
もロドリゲス監督以外には絶対につくれない映画なのですから。

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆(+1/2★)【ちょっとだけオススメ。おヒマでしたらどうぞ】
(ボクにとっては料金分ぐらいは十分に楽しめる映画でしたが、基本的にはマ
ニア向けの映画なので……。『スパイキッズ』の監督だからって、間違っても
お子さま連れで観に行ったりしないように(爆)。)
                            <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年3月9日(火)池袋東急にて。午後2時35分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

続いては『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー監督の
問題作です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『ドッグヴィル』(DOGVILLE)
(2003年 デンマーク)(上映時間2時間57分)
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ロー
レン・バコール、ベン・ギャザラ、ジェームズ・カーン
*シネマライズ、シャンテシネほかにて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://www.gaga.ne.jp/dogville/index.shtml
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
山麓の寒村ドッグヴィルに、マフィアに追われる謎の美女グレース(ニコール
・キッドマン)がやってくる。村の若者トム(ポール・ベタニー)は、村全体
が協力して彼女をかくまうことを提案する。村人全員に賛成してもらうために
2週間の猶予を与えられたグレースは、村人のために働き始めるのだが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ユニークな手法でアメリカの実像をあぶり出した問題作
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のラース・フォン・トリアー監督の最新作。
まあ、この監督さんたら、つくづく変わったことが好きな人です。セットや照
明を一切使用しない"ドグマ"なる映画製作法を提唱したりして、あれやこれや
とユニークな映画をつくり続けています。

で、今回は何をしたかというと、黒い床に白線を引いただけのセットを村に見
立てるという大胆な作戦。家はあるけれどドアや壁はなく、必要最小限の家具
の中で役者が演技をする。「ドッグヴィル」という村の名前の象徴ともいえる
犬さえ、床に白線で描かれただけ(ただし、鳴き声は聴こえる)。

まあ舞台劇のセットをさらにシンプルにした感じなんですが、なんともブッ飛
んだ仕掛けですねぇ。 W(゜O゜)W
そして、これが見事な効果を生み出しています。余分なものがない分、登場人
物の感情や村の雰囲気が観客にダイレクトに伝わってくるんですヨ。
ほぼ全編に渡って使われる手持ちカメラもまた、けた外れの臨場感を生み出し
ています。

排他的な村にナゾの女が現れて、それをきっかけに村が変わっていくというス
トーリーは、ラッセ・ハルストレム監督、ジュリエット・ビノシュ主演の『シ
ョコラ』なんかを思い起こさせます。
しかし、こちらはもっともっとシビアです。
彼女の弱みを握った村人たちは、彼女をギャングから守ってやる代わりに労働
を提供させる。そして、その要求は次第にエスカレートしていく……。

この映画のテーマはアメリカ。
アメリカの地方の村に住む排他的な人々。表面的にはよそ者を友好的に迎え入
れるように見えても、心の奥底では嫌悪感をおぼえ拒絶する。
それがふとしたきっかけで表に出てきて、どんどんエスカレートし、ついには
よそ者を支配してしまう。それも、「村を守るため」という自分たちを正当化
する理屈を振りかざして。

最初は好意的だった村人たちが変わっていく様子には、人間の持つ残虐性を突
きつけられているようで、戦慄さえおぼえました。 {{ (>_<) }}
初めのうち村を変えようと思っていた若者さえ、その波に飲まれてしまう。
そこでは話し合いと投票による民主主義さえ、支配の道具に使われてしまう。

これはけっしてただの寓話ではありません。これこそがアメリカの保守的で、
恐ろしい顔なのです。そして、それはすべての人間にも共通する顔……。

そういう人間の恐ろしい顔を赤裸々に暴き出したスゴイ映画です。ユニークな
手法が実に効果的。たぶんフツーに描いたら、ここまでクッキリと描き出すこ
とはできなかったでしょう。

3時間という長い映画だけれど、けっして長く感じられませんでした。シンプ
ルなセットのおかげでムダなシーンもなくて、濃密な時間が流れます。
見せる工夫もそれなりにあって、物語を9章とプロローグに分けたのもそのひ
とつ。合間合間で一息つけるのがありがたい。

それにけっこう後味の悪い結末が多いトリアー作品にしては、今回は珍しくそ
んなに後味が悪くない感じもする。
救いのないラストには違いないんだけれど、前フリがあるおかげで、ある意味
『キル・ビル』的溜飲の下げ方ができるかも!?

うーん、それにしてもこういう形でしかケリをつけられないのも、これまたい
かにもアメリカ的現実でちょっと切ないなぁ〜。 (~ヘ~)

ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、ローレン・バコールなど役者はみ
んないいです。だって、こんなワケのわからん仕掛けの中で演技するんだから
エライですよ。メイキングの映画で監督に悪態ついている役者もいたみたいで
すが、気持はよ〜くわかります。ホント、役者にとっちゃ困った監督。

しかし、そういう実験的なところが、今回のテーマにピタッとはまって大成功
。アメリカや人間の暗い部分をあぶり出した問題作として、観る価値は十分に
アリ。不快ではあるものの、スクリーンから目が離せなくなる映画です。

エンドロールで流れるデビッド・ボウイの「ヤング・アメリカン」と、アメリ
カの人々を写したスチール写真が、なんともいえない余韻を残してくれまし
た。アメリカ、アメリカ、アメリカ、アメリカってなに???

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(個性の強い映画なので誰でも楽しめるわけではありませんが、問題作として
観てみる価値はあると思います。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年3月6日(土)シャンテシネにて。午後3時の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.今週のニュースあれこれ■

◎「マーフィー・ブラウン」のロバート・パストレリが死去。 
◎『バットマン』5作目に、ゲイリー・オールドマンも参加。
◎ブライアン・シンガー監督が『2300年未来への旅』をリメイク。

てな感じの今週。
個人的には、NHKでも放送していた「マーフィー・ブラウン」のエルディン
役ロバート・パストレリの死去が残念。『ダンス・ウイズ・ウルブズ』とか映
画にも出ていたんですがね。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.今週の新作映画情報■

<今週末(3/13)に公開のおもな新作映画>
●『ペイチェック 消された記憶』
→ http://www.paycheck.jp/
●『クイール』
→ http://www.quill.jp/
●『ブラザー・ベア』
→ http://www.disney.co.jp/bbear/
●『アフガン零年』 
→ http://www.uplink.co.jp/afgan/
●『花とアリス』
→ http://www.hana-alice.com/
●『ヴァンダの部屋』 
→ http://www.cinematrix.jp/vanda/
●『東京原発』 
→ http://www.genpatsu.bsr.jp/
●『かまち』
→ http://www.herald.co.jp/official/kamachi/
●『沈黙の標的』
→ http://www.gaga.ne.jp/lineup/index.html
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週は『ゴシカ』についてのメールをご紹介。
<『ゴシカ』のB級ホラー説は、賛成です。霊魂に主体性を持たせているのか
と思うと、そうではなくて精神病患者の妄想なのかと思わせたり、途中で混同
して訳がわからない。全く、映画は怖くなくてアメリカの社会が怖くなりまし
た。何しろ、年間の子供の行方不明者が80万人とも100万人とも言われている
。この社会の現状の方が、よほど怖いですよ。  (とらちゃん)さん>

◆はい。あれは誰がなんと言おうと絶対B級映画です(笑)。
なお、とらちゃんさんご自身のこの映画の感想はHP「とらちゃんのゴロゴロ
日記」にあります。
http://www.geocities.co.jp/SweetHome-Ivory/4625/

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■6.ぽちのひとりごと■

*なんだかごく一部の人々の間で(あくまでもごく一部)、当メルマガ&ホー
ムページが有名になって、レビュー内容に抗議や脅迫めいたメールが来たりす
るのですが、今さら当り障りのないことなど書けませんので、今後も今まで通
りに思ったことを書いていくつもりです。それと、ちゃんとした批判には対応
しますが、中傷や内容のない批判は無視しますので……。

*今週末もジョン・ウー監督の『ペイチェック 消された記憶』や岩井俊二監
督の『花とアリス』など話題作が公開スタート。犬好きのボクとしては『クイ
ール』も捨てがたいんだよなぁ〜。 U^ェ^U ワン!
                           (ぽち)
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・『melma!』 http://www.melma.com/    ID:m00025647
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■週刊「Cinemaの王国」  vol.219  2004. 3.12
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 (発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
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団体、個人等を中傷する意図はありません。掲載された内容に起因するトラブ
ルには一切関知いたしません。また、記事の無断転載はお断りします。
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