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個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。

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Cinemaの王国 vol.217

発行日: 2004/2/27

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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.217(2004. 2.27)

                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』―
■2.今週のニュースあれこれ
■3.今週の新作映画公開情報
■4.メールちょうだいッ!!
■5.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■

アイドル並みの超過密スケジュールだった今週(てのは言いすぎですが)。「
1本も映画が観れない!」状態のなか、どうにか映画館に駆け込んで1本のみ
ゲット。「それがなんでこの映画なの?」という声もあるでしょうが、まあこ
んな週もあるということで……。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『ヘブン・アンド・アース 天地英雄』(WARRIORS OF HEAVEN & EARTH)
(2003年 中国)(上映時間1時間58分)
監督:フー・ピン
出演:中井貴一、チアン・ウェン、ヴィッキー・チャオ、ワン・シュエチー
*ニュー東宝シネマほかにて全国公開中
ホームページ
http://www.sonypictures.com/intl/jp/movies/heavenandearth/immersive/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
紀元700年の唐の時代。遣唐使として唐に来た来栖旅人(中井貴一)は、皇
帝から帰国を認められる。ただし、それは反逆者・李隊長(チアン・ウェン)
の命を奪うことが条件だった。来栖は、李の消息を追うが、彼はシルクロード
を首都・長安へと向かうキャラバンの護衛隊長をしていた。それが皇帝への献
上品であることを知った来栖は、決着をつけるのは長安まで延期して、その護
衛に自らも参加するが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
浮きまくりのCG全開の困ったラストが、骨太の歴史ロマンを台無しに
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
どうやら世界マーケットを意識した中国映画の大作のようです。
それにふさわしくスケールがデカイ、デカイ。特にシルクロードの大自然が圧
倒的で、それだけでも見応えがあります。 W(゜O゜)W

物語もユニークです。
13歳で遣唐使として中国大陸に渡り、文武を学び、今は皇帝の刺客として活躍
する来栖旅人が皇帝に帰国を願い許される。ただし、それには条件があって、
反逆者の李隊長を殺さなければいけない。
ところが、その李隊長は皇帝への献上品を運ぶ護衛をしているため、来栖旅人
は長安で決着をつけることにして、それまではキャラバンに加わることにする
……。

殺し合わねばならないライバルが一緒に旅をするという設定がいいですねぇ〜
。しかも、反逆者の李隊長は、ただの反逆者ではなく、捕虜の女子供の殺害を
拒否したために反逆者にされてしまったという人物。これまたドラマ的にいろ
いろと深い展開が期待できる設定。

なのにこの2人のキャラクターにイマイチ魅力がないんだよなぁ〜。
「来栖旅人も応援したい! しかし、李隊長にも頑張って欲しい!」
どっちもすご腕だし、男らしいぃぃ〜性格の持ち主なのだが、そういうふうに
感情移入できるほどの魅力は感じられないんですヨ。

とはいうものの、壮大な歴史ロマンとして観れば、かなり良くできた映画だと
思います。
荒涼たる砂漠を舞台に、旅を続ける2人の男。それを圧倒的な映像の力で描い
ていきます。彼らを襲う馬賊やトルコ軍との戦闘シーンも圧巻。
なんといっても、ゴツゴツと骨太でリアリティーのある映画なのがいいですね
ぇ〜。 (*^_^*)

と思ったら、あれれれれ……。
なんなんでしょ。この突然の変化は??? いきなり大げさなCG全開のマン
ガチックな映画に早変わりじゃないですかッ!!!!! (・_・?)

李隊長が護衛を務めるキャラバンは経典を運んでいるのだが(そのため坊さん
も同行)、ところが実はそのウラでとんでもないものも一緒に運んでいたんで
す。
で、そのお宝をバリバリのCGでグワァ〜〜〜〜ンと衝撃的に描くんですヨ。
いきなり『インディー・ジョーンズ』か!? それとも『トゥームレイダー』
か!? な〜んて思うほどのリアリティーのないシーンに突入!

これって、世界を意識してエンターティメント性を高めようとしたのでしょう
か。
それにしてもここだけ浮きまくりです。それとも後半はずっとこのペースでマ
ンガチックに押し通すつもりなのでしょうか?

いやいや、そうではありませんでした。それ以降はリアリティーにあふれた骨
太の歴史戦争ロマンが再開。馬賊やトルコ軍との死闘はますます激烈に。砂漠
の中でノドの渇きに堪えながら、戦い続ける男たちの姿を観ているうちに、ズ
ンズンとスクリーンに引きずり込まれていきます。  (ノ゜ο゜)ノ

な〜んだ。さっきのマンガチックなシーンって、一瞬の気も迷いだったのね。
 (^。^;)

そう思った頃に訪れた衝撃のクライマックス。
え? なにこれ? またさっきと同じマンガチックなCGシーンじゃん。
しかも、それをオチに使っちゃってる。こんなにお手軽なオチでいいのか? 
こんなにあっけないラストでいいのか? 
「長安で決着をつけよう!」という男たちの誓いは、いったいどこに行ったん
だぁ〜〜〜〜!!! (゜〇゜;)グェッ

というわけで、あまりにもひどいラストでした。完全に肩透かし。ああいう設
定にしたなら、絶対に長安での対決を描くべきだよ〜〜〜。うーん、納得でき
ん。 (`ヘ´) 

それに全体を振り返ると、やっぱり主人公2人の心情がちゃんと描けていない
んだよね。
最初は「李を絶対に殺す!」と思っていた来栖が一緒に戦ううちにだんだん迷
っていくとか、あるいは来栖が身辺警護を託された将軍の娘・文珠(アイドル
のヴィッキー・チャオが超カワイイ!!)への2人の思いとか、そういうビミ
ョーな心情もキチッと描いて欲しかったなぁ〜。

完璧な中国語のセリフ(なのか? 中国語はよくわからんけど)で終始見事に
演じきった中井貴一、そしてそのライバルを力強く演じたチアン・ウェン(『
紅いコーリャン』『宋家の三姉妹』など)と、役者も頑張っているだけによけ
いにもったいない感じです。

あーあ、あの困ったラストがなければねぇ〜。かなり見応えある歴史ロマンな
のにねぇ〜。
画竜点睛を欠く。何事も最後の詰めはキチッとしないとダメ! という教訓の
ような映画でした。

《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆【わざわざ劇場で観なくても!? 他にやることがなければどうぞ】
(ラスト近くまでは★3つぐらいはあげようかと思ったのだが、怒りのラスト
でブチぎれ!)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2004年2月25日(水)池袋HUMAXシネマズにて。午後4時45分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のニュースあれこれ■

◎カンヌ映画祭のオープニング作品はペドロ・アルモドヴァル監督の新作。
◎渡辺謙が『バットマン5』の悪役に決定!
◎全米脚本家協会賞にソフィア・コッポラ。
◎アンジェリーナ・ジョリーの熱愛相手はジャレッド・レト!?

てな感じの今週。
『バットマン5』の悪役は、先週お伝えしたリーアム・ニーソンが別の役に回
ったため、渡辺謙に白羽の矢が立ったとか。それにしてもスゴイ出世。人間何
があるかわかりませんなぁ。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.今週の新作映画情報■

<今週末(2/28)に公開のおもな新作映画>
●『マスター・アンド・コマンダー』  
→ http://www.movies.co.jp/masterandcommander/

●『ゴシカ』
→ http://www.warnerbros.co.jp/gothika/index.html

●『ナコイカッツィ』
→ http://www.naqoyqatsi.jp/

●『eiko【エイコ】』 
→ http://www.bonds-inc.com/eiko/

●『涙女』 
→ http://www.miraclevoice.co.jp/namida/index.html

●『ツインズエフェクト』
→ http://sui-pun.com/twinseffect/

●『ギャザリング』 
→ http://www.gathering.co.jp/

●『悪い男』 
→ http://www.kimki-duk.jp/badguy/
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週は『ロード・オブ・ザ・リング』を早くも観た方の感想をご紹介。
<すごくよかったと思います。次から次と目をみはる戦闘シーンは圧巻だった
。あまりCGは好きではないのですが、この映画には脱帽します。細かい描写
まではっきり綺麗に作ってありますね。3時間半ですがトイレに頭がいくこと
もなく満喫しました。監督ピーター・ジャクソンの次回作に大いに期待します
。この映画に携わった人たちにご苦労様と言いたい気持ちです。個人的には『
ラスト・サムライ』より良かったと思うのでオスカーはこれで決まりかな?
                          (ユキヒト)さん>

◆うーん、そんなにいいのか。ヒネクレ者のボクとしてはぜひダメ出ししたい
のだが(笑)。ちなみに、ピーター・ジャクソンの次回作は『キングコング』で
す。キ、キングコング??? もうなんでもやれるな。

メールをくださったみなさん、ありがとうございました。m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.ぽちのひとりごと■

*今週こそ『ロード・オブ・ザ・リング』かラース・フォン・トリアーの『ド
ッグヴィル』あたりを観ようと思ったのだが、どちらも長い映画で断念。仕事
の合間に駆け込みで観られる短めの映画ということで、『ヘブン・アンド・ア
ース』になってしまいました。先週からのクドカンつながりで『ゼブラーマン
』てのも考えたんですが、こっちも時間が合わなくてねぇ〜。

その代わりといったらなんですが、『ゼブラーマン』の三池崇史監督が演出し
た松坂慶子主演のテレビの2時間ドラマ『パートタイム探偵2』(テレビ東京
)を、晩ご飯食べながら見ました。もー、バクレツしてるというか、キレてる
というか、しょーもない2時間サスペンスをここまで楽しませるのはさすが。
旬の監督だけのことはあります。なんだかよけいに『ゼブラーマン』を観たく
なっちゃいました。でも、『ロード・オブ・ザ・リング』も『ドッグヴィル』
も観たいしなぁ〜。『マスター・アンド・コマンダー』も始まるしなぁ〜。う
ーん、なんとかしてくれ〜〜〜〜!! ていうか、そもそも来週は映画館に行
く時間があるのか??? ハラハラの展開で次週に続く!?
                           (ぽち)
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