個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。
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Cinemaの王国 vol.206
発行日: 2003/12/5★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・
=週刊「Cinemaの王国」= vol.206(2003.12. 5)
http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
―『アンダーワールド』―
■2.今週のもう1本!
―『女はみんな生きている』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.今週の新作映画公開情報
■5.メールちょうだいッ!!
■6.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■
いよいよ師走ですなぁ。今年もたくさん映画を観ましたが、どーでもいい映画
も多かったです。で、今週もどーでもいい映画から!?
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●『アンダーワールド』(UNDERWORLD)
(2003年 アメリカ)(上映時間2時間1分)
監督:レン・ワイズマン
出演:ケイト・ベッキンセール、スコット・スピードマン、シェーン・ブロー
リー、マイケル・シーン、ビル・ナイ、アーウィン・レダー
*日比谷映画ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.underworld.jp/
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<ストーリー>
吸血鬼<ヴァンパイア>の女戦士であるセリーン(ケイト・ベッキンセール)
は、狼男族<ライカン>の動きを探っていた。ライカンは人間の青年マイケル
(スコット・スピードマン)を追っていた。セリーンは、ライカンに噛まれた
マイケルを一族の屋敷に運び込むが、一族の長クレイヴンは激怒する……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
美貌の吸血女は「マトリックス」だった!?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
吸血鬼VS狼男! (^o^)/
うーん、いかにもB級映画っぽいネタですねぇ〜。伝奇的なストーリーを使っ
て、オドロオドロしくも魅惑的な物語をつくり出しているんでしょうか。
と思ったら、なんのことはない。この映画、フツーのアクション映画じゃない
ですか。
「吸血鬼VS狼男」という対立の図式はあるものの、コワ〜イ場面はほとんど
ナシ。まるでただのギャングの抗争劇。他の組織との抗争がありーの、内部対
立がありーの、裏切りや陰謀劇がありーの……。
「吸血鬼VS狼男」はどこに行ったんじゃいッ! (`´メ)
肝心のアクションにしても、どこかで観たようなシーンばかり。
オープニングからほどなく、ケイト・ベッキンセール演じる主人公セリーンが
、ロングコートで二丁拳銃を乱射するシーンなんて、完全に「女マトリックス
」だもんね。
てことは、ジャンプ・スーツで剣を振り回すところは「女キル・ビル」? あ
、「キル・ビル」はもともと女だったっけ。(笑)
その他のアクションシーンも、それなりに水準はいっているものの、これとい
った特徴のない場面ばかり。
こんなんじゃ、つまんないヨ〜。 (`ヘ´)
と思ったら、中盤からは吸血鬼一族の長老の復活などを描いて、かなり持ち直
してくれました。いったん死んだ長老がセリーンによって生き返らされ、時間
とともに少しずつ再生していく姿を、特殊メイクを使ってリアルに描いていま
す。これはなかなかのものでした。
吸血鬼一族と狼男一族の悲しい過去のドラマなども登場して、それなりに盛り
上がったのでありました。
ですが、これも特に目新しいことはないですよね。しかも、ドラマとしての深
みがまったくない。セリーンの悲しい過去や、最強の男マイケル(『死ぬまで
にしたい10のこと』で主人公の夫役だったスコット・スピードマン)との愛の
物語も、ただうわべだけの空虚なドラマ。こんなんで感動できる人はいません
わなぁ〜。
ドラマ的にもダメ。アクションも平凡でイケてない。おまけに、吸血鬼はほと
んど血を吸わないし、変身した狼男はオオカミというよりはエイリアン。コワ
イっていうよりは、グロテスクで笑っちゃうのヨ。
いったいこの映画、どこで楽しんだらよいのでしょうか???? (・_・?)
あ、ありました! お楽しみどころが。
映像はかなりのもんです。ミュージック・ビデオ出身のレン・ワイズマン監督
が、スタイリッシュでキレのある映像を展開させています。いかにも「アンダ
ーワールド」という感じの不気味で、趣のある映像は見応えアリ。
てことで、ヒマつぶし程度にはそれなりに役立つ映画でしょう。ただし、それ
だけ。
レン・ワイズマン監督とケイト・ベッキンセールは、この映画をきっかけに婚
約したそうです。なので、2人にとっては思い出深い映画でしょうが、ボクに
とっては観終わってすぐに忘れてしまうような、どうでもいい映画なのであり
ました。
《ぽちのオススメ度》
★☆☆☆☆(+1/2★)【あんまりオススメできません……】
(「吸血鬼VS狼男」というのなら、それにふさわしいドラマを展開してくれ
なくちゃねぇ〜。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年11月30日(日)池袋HUMAXシネマズにて。午後1時40分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■2.今週のもう1本!■
続いては、東京などでは少し前から公開中のフランス映画を取り上げました。
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●『女はみんな生きている』(CHAOS)
(2001年 フランス)(上映時間1時間52分)
監督・脚本:コリーヌ・セロー
出演:カトリーヌ・フロ、ラシダ・ブラクニ、ヴァンサン・ランドン、リーヌ
・ルノー、オレリアン・ヴィイク、イヴァン・フラネク
*シネスイッチ銀座ほかにて公開中。順次全国公開予定
ホームページ http://onna-minna.jp/
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<ストーリー>
平凡な主婦・エレーヌ(カトリーヌ・フロ)は、夫・ポール(ヴァンサン・ラ
ンドン)が運転する車で外出中に、怪しい男たちに追われる女(ラシダ・プラ
クニ)に出会う。煩わしいことに巻き込まれたくないポールは、助けを求める
彼女を無視してドアをロックし、その場から逃げ出す。だが、彼女のことが気
になったエレーヌは、入院先を突き止めて泊り込みで看病を始める……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
たくましすぎるゾ! 女たち。情けない男を笑っちゃえ!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
男って、どうしてこんなに身勝手で、だらしなくて、アホなんでしょう。こん
な男に振り回されるのはもうイヤです。さあ、お仕置きしちゃいましょう!!
! V(^O^)
簡単にいえば、そんな映画。でも、けっして難しいフェミニズム論を展開した
り、お説教臭い描き方をしているわけではない。コメディー・タッチで、しか
もサスペンスの要素も盛り込んで、楽しく男どもをやっつけています。
オープニングはある事件が勃発。主人公の主婦エレーヌが乗った夫の運転する
車の前に、血だらけの女が現れ「助けて!」。
でも、関わりあいになりたくない夫は、窓をロックしたままで無視。女が追っ
てきた男どもにボコボコにされても平然として、窓の汚れを気にしたりしてい
る……。
もう、このシーンだけで、夫のアホさ、ダメさがクッキリと理解できるはず。
こういうヤツらが世の中をダメにしているのですよ、きっと。
そして、それに続くのがこれまた男のアホアホなシーン。ダブル居留守!
つまりですねぇ、その夫が、訪ねてきた実母に居留守を使うんです。エレーヌ
に言い訳をさせて。どうも母が嫌いらしいんですけれどね。困ったものです、
まったく。自分のおっかさんだろうがッ!
と思ったら、続いて今度はエレーヌが息子のアパートを訪ねると、その息子が
ガールフレンドに言い訳させて居留守を使う始末。
も〜、まったく父も父なら、息子も息子。「こういうアホ男に振り回されるエ
レーヌや夫の母は大変やなぁ〜」と心から同情してしまいました。 (~ヘ~;)
で、そこからがまたスゴイんですヨ。
例の事件で出会った女性が気になったエレーヌは、彼女の入院先を突き止める
。そして、一生懸命看病するんです(自分のことは隠したまま)。
これは当然、自身の罪の意識ということもあるわけですが、それ以上に、彼女
を見捨てたアホアホな夫への嫌悪感から生まれた行動じゃないでしょうか。
この女性はエレーヌとは違った意味で男の犠牲者です。複雑な家庭環境のもと
で父親の犠牲になり、そこを抜け出そうとして今度は別の男によって娼婦にさ
せられてしまったんです。
こうしてフツーの主婦の復讐劇と、闇の世界につながる娼婦の復讐劇を組み合
わせることで、エンターティメントとしての楽しさと、観客の共感を呼ぶ楽し
さとをうま〜く合体させています。
さて、そんな2人が繰り広げる男への仕返し。かなりキツイところもあるけれ
ど、全体がユーモラスなのでけっしてイヤな感じではない。役者の大げさな演
技が効果的だし、短いシーンをポンポンとつないでいく、たたみかけるような
展開も魅力的。
やがて映画はクライマックスへ。
女たちの復讐によってますます右往左往する男たち。
そして、いよいよ闇の世界に対して娼婦が仕掛ける最終攻撃。と同時に、エレ
ーヌの夫と息子もアラアラアラララ……。 ( ゜_゜;)
ホント、コイツらアホですねぇ〜。いえいえ、この映画に出てくる男たちはみ
んなアホなのだ。もう笑っちゃうしかないですよ。 (^0^)
売春組織の恐怖のウラ事情とか、人身売買まがいの結婚など、女を食い物にす
る社会事情もキッチリ描き、一方では娼婦が語る男をオトすテクニックなども
披露。そういう様々な要素も盛り込んで、最後まで飽きさせません。
監督は『赤ちゃんに乾杯!』(1985)のコリーヌ・セロー。『赤ちゃんに乾杯
!』は『スリー・メン&ベイビー』としてハリウッドでリメイクされましたが
、ウワサではこの映画もリメイクされるとか。
ある女性の出現によって、退屈な毎日や身勝手な男どもからの脱却を決意した
主婦の物語。アホアホ男を手玉に取る女たちのたくましさに、思わず拍手して
しまいました。
女性はもちろん楽しめる映画ですが、男性のボクも楽しく観させていただきま
した。
ん? それって自分がアホアホ男じゃないと思っているからなのか? ホント
はボクもコイツらみたいなアホアホ男なのか? ま、まさかそんな……。
(ノ゜ο゜)ノ
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(男のボクでもこれだけ楽しめたのだから、女性ならなおさら楽しいのでは?
アホアホ男を笑ってやりましょう!)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年12月2日(火)新宿武蔵野館にて。午前11時40分の回。
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■3.今週のニュースあれこれ■
◎『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』30億円ワールド・プレミア開催。
◎『グーニーズ2』が本格始動!
◎『バットマン5』にマイケル・ケインが出演。イーストウッドも?
てな感じの今週。
ここには書きませんでしたが、個人的には、『キャットウーマン』撮影中のシ
ャロン・ストーンが撮影現場でワガママ放題の大暴れ中という話題に興味を引
かれました。いろんな意味で復活かしら……。 (^。^/)
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■4.今週の新作映画情報■
<今週末(12/6)に公開のおもな新作映画>
● 『1980(イチキューハチマル)』
監督・脚本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:ともさかりえ、犬山イヌコ、蒼井優、串田和美、及川光博
<ケラリーノ・サンドロヴィッチが長編映画監督に初挑戦。>
→ http://1980-movie.jp/
● 『スティール』
監督:ジェラール・ピレス
出演:スティーヴン・ドーフ、ナターシャ・ヘンストリッジ、ブルース・ペイン
<『TAXi』のジェラール・ピレス監督によるアクション。>
→ http://www.steal.jp/
● 『美しい夏キリシマ』
監督:黒木和雄
出演:柄本佑、原田芳雄、左時枝、牧瀬里穂、宮下順子
<黒木和雄監督が自らの少年時代の体験をもとに描く1945年の夏。>
→ http://www.pan-dora.co.jp/kirishima/index.html
● 『ファインディング・ニモ』
監督:アンドリュー・スタントン
声の出演:アルバート・ブルックス、エレン・デジェネレス
<ピクサー&ディズニーが贈る、驚異のフルCG冒険アニメーション。>
→ http://www.disney.co.jp/nemo/
●『ラスト・サムライ』
監督:エドワード・ズウィック
出演:トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之、小雪
<武士道を描くトム・クルーズ製作・主演のハリウッド映画。>
→ http://www.lastsamurai.jp/
●『あたしンち』
監督:やすみ哲夫
声の出演:渡辺久美子、折笠富美子、坂口大助
<人気漫画初の映画化。>
→ http://www.toei.co.jp/movie/atashi/
●『自転車でいこう』
監督:杉本信昭
出演:李復明
<自閉症の青年を描いたドキュメンタリー。>
→ http://www.montage.co.jp/jitensya/
●『黒の怨』
監督:ジョナサン・リーベスマン
出演:チェイニー・クレイ、エマ・コールフィールド、リー・コーミー
<全米初登場1位の新感覚ホラー。>
→ http://www.sonypictures.jp/darknessfalls/
●『サル』
監督・脚本:葉山陽一郎
出演:水橋研二、鳥羽潤、大森南朋、鈴木直
<新薬投与のアルバイトに参加した若者の運命を描く衝撃作。>
→ http://www.fields.jp/saru/
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■5.メールちょうだいッ!!■
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
◆今週はメールの紹介はお休みです。
メールをくださったみなさん、ありがとうございました。 m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや取り上げて欲しい作品のリクエ
スト、観た映画の感想など、気軽にメールをくださいネ。できれば名前(ハン
ドルネーム可)を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合
もあります。載せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■6.ぽちのひとりごと■
*先日開催された「東京フィルメックス」に出かけて、コンペ部門の日本映画
『815』を観たのですが、これがエロと反権力と日本の歴史がごちゃ混ぜにな
った実験映画風な作品で、ほとんど脳みそがウニ状態でした(笑)。70年代な
らともかく、今の時代にこんな映画をつくっている人がいるとは……。映画っ
てホントに不思議な世界ですねぇ。
(ぽち)
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.206 2003.12. 5
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