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=週刊「Cinemaの王国」= vol.170(2003. 3.28)
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
―『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』―
■2.今週のもう1本!
―『24アワー・パーティー・ピープル』―
■3.今週のニュースあれこれ
■4.メールちょうだいッ!!
■5.ぽちのひとりごと
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■1.今週のこの1本!■
相変わらず世界は大変なことになっていますが、当メルマガはいつものように
お届けしております。まずは、公開からすぐに動員ランキング1位に輝いたス
ピルバーグ監督+ディカプリオのこの作品からだ!
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●『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(CATCH ME IF YOU CAN)
(2002年 アメリカ)(上映時間2時間21分)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:レオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクス、クリストファー・ウォー
ケン、マーティン・シーン、ナタリー・バイ、エイミー・アダムス
*日劇1、渋東シネタワーほかにて全国公開中
ホームページ http://www.uipjapan.com/catchthem/
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<ストーリー>
両親の離婚にショックを受けて家出した16歳のフランク(レオナルド・ディカ
プリオ)は、金に困って小切手詐欺を思いつく。旅客機のパイロットになりす
まし、銀行をだました彼は、それをきっかけに次々に犯行を重ねる。だが、や
がてFBIのベテラン捜査官カール・ハンラティ(トム・ハンクス)が捜査を
開始し……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
犯罪劇の楽しさはバツグン。控えめに描かれる父と子のドラマも見応えアリ
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「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン=捕まえられるもんなら捕まえてみな
ヨ〜」てことですよね。つまり、これは犯罪者と捜査官の話。
しかも、それが実話に基づいているというのが、この映画の大きなポイント。
ひとりの若者が引き起こす奇想天外な犯罪劇は、まさに「事実は小説より奇な
り」を地で行く楽しさにあふれています。 (*^。^*)
オープニング・タイトルは軽妙なアニメーション。ここからすでに、過去のス
ピルバーグ作品とは、明らかに違ったタッチが感じられます。
主人公は16歳のフランク少年。父を誇りに思う彼だったが、その父は税金トラ
ブルから金銭的苦境に陥ってしまう。おまけにそれがきっかけで両親は離婚。
ショックを受けたフランクは家出し、金に困って小切手詐欺を思いつく。
最初はうまくいかないものの、パイロットの制服が銀行までも信用させること
を知った彼は、パンナムのパイロットに成りすまし、小切手詐欺に成功する。
それをきっかけに、次々と犯行を重ねるフランク。エスカレートする犯行にF
BIのベテラン捜査官カール・ハンラティが捜査に乗り出すが、なかなか犯人
がわからない。ついに、ハリウッドでフランクを追いつめるが……。
ドラマの中心は、意表をついたユーモラスな犯罪劇。
でも、その背景には、深い人間ドラマがあります。フランクが犯罪に走ったき
っかけは、父の事業の行き詰まりとそれに起因する両親の離婚。そこで、金さ
えあれば両親が元通りになると信じた彼は、詐欺で金を稼ぎまくる。
前半はフランクが犯行に手を染め、どんどんのめりこんでいく姿が、その心情
とともにじっくり描かれます。特に父親との絆の強さがていねいに描写される
。尊敬する父親が落ちぶれていくのを見ていられないフランク。それに対して
、どんな状況に陥っても父と子の関係が不変であることを態度で示す父。ここ
では、父親役のクリストファー・ウォーケンが大きな存在感を示しています。
まあ、フランクの考えはどう見たって子供じみているんですけどね。でも、本
人は至ってマジ。それがなんともおかしくて、やがて哀しくなるんですよねぇ
〜。純な心のまま犯罪に走るから、犯罪者なのに全然憎めないしさぁ〜。
このあたりの人間ドラマはなかなか見事。父と子の男同士の心のふれあいを抑
制したタッチで描いたところに感心しました(涙ボロボロの感動ドラマではな
いので、共感しにくい人もいるでしょうが)。いやぁ〜、スピルバーグにこん
なドラマがつくれるとは……。 (~ヘ~;)
とはいうものの、いちばん楽しいのはやっぱり犯罪劇。フランクがあのテ、こ
のテで犯行を重ねる様子が文句ナシに楽しいんです。
何しろコイツ、転校先でいきなりニセ教師になって威張っちゃう。ダマシの天
才だよね。
手形詐欺を始めてからも、パイロットに成りすますために学校新聞の記者だと
偽って航空会社を取材したり、医者や検事になるのにテレビドラマの知識を活
用したりと、意表をついた手段を次々と繰り出す。
そのユーモラスな手口を見ているだけで、自然に楽しくなってくるんです。お
まけに、これが実話ときてるんだから、なんともまぁ。 ┐(´-`)┌
中盤からは、フランクとFBI捜査官との対決が大きなポイントになります。
両者の虚々実々の駆け引きが楽しい。しかも、トム・ハンクス扮する捜査官が
マジメ一本やりで表情も変えない男だというのが、実にいいんですよねぇ〜。
ワケわからんジョークを言ったりしてサ。
敵同士だったふたりの関係に少しずつ変化が訪れるあたりも、深みのある展開
です。
ときどき、「そんなバカなことないヨ!」と思うところも出てくるんですが、
なにしろ映画の冒頭で「これは実話に基づいた話です」と断っているから、納
得するしかない。これもうまいやり方だよなぁ〜。
映画の舞台は1960年代ということで、当時の音楽やファッションなども再現し
、ノスタルジックな雰囲気を漂わせています。いつもは仰々しいジョン・ウィ
リアムスの音楽でさえ、控えめでスタイリッシュなんですから。
ただし、途中でややテンポがもたって、全体に長すぎる感じがしたのが残念。
犯罪劇と、父と子のドラマのバランスが崩れて、やや消化不良になった部分も
感じられました。もうちょっとカットして2時間8分ぐらい(ビミョー(笑)
)の映画にしても良かった気もするのだが……。
そういう消化不良の部分や心理描写の甘さも多少はあるけれど、全体としては
かなりよくできた作品になっていると思います。特にあのテこのテで犯行を重
ねる犯罪劇の楽しさはバツグンですね。
それに、なんたって、これが実話だっていうんですから。やっぱり、それがサ
イコーにスゴイことかも。 (*^。^*)
おっとっと、最後にファンのみなさんのためにレオ様にも触れましょう。
子供じみた動機のまま犯罪に突っ走る。そんな憎めない犯人役を見事に演じて
いました。大人と子供が同居するこういう役は適役だったかも。
それにしても、28歳のレオ様がちゃん〜と16歳に見えてしまうというのは、あ
る意味いちばんスゴイことかも!? (^0^)
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)【かなりオススメ。観たほうがいいんじゃない?】
(結果が最初からわかっているのに、最後まで飽きさせないスピルバーグの手
腕は見事。最近の彼の映画ではいちばん好きです。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年3月25日(火)池袋HUMAXシネマズ4にて。午後4時10分の回。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■2.今週のもう1本!■
今週の2本目は現在東京で公開中のイギリス映画。「マンチェスター・ムーブ
メント」というかつての音楽ブームを描いた作品です。
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●『24アワー・パーティー・ピープル』(24HOUR PARTY PEOPLE)
(2002年 イギリス)(上映時間1時間55分)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーヴ・クーガン、アラン・エラスムス、シャーリー・ヘンダーソ
ン、パディ・コンシダイン、アンディ・サーキス、ショーン・ハリス
*シネセゾン渋谷にて公開中。順次全国公開予定。
ホームページ http://www.gaga.ne.jp/24hour/
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<ストーリー>
セックス・ピストルズのマンチェスター初のライブを見たグラナダ・テレビの
レポーター、トニー・ウィルソン(スティーヴ・クーガン)は、その日を境に
相棒のエラスムスとともにバンドをマネージメントしたいと考えるようになり
、ライブ・ハウス「ファクトリー」を始める。ここから伝説のファクトリー・
レコードの歴史は始まったのだが……。
<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
70〜80年代の息吹を伝えるUKロックファン涙モノの青春映画
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
イギリス・マンチェスターで70年代〜80年代に起きた“マンチェスター・ムー
ヴメント”。その火付け役となったレコード会社「ファクトリー」と伝説のク
ラブ「ハシエンダ」を創りあげたトニー・ウィルソンとその仲間たちの実話を
もとにした物語です。
当時の音楽がたくさん登場するので、UKロック・ファンにとってはまさに涙
モノの映画。同時代に青春時代を過ごした人にも感慨深いものがあることでし
ょう。 (T^T)
とはいうものの、さすがに『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(1997)や『ひか
りのまち』(1999)などを手がけたマイケル・ウィンターボトム監督だけに、
ただの伝記映画にしていないところがミソ。いわゆる青春映画としても、それ
なりに楽しい映画に仕上げています。
ストーリーは、テレビ・リポーターのトニー・ウィルソンが音楽ビジネスに手
を染め、一大ムーブメントをつくり出した成り上がりと没落の物語。
主人公のトニーをはじめ、登場するスタッフやミュージシャンはみんな自由と
いうか、アナーキーというか、ハチャメチャというか……。まあ、これは当時
の時代そのものを反映した姿だと思うんですが、この映画の構成や映像も、そ
の精神そのままにやりたい放題で自由に突っ走っています。 (^o^)/
基本はフツーのドラマなんですけどね。でも、あっちこっちと自由に飛びまわ
るんです。
例えば、主人公のトニーがテレビリポーターであるのを生かして、ドラマの途
中で突然、この映画についてのレポートや解説を始めちゃう。また、ムーブメ
ントのきっかけになったセックス・ビストルズのライブなどでは、当時の演奏
の映像をそのまま使って、ドキュメンタリー的な手法も取り入れている。
さらに、UFOが飛んできたり、天使が現れたりといったブッ飛んだフィクシ
ョンまで繰り出しています。
映像も途中でドンドン色調を変えたり、画面を2分割にしたりと大忙し。もち
ろん、音楽がテーマの映画だけに、全体のノリもバツグンです。
こうやって次々にいろんな仕掛けをして、最後まで観客を飽きさせません。当
時の時代の息吹もしっかりと伝わってくる。UKロックのファンでなくても、
青春ドラマとしてキッチリ楽しめる映画になっています。
(ただし、「青春の光と影をクッキリと浮かび上がらせた!」というほど深〜
いところまでは、突っ込んで描かれていませんけれどね……。)
それでも、やっぱり当時のUKロックを知らないとややキビシイところもある
よなぁ〜。ニュー・オーダー、ジョイ・ディヴィジョン、ハッピー・マンデー
ズといったミュージシャンたちの裏話がいっぱい詰まっているし、そういう人
たちのことを知らないとよく理解できない部分もある。そのへんは、まあ、素
材が素材だけに仕方のないところでしょう。
それにしても、なんとまあ、コイツらのハチャメチャなこと。まさにタイトル
通りに「24時間お祭騒ぎ」です。
ドラッグ、セックス、ケンカ、自殺と何でもあり。金銭的にもデタラメ(それ
がのちに没落を招くのだが)。ホントに困った人たちです。
だけど、その中でひとつだけ大切なことがあるんです。彼らはミュージシャン
の創造性を最大限に尊重し、自由に音楽をやらせた。これってとても大切なこ
とですよね。
最近は、音楽業界も完全に産業化されて、「儲かるか、儲からないか」だけが
判断基準になってしまっている。こうした現状を考えると、彼らのスピリット
はなんとも自由で、うらやましくさえ感じられる。
同時代に青春時代を過ごしたウィンターボトム監督は、そのあたりに共感して
この映画をつくったんじゃないでしょうか。
というわけで、UKロック・ファンは必見の映画。もちろんサントラ盤も必聴
でしょう。それ以外の人もそれなりに楽しめる青春映画になっているので、当
時の時代の息吹や、若者の生き様を知りたい方はどうぞ。
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆【普通にオススメ。観て損はナシ】
(UKロックのファンはぜひ劇場へ。ビデオやDVDとは音の迫力が違うから
ね。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2003年3月26日(水)シネセゾン渋谷にて。午後4時20分の回。
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■3.今週のニュースあれこれ■
◎アカデミー賞、作品賞は『シカゴ』、監督賞は『戦場のピアニスト』。
◎アカデミー受賞式で反戦メッセージが続々。
◎アカデミー長編アニメ賞は『千と千尋の神隠し』。
◎「裏アカデミー賞」ラジー賞はマドンナ主演作が5部門受賞。
◎トビー・マグワイア、『スパイダーマン』続編降板のウワサはデマ。
◎ビリー・ボブ・ソーントンに6度目の結婚のウワサ?
◎個性派俳優の天本英世氏が死去、古尾谷雅人氏は自殺死。
てな感じの今週。アカデミー授賞式では、なんといっても予想を覆して(?)
長編ドキュメンタリー賞を獲得した『ボウリング・フォー・コロンバイン』の
マイケル・ムーア監督のスピーチがスゴかったですよね。「偽りの大統領が、
偽りの理由をでっち上げて戦争しているんだ。ミスター・ブッシュ、恥を知れ
!」ですもんね。あ〜あ、胸がスッとした(笑)。主演男優賞のエイドリアン
・ブロディ(『戦場のピアニスト』)の「早期に平和的に戦争が終わって欲し
い」という涙ながらのスピーチにも感動しました。
*アカデミー賞とラジー賞の結果をまだ知らない方はこのへんでチェックして
みてください。
・アカデミー賞 http://theater.nifty.com/academy/index.htm
・ラジー賞 http://www.eiga.com/buzz/030325/04.shtml
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■4.メールちょうだいッ!!■
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
◆今週も何通かメールをいただきましたが、レビューが長めになったので紹介
はお休みします。(あらためて来週以降に紹介するかも。)
メールをくださったみなさん、ありがとうございました。 m(._.)m
みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや「こんな作品を取り上げて欲し
い」といったリクエスト、自分が観た映画の感想、映画に関する疑問・質問な
ど、気軽に下記までメールをくださいネ。できれば名前(ハンドルネーム可)
を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合もあります。載
せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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■5.ぽちのひとりごと■
*どうせ「戦意昂揚ショー」のようになると思ったアカデミー賞ですが、実際
はかなり反戦色が強くなってなかなかおもしろかったです。主催者やマスコミ
にとっては予想外のことだったかもしれませんが……。とにかく早くやめよう
よ、こんな戦争。ねぇ、ブッシュさん。
*先週金曜日に、ホラー映画の「スニーク・プレビュー(覆面試写会)」に行
ってきました。上映されたのは韓国映画『ボイス』。なかなかおもしろかった
ですよ。なかでも重要な役を担うお嬢ちゃんの顔のスゴイこと。ありゃあ、『
エクソシスト』のリンダ・ブレアをカンペキに超えたな(笑)。
(ぽち)
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☆このメールマガジンは
・『melma!』 http://www.melma.com/ ID:m00025647
を利用して発行しています。
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.170 2003. 3.28
●編集発行人:ぽち
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(発行者自身による解除、アドレスの変更等は一切行っておりません。ご面
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●Copyright(c)1999-2003 ぽち fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
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