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個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。

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Cinemaの王国 vol.151

発行日: 2002/11/8

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 =週刊「Cinemaの王国」= vol.151(2002.11. 8)      
 
                 http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【INDEX】
■1.今週のこの1本!
  ―『プロフェシー』―
■2.今週のもう1本!
  ―『OUT』―
■3.ニュースのツボ
■4.メールちょうだいッ!!
■5.ぽちのひとりごと
==================================================================

■1.今週のこの1本!■

昨日はついに暖房を入れてしまいました。寒かったですッ! ところが、今日
はやけに暖かい。これじゃ体がついて行けないヨ〜。そんな落差の激しい天候
にもめげず、今週はこの映画から行ってみよぅ〜〜〜!!
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●『プロフェシー』(MOTHMAN PROPHECIES)
(2002年 アメリカ)(上映時間1時間58分)
監督:マーク・ペリントン
出演:リチャード・ギア、ローラ・リネイ、ウィル・パットン、デブラ・メッ
シング、ルシンダ・ジェニー、アラン・ベイツ
*東劇、東急文化会館ほかにて全国公開中
ホームページ http://www.prophecy-movie.jp/
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<ストーリー>
ワシントンの新聞記者ジョン(リチャード・ギア)の妻が、車を運転中にナゾ
の生物を目撃して事故を起こす。それから間もなく彼女は病死する。2年後、
ウエスト・バージニアのある田舎町を訪れたジョンは、そこで奇怪な現象が続
発していることを知る。独自に調査に乗り出すジョンだったが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
また超常現象かい! 観客の不安感を高める手法は見事だけど……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アメリカの人ったら、好きやなぁ〜、超常現象が。まあ、日本人だって嫌いじ
ゃないんだろうけどサ。
リチャード・ギア主演のこの映画もまた、超常現象を扱っています。といって
も、『サイン』のUFOのようにはっきり形が見えるわけじゃあない。相手は
ワケのわからんバケモノなんです。 W(゜O゜)W

リチャード・ギア扮するワシントン・ポストの敏腕記者ジョン・クラインは、
妻とともに自動車事故に遭う。妻はケガをして入院。検査の結果、脳が難病に
冒されていることがわかり、やがて亡くなってしまう。生前、妻は事故の際に
何かを見たと言い、羽の生えた人物の奇妙な絵を描いていた。

それから2年後、ジョンは車で取材地に向かう途中、いつの間にか600キロも
移動してしまい、ポイントプレザントという田舎町に着く。そこで、初対面の
男に銃を突きつけられて、「付きまとうな!」と脅かされる。
女性警官のコニーによれば、この町では最近不思議なことがたくさん起こり、
2年前に妻が残したのと同じ奇妙な人物も目撃されているという。ジョンは独
自に調査を始めるが……。

要するに『X−ファイル』か『ツイン・ピークス』か、てな感じの不可思議ワ
ールドが展開されるんです。その見せ方がとってもうまい。
アップを多用したり、光を効果的に使ったりと、細かな映像テクによって観客
の不安感を煽り、ナゾを深めていきます。電話の声など音響の使い方も見事。
なんだかワケがわからないんだけど、確実に何かがいる。そんな宙ぶらりんの
状態のまま、観客はグイグイと引っ張られていきます。 (∋_∈)

やがて、チラチラと見え隠れしていたバケモノは、どうやら「蛾男」と呼ばれ
るものらしいことがわかってきます。それらしい生き物の姿も登場するし、人
間のものとは異質な声も披露される。それでも、核心部分はずーっと闇の中。
絶対に明らかにはなりません。これぞ究極のチラリズム!?

このあたりのマーク・ペリントン監督の演出は、『サイン』のシャマラン監督
や『ツイン・ピークス』のデビッド・リンチ監督あたりと共通するところもあ
ります。しかし、この映画のほうがテンポがいいし、映像から伝わる寒々しい
感じも独特で印象に残りました。きちんと伏線を張った脚本もよくできていま
すね。

中盤からは、予言が大きな意味を持ってきます。問題の蛾男が予言した恐怖の
出来事が実際に起きて、人々を恐怖に陥れます。
その中でジョンは亡き妻の影を感じ取り、また同時に女性警官のコニーとも微
妙な関係になっていく(ここはありがちなパターンね)。

クライマックスはある予言がもとで、大ドンデン返しのスペクタクルなシーン
が訪れます。これまた予想外の展開で楽しめました。 (*^。^*)

ただし、全体的に見るとどうにもスッキリしないものが残るんだよなぁ〜。だ
って、そりゃそうでしょ。超常現象だからねぇ。しかも、『サイン』のような
宇宙人ならともかく、正体不明のものだからなんか引っかかっちゃうのヨ。モ
ヤモヤしたままでサ。 (~ヘ~)
「実はあれは全部人間の仕業でした」な〜んて単純な結末を期待するわけじゃ
ないんですが、もう少しスッキリする部分があっても良かった気がします。

それにしても、リチャード・ギアがこういう映画に出るなんて意外。ただの二
枚目に飽きちゃったのか!?
でもねぇ、追い詰められてもやっぱりスタイリッシュだからさぁ、デ・ニーロ
みたいなヨレヨレのオッサンにはならないのヨ。おかげで、主人公が見えざる
敵によってジリジリと追い込まれていく様子が、イマイチ伝わりにくかった気
がしました。

結論を言えば、見えない敵をうまく描いて、心理的な恐怖感を高めていく過程
は見応えがあります。センスとキレのある映像は必見。
ただし、素材が素材だけに超常現象や不可思議世界が好きな人でないとちょっ
とツライかも。スカッとできる映画を求める方は観ないほうがいいでしょう。

しかしまぁ、いちばんブッ飛んだのは、この映画が実話をもとにしているって
いうこと。オイオイ、本当かよ? やだぜ、こんな不可思議現象に巻き込まれ
るのは。蛾男来るなぁ〜〜〜!!!!! (>_<")

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(特に前半の観客を不安に陥れるテクニックは素晴らしい! ただし、最後ま
でモヤモヤしたままなので、超常現象に興味のない人はツライと思います。)
                           <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2002年11月5日(火)シネマサンシャインにて。午前11時20分の回。
混雑度/B(平日もそこそこの入りですね。)
------------------------------------------------------------------
*この作品のもう少し詳しいデータ(製作・撮影監督等)をホームページに載
せておきました。
http://homepage1.nifty.com/pochie/vol151prophecies.htm
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇ 〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■2.今週のもう1本!■

今週も邦画を1本取り上げました。「ずいぶん邦画に肩入れしてるじゃないの
?」とお思いかもしれませんが、そういうわけではありません。ロバート・ア
ルトマン監督の『ゴスフォード・パーク』を観にいったら満席で入場できず、
急遽方針を変更したんですぅ〜〜〜! (T^T)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●『OUT』
(2002年 日本)(上映時間1時間59分)
監督:平山秀幸
出演:原田美枝子、倍賞美津子、西田尚美、室井滋、間寛平、香川照之
*丸の内プラゼール、渋谷松竹セントラルほかにて全国公開中
ホームページ http://www.movietv.co.jp/out/
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
<ストーリー>
弁当工場で働く主婦、雅子(原田美枝子)は妊娠中の同僚、弥生(西田尚美)
から夫を殺したと打ち明けられる。無理やり死体の処理を押し付けられた彼女
は、工場仲間のヨシエ(倍賞美津子)、邦子(室井滋)を引き込んで、浴室で
バラバラにする。翌朝、それを生ゴミとして捨てたのだが……。

<レビュー>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
原作の魅力はないものの、平凡な女たちのドラマとしては見応えアリ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ご存知、桐野夏生のベストセラー小説『OUT』を映画化した作品。
ボクは原作を半分読んだところで映画を観たんですが、「読まなきゃよかった
なぁ〜」と後悔してしまいました。原作とはかなり違うので、「あ、あそこが
違う。ここも違う」と両者の差ばかり気になっちゃうんですよね。原作をまだ
読んでいない人は、映画の後で読んだほうがいいんじゃないでしょうか。

とはいうものの、物語の大ワクは原作通り。弁当工場で働く4人のパート仲間
。雅子は失業中の夫と引きこもりの息子を抱え、ヨシエはしゅうとめを介護中
、邦子は浪費癖が高じて借金を抱え、弥生は暴力夫に苦しんでいる。
そんなある日、弥生が衝動的に夫を殺してしまう。助けを求められた雅子は、
仲間を巻き込んで遺体を解体するが……。

4人の環境は原作とビミョーに違います。例えば、弥生が妊婦なのは原作にな
い。邦子が独身なのも原作と違う。性格もちょっと違っていて、それが4人の
関係や事件の展開に大きな影響を与えています。

まあ結局のところ、原作はミステリー小説なので、登場人物の闇の部分をクロ
ーズアップしてそこをグイグイ突いて行くんですが、それに対してこの映画は
、普通の女性たちが事件をきっかけに大きく変化していく姿に焦点を当ててい
るんです。

4人の女性たちはみんな人生に行き詰まっています。ただし、それはけっして
珍しいことではなく、どんな人にも起こり得ること。失業、引きこもり、借金
、暴力夫なんてどこにでも転がっている話ですよね。
ところが、突発的な殺人がきっかけで、次第に彼女たちは生活の呪縛から解放
されて、新たな夢を持つようになります。

こうしてフツーの女性たちが、犯罪行為を通して耀いていく様子が生き生きと
描写されます。4人の友情と打算もリアルに描かれる。犯罪で人生が耀きだす
のはかなり異常なことなのに、ちっとも異常には思えない説得力のある描き方
をしています。ここがこの映画の最大の見どころ。

そこで、良いアクセントになっているのがユーモアです。例えば、雅子とヨシ
エは死体の解体の時に、血で汚れるからと水着を着るんですよね。で、「水着
なんか着るの何年ぶり〜」とかって間の抜けた会話をするんです。オゾマシイ
行為の最中なのにサ。おかげで、エグイはずの死体解体をゲラゲラ笑いながら
見てしまいました。こういうところも原作にはない魅力。

平山秀幸監督と脚本の鄭義信は、名作『愛を乞うひと』のコンビ。あの作品で
も、主人公をはじめ登場人物の心理がリアルに描き出されていましたが、さす
がに今回もそのあたりはぬかりがないですねぇ〜。 (*^。^*)

ただねぇ、後半の展開はちょっと無理があるんじゃないかなぁ〜。
真相に気づいた金融業者と雅子との間で、ビミョーな感情の揺れ動きがあるん
だけど、そこは十分には描ききれていなかった気がします。

それに、凶暴な男が事件に絡んできて大変なことになるんだけれど、その背景
がちゃんと描かれていないからかなり強引に思えちゃう。
だいたいその男を演じているのが間寛平でしょ。凶暴な男って言ってもサァ、
いつ「かいぃーの」とか「血ぃ吸うたろか!」なんてギャグ飛ばすかと思って
気が気じゃなかったのだ。 (^。^/)

ただし、想像するに、監督たちは事件そのものの展開や捜査の進展といったミ
ステリーに大切な要素は、あえてカットしちゃったんだと思います。
そういうところを捨てて、代わりにフツーの女性たちが変化していく人間ドラ
マをクローズアップしたんでしょう。
上下2冊もある原作を2時間の映画に閉じ込めても絶対に無理があるし、小説
と映画は全く別ものだから、こういう映画にしたのは基本的に正解だと思う。

4人の女性を演じた女優さんは、みんな実力のある人たちですから、うまいの
は当然。特に原田美枝子と倍賞美津子はさすがの演技。室井滋のユーモラスさ
も印象的でした。西田尚美のあっけらかんとした感じも今風で良かったです。

原作のイメージで観ると期待を裏切られると思います(特にミステリーファン
は)。その代わり、人間ドラマが好きな人にとっては見応えがあると思う。な
かでも、日常生活に疲れている女性たちは、かなり共感できるんじゃないでし
ょうか。しかしまぁ、女の人ってたくましすぎるぜ! (~ヘ~;)

《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆
(原作とは別ものとして観ればまずまずの映画だと思う。ミステリーファンに
は物足りないでしょうが……。)
                             <ぽち>
〔鑑賞データ〕
2002年11月6日(水)新宿ピカデリーにて。午後1時45分の回。
混雑度/A(映画サービスデーでもあり、かなりの入りでした。)
------------------------------------------------------------------
*この作品のもう少し詳しいデータ(製作、撮影監督等)をホームページに載
せておきました。
http://homepage1.nifty.com/pochie/vol151out.htm
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■3.ニュースのツボ■

<W・アレンとS・ペンが再共演&G・クルーニーのお尻>

☆大家さん/今週は2本のニュースをご紹介。まずは、『ギター弾きの恋』で
共演したウッディ・アレンとショーン・ペンが、『ホワイ・メン・シュッドゥ
ント・マリー』(原題)で再び顔を合わすことが決まったそうだよ。内容は、ペ
ン扮する離婚で辛い思いをした男が結婚しないことを謳う集団のリーダーとな
ったものの、アレン扮する何度離婚しても結婚はいつかは成功すると信じてい
る男と出会い、自分を見つめ直すまでをコメディタッチに描いた映画だとか。

★熊さん/うーん、いかにもって感じですね。さて、こちらはジョージ・クル
ーニーの新作『ソラリス』(原題)が、アメリカでR指定になったという話題。
何でも、作品の中にクルーニーのお尻が出てくるためだとか。クルーニーの宣
伝マンは「実にばかげた話」と怒りまくりだそうです。ふーん、尻ねぇ。する
ってえと、相撲中継はアメリカなら全部R指定なのか!?(笑)
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■4.メールちょうだいッ!!■

「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。

◆今週は、(ユキヒト)さんから『ザ・リング』『ブラック・ナイト』などの
感想をいただきました。そのうち話題の『ザ・リング』の感想を少しだけご紹
介します。
<ハリウッドが作るとこうなるのか、ということだけわかりました。何も知ら
ない人にはすごく面白いかもしれませんが、前の日のTV(日本版)で見た人
にはどうでしょうか?って感じですね。ストーリーほとんど同じですから。ナ
オミ・ワッツって一つの映画で色々な顔になれる人ですね。『マルホランド・
ドライブ』の時も思いました。これから伸びてほしい女優さんです。>

◇たぶんハリウッド的にはショッキングホラーやスプラッタームービーのよう
なコケおどしでなく、心理的怖さを煽る点で目新しいんだと思います。ただし
確かに日本版を観た人には物足りないかもしれませんね。

◆続いては、(庄内美人???)さんから、先週取り上げた『たそがれ清兵衛
』についてのメールをいただきました。
<実は、この映画の舞台になった山形県の庄内に住んでいます。私も先日、母
と観に行ったのですが、本当にとても良かったです。涙あり、笑いあり、迫力
もありで... 映画の中の方言も、地元の者が聞いてもなかなかでしたよ。 
映画館もいつもは来ないような年配者の方々でいっぱいでした。 >

◇本当に良い映画でした。今年の邦画ベスト1になるかも。独特の方言もいい
味を出していました。観客は年配の方が多いようですが、若い方にも見ていた
だきたいですね。

みなさんも「Cinemaの王国」へのメッセージや「こんな作品を取り上げて欲し
い」といったリクエスト、自分が観た映画の感想、映画に関する疑問・質問な
ど、気軽に下記までメールをくださいネ。できれば名前(ハンドルネーム可)
を本文中に明記してください。(メールは誌面で紹介する場合もあります。載
せて欲しくない方は、その旨を明記してください。)
・メールはこちらまで
fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜

■5.ぽちのひとりごと■

*今週取り上げた2本はまあまあって感じかな。それよりも、東京・恵比寿ガ
ーデンシネマにて上映中のロバート・アルトマン監督『ゴスフォード・パーク
』が観られなかったのが残念。なんだかスゴイことになっていて、平日でも午
後1時20分の回は満席だそうです。行かれる方は、朝一番か、夕方の上映をオ
ススメします。

*日によって寒暖の差は激しいものの確実に冬の気配が……。韓国みたいに床
暖房が欲しいよぉ〜。沖縄に避寒に行こうかしら。そんなお金ないけど。みな
さんのところは寒くないですか?
                             (ぽち)
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