個性派ライターによる映画レビューのマガジン。毎週1〜2本、新作映画を中心に言いたい放題で斬りまくります。
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Cinemaking vol.80
発行日: 2001/6/29★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…・・・★…
週刊「Cinemaの王国」 vol.80(2001. 6.29)
http://homepage1.nifty.com/pochie/
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【今週のアイ〜ン!】
◆ハーレイ・ジョエル・オスメント君が『A.I.』のプロモーションで来
日。で、『A.I.』にかけて「アイ(A.I.)〜ン」というギャグを
披露したとか。
◇コラコラ、そんなところで子供ぶってもダメ。ふだんは「おとな子供」み
たいなんだからさぁ。
(でも、さすがに、えなりかずきクンには負けるな、きっと。)
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◆INDEX
■1.新作映画レビュー・その1
―『ザ・コンテンダー』―
■2.新作映画レビュー・その2
―『ダンス・オブ・ダスト』―
■3.メールちょうだいッ!!
■4.次号はあるのか!?
■5.ライターのつぶやき
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■1.新作映画レビュー・その1■
暑いッスねぇ〜。 (^。^;)
今週はホットな政治ドラマ『ザ・コンテンダー』からスタートです。
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●『ザ・コンテンダー』(THE CONTENDER)
(2000年 アメリカ)(上映時間2時間7分)
監督・脚本:ロッド・ルーリー
出演:ジョーン・アレン、ゲイリー・オールドマン、ジェフ・ブリッジス、ク
リスチャン・スレイター、サム・エリオット、ソウル・ルビネック、ウィリア
ム・ピーターセン、フィリップ・ベイカー・ホール
*丸の内ピカデリー1、東急文化会館ほか松竹・東急系にて全国公開中
ホームページ http://www.thecontendermovie.net/
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<ストーリー>
民主党のジャクソン・エヴァンス大統領(ジェフ・ブリッジス)は、急死した
副大統領の後任としてレイン・ハンソン上院議員(ジョーン・アレン)を指名
する。だが、彼女が正式に副大統領の座につくには、下院の司法委員会が開く
聴聞会を経て、議会の承認を受けなければならなかった。司法委員会の委員長
をつとめる共和党のシェリー・ラニヨン(ゲイリー・オールドマン)は、もう
1人の有力候補だったハサウェイ知事とつながりが深く、レインの就任を阻止
しようとするのだが……。
<レビュー>
小泉政権誕生以来、急に注目度が高くなった日本の政治。
でも、この映画を観たら、そんな日本の政界が大根役者たちの学芸会に思えち
ゃうかも!?
そのぐらいドラマチックで、見応えタップリの政治ドラマです。 (^-^)
民主党のエヴァンス大統領は、急死した副大統領に代わって新しい副大統領を
指名する。だが、それは本命と見られていた州知事ハサウェイではなく、女性
上院議員のレイン・ハンソンだった。
彼女が副大統領に就任するには、下院司法委員会が開く聴聞会を経て議会の承
認を得る必要がある。ところが、司法委員長の共和党のラニヨンはハサウェイ
を推しており、なんとかしてレインの就任を阻止しようとする。
彼らは、レインが大学時代に乱交パーティーに加わった証拠写真を入手し、そ
れを武器に彼女を追い詰めていく……。
この映画の最大の見せ場は、ジョーン・アレン演じる副大統領候補レインと、
ゲイリー・オールドマン演じる司法委員長ラニヨンとの聴聞会での対決。
予想もしなかった副大統領の座を前にスキャンダルにもがき苦しみ、それでも
なお信念を持ち毅然とした態度を貫くレイン。そして、彼女の就任阻止に向け
て闘志を燃やす狡猾で老獪な政治家ラニヨン。
ゲイリー・オールドマンのなりきりぶりはいつも以上に徹底しているし(髪型
がスゴイ!)、これまで日本ではあまり注目されていなかったジョーン・アレ
ンがバツグンの存在感を示している。
アップを多用したり、テレビ画面を通した映像を使ったりと、脚本・監督のロ
ッド・ルーリーによる演出も、2人の演技をグワーッと引き立てている。まさ
に超ド迫力の対決。これだけでも絶対に観る価値はあるゾ〜! \(^O^)/
この2人の対決は、基本的には正と悪の対決という古典的スタイル。
だが、そこに周囲の政治家たちの様々な策略が加わって、善悪を超えたおもし
ろさが描き出される。情報戦や裏切り、密告なんかがバチバチと展開。劇中で
「政治と戦争は同じ」というセリフが出てくるけど、その言葉通り戦争映画の
攻防のようなスリリングさが味わえるんですねぇ〜。
どんどん謎をふくらませていく構成もいいし、登場人物のキャラをしっかり描
いて人間ドラマとしての魅力を出しているところもウマイ。
大統領役のジェフ・ブリッジスや若手議員役のクリスチャン・スレーターをは
じめ、見事にハマッたキャスティングも素晴らしい! (*^。^*)
(ちなみにスレイターは、『タッカー』(1988年)で、ジェフ・ブリッジスと
ジョーン・アレンの息子役を演じています。)
だけど、核心となるスキャンダルがセックス絡みっていうのは、どーなんでし
ょう? イマイチ爆弾としての威力が足りないんじゃないかなぁ〜。
なんて思ったりもしたんですヨ。なんたって、現実にクリントン大統領のスキ
ャンダルが起きた後だしネ……。
でも、実はそこもウマイこと利用してるんです。クリントンの事件をふまえて
「もしもああいうスキャンダルが女性に起きたらどうする?」っていうところ
に落とし込んでいるワケ。
そうだよねぇ〜、いくらアメリカじゃ女性の社会進出が進んでいるっていって
も、やっぱり差別的な視線はあるわけだし、女性を攻撃するのにこれほどスキ
ャンダラスなネタはないでしょうね〜、と納得。 (― ―)
それ以外にも、過去の実際の政治家や事件をうまく使ってリアルさを出してい
ます。
例えば、冒頭のハサウェイ知事が絡んだ自動車事故を、かつてエドワード・ケ
ネディ上院議員が起こした事故にリンクさせたりして……(これがラストのオ
チにつながっていくんですけどネ)。
そういうところもなかなかイケてる脚本だと感心しましたでッス。 (^-^)
この映画で、最大の問題になるのはラストの展開でしょう。
聴聞会の行方はどうなるのか? レインは副大統領になれるのか?
その疑問にはちゃ〜んと結論を出しているんですけれど……。
なんか予定調和みたいでミエミエの結論だし、あまりにも都合が良すぎるんじ
ゃない?
最後のジェフ・ブリッジスによる演説は感動的だったけど、もうひとヒネリあ
ってもよかった気がするなぁ〜。 (・_・?)
確かに「レインとラニヨンの対決=正と悪の対決」という構図から考えれば、
こういう終わり方しかないのかな〜という気はするんだけどサ。
それでも、やや物足りなさが残っちゃいましたね。良くも悪くもアメリカの観
客が好きな「白黒をはっきりつける!!」っていうワクの中に、無理やり収めて
るって感じ。
「なんだかんだ言ってもアメリカの民主主義は健全だいッ!」っていう、アメ
リカの民主主義に対する誇りみたいなものもウザイ感じがしたし……。
まあ、それでも全体として見れば、レインとラニヨンの対決を軸になんとも見
応えのある政治ドラマでした。現実の政治とも微妙にリンクしているから、な
おさら楽しい。
こういう映画をつくってしまうアメリカの映画界に驚かされますねぇ。日本じ
ゃたぶん無理だろうな。 ┐(´-`)┌
ところで、試写会なんかでは、副大統領候補のレインを田中真紀子になぞらえ
て観る人が多かったそうです。レインと真紀子を対決させたらどうなる?
って、はっきり言ってスケールが違いすぎますぜ! 確かに見てておもしろい
のは真紀子サンのほうだけどサ。信念の固さが違う。笑いの真紀子、信念のレ
インってか!?
《ぽちのオススメ度》
★★★☆☆(+1/2★)
(政治をエンターティメントにしてしまっただけでなく、現実の問題点まであ
ぶり出してしまった作品。見応えはタップリだい!)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2001年6月23日(土)シネマサンシャインにて。午前10時40分の回。
混雑度/B(半分ぐらい埋まっていました。)
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■2.新作映画レビュー・その2■
今週も忙しくて1作品しか取り上げられないかなぁ〜、と思っていたら、ギリ
ギリでもう1本紹介できることになりました。でも、これがスッゴク不思議な
映画なんです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●『ダンス・オブ・ダスト』(RAGHS−E KHAK)
(1998年 イラン)(上映時間1時間15分)
監督・脚本:アボルファズル・ジャリリ
出演:マームード・ホスラヴィ、リムア・ラーヒ
*テアトル池袋にて公開中。順次全国公開予定。
ホームページ http://www.bitters.co.jp/dance/index.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<ストーリー>
砂漠の真ん中にある村。レンガづくりに励む孤独な11歳の少年イリアの前に、
季節労働者一家の少女リムアが現れる。ほのかに心を通わせる2人だったが…
…。
<レビュー>
イラン映画だっつうぐらいの予備知識だけで観たんですけどね。
ありゃりゃ〜、これはまたなんと変わった映画だこと。 ( ゜_゜;)
はっきり言って、なんだかよくわかりましぇ〜ん!
砂漠のど真ん中にあるレンガ工場を中心とした小さな村。そこで日干しレンガ
を作る少年が主人公。その村には、レンガづくりの季節になると、周囲から大
勢の労働者たちがやってくる。で、その中の季節労働者の娘と、主人公の少年
との出会いと別れを描く……てことなんだけどサ。これ、後で解説を読んでわ
かった話で、観ているうちはそんなこと全然わかんなかったゾ!
ドラマ的には、ワケわかんない映画でしたね。ホント。 (`ヘ´)
だいたいさぁ、セリフらしいセリフがないんだもん。セリフっていうよりは日
常会話みたいなのがちょっと出てくるんだけど、それも監督の意向とかで字幕
が付いてないの。イラン語なんか知らんから、ますますワケわかんないッ!
それじゃ、つまんなかったかっていうと、実はそうでもなかったんです。
だって、映像がスゴク魅力的なんだもん。美しいし、迫力があるし、リアルだ
し……。
村人たちの表情がとってもいい。特に子供たちの生き生きとした表情が見事。
それに、人々の泣き声や笑い声、風や雨といった自然の音が加わって、独特の
世界をつくり出しているんです。 (*^。^*)
観てる途中で思ったのは、「タルコフスキーの映画と雰囲気が似てるなぁ〜」
ってこと。
時には哲学的に思えるほど崇高で美しい映像は、まさに「映像詩」という表現
がピッタリ。観客の解釈によって、どうにでもとれるような象徴的な場面を多
用するところも、旧ソ連の巨匠アンドレイ・タルコフスキー(『僕の村は戦場
だった』(1962年)、『ストーカー』(1979年)、『ノスタルジア』(1983年
)など)に共通するものがあると感じました。
こういう映画って、観客の想像力や感性が試されるんですよねぇ〜。
監督自身の世界をそのまんま映画にしちゃったわけで、それに対する説明は一
切ナシ。それぞれの場面が何を意味しているのか、監督は何を言いたかったの
か、そういうことは観客が勝手に解釈するしかない。ある意味、これほど不親
切な映画はないでしょう。意地悪ぅー!! o(><;)o
ただ、僕的には、そういう映画もアリだと思う。映画って娯楽には違いないけ
ど、やっぱり「芸術」っていう側面もあるわけじゃない?
この映画は、まさに映画の芸術的側面を知ることができる作品。それもとって
も完成度の高い芸術だ。映像や音が持つパワーも再認識させてくれる。まさに
ハリウッド版娯楽映画の正反対の場所に位置する映画なのだ。
まあ、それにしても字幕ぐらい付けてくれてもよかった気はするんだけどサ。
それと、途中で雪印のミルク缶が出てくるんだけど、あれはなんか意味がある
のか? 日本向けのサービスなのかぁ??? (^0^)
ちなみに、この映画の監督は、『かさぶた』とか『ぼくは歩いてゆく』といっ
た作品で知られるイランを代表する監督の一人、アボルファズル・ジャリリで
す。
これからこの映画を観る人は、スクリーンの映像と音をそのまま受け止めて、
それを自分の体の中を通して自由に感じ取りましょう。
細かな筋立てなんかを気にしても、あんまり意味がない。ていうか、ワケわか
んなくて混乱しちゃうヨ。
それよりも抽象画でも鑑賞するように、全体の雰囲気を感じ取りながら勝手な
想像をして楽しんじゃいましょうねぇ〜。
《ぽちのオススメ度》
★★☆☆☆(+1/2★)
(採点のしようがないんだけどね。ハリウッド映画が好きな人にとっちゃ、粗
大ゴミみたいな映画かもしんないし。ま、とにかく映画の奥の深さが実感でき
る作品ですね。)
<ぽち>
〔鑑賞データ〕
2001年6月27日(水)テアトル池袋にて。午後12時20分の回。
混雑度/A(3分の2以上埋まってました。こ、こんな前衛的な映画によくも
まあこれだけの人が……。池袋の芸術度も捨てたもんじゃない!?)
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■3.メールちょうだいッ!!■
「Cinemaの王国」は皆さんからのメールを活力に発行を続けておりまッす。
「Cinemaの王国」へのメッセージや「こんな作品を取り上げて欲しい」といっ
たリクエスト、自分が観た映画の感想、映画に関する疑問・質問など、気軽に
下記までメールをくださいネ。できれば名前(ハンドルネーム)を明記してく
ださい。(メールは誌面で紹介する場合もあります。)
fwkg4052@mb.infoweb.ne.jp
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■4.次号はあるのか!?■
暑い夏がまたやってきたぜぃ〜! 暑さに負けずに次号もあるぜぃ〜! イャ
ッホー!(スイマセン。暑くなると、ちょっと壊れてきます。)
「Cinemaの王国」は毎週金曜日発行。次号は7月6日発行です。
〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜◇〜
■5.ライターのつぶやき■
*あれま! 今週号でなんと80号目ですか。よくここまで続いたものですなぁ
〜。他人事みたいだけど。
まったくPRもしていないのに、読者数もまだ1800名ほどを維持しております
ヨ。感激、感激。
シツコイのが僕のとりえ。これからも、コツコツと頑張りますので、どうぞよ
ろしくお願いしま〜す。 m(._.)m
<ぽち>
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■週刊「Cinemaの王国」 vol.80 2001. 6. 29
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