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- 最新号:2008-09-20
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031018ビジネス知識源:本質は米ドルの崩落(2)
発行日: 2003/10/15※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>
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ビジネス知識源
2003年10月15日号:Vol 169
<Vol.169 本質は米ドルの崩落(2) >
【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
(読者数: 31,650名)
著者:Systems Research Ltd. chief consultant 吉田繁治
著者へのひとことメール⇒ yoshida@cool-knowledge.com
登録・解除・バックナンバー⇒ http://www.cool-knowledge.com
※150編余のバックナンバーを掲載しています。
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こんにちは、吉田繁治です。金融、特に世界の通貨には、理解が難し
いところがありますが、前号<本質は米ドルの崩落>に、多くの反響
がありました。
全部にはメールを出せないことをお詫びします。返信すべきメールも
溜まっています。折りを見て書きます。
いろんな原稿の、書きすぎかなぁ・・・(笑)
月に25万文字、原稿用紙600枚分でしょうか。
明日から2日間出張で、3つのところに行きます。
リーダシップ経営についての講演、ちょっと楽しみです。
30枚くらい、パワーポイントでまとめたんです。
10月、11月と講演が少し続きます。
以下は、講演では言えないことです(笑)
金融の問題は、すこし本質と思えることを話すと、差しさわりが
多すぎるのです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<Vol.169 本質は米ドルの崩落(2) >
【目次】
1.単純にまとめれば
2.米ドルの波乱要因はアジア
3.日本の世帯が資金不足になった
4.シナリオとその破綻
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1.単純にまとめれば
以下の4項です。
(1)年150兆円規模の借用証書の純増
日本政府は年40兆円、米国は60兆円の国家の赤字を出す。
世界経済で40%を占める両大国が、同時に、年100兆円
の国債(国家の借用証書)を、増加発行する。
一体、誰が、この低利の国債を最終的に引き受けるか?
低利の国債は、いずれは価格が下落します。
(金利=インフレ率+リスクプレミアム)
これには、両国とも地方財政の赤字は含まれていません。
およそ国家の赤字の50%、両国合計で50兆円はある。
両国とも、地方の財政は国家の財政より悪化しています。
(2)日本政府のドル借用証書買い
日本政府は、「ドル安=円高」を避けるという政策目的で、
今、年間13兆円のペースでドル国債を買い続けている。
これは、輸出で稼ぐ貿易黒字の約2倍になります。
ヘッジファンドは、手持ちのドル国債、円国債を売った分で、
米国、西欧、日本、そして新興国の株を買い、株価を上昇さ
せている。これが、世界の株価ミニバブルの正体です。
理由は、特に2001年から大量増発されるようになった低
金利の国債の暴落を、ヘッジファンドが感じているためです。
つまりヘッジファンドは高金利を予想しています。
(3)日本株が、03年で、海外から6兆円以上買われた理由
りそなへの2兆円の公的資金の予防注入に見るように、銀行
を潰さない、債務超過であっても大企業は潰さないという政
府の政策を、海外ファンドが認識したためです。保証がある
なら日本の株価は安い。
債務超過の銀行や大手企業(株の実質価値がマイナス)であ
っても、株券は紙くずにしないという保証を、日本政府がし
たことになる。これは、民間の不良債権を政府が引き受ける
に等しいことです。
企業はリストラする。株主は保護するという政策でした。
それを見て、海外ファンドが、短期の買いにはいった。
(4)資金の源泉は、日銀のマネー増発
日本財務省のドル国債買いの資金の元は、日銀に「為券」と
いう短期国債を引き受けさせたものです。
ドル買いのマネーは、日銀が円通貨の増発で出しています。
日銀のマネー増発は、国民の金融資産を、国債買いで増発
せた分だけ悪化させます。日銀の金庫には、なにもない。
無形の国民からの信用と、法的な通貨発行権があるだけです。
中央銀行のマネー増発は「偽金作り」と何ら変わるところは
ない。マネー規律をなくせば、悪貨です。
国債を、金融機関を経るとはいえ、91兆円も引き受けてい
ます。これは、日銀の直接引き受けと同義です。
今後もおそらく、年10兆円規模で増加します。
■2.米ドルの波乱要因はアジア
中国を含むアジアは、合計では、日本を超える貿易黒字をかせぐよう
になっています。貿易黒字の累積でもある、世界の各国政府または中
央銀行がもつ外貨準備のデータは以下です。
準備とはリザーブ、つまり預金や債券のことです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
日本 5386億ドル
中国 3523億ドル
ユーローエリア 2542億ドル
台湾 1773億ドル
韓国 1318億ドル
香港 1161億ドル
シンガポール 867億ドル
米国 834億ドル
インド 800億ドル
ロシア 613億ドル
以上合計 16275億ドル(180兆円相当)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(03年6月末:日経新聞03.10.10)
各国は、貿易で稼いだドルを、売ってはいない。ユーローだけが売っ
ています。ユーローの手持ちは、合計で中国より少ないくらいです。
各国は、世界に撒かれたドルを金庫や通帳に貯め込んでいます
そのためドルの価値が維持されてきました。米国が発行する、要は米
国政府の紙切れ(小切手や手形=長短国債)の数字を、政府金庫に保
管しているからです。
企業は、受け取ったドルを、自国内での給与や支払いのため自国通貨
に変えるので、ドルは金融機関を経て、中央銀行か政府に貯まります。
その累積額が、上記のように約1.6兆ドル(180兆円)の巨額に
なっています。傾向は、年5500億ドル(60兆円)の増加です。
米国のような立場になりたいと思いませんか? サインするだけで、
いくらでも世界からモノが買える。使用金額が無制限の、決済する必
要のないクレジットカードをもっているようなものです。
これを「米ドル基軸通貨体制(key currency)」とムズカシく呼んで
います。難しい用語の時は、裏に何もないことが多い。90年代末は、
ITで惹きつけたのですが、今は「軍事」だけです。
国際マフィアが発行する小切手に似ています。意向に従わなければ、
今は問答無用で、圧力をかけます。マネーの根元をたどると、怪しい
ものだらけです。
合法的な詐欺と言ってもいい。
秩序の根底に無法があります。
約80年の米ドル体制が、いよいよ危うくなっています。
外貨準備では日本が突出し、中国が2位です。
ユーロー全体は、中国にも及ばないのです。
これらの国々が、年60兆円の赤字を出すようになった米国政府にリ
スクを感じれば、ドルは売られます。
中国は、ユーローに交換しつつあると言われます。中国は、ユーロー
に似て一筋縄では動かない。戦略的です。相手を読むというで意味で
す。
日本政府は、日銀マネーの増発で、財務省がドルを買い続けるでしょ
う。それが、唯一、ドル相場に穴があくことを防止しています。
90年代は冷戦終結後で、唯一のグローバルマネーとして、各国が「
喜んでドルをもった時代」でした。米国の繁栄の時代だった。
米ドルが崩落しなかったのは、日本のみならず、輸出でドルを集めた
アジア諸国が、ドルの手持ちを歓迎したからです。特に、ドルとの準
固定相場の中国です。
▼米国のドル安政策の危険
ブッシュ政権は、ドル安政策へ転じています。1985年のプラザ合
意で、G5が協調しドルを切り下げ、ドルの評価損を日本にかぶせた
ときと同じような政策と見ていい。柳の下の二匹目のドジョウをまた
狙っています。
共和党政権は、バックにオールド・エコノミーを抱えます。
経済運営が困難になると、<ドル安だ>となる性格をもつ。
なぜ米国が、米国にとっても、今はとても危険なドル安を進めるか?
自国のドルで、世界に債務があるからです。仮に円で借りていれば、
ドル切り下げは債務が増えることになります。
債務がドル建てなら、切り下げれば実質価値は減ります。
対円で言えば、
・米国の$1000億の債務(現在の円価値 11兆円)
・$1=80円にまで切り下げると、円での価値は8兆円に減ります。
これは、
・3兆円分が米国に無償で寄付され、
・日本国と国民全体が3兆円損をしたことに等しい。
これがドル安政策。世界に合計300兆円の純債務を、多くはドルで
もつ米国は、10%の切り下げで、30兆円を手にします。つまり、
ドル安は、米国にとっては、債務カットの要請と同じです。
損をするのは、150兆円の対外資産があり、外貨準備では60兆円
のドルを貯め込んでいる東洋の日出る国(この表現は古い)です。
これに味をしめています。
人民元は安すぎると言ったのが端緒でした。
▼しかし、18年前とは世界が違う
18年前の85年時点は、世界貿易では日本の一人勝ちでした。
ドルを貯め込みんでいたのは、ほぼ日本だけでした。
ド通貨調整(計画的にドル売りをさせること)は、容易でした。日本
政府を脅しながら、ゆるゆると売らせ、突然、多額には売らないよう
にさせれば、ドルの波乱的な崩落を避けることはできた。
プラザ合意以降、米ドルは、円に対しては二分の1にまで価値が下が
っています。欧州通貨も下げた。目的とする、円からの収奪の「調整」
ができたのです。
今は輸出力をつけた中国、アジア諸国、そして10位にはロシアまで
が、ドル保有に加担しています。ロシアは、原油や資源輸出で経済は
好調です。
米国政府は18年前のようには「調整」ができないでしょう。ドルの
減価を恐れる人が、世界に増えたからです。日本だけのときは、単純
でした。日本は、米国に従ったからです。
今、ドルの散布は世界的です。世界が米国の意向に従い、やすやすと、
手持ちドルの、調整的な減価に応じるかどうか?
とても疑問です。壊走が起こりそうです。
世界で最も良貨であるのは、財政赤字がGDP比2.5%の、ユーロ
ーです。国内の10%レベルの高い失業率をかかえ財政の拡大は抑え
ています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
米国 1100兆円のGDPに対し財政赤字 6%
日本 500兆円のGDPに対し財政赤字 8%
ユーロー 米国に匹敵するGDPで 財政赤字 2.5%
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(各国とも自治体や年金の赤字は含まない。特に日本では、道路公団
を筆頭とする公的法人の赤字が大きい。米国では、例えばカリフォル
ニア州が2兆円規模の赤字で、倒産状況です。)
比較上の相対的良貨がユーローです。
ユーローがドル買いを行うかどうか。
2001年以降、ユーローはドル売りです。
ユーローは、世界の貿易決済でのユーローを増やし、通貨での世界覇
権を狙っているように感じます。ドルとのバランスの鍵は、アジアと、
資源をもつロシア・中東です。通貨覇権があれば、欧州が、世界の
金融の盟主になります。NYから覇権を奪うことになる。
9.11は、思えば、通貨覇権が目的と考えればつじつまが合いすぎ
て、陰謀論になります。
米ドルがムリに増発されるにもかかわらず、急激に悪貨にならなかっ
た原因は、日本がドルを他の通貨への交換に回さず、増加して持ち続
けたからです。
他方で日本が、先進国最大の財政赤字(過去の5%、今の8%)で、
国債を増発しても、円が悪貨にならなかった理由は、金融機関が国債
を買い、その国債を日銀が買いあげたからです。
以上のように、ドルを支えたマネーの大元を、つぎつぎにたどれば、
日本人の個人金融資産1400兆円に行き着きます。
個人金融資産は、4500万の世帯が所得を全部は使わず、生活を切
りつめ預金(銀行+郵貯)、保険(生保+簡保)、年金(国民年金+
厚生年金)にしたためです。
個人金融資産1400兆円→日本の公的債務合計1000兆円
米国への貸し合計 150兆円
※日銀の信用総額(=総資産=総負債)の134兆円(03.09末)
も加わっています。(↓日銀のバランスシート)
http://www.boj.or.jp/about/03/ac030930.htm
マネーの元になる「信用」は、手形の裏書き保証のように、あちこち
に連鎖しています。一人がつぶれると、つながっている全部が損失を
蒙るのが、金融連鎖の怖さです。これがマネーの本質です。
デリバティブ(総額400兆ドル=4京円と言われる)で、入り組み
に入り組んで、何がなんだかわからなくなっています。
その一部が、毎日1兆ドルの為替取引。貿易の数百倍です。
世界の誰も全貌を知らない。100億円の元金で、(LTCMのよう
に極端なときは)1兆円を運用するような、100倍のレバレッジ(
梃子)です。信用保証協会が、1円で100円を返済保証し、利益を
得るようなものです。
信用連鎖のどこにも予測される確率以上の破綻がないということによ
って利益を得る損害保険と同じ仕組みです。
世界の国際ホットマネーの、30%くらいを占める大元である日本人
の個人金融資産に、今、異変が起こりつつあります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<トップ3誌協賛の、少し気恥ずかしい案内です>
『セクシー心理学GOLD』、『ビジネス選書サマリー&リーダーズ』
そして『ビジネス知識源プレミアム』での協賛のご案内です。
3誌とも、03年10月中の新しい購読申込みについて、<1ヶ月間
無料>の特別提供を行っています。いずれも、内容については、ここ
2年の発行で、定評を得ています。
これを機会に、テスト購読されてはいかがでしょう?
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今『ビジネス知識源プレミアム』では、株式会社と会計の原理を書い
て送っています。会社と仕事の、ぼんやりとしたところを、クリアに
理解するために。法人というのも謎です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
■3.日本の世帯が資金不足になった
経済の構成は3部門、世帯、企業、政府です。
経済は、以下のような時に、最も順調です。
・世帯が黒字を出して貯蓄をする
・民間企業は、家計の黒字を金融機関を通じて借り、投資する。
・政府部門(国家+自治体+公的企業)が、収支で赤字にならない。
金融機関は、世帯→金融機関→企業・政府という、資本循環の仲介を
します。
▼財務省の国内金融の支配力は、世界に突出している
日本の政府部門は、コントロールできる資金の源泉として、以下の5
つをもっています。
(1)税金
(2)郵貯・簡保
(3)年金資金の積み立て
(4)民間金融機関に国債を買わせる
(4)日銀のマネー増発
郵貯・簡保(今は郵政公社:400兆円くらい)、民間金融機関(8
00兆円くらい)の誘導力が、世界の他の国にない財務省支配力の源
泉です。
その意味で、日本は民間金融の国ではない。政府による統制金融の国
です。ここに、日本の金融問題の本質があります。
ここから財務省官僚のモラルハザードが起こる。
巣窟は、開ければびっくりの「特別会計」です。
40兆円の負債をもつ道路公団問題の根も、郵貯・簡保・年金を原資
とする財政投融資、つまり特別会計です。
これは政治家と官僚の裁量権で運用されていました。
この「特別」に問題があります。米ドルの「基軸」という時も同様で
す。特別とか基軸とか、要はそれは、裁量的な「支配力」です。
▼90年代
90年代以降、世帯の黒字(個人金融資産の純増:約500兆円)を
使ったのは、企業部門ではなく、すべて政府部門でした。
企業部門は、債務の返済(合計で200兆円くらい)をした。
投資は、自己資金(キャッシュ・フロー)で行っています。
つまり企業は、世帯の貯蓄に資金を依存しなくっています。
代わりに、政府部門(国家+自治体+公的企業)が、野放図に赤字を
拡大した。国民の貯蓄を食ったのです。公的債務の合計は、国債、地
方債、その他債務で、1000兆円規模になっています。
(注)年金財政のこれからの債務では、450兆円が必要と推計され
ています。この将来負債は、上記の1000兆円には含んでいません。
今後、今140兆円の年金資産の中身が問題になります。
個人金融資産の増加が背景にあって、それを使う形で、政府債務にな
るのなら、まだいいのです。正常な、資金循環と言えます。
▼記録されるべき2003年
世帯の黒字が急に減り始めたのは、1999年からです。
過去のトレンドは、こんなふうに、突然変わります。
ついに2003年、世帯の黒字がゼロです。
企業がリストラにはいり賃金が下落し始めたからです。預金を崩した
り、預金がなけえば借金が増える赤字世帯が51.1%にもなったの
です。
すでに半分の世帯(6000万人)は、お金に困窮しています。
世帯全体の貯蓄率(貯蓄÷可処分所得)は6.6%ですが、これは3
年前の10%レベルからは急激な下落です。金融資産の増加は、特定
世帯に集中しています。
家計部門は、全体では1兆3000億円の資金不足に転じた。
90年代は、これが30兆円〜50兆円の黒字だったのです。
何を意味するか?
・政府は赤字を出す。
・自治体も赤字を出す。
・公共事業体も赤字を出す。
・民間不良債権は100兆円以上が残っている。
・米ドルは買わなければならない。
政府部門は、今まで以上に膨大なマネーが必要です。
頼みの綱は、いよいよ日銀のマネー増発のみになっています。
世帯の黒字が支えてきた円が、ついに「悪貨」に転じた。
<円・ドル通貨同盟>は円がドルを買うという一点で支えらられてい
ます。円が良貨だったから、ドル良貨として支えられてきた。
そして帰結は、日本政府の頼りは、日銀の輪転機(今は数字のみで直
接紙幣は刷りませんが)を回すだけになったのです。
2003年は、世界金融史で特筆されるべき年と言えます。
世界のマネーの供給元だった円が、悪貨になったからです。
今後、世帯が再び全体で黒字にならない限り円は悪貨です。
世帯貯蓄が少ない米国のようになってきた。
■4.シナリオとその破綻
日銀の輪転機に頼るだけになれば<円・ドル通貨同盟>は、日本人か
らも信用を失います。一端ドルが崩落にはいれば、急速です。
80円、60円への、瞬間シュートも考えることができます。
1985年には、ドルが円に対し半分の価値になるとは、誰も思って
いなかった。しかし現実はそうなったのです。現実はいつも想定を超
えます
今度は、プラザ合意のような「合意」はない。
代わりに思惑と混乱があって、予測が難しい。
ランダムな、世界金融危機を、深く組み込んだことになります。
▼政府
政府が、行うことは以下です。これらは確定しています。
(1)増税
(2)年金のカット
(3)生保の契約金額の切り下げ(予定利率の切り下げ)
つまり、個人金融資産の切り捨てです。
焦点は増税です。他の2つは既定路線。
(1)増税が行えるかどうか?
(2)政府予算のカットが行えるかどうか?
(3)世帯の赤字と、個人の資産防衛から銀行・郵貯の流出が激し
くなると、預金を引き出す額に、ある期間での上限100万
円を設け制限することになる。
(4)そうでないと、日銀がマネーを刷るしかない。
▼シナリオの破綻
以上4つが、綱渡りをしながら波乱なく行えないとすれば、デフレの
後のインフレです。ここからは先は、シナリオではない。
経済原理で、実物経済に対し、膨らみすぎた無形の金融資産(=金融
負債=数字=信用)が無価値化へ向かうのです。
1971年のニクソンショック以降の世界の貨幣は、過去のゴールド
のような、物的実体を失っています。
政府と中央銀行が、野放図なことはしないという信用しかないのです。
そこが規律を失えば、貨幣は無価値化するでしょう。
[02年までデフレ]→[03年:債券が売られ世界の株のミニバブ
ル]→[04年:金利上昇:ミニバブルの崩壊]→[04年:日銀の
輪転機]→[04年:同時に悪貨になる円・ドル]→[05年インフ
レ]でしょうか。
インフレはマネーが減価し、[資産−負債]のバランス数字がご破算
になって、通貨戦争の戦後であるように、通常の循環に戻ることです。
【正常】
・世帯が黒字を出して貯蓄をする
・民間企業がその黒字分を金融機関を通じ調達し、投資する。
・政府部門(国家+自治体+公的企業)が、収支で赤字にならない。
▼ドル問題
ブッシュ政権の経済と軍事は、変なことになりました。
小泉政権は?と言うと、短いコトバの手形の乱発です。
米国の国債は、根底で、日本の世帯の黒字と、日本政府への恫喝が支
えているという資金循環を、公式には認めていない。米国経済が強い
から、世界はドルを好むというムリな論理です。
取れるものはなんでも、軍事または脅しで、取りつづけると言うのは、
無謀です。無謀なことは続けることができない。日・英以外では、
米国への信頼は急速にしぼんで、反米が増えています。
中東は、全体が反米に転じるでしょう。軍事で押さえつけることはで
きない。米国の大手マスコミは、正確な報道をしなくなりました。や
らせとでっちあげ、報道しないことが目立ちます。
米国のドル安策は、自滅行為に思えます。
集まっている世界の資金を逃すからです。
90年代は中国の工業力が浮上。日本に代わる新たな勢力になった。
ドル基軸の体制が、中国を含み続けることができるかどうか。通貨体
制は、経済変化を包摂しなければならないのです。
中国が、ユーローにシフトすれば、上のシナリオと展開です。
▼通貨バスケットの必要性
赤字国通貨を基軸にした変動相場制が、ムリな仕組みになっています。
本来は、[ドル+ユーロー+円]の通貨バスケットを作って、ドル
基軸をはずすことが必要でした。
通貨バスケットは、ちょうどユーローのような通貨連合と見ていいで
しょう。やろうと思えばできる。
[グローバルバンクの通貨:G$]
↑ ↑ ↑ ↑
[ドル][ユーロー][円][新興国]
米国は、とても自由な、使用金額無制限のクレジットカードをもつこ
とができるドル基軸を手放そうとしなかった。
今でも遅くはない。
それが世界を救います。
問題は、基軸通貨で決済のない特権を味わった米国のみ。
米国民の意志によって決まるでしょう。
これには、通貨の「坂本龍馬」が必要でしょうね。
NYのタイムズ・スクエアの側の街角に、米国負債時計があります。
刻々と数字を増やす。どんな気持ちで、ひとびとがこれを眺めている
か。そこでしょう。
マクロの数字は大きすぎて、自分には無関係に思えます。しかし信じ
られないような事態が起こるのは、マクロの数字の変調からです。新
聞は、客観報道ということから、事実の解釈をしないのです。
<事実→「人間による解釈」→「行動」→「次の事実」>
▼ターンニング・ポイント
経済は事実だけでは動かない。人々の事実の解釈で動く。人々の解釈
は、急に変わる。水がある温度を超えると、急に固体になったり気体
になったりするように。
世界の金融(負債の連鎖構造)のボリュームが膨らみすぎです。
いずれ実物資産と実物経済に合わせ、しぼみます。
今、どこが膨らみすぎた通貨信用の根底になっているか。米国の軍事
力です。つまり、米ドルの信用の根底は、軍票であることです。
長期で調整的に起こるか、短期で乱暴な動きか、そこが問題です。
認識の臨界点、閾値、ターニングポイント、変曲点と呼んでいます。
通貨ではこれが起こりやすい。金融ということの根底のところが、今
は、心理的な信用だけであって、とても怪しいからです。
何かの小さな事実から、信頼していた人に不信をもち、急に信じられ
なくなるのと同じです。あやふやなイラク戦争は、そうしたものです。
中東戦略で、米国が威信を失うことは確定でしょう。
そうなると、軍票は・・・
see you next week!!
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アンケートです。いただく感想は、とても参考になります。
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