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- 最新号:2008-07-15
- 発行周期:週刊
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030630ビジネス知識源:1リットル瓶のピクルス
発行日: 2003/6/30※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>
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ビジネス知識源
2003年6月30日号:Vol 156
<Vol.156 1リットル瓶のピクルス >
【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
(読者数: 31,330名)
著者:Systems Research Ltd. chief consultant 吉田繁治
著者へのひとことメール⇒ yoshida@cool-knowledge.com
登録・解除・バックナンバー⇒ http://www.cool-knowledge.com
※120編余の無料版バックナンバーを掲載しています。
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こんにちは、吉田繁治です。先日、知人であり、多方面に研究熱心な、
(おそらく今後伸びるであろう)神戸の製薬会社の経営者2世から
メールが届きました。
NHK教育TVの『21世紀ビジネス塾』で、以下のような内容の
30分番組を放映すると言うのです。
(『ビジネス塾(6月28日)』についての要約:原文のママ)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
山梨と長野に34店舗を展開する中堅スーパー。この店内には、他店で
はまず見られない「死に筋商品」が並んでいる。
大きな1リットル瓶に入ったピクルス、33種類のスパイスでルーを作る
面倒なカレーセット、ブドウの種から取った輸入物の特別な料理油。
商品構成の上からは、はなはだ無駄に見えるが、驚いたことに消費不
況の中、このスーパーは4年連続の増収増益を続けている。
実は、これらの「死に筋商品」の購買者は、他の商品も大量に買い込
んでくれる上得意だったのだ。
社長の荻野寛二(株オギノ)さんは「たった一つしか売れない商品で
も、お得意様が買う品は絶対に切らしてはだめ」という。
33万人分の詳細な顧客データが、この「上得意囲い込み」を支えてい
る。
全国チェーンの大手スーパー、そしてコンビニエンスストアでは、売
れ筋は多く仕入れ、死に筋は切って捨てるという「効率化」で、経営
合理化を図ってきた。
荻野さんは、「効率化では大手にとうてい太刀打ちできない。我々は
『顧客満足度』で勝負するしかない」とこの戦略に踏み切り、成功を
収めた。
顧客を失望させないこと、商品を「買う喜び」をかき立てること、そ
して何度でも店に足を運んでもらうことを目標に、徹底した顧客囲い
込みを推し進めるこのスーパーを取材し、デフレ時代のいま、中堅、
中小小売りが収益をあげていく経営のヒントを提示したい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://www.nhk.or.jp/business21/
(以上で引用終わり)
私もビデオにとって視(み)ました。一般向けにわかりやすく編集し
てあり、解説も適切で、いい番組でしたね。
(オギノは↓)
http://www.ogino.co.jp/
実は、番組の前日の金曜日(6月27日)に、東京で『ターゲットマ
ーケティングの方法』として、同じ趣旨の3時間講演を終えた直後で
した。
CRMの方法として、ここ数年、追求しているものです。
(注)CRM=「個客」との関係の維持・強化の方法:Customer
Relationship Management
多少びっくりしました。人が考えることって、全く別の世界で、一致
をみることがあります。私は、以前からこれをよく経験しています。
「101匹目の猿の現象」でしょうか。(笑)
『ロイヤルカスタマー』のための商品とサービスの提供を、方法的に
考えます。最上位5%の、ロイヤルカスタマーの購買歴を他の顧客も
見習うことが多いからです。
【仮説】
ロイヤルカスタマーの、
ショッピングバスケットと購買歴に着目した、
商品やサービスの開発、提供、維持が、
ビジネスの成功を生むことが多くなった。
重要な点は、「維持」できることです。
(注)ショッピングバスケット=「個客」別の購買商品の中身
本号ではこれを考察します。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<Vol.156 1リットル瓶のピクルス >
【目次】
1.POSと「点の」消費者
2.商品のABC分析
3.ロイヤルカスタマーという視点
4.特殊な商品と採算
5.事実分析から、ピンポイントの「個客」対策へ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■1.POSと「点の」消費者
▼夢のマシンだった
スーパーならどこのレジにもあるPOSの原義は、Point of Sales (
購買の「点」の記録)です。POSは、20世紀後期のマーケティン
グツールとしては偉大な発明でしょう。
最初に開発し、大規模に使ったのは、60年代当時の小売りの王者、
シアーズでした。
今のPOSは、主として3つの働きをします。
(1)品目(=貼り付けたバーコードで、他と区分される商品単位=
SKU)別の売上げ数を記録。
(2)あらかじめ決めた価格をレジで示し、プライス・ルック・アッ
プの機能で、ショッピングバスケットの合計金額を計算。
(3)現金の入出金を記録するレジスターの働き。
重要なのは(1)の品目別売上げ数と売上金額の記録です。
曖昧(あいまい)だった品目別の売上げが正確になります。
のどかな時代ですが1970年代までは、小売業にとって「POSは
高価な夢のマシン」だったのです。
(注)パーソナルコンピュータは、まだ十分な活用がなされていない
「夢のマシン」ですね。私はPCの使い方の卓越性、情報作業と知識
作業への適用が、日本経済再興の鍵と見ています。
POSの使用以前は、
(1)高額な耐久財、宝石、呉服、衣料などは、在庫台帳と売上げ台
帳で、品目を記録する、
(2)低額品は(13分類等の商品部門で)NCRの機械式レジスタ
ーを使い記録する、という方法でした。
品目別売上げの集計「データ」を使って、陳列する品揃えの中身を変
えたり、品目を「評価する」ことは、POS以前は夢の管理とされて
いたのです。
分析方法の基本は、ABC分析でした。
売れ数(または売上げ金額)の大きい順に並べる単純な方法です。
ある品種(例えば漬け物)で、ABC分析を行うと、ほとんどの人が
知っている「共通現象」が観察されます。
(社会学では「パレート最適」と言います)
■2.商品のABC分析
(1)Aクラス品目:
上位20%の品目で、漬け物(品種)全体の売上げの75%を中心と
した売上げを示す。
(2)Bクラス品目:
次の30%から40%の品目では、品種全体の売上げの、20%くら
いの売上げしか示さない
(3)Cクラス品目:
残りの30%から50%の品目は、合計でも5%の売上げしか示さな
い。
※Cクラス品目には、集計期間は売上げがゼロのもの(Z品目)が、
20%から30%を占めていることが多い
ABC分析から、実はわが国で最初に、80年代の「売れ筋・死に筋」
という商品管理手法が生まれます。
これがイトーヨーカー堂流の「単品管理」として、小売業、製造業、
卸売業の在庫管理に適用されます。私は数年前から、この方法に疑問
を抱いています。ウォルマートの需要カテゴリの、設定・運用方法の
研究で、それが明らかになったのです。
単品管理の誤用があると思っています。
米国の小売業では、80年代以降の専門店は、後で述べる「ターゲッ
トマーケティング」の方法をとっていました。米国では「個客」は、
もう平均的ではないとの見方が強かったからです。米国でも、均質化
のモダニズムは、70年代で終わっていたのです。
西欧は、階級差に着目する「商品クラスマーケティング」が主流です
ね。
日本では、「平均的な消費者」が暗黙の仮説でした。
商品のABC分析だけでは、『ビジネス塾』で取り上げられたオギノ
が展示している「大きな1リットル瓶に入ったピクルス」のような商品
は、間違えて一度は並べても、売上げ数と金額が小さく、普通は、売
場の棚からいつの間にか消えますね。
量販店や食品スーパーの多くは、商品のABC分析の方法で、
(1)多くの人にたくさん売れ、売場効率がいいAクラス商品を中心
とする品揃えに走ります。
平均的消費者への「共通品目品揃え」の方法と言えるでしょう。
(2)点のPOSデータの合計では、特殊な顧客がまれに購入する「
1リットル瓶に入ったピクルス」は、品揃えの範囲外にあるものと、評
価するようになります。
Aクラス商品の「共通品目品揃え」に対応させると
BCクラスの商品は「特殊品目の品揃え」になるでしょうね。
今着目すべき大切な点は、
(1)店舗の効率にとっては一見では採算に乗らない「特殊品目の品
揃え」ではあっても、
(2)「大きな1リットル瓶に入ったピクルス」は、小数の特定顧客の
「愛好者」とっては、必要な商品であることです。
POSの、品目別売上げのデータ(商品軸)だけでは、小数の特定顧
客の「愛好者」は見えないのです。
問題は、POSマーケティングの商品評価には、
・多くの顧客にとっての「共通品目」を品揃えすべきものとし、
・特定の愛好者の特殊な品目は、品揃えからカットすべ
きものとする「イデオロギー」が含まれることですね。
イデオロギーは、毛沢東語録のようなものであり、現実を毛沢東語録
で解釈し、毛沢東の解釈によって正邪善悪を決めることのようなもの
です。宗教には究極のイデオロギーがあります。企業文化も、形を変
えたイデオロギーですね。判断を行うとき本人は無意識のまま、多く
のイデオロギーをミックスしています。
■3.ロイヤルカスタマーという視点
▼「個客」の購買額のABC分析(時間軸分析)
分析の視点を
・「個客」の購買品目(ショッピングバスケット)と、
・購買歴(購入商品ヒストリー)に変えて、
同じ「事実」を見てみます。
品種の売上について一定期間(3ヶ月等)に多く買った「個客」の順
に並べる。
以下のような「事実」が確認されるはずです。
(1)Aクラス「個客」:
全体の20%の「個客」で、品種の総売上げの75%を中心とした売
上げを示す。
(2)Bクラス「個客」
次の30%から40%の「個客」の購買額合計では、品種全体の売上
げの、20%くらいの売上げしか示さない。
(3)Cクラス「個客」:
残りの30%から50%の「個客」は、合計でも5%の売上げしか示
さない。
※Cクラスには、集計期間は売上げがゼロのもの(Z「個客」)が、
20%から30%を占めていることが多い。スリープ「個客」です。
(笑) Z「個客」は、もっと多いかも知れません。
ここで、どう考えるかが重大な分岐点。
問題を解決するソリューションは何か?
▼ロイヤルカスタマーの購買商品歴
Aクラス「個客」20%のなかで購買金額の最も多い5%くらいの「
個客」グループをロイヤルカスタマーと呼びます。
ファン客と言い換えてもいい。
最上位5%の「個客」で全体売上げの40%〜50%を示すことが、
多くの企業で確認されています。
以下の事実が発見されるはずです。
(1)その品種のロイヤルカスタマーは、Cクラスの特殊な商品を購
入している「個客」であることも多い。
(2)ロイヤルカスタマー以外は、商品のABC分析では、多くが、
Aクラスの共通品目しか購入していないことが多い。
この「事実」を知って方針をどうするか、ここが経営の分岐点です。
事例のオギノは、ロイヤルカスタマーが愛用する「ピクルス」を品揃
えし続けるという方針をとります。理由は「大切な「個客」の期待を
裏切らない」ということ。
企業の価値観に基づく方針です。リーダシップ経営の「判断の際に大
切にする価値:Value」に相当します。企業文化と言っても同じです。
企業文化にどっぷりつかった判断でなく、「自社の判断方法は何か?
」を、客観的に観(み)ることです。企業訪問をすると一瞬で、その
会社の「企業文化」が雰囲気と言動で感じられますね。
■4.特殊な商品と採算
「大きな1リットル瓶に入ったピクルス」という、売れ数の少ない商品
を置き続けるという価値観による方針も、別の角度からの「採算」で
の裏付けがないと継続はできません。ここが大切な点です。
別の角度から、採算をどう計るか?
企業は、品目別のABC分析は行っても、品目別の採算を「公正:Fa
ir」に計算する方法を持っていることは少ない。
アイマイな印象で、需要の共通品目であるAクラス商品は採算が取れ、
BCクラス商品は、赤字であると判断していることが多い。
ところがAクラスの共通品目は、他でも並びます。横並び品揃えです。
これが価格競争を生みます。値引き・割引です。
実のところ、需要数の多いAクラス商品が、採算に乗っているという
のは幻想であることも多い。例えば世界で1億台以上売れるパソコン
で、利益を上げているところはまれですね。
他方、小数の愛好家が大切にする特殊な商品は、売っているところが
少ない。その商品をなくせば、その顧客は離れるかもしれない。
【共通コモディティという概念】
需要の共通商品をまとめる言葉が「コモディティ」です。
コモディティは品揃えに必須の品目ではありますが、利益はもたらさ
ないことがあります。パソコンは、代表的なコモディティです。20
世紀は、観光を含め、産業革命以来のライフスタイル財、またはクラ
ス消費財の多くを、コモディティ化してきましたね。
今後、日用品分野のコモディティの製造は、中国が中心になる。極端
に言えば100円が中心なるような低価格化が起こるのが、現代の共
通コモディティです。「中国→インド」と続きます。
【ライフスタイル財という概念】
「大きな1リットル瓶に入ったピクルス」は、米国の食品スーパーでは
コモディティですが、わが国ではまだ「ライフスタイル財」です。消
費には、各国で、こうした文化差や違いがあります。文化とは価値観
の総体です。
日本より高齢化社会のイタリアに行くと、米国よりも文化差を感じま
す。日本人にとってイタリア、スペイン、地中海が人気を博する理由
であるかもしれません。街角には、昔風の立ち飲みのカフェも多い。
(蛇足)職人の国イタリアは要研究対象。しかし泥棒が多いのが難点
です。白昼、ミラノの公道で2人組の女スリに財布をすられました。
気がつくと消えていた。腹が立った。間抜けに見られ、スリ集団のタ
ーゲットにされたことが、実に、実に嫌でした。なぜ私を選んだか?
人には黙っていても、イタリアですられた経験者は多いようです。
(笑)
ライフスタイル財の多くは、必要とする少数派と、価値を認めないか
ら要らないという多数派に分かれる商品です。
▼「個客」採算:LTV(Life Time Value:生涯価値)
採算の視点を商品軸だけではなく「個客」軸に転じれば、以下のよう
な結果を示します。
(1)小数のA「個客」の購買で、企業の過半の売上げと、ほとんど
の利益が構成されている。
(2)BC「個客」の共通コモディティの購買では、利益はあまり出
ていない。時には赤字である。
20%の重要客、5%のロイヤルカスタマー、言い換えれば「お得意
様」とすべき「個客」が、企業の利益をもたらしています。
これは、ほぼ例外なく言えます。
(注)LTV(生涯価値)は、購入金額の過去の累計と、将来の購入
金額の予測で「個客」を、グループ化します。一昨年の9月に、↓『
CRMの本質を解く』という5部シリーズで、解説しています。
http://www.cool-knowledge.com/011130Premium-CRM(1).htm
ロイヤルカスタマーが愛用する商品は、商品のABC分析ではBCク
ラスに属しても、継続して提供すべきものであるという「「個客」単
位での採算」面からの、評価ができます。
ライフスタイル財を重視することです。
購入商品は「個客」別の内容を詳細に見れば、平均的ではない。共通
コモディティも買うが、愛用品はもっと重視して買うという人が増え
てきたのです。
ポイントカードは、差別的な割引のためだけのものではない。「個客
」のショッピングバスケットと、購買商品歴の分析、言い換えれば「
「個客」と企業の長期関係の強化」に使うべきものですね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【品種または売場部門別に】
(1)最上位5%のロイヤルカスタマーがどんな商品を買っているか?
(2)次の上位15%のAクラス「個客」がどんな商品を買っている
か?
(3)30%から40%のBクラス「個客」は、Aクラスの「個客」
との比較上、何を買い、何を買っていないか? 原因としてなにが想
定されるか?
(4)下位40%から50%の「個客」は、何を買い、何を買ってい
ないか? 原因は何か?
(5)スリープ「個客」の購入商品は何か? 休眠になった原因は何か?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これが、21世紀の企業戦略に必須の方法です。
メーカーや卸で「個客」が企業であるときも、同様の分析ができます。
商品軸だけではなく、<「個客」−「商品」の関係>を分析すること
です。売上げと利益の宝の山があります。
■5.事実分析から、ピンポイントの「個客」対策へ
「オギノ」では特定の品種について、ヘビーユーザー(ロイヤルカス
タマー)が存在することを発見しました。
品種と品目の売上げを、ポイントカードで得られる「個客名」と関係
づけて分析した結果です。
ライフスタイル財ではないと見られるアイスクリームや発泡酒でも、
以下のような事実を発見します。
▼買い物の事実を知る
(1)アイスクリーム(品種)では、月に8個以上を買う人がヘビー
ユーザーだった。「個客」数は、全レジ通過客のたった0.4%だっ
た。0.4%の「個客」で全アイスクリームの20%の売上げだった。
(2)発泡酒(品種)では、月に20本以上買う人がヘビーユーザー
だった。奇妙なことに、ヘビーユーザーは全レジ通過客の0.4%で
ありアイスクリームの「個客」分析と符合した。0.4%の「個客」
で、発泡酒の総売上げの40%も占めていた。
以上は「事実」です。個人によって購買量が大きく違う愛好品種(ラ
イフスタイル財)を見つけることですね。
しかし事実を知っても、事態は変わらない。
次は、対策です。
▼ピンポイント対策の効果
「個客」対策を考える。
プロモーションの世界です。
オギノでは発泡酒を月に20本以上買う2400名のユーザーに、対
し、発泡酒の購入に通常の10倍のポイント(50ポイント)をつけ
るというダイレクトメールを作って送ります。2400枚ですから、
費用はわずかです。
効果は? 下の回答を見ないで、予想して下さい。
ピンポイント・マーケティングの方法を使い、他の品種でもこれを実
行し、成功させます。レギュラーコーヒー、ワイン、マヨネーズも、
特定の愛好家が多い品種だったのです。
21世紀という時代は、
(1)コモディティでも、特定の愛好家が多くを買う。
(2)需要の円グラフを描くと、特定の商品を愛好する「バロック真
珠」のような偏りが生じる時代です。
私はこうした現象を、まとめて消費のポストモダニズムと呼んでいま
す。イタリア化、スペイン化、西欧化と言ってもいいでしょうね。
モダニズムは米国でした。西欧は、ポストモダンモデルですね。
・POSで品目だけの売上げをとらえるのではなく、
・「個客」の購買商品内容を時間軸で見ることです。
ショッピングバスケット分析と、購買歴分析です。
マス媒体でチラシ広告をばらまく、無駄な近代手法は終わります。(
この手法では、地域寡占化しかないのです)
共通コモディティ手法は、今後も、単価下落に泣きます。
必要なのは、
・マスの共通消費(コモディティ)と
・「個客」の異質消費(ライフスタイル財)の分析です。
平均の時代(近代)は、すでに終わっています。
一見ではコモディティと見られる品種でも、5%から20%の愛好家
で、多くの需要が支えられている。
以上が、「ターゲットマーケティング」の方法です。
単純な売れ筋・死に筋管理の時代は終わったのです。
【問いの回答】
(オギノでは発泡酒の期間合計売上げは、0.4%顧客のピンポイン
トDMによって、通常の3倍になったと言います。)
企業は「ターゲットマーケティング」、または「顧客フォーカスマー
ケティング」によって、方向を見いだすはずです。顧客のことを考え
る、最もモダンなコンピュータ利用がこれを可能にします。
時代は、過去の延長で進むのではなく、メビウスの輪のように、ねじれ
急展開する。
企業規模の時代ではない。
価値観と方法の時代です。
名目GDPの下落や競争激化に嘆くことを、または責任転嫁すること
を止めましょう。「個客」は共通コモディティだけには飽き飽きして
います。方法を知ることです。
近所のスーパーさんへ:
私がスクラップ用に愛用するA4版ノートを、B5版より売上げ数が
少ないからと言って(時折)切らして欲しくないのです。アスクルで
買うしか方法がなくなる。できれば、今は一種しかないビジネス用も
増やして欲しい。B5の種類はいかにも多すぎますね。(笑)
皆が横並びで、同じ事を一生懸命にやって売上げを減らし、価格を競
争し、利益を減らしているのが、90年代以降の日本でしょう。悲し
くなるのは、一生懸命であることです。
モダニズムのイデオロギー、またはモダニズムの毛語録に支配されて
いるからでしょうね。モダニズムのイデオロギーは、例えればマクド
ナルドのような均質化でした。
近年のマクドナルドの不成績は、象徴的に思えます。高齢社会で、コ
カコーラを飲んでマクドナルドに座る夫婦は悲しいでしょう?
時流は、過去の近代化の方向には向かっていない。日本は、所得と平
均年齢の急上昇によって、近代を世界で最も駆け足で突き抜けたので
す。$1=120円では日本人の所得は、未だに(スイスやベルギー
等の小国を除けば)世界最高です。
団体旅行も、少人数の同じ趣味の同好ツアーの時代です。
多様なセグメントです。
ここから多様な事業発想、商品開発、サービス開発の発想が沸くでし
ょう。
官が提供する国民宿舎的な「シビル・ミニマム」や規格、公平とか言
って差を認めない規制が日本にとって害を流しています。給食や業界
の時代ではない。しかし官を含めれば日本の50%のGDPは、共通
コモディティのシビルミニマム発想ですね。90年代は、官の経済の
高成長でしたね。
12年の眠りと、デフレへの不成績の転嫁から醒め、価値の差異化を
考えることです。
see you next week!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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<増刊:売れ筋・死に筋マーチャンダイジングの限界>
単品管理ではなくカテゴリ・マネジメントが必要
【先々週の目次】
【定期発行】
1.日常的で小さなことから
2.「需要カテゴリ」での分類という方法
3.理解されにくい「需要カテゴリ」を解けば
4.カテゴリ・マネジメントという方法
5.単に売れ筋・死に筋と見る誤った単品管理
【増刊】
6.レビュー
7.小売業以外のサービス業での需要カテゴリ:カテゴリの普遍性
8.代替可能品目という、カテゴリの効率化概念
9.アイテム濃度論は、70年代までのものであり、品揃えの方法と
しては、今は誤りをもたらすことが多い
10.カテゴリ・マネジメントは、カテゴリ単位での利益経営
11.品目管理の新しい方法
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しました。デジタルプロセス時代の新しい小売業経営を考察するシリ
ーズです。第4回の7月号は、部門経営と需要カテゴリ品揃えを解く
ものです。
▼WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載
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