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030610ビジネス知識源:ディスカウントストアへの決断と準備

発行日: 2003/6/10

※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>

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          ビジネス知識源
      2003年6月10日号:Vol 153

    <Vol.153 ディスカウントストアへの決断と準備> 
            
 【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
                            (読者数: 31,707名)
著者:Systems Research Ltd. chief  consultant 吉田繁治
著者へのひとことメール⇒   yoshida@cool-knowledge.com
登録・解除・バックナンバー⇒ http://www.cool-knowledge.com
    ※120編余の無料版バックナンバーを掲載しています。

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こんにちは、吉田繁治です。最近の政府と、銀行、生保を含む金融関
係の動きを見ていると、うんざりするとともに、情けなくなるという
感じです。実態を隠す嘘が含まれているからです。金融が本来的にも
つ「怪しさ」が露呈されています。

イラク開戦の名目として、ブッシュ政権が公式に述べたことの嘘、開
戦後の報道の嘘、こうしたことが次々に明らかになりつつあります。
大嘘をつけば、嘘にはならないのかとすら思えるのです。政治がもつ
「怪しさ」が露わになっています。

我々は今、このふたつの怪しさの帰結がどうなるか、これを見ること
ができます。

マスコミにはおよそ2種があります。ひとつの極が人民日報のような
もの。世界の大手マスコミは、多くがこの範疇(はんちゅう)に属し
ます。もう一つが、夕刊紙的なもの。日本の週刊誌もこのカテゴリに
属しますね。

インターネット情報は何か? 多くがパーソナルな発信。雑多です。
オフィシャルな情報にないおもしろさはある。嘘も多い。しかし、こ
のメディアの登場が、情報空間を攪乱しているのは事実です。

すっと先。例えば15年後を言えば、今と全く違った世界になってい
ることでしょう。今、「近代」が激しく、満載していたものを振り落
としながら、時に喜劇的に終わりつつあります。

近代は、多くの人にとって肯定的な価値をもったものでした。
あらたな肯定的価値は何か? これを模索しましょう。

ウォルマートの創業者、サム・ウォルトンの起業期の第2号です。仮
想的に彼になったつもりで、そのときの状況と判断を見ていきます。
ウォルマートという事件は、実は近代の終焉を、いち早く体現してる
ように思えるのです。

ウォルマートに米国のピューリタニズムを感じます。近代が終わった
あとの世界は、ビジネスでも、方法より信念が強くなるのかも知れま
せんね。

ウォルマートが飛躍した米国流通の70年代、80年代は、シアーズ
を代表とする流通の近代が終わり、意味内容の定着に時間がかかる「
現代流通」になった。

手がかりは、近代の「消費者」に代わって、「顧客」が、そして次は
「個客」が主になる。匿名の消費者を作った近代とは明らかに違いま
す。

(注)ブランドは、「個客」をまとめるための方法です。流通の21
世紀は、「個客」を主にするCRM的な方法になるでしょうね。

※前号に続いて、本号の末尾も、<6月27日の公開セミナー>の案
内を載せています。パソコンで安価に、小企業でもデータマイニング、
データウエアハウスの利用ができるという、驚くべき時代を迎えて
います。データ活用をどうするか、ここが問題です。

※火曜日の配信をお詫びします。

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   <Vol.153 ディスカウントストアへの準備と決断>

【目次】

(原則28)小さな成功をスプリング・ボード(跳躍台)とし、次の
成功につなぐことができるかどうか。これは突き詰めた選択から来る。
彼は44歳になっていた。

(原則29)決断しないということは、決断をしないという決定をし
たことでもある。そうならば、より大きな未来の可能性に賭ける。必
要なことは、徹底した完全な準備である。

(原則30)事業の展開では、過去の味方がしばしば敵に転じる。最
大の敵は業界常識である。最大の味方も業界常識である。

(原則31)事業も先人に学ぶこと、真似をすることから始まる。し
かし、全く同じ方法で、成功することはできない。ウォルマートの独
創は、店舗経費を抑え、田舎の商圏でディスカウントストアを作るこ
とだった。商圏人口の少なさが、「個客」を浮かび上がらせ、ウォル
マーの経営理念、商法を作った。

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■(原則28)小さな成功をスプリング・ボード(跳躍台)とし、次
の成功につなぐことができるかどうか。これは突き詰めた選択から来
る。彼は44歳になっていた。
 
兵役から戻った27歳の時、ニューポートに最初の店を開いたあとの
15年間で、サム・ウォルトンはバラエティ・ストアを15店舗を作
った。$140万(現在価値で$1800万:20億円)の売上げに
なっていた。

15年間で15倍。年30%の事業拡大を行った。最初の小成功を獲
得します。しかし彼は「自分たちがかけた努力に対し、見返りは小さ
い」と考えます。

▼次の展開

最初の店舗から10年目には頭打ちになっていることが感じられた5
00平方メートル規模のバラエティ・ストアではない。もっと大きく
なることができる小売り形態を探し、数年をかけて見学し研究する。

事業では成功のピークこそ、実はそのビジネスの終わりの始まりであ
ることが多い。

こうした時に次の事業を準備できるかどうか、分岐点はここにある。

大きく育つであろう事業を探さなかったら、ウォルトンも凡庸な田舎
の名士で終わっていました。環境変化に文句を言って、自己を正当化
するような並の小売り業者になっていた。

彼が44歳、1962年(昭和37年)のことです。

▼中年

44歳という年齢は、他の事業家に比べた時、第二次創業としては早
くはない。

サラリーマンなら先が見える頃です。日本の小売業や他の事業でも、
44歳で年商20億円(当時の$1800万)という中小企業は多い。

ウォルマートの事例は44歳からその後30年で世界の全産業でナン
バーワンにまでなることができることを示しています。

事業は、いつ初めても遅くはないということが分かります。遅くなる
理由は、革新の意欲が失われるからです。読者の方にも44歳前後の
方は多いでしょう。未来はこれからです。

しかし、「これから」と思えるには何が必要か。
ここを見なければならないのです。

ウォルトンには、バラエティ・ストアの数倍の売場面積を持ち、顧客
の日常生活により深く関わり、特定品目の割引ではなく、幅広く品種
を揃え、価格を下げるディスカウントストアの将来が見えていた。

▼ディスカウントストア

ディスカウントストアという名称がない頃だった。
ファミリーセンターと呼ばれていた。

1店舗当たりで$200万(現在価値なら$3000万:36億円)
という、バラエティ・ストアでは信じられない売上げを、田舎の小商
圏でも上げることができると思われたのです。

重大な選択の前では、人は、しばしばリスクを避ける、今を続ける保
守的な選択をすることが多い。日本の金融や政府政策が典型的です。

ウォルトンは以下のように考えます。分岐点であり、世界の事業家、
サム・ウォルトンが誕生する瞬間です。事業創造の瞬間と言える決断
です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(1)ディスカウント商法によって手痛い打撃を受ける可能性のある
   バラエティ・ストア業界に止まるか。
(2)自らディスカウントストアを開くか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

選択には突き詰めがありました。
事業をじり貧にさせる道は選ばなかった

周囲のだれもが、ウォルマート1号店には賭けなかった。新店への9
5%の出資はサム・ウォルトン個人で行わなければならなかった。

これからの創業の方法の典型が、ここに見えますね。

▼原理の継続性
 
重要なことを述べます。ウォルトンが他の人より得意だったこと、つ
まり低い店舗経費で運営すること、そして低い値入率で売価をつけて
売ること、この方法はディスカウントビジネスにも通じた経営の原点
であるということです。

ここが肝心な点です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ウォルトンのバラエティ・ストアと、次の事業として選んだディスカ
ウントストアには、根幹で経営手法の連続性があったことです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ウォルトンも、経営手法が異なる不動産事業では(小さい)失敗を経
験しています。

バラエティ・ストアとディスカウントストアには、方法の共通性があ
った。しかし、ここも肝心な点ですが、500平方メートルクラスの
バラエティ・ストアと、当時でも1500〜2000平方メートルを
超えるディスカウントストアは、品揃えとマーチャンダイジングで異
なる点があることです。

そのために、彼は「入念な準備」をします。新しい原則を加えるため
の、数年の研究期間、準備期間です。

■(原則29)決断しないということは、決断をしないという決定を
したことでもある。そうならば、より大きな未来の可能性に賭ける。
必要なことは、徹底した完全な準備である。

草創期のバラエティ・ストア時代の、後期の数年、ウォルトンは全米
のディスカウント・ビジネスを見て研究し、自分の店舗で半信半疑な
がら実験を繰り返します。

当時のウォルトンはベンフラクリンのフランチャイジーと混合型では
あるにせよ、独立系のバラエティ・ストアとしては、当時の全米でナ
ンバーワンの15店舗、$140万になっていて、利益も大きかった
のです。

▼実験と検証

こうした条件を加味し何年も「半信半疑(halfheartedly)」で実験を
続けたというウォルトンの心理状態を想像し、イマジネーションで追
体験する必要があります。

「徹底的に完全な準備(ready to jump into it whole hog)」をして、
ウォルマート1号店を1963年7月2日に開店する。

その後40年で、30兆円、従業員140万人、世界で4400店に
も達する世界最大企業が、アーカンソー州のロジャースに従来のバラ
エティ・ストアの3倍の売場面積をもつ1500平方メートルで産声
をあげた。1962年、ウォルトンが44歳の時だった。

商品の価格が安いことを除けば、「ひどい店だった」と彼自身が言い
ます。最初から順風満帆だったわけではない。初年度売上げは、$2
00万ではなく、その半分でした。

ウォルトンは、日々、改善を加える。1号店を30年後からひどい店
と表現できる理由は、後の進歩が大きかったからです。ウォルマート
は、1日、1日品揃えを修正し、現場作業を整備し、店舗を進化させ
て行った。

開店の翌年に、利益が出ると、すぐ1.5倍(1830平方メートル)
に増床します。

創業期の資本が乏しい時期は、一歩一歩拡大していく方法が正しい。
すべてを賭け、過大な借金をする大投資を行うべきではないのです。

他の店が提供できていないことは何か、顧客が欲していることは何か、
ウォルトンは毎日このことばかり考え、いいと思うとすぐ実行しま
す。

■(原則30)事業の展開では、過去の味方がしばしば敵に転じる。
最大の敵は業界常識である。最大の味方も業界常識である。

以上の点で、常識とはおもしろい。反常識が、30年を経ると常識に
なり、また反常識が生じます。

1960年代当時、ナショナルブランドメーカーの商品は、1店舗し
かない小さな小売店が安い価格をつけて売ることはできなかった。

マーケット価格を崩す小売りには、通常のルートでは商品が入ってこ
なかったのです。

小売りが価格をつけるオープンプライスが一般化した現在から、価格
を安くすることの当時の困難さを軽く見ることはできない。しかも1
800平方メートル大型のディスカウントストアでは、500平方メ
ートルのバラエティ・ストアの何倍もの商品が必要です。

だからこそ顧客サイドから見れば価格を安くすることの価値もあった。
業界で非常識とされることの実行が、顧客の支持を得ることになり
ます。

仲間だったベンフラクリンの役員は、サム・ウォルトンがディスカウ
ントストアを開店したのを見て、フランチャイズ契約の最後通牒を突
きつけて帰っていきます。

妻ヘレンは言っています。「サムもその時は、怖かったはずです。」
バラエティ・ストア15店の過半は、ベンフラクリンのフランチャー
ジーとしての運営でした。ベンフラクリンから80%の商品供給を受
けていたのです。

しかし、サム・ウォルトンは、 
(1)店舗経費をどこよりも低く保つ、
(2)どこよりも低い値入をする、
(3)そして、商品の全般にわたって低価格で提供する、という成功
原則は分かっていた。これだけが成功への信念だった。

価格の保守勢力が強ければ強いほど、この方法は成功を収める。
業界常識は、逆説的に価格の異端に味方をします。

ここがディスカウントの本質です。今のように、どこでもディスカウ
ントならディスカウント価格だけでは店舗の存在価値はないのです。
ディスカウントは、異端の時、激しい効果がある。

▼業界の異端
 
メーカー価格支配が強かった当時、ディスカウント商法は異端でした。
一時的な異端ではなかった。ウォルマートの登場によって、80年
代までは米国の、そして、グローバル流通の90年代になると世界の
流通を変えることになります。

ウォルトンは店舗経費をどこよりも安く押さえることが成功の鍵だと
考え、それを実践します。これが彼の独創です。生涯これを守る。

ここで、売上げ対比店舗経費を15%以下に抑えるというウォルマー
トの方法を確立します。他が1ドル20で売る婦人用ショーツを$1
ドルで売る方法は、15年のバラエティ・ストアの経営からに身につ
けていました。

重要なことは、ナショナルブランド商品を安く仕入れるには、1店舗
であっても他のどこよりも1品を大量に売らなければならないという
ことに気がついていた。
 
商品調達で大切なことは1店舗の売上高の大きさではない。1品目の
売上げ量の多さです。バラエティ・ストアでサム・ウォルトンはこの
ことを経験していた。

しかしディスカウントストアへの挑戦では、狭い売場での特定品目の
低価格から、その3倍、4倍に拡大したより多くの品種数・品目数を、
常時、なべて安く売らなければならない。

ウォルマートが1号店を開設した62年当時、ディスカウント業界全
体は$20億の規模に達していました。

▼1962年

バラエティ・ストアで成功していたクレスギも直ちにディスカウント
業界に参入する。2年間でKマートを全米38カ所に開くことを発表
していました。ウォルマートより先行していたのです。

クレスギは1号店をウォルマートと同じく62年、大都市のシカゴに
開店します。百貨店であったデイトントン・ハドソン(現在のターゲ
ットグループ)も、同じ年ターゲット・ディスカウントストアを4店
舗オープンさせます。62年は、米国の3大ディスカウントの誕生の
年だったのです。

他の多くの人には、これが、おそよ20年後から流通の主役になると
は思えなかったのです。見方の大切さを感じますね。多くが直感です。
根拠のない直感ではない。論理的な、推論からの直感です。

ウォルマート以外のディスカウントストアは、消費力が旺盛な商圏と
して大都市周辺に狙いを定めていました。

ディスカウントの競争は始まっていました。ウォルトンのアーカンソ
ー州ではギブソン・ディスカウントストアがオープンします。

ギブソンは、
(1)安く仕入れる。
(2)商品を高く積み上げる。
(3)安く売るという3原則の単純明解な方法で、ウォルトンのバラ
エティ・ストアから顧客を奪っていました。

ウォルトンは自分一人でディスカウントストアを始める前に、まずベ
ンフラクリンの本部に出かけ、ディスカウントストアの卸、つまり商
品集荷と店舗配送のマーチャンダイザーになってくれるよう提案する。
これは、リスクに安全性を求めた行動です。

しかし、バラエティ・ストア2000店のフランチャイズの本部とし
て、成功を収めていたバトラー・ブラザーズはウォルトンの提案を拒
否します。過去の成功は、マーケットの先行的な変化を受け入れるこ
とを拒否させることが多い。

つぎに競合店のギブソン・ディスカウントストアに出かけ、商品供給
を受けるフランチャイジーを申し入れるが、ここでも断られる。

彼は一人で、親族を含む周囲の危惧の目に囲まれながら1号店をオー
プンします。

これは卵をひとつのカゴに入れる賭けでした。財産を抵当に入れ借金
をした。

彼は数年の研究によって、大型のディスカウントストアが田舎の商圏
から開始しても成功することへの信念を持っていたからです。

いや、田舎だからこそ成功するという信念をもっていた。これが彼の
独創です。いろいろ試みて、最後は、個人独創と信念に戻る。

私はサム・ウォルトンの以下の言葉が好きです。

「この国の小さな町には、私を含めだれもが夢見たことさえないほど
の、多くのビジネスが待っている」

今は、これは事実になっています。
当時はこうした認識は夢想だった。

■(原則31)事業も先人に学ぶこと、真似をすることから始まる。
しかし、全く同じ方法で、成功することはできない。ウォルマートの
独創は、店舗経費を抑え、田舎の商圏でディスカウントストアを作る
ことだった。商圏人口の少なさが、「個客」を浮かび上がらせ、ウォ
ルマーの経営理念、商法を作った。

1962年7月2日に開店した1500平方メートルのウォルマート
は、ナショナルブランド商品の低価格化は、十分ではなかった。ディ
スカウントが、だれでも容易にできることなら、ディスカウントが顧
客を集めることはない。困難だからこそ稀(まれ)であり、稀である
ために顧客が集まります。

25人の店員はほとんどが時給50セントから65セントの女性でし
た。当時の連邦規定の最低賃金は時給で1ドル15セントだったとい
う。店舗経費を抑え、それによって値入率を押さえた。

彼はこうしたとき手段を選ばない厳しさも持つ。
事業的には生きるか死ぬかの勝負です。

ホームデポの初期と同じように、既存小売りの半分の低値入だった。
後にホームデポも、ウォルマートの方法を真似ています。他方、サム
・ウォルトンも頻繁にホームデポを訪れています。

しかし、開店の広告とは違い、ウォルマートにはナショナルブランド
商品は少なく、多くが二級品の安売りでした。田舎の安売りの店に、
有名メーカーの商品は入らなかったのです。ウォルトンは最初、質よ
り安さを優先させます。

そして1品大量の販売によって、メーカーを引きつける戦略をとりま
す。これは、後のサプライチェーンと呼ばれるリテイルリンクにもつ
ながる、販売方法になって行きます。

実は、日本の大手小売業が未だに実現できていないことが、ウォルマ
ート的な1品大量販売です。

▼低価格と満足保証

それでも当時のオープン広告には、アイロンが希望小売価格17.9
5ドルに対し、11.88ドル、ポラロイドカメラは100ドルに対
し74.37ドル、野球のグローブが10.80ドルに対し5.97
ドルと出ています。(『ウォルマート:In Sams We trust:1998』)

主要な商品では、20%から30%の安さがあった。メーカー保証も
ついていました。

25%という価格差は、検証された価格心理ではだれもが安さを感じ、
当座に必要がないものでも、購買意欲をそそられる閾値(しきいち)
とされます。

25%以上も安いと、だれでも価格の違いが歴然と分かるのです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 1962年のディスカウントストアの1号店で、サム・ウォルトン
は、
(1)より低価格で売る(We Sell for Less)
(2)満足保証(Satisfaction Guaranteed)という2つの経営理念を
打ち出し、開店広告の載せ、店舗に掲げます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

これが40年を通じウォルマートの基本ポリシーとなり、他との差異
化の価値を獲得できる内容を備えるようになる。

満足保証をするのだから買った商品に満足できない時は返品もOKだ
という原則も確立する。顧客満足という原則の徹底から、不満足の時
の無条件返品が導かれます。極めて論理的です。

少ない人口の田舎で、同じ顧客が毎週来なければ、売上げを作ること
ができない店舗では、商品への不満があって顧客が離反すれば、売上
げはどんどん減って行きます。

壊れた顧客からの信用を回復することは不可能なことです。
口コミは、日で伝播する。当然、良い評判の伝播も速い。

▼原則の徹底

顧客の絶対数が少ない商圏での、リピート購買ができる日常生活用品
のディスカウント商売。このことがウォルマート商法の原点を作った
ことです。小商圏が、ウォルマートを世界ナンバーワンにした条件で
もあります。

オープンの1962年から後のウォルマートビジネスの40年は、We
 Sell for Less、Satisfaction Guaranteed という2つの言葉、つま
り理念に、内容を与える努力だったと言えます。

こうしたところにウォルマートの実直さ、頑固、徹底、「凄(すご)
さ」があります。

40年もすればキャッチフレーズや、商法を変えたくなる。同じであ
ることは稀です。言い換えれば、この2項は普遍的な成功原則である
ということです。

当時も今も、世界の小売業のほとんどが依存する特売やセールに変り、
Low Price Every Dayをとったことも、人口が少なく、お互いに知り
合いの田舎の商圏であることと切り離して考えることはできません。

田舎は口コミの社会です。同じ商品が買った週によって価格が違うと
店頭売価への信用がなくなって、セール以外の時は売れなくなります。
商店の自滅行為です。

▼Kマート

一方で、恵まれた大商圏のKマートの商法は、異なっていました。店
舗の競争が激しい中でチラシと特価商品で集客する方法でした。商圏
人口が多く「個客」との関係がウォルマートより薄かったためです。

40年後の2002年、Kマートが会社更生法を申請する時、セール
商法が主原因で、在庫過剰を抱えたと言われます。事実、Kマートは
PB(プライベートブランド)の売れ残りの無駄な在庫だらけだった。

得意な方法が、成功のあと、しばしば滅びる原因を作ることがある。
Kマートは、80年代に、規模では世界流通のナンバーワンに上り詰
めたのです。

see you next week!!

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     <カテゴリ・マネジメントを解き明かす>
     日本の店舗がおもしろくない原因とその解消

【前号の目次】

1.数字や公式を使わず、生活用語で解くマクロ経済

2.需要カテゴリという概念

3.品揃えには継続性が必要である。その継続性を確保するのが需要
カテゴリという分類。

4.需要の視点から交換価値と使用価値の区分をしなければならない。
品種区分では不足する。

5.ローコストオペレーション、つまり低コストでの店舗経営とは、
特売依存でない品揃えの維持、つまりカテゴリの内容の改善であり、
日々のユニットコントールでの運営である。

6.需要カテゴリの管理の欠落が、店舗の運営欠陥になる。

7.ウォルマートの今の品揃え方法の根幹技術は、需要カテゴリの運
用である。多くの人がこれを理解していない。

▼申し込み月の既発行分は、その月の全部を読むことができます。

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【案内1:公開セミナー】

6月27日(金)に、東京のホテルベルクラシック東京(大塚駅から
1分)において、「精度を高める顧客データ活用セミナー」として講
演をします。

安価な「マイクロソフト:コマース・サーバー」の登場によって、数
人の小企業、部署でも、パソコンでデータマイニング、データウェア
ハウスの利用ができる時代を迎えます。これには、びっくりしました。

【6月27日:午前10:20分開始】
第1部(90分):生産性と利益をあげる、小売り・サービス業務の
デジタルプロセス化と情報化のポイント(講師:吉田繁治)

第2部(90分):ターゲットマーケティングの有効性と必要性(講
師:吉田繁治)

第3部(90分):マイクロソフト社:コマース・サーバーによる顧
客データ活用事例

主催:商業界教育事業部(申し込み 03−3224−7488)
協賛:マイクロソフト
会費:7000円
当初募集:100名

先週から、雑誌等でも募集開始です。興味のある方は、お早めに申し込
んで下さい。誘い合わせて来れば、後の効果は高いでしょうね。
(100名を超えたようですが、会場の余裕はあるとのことです)


【案内2】
4月1日に発売の『販売革新4月号』から、<新・リテイルマネジメ
ント>の連載を開始しました。デジタルプロセス時代の新しいチェー
ンストア経営を考察するシリーズです。
6月1日から販売される6月号はその第三回です。

第4回の7月号原稿は、先ほど書き終えました。

▼WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載

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