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030526ビジネス知識源:随想的断章:お金のこと

発行日: 2003/5/27

※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>

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          ビジネス知識源
      2003年5月26日号:Vol 151

       <Vol.151 随想的断章:お金のこと> 
            
 【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
                            (読者数: 31,450名)
著者:Systems Research Ltd. chief  consultant 吉田繁治
著者へのひとことメール⇒   yoshida@cool-knowledge.com
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    ※120編余の無料版バックナンバーを掲載しています。

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こんにちは、吉田繁治です。3回にわたるシリーズとして<ウォルマ
ート:サム・ウォルトンの経営原理を解き明かす>をお届けしました。

本稿は趣を変え、幕間の休憩という感じで、随想的な断章。
サム・ウォルトンのシリーズは、またすぐに書き継ぎます。

ウォルトンには、米国資本主義の健康な精神を体現していたベンジャ
ミン・フランクリン(1706−1790)が、20世紀後半に、別の肉体に
化身して現れたかのような感じを受けています。輪廻(りんね)転生
を信じたくなる。

▼事業とお金

資本主義の精神は「節約して利益を蓄積し、再投資すること」

<金銭は、起業の動機づけの要因ではない。成功の尺度ですらない>
と言うのは、イリノイ大学の学生の頃、インターネット閲覧ソフトの
原型(MOSAIC)を開発したマーク・アンドリューセンです。M
OSAICは、私も最初のインターネットブラウザとして使っていま
した。

<大勢の起業家が失敗する。理由は、彼らのほとんどは起業家の器で
はないからだ。起業家は特別な人たちだ。(起業家の王国は)、貪欲
で、すぐにお金持ちになりたいという人々が現れないよう、厳重に守
られている。多くの人が門を叩くが、ほとんどの人は入ることを許さ
れない。起業家精神とは、金銭欲、権力欲、影響欲以上のものだ>

起業家を育成する活動をしているウィルソン・ハーレルも、以上のよ
うに言っています。(『経営パワー大全』)

一家ではビル・ゲーツ以上の資産をもったサム・ウォルトンは、生涯
を好きな狩りができるアーカンソー州の田舎(ベントンビル)で質素
な生活をし、休日には野球帽をかぶり、猟犬を乗せた小型トラックを
自分で運転し、猟にでかけた。

ウォルマートの本社も、創業から現在まで、ベントンビルにあります。

米国には2種の地域がある。広大なカントリー(田舎)と、ウォール
街のように浮利を競い、金銭欲つまりは賭博が渦巻くようなNYを筆
頭とする国際都市です。マネー経済の中心であるウォール街は、ラス
ベガスとなんら変わらない。富は生まない。富を移転する。

<肝心なことは、私(ウォルトン)にとって、金銭は重要なものでは
なかったということだ。食べるものと、快適な住まい、猟犬、狩猟場、
テニスコート、子供に十分な教育を受けさせるだけの資産があれば、
豊かな生活と言えるだろう。>

米国の田舎の住いは、価格が上がったとは言っても、プールつきでも
2000万円かそれ以下で買うことができますね。全米の住宅の平均
価格は、まだ2000万円くらいです。

不思議なことに、事業を成功させ巨富を得た人々からは、異口同音に
「金銭は重要な動機ではなかった」という言葉が出てきます。

使い切れないくらい持ったから、お金が無意味になるということか。
途中で、仕事にはマネー以上の価値があることに目覚めるのか。
最初から、金銭以上の価値を、仕事に置いたのか。

どうも、このあたりのところがわからないのです。

しかし、おそらく起業家とは、仕事に、金銭以上に価値があると思え
る何かを発見した人です。

利益や資産を得る前に、ヨット、高価な外車、邸宅が欲しくなるのが、
いつまでたっても普通の人でしょうね。儲けの前に使い道を考える。
私もその類(たぐい)でしょうか。(笑)

しかし起業家にとっては、仕事が生活のための義務ではなく、喜びに
変わった。金銭や個人的な蓄財は、仕事の動機の重要な部分ではなく
なっているというのが真実でしょう。

お金は生活の必要条件ではあっても、大きな仕事を動機づけるための
十分条件にはならない。そう考える人が確かにいる。事実として認め
なければならないでしょうね。

(1)生涯で使える以上に儲けたから、金銭が重要ではなくなるのか。
(2)事業のために必要な支出はしても、無駄には使わなかったから
か。

正解は(2)でしょうね。無駄かどうかを分けるのが、判断の基準で
あり、これを個人の価値観と言っています。

まれに、使い方について確固たる基準、価値観、スタイルをもってい
る人がいる。それが事業家です。

アイデアで一時的に儲ける人は、世間に多い。それを30年継続でき
るかどうか。ほとんどの場合「お金」に使われる。人間の器量が、お
金の額に負ける。

その結果、苦難が来たときはもう蓄積がない。4兆円売上げの企業を
作っても、利益以上に経費を使えば、当たり前に倒産します。

そして、会計では詐欺までを生むことがあります。詐欺とは損失を隠
し、従来通りに使い続けることです。壮大に詐欺に乗ったのが、90
年代末から2000年のウォール街だった。

同様のことが、今の日本では、政府も加担する金融機関や企業会計の
ごまかしです。そして、破綻する前日まで、すべてが正常と言い続け
る。

会計のごまかしとは経費の繰り延べや資産査定の時価ではない、(i)虚
偽の価値の計上、(ii)子会社への損失飛ばし、(iii)隠れ保証、(iv)
損失隠しのための、将来の利益を食うリスクの高いデリバティブなど
です。

ここが今の資本主義が、日本のみならず、世界で根底的に病んでいる
部分です。

90年代は、国民の預金の大半を使っている行政自身が行政の資産の
時価評価すら公開しない。

まれに売買で公開すると600億円のレジャー施設が1億円とか、2
000億円がほぼゼロとか、価格がつかないとか・・・惨憺たる状態
がある。

▼変なこと

そして病んだ会計の企業の倒産を国が救うから、更にやっかいなこと
が引き起こされる。

経済倫理の堕落(モラル・ハザード)をまき散らすことになる。
これが、病の大元になります。

子供達には、どうにも説明ができない。
昨日まで正常だった。そして、なぜか今日、突如倒産した・・・

大きな企業は、倒産しても政府が2兆円を緊急に入れ、救われる。

じゃ、なぜ1000万円で救済できる(将来有望な)中小企業20万
社を選択し、同じ2兆円の供給で救わないか? そのほうが不良債権
は減るはずですし、経済再生にもなる。

同じ2兆円です。こうしたところが変なのです。大きすぎてつぶせな
いというのはマクロ経済からも嘘です。

事業の困難は、経験的に言えば、3年毎には襲うでしょう。成長して
いるところでは高い基準での困難が、衰退しているところでは存亡の
危機が、です。両方とも、困難であることに変わりはない。

経済環境の変化が加速している現在では、もっと早い時間サイクルか
も知れません。上場企業の決算を見ても、最高益の直後の年度が、大
きな減益や時には赤字ということが増えています。逆もある。

ハイテク機器は、マーケットに出て数ヶ月もすれば市場価値がなくな
る生鮮食品になったからです。これは農業や漁業の収穫と同じですね。

工業製品の生鮮化は、企業の短期プロジェクト化を意味します。

▼儲けることと使うこと

お金儲けの方法は、みんな似ています。突き詰めれば、仕事は顧客へ
の、よりすぐれた奉仕です。顧客が価値を認める商品やサービスを開
発し、提供するサーバントになることが、企業の仕事になる。

大会社の社長でも顧客には感謝を述べ、頭を垂れます。創業者なら、
なおさらです。

しかし、儲けたお金の使い方には、顧客に向かった仕事のときは隠れ
ている個性と価値観が出ますね。

使うときは、自分が主人になることができる。自分がお金を使う上の
立場になったとき、人は、個性、本性、欲望を露わにします。

そうすると本当のところを言えば、成功する事業家とはお金の使いか
たで、長期的な視野と確固とした価値観をもつ人であって、その点で、
より大きな目標に向かうことのできるひとでしょうか。

そうであるからこそ、人からお金を集めることができる。

1億円の売上げや収入を顧客に奉仕して獲得したあと、どれだけ利益
を残し、つまり、どれだけを将来のために有効に蓄積し、有効に投資
することができるか、ここでしょうね。

利益は自然に出るものではない。意識して我慢をし生み出すものだと
いうことが真理でしょう。

以上のことを認めるとすれば、起業家や事業家にとって重要なことは
儲け方より、最初に学ぶべき大切なことが、お金を得たときの使い方
だということになる。

(銀行や保険会社、そして債権カットを受ける企業に、そうした価値
観や経済倫理感があるでしょうか? 生命保険の予定利率の切り下げ
など、実はとんでもないことでしょう。)

起業家は、まずはお金の使い方を学ばなければならない。大切に使い、
増やしてくれる人にマネーは集まるのが原理です。

▼変になった学問

起業家や事業家に大切なことは、マクロの経済学より、ミクロの家計
学、家政学でしょうね。私にはこれができていないから、かえってそ
の大切さがよくわかるのです。(笑)

もういいかげんに、知的にはとてもおもしろいケインズを捨て、退屈
な家政学や家計簿を学ぼうとか・・・(笑)

ケインズは、鋭利で皮肉な知性をもち、投機に熱中した無駄遣い屋で
す。彼の随想を読めばわかる。

事業は、需要の研究です。そうならば家政学、家計簿、消費統計、家
計調査、実学としての店舗と商品の研究ですね。

経済学や金融学を大学にまで行って勉強したら、お金儲けの方法を知
っているでしょうねという母の素朴な問いに、あなたはどう答えます
か? 口ごもるしかないでしょうね。

私は、大学でフランス語を勉強したのなら、フランス語はペラペラで
しょうと母から言われ、どうしようもなく赤面し、曖昧に逃げた。語
学ではなく哲学だと言ってね(笑)

なぜ金融の専門家である人が集まっているはずの銀行や保険会社が、
つぎつぎにつぶれるのでしょうか? 不思議に思いませんか? 

医者の集団が、医学で最初に教えられる手洗いをせず、普通の病気に
集団感染して、そのために病院が倒産するようなことですね。

実学から離れた経済学や金融論に、知的興味以外のどんな意味がある
のでしょうか。

英語の話し方や、文章の書き方を一定レベルにまで訓練できない英文
科、国語の書き方を教えることができない国文科のように、無益です。

西欧と米国の学の翻訳を、変な日本語で学ぶことで、学問が制度化し
た。教育の形式化、形骸化です。これが今の日本の、根本の病になっ
たと思っています

経済学はeconomy、希少な経済と経営で使う資源を節約するための学だ
と言えば、だれにでも入り口でわかるのにね。

明治時代ならいざ知らず、「経世済民の学」だとねじ曲げ、政治と行
政が、短期でしか効かないケインズ主義の予算を正当化するから国家
予算の節約が図られず、本当は無駄な予算も不況対策となって、戦争
による破壊すら不況対策として意味があるとなって、とても変なこと
になってしまった。

節約、economyとは、単に予算を減らすことではない。
将来のための資本の有効化だったはずです。
鍵は、貯蓄と利益の「有効な」投資です。

▼意図した不正と、意図せざる不透明

不正経理のエンロンやワールドコムを生んだウォール街と、日本の銀
行、生保、そして企業決算はそっくりですね。

本当は魅力のないユーローが、ドルに代わって浮上している理由は、
米国企業の決算に、まだ何が隠されているからわからないという不安
からです。そうであるから株を買わず、政府保証の額面のある債券に
流れる。

9.11以降の米国では、突然に何が起こるかわからないというリス
クもある。

日本の株が、下がったまま一向にあがらない根本の理由は、銀行、生
保、企業を含む会計が、政府の裁量の政策によって、有価証券報告書
を読んでも、その実態がわけのわからないものになっているからです。

以前は、企業には土地の含み利益があったため、利益数字はいいかげ
んでもよかった。今は、計上された利益しかないのですが。

西欧、米国、日本、そし中国の、およそ世界中の企業の決算書のアカ
ウンタビリティに疑義があるという不安心理が、世界の株買いを遠ざ
けています。

これが、2000年春以降の、世界の株価の崩落です。デリバティブ
以降、利益数字に訳のわからないものが含まれる。特に、銀行・保険
の金融機関においてです。

大衆に本当のことを伝えれば、パニックが起こるというのは、行政官
の思い上がりです。官以上に、大衆のほうが、うすうす本当のことを
知っている時代になっています。

世界の金融が詐欺的になったのは、90年代でしょう。米国が、日本
の貯蓄を取り込もうとするところから、壮大な仕掛けで変なことが始
まった。

世界経済が抱える最大のリスクは、他国からののマネーの流入で支え
られているドルの価値です。ドルの基軸通貨特権の維持のために、米
軍の中東侵略も生じている。米国マスコミ自身が、invadeと表現して
いますね。

基軸通貨とは、どんなに国家が経常赤字を出しても、世界がありがた
く、印刷されたペーパーを受け取って、その価値を中心にして、他国
の通貨が計られるもののことです。

無限に小切手を発行できれば、あくせく働くのは、ばかばかしくなっ
て、買ったのモノの代わりに、数字を書いて、決済日には次第に大き
くして渡せばいいだけでしょう? これが基軸通貨特権です。米国は
この甘い味を知っています。

▼変化の速度化

投資家は、経済環境の変化が、80年代よりも数倍も速度化している
ことを知っています。過去の10年スパンに相当する大変化が数年で、
または1年で、時には3ヶ月で起こる。

なぜか? マネーのレバレッジ(テコ)の効果のためです。10倍の
レバレッジなら1兆円が10兆円の投機マネーになる。10兆円のレ
バレッジは、1年で1兆円の10年分を生きる。時間を10倍に圧縮
し、足が速くなるのです。

手持ちの元本が1000万円だったとします。それを10倍の信用借
り(レバレッジ)の1億円で運用すれば、1日は1000万円の10
日分ですし、1年では1000万円の元本マネーの10年分の、利益
や損失に拡大します。これが時間圧縮です。時間は圧縮できます。

ここで、3ヶ月単位の、四半期決算の企業利益に、不明で読めないも
のがあるとすれば、リスクが大きいと感じ、投資を控えるのが当然で
すね。圧縮された時間の中では、3ヶ月は30ヶ月分ですから。

そこを直さず、日銀がいくら買っても、過去の政府の指導でのPKO
(株価価格維持政策)と同じで、無駄なことです。日銀も、世界の中
央銀行も、今は一人のプレヤーに過ぎない。

▼情報公開と、会計の時代錯誤

速度性のある情報公開が重要になった。原因は、うさん臭い情報を含
みながらも、時折は真実の、速度化した情報を提供するインターネッ
トです。

経済新聞や証券会社の情報が、投資に役に立たないことは、バブル崩
壊で、痛く経験済みです。

仮にマイナス情報であっても、先に真実を公開したほうが信用を得る
という新しい時代に変わった。これが情報化時代です。

マイナス情報を含めた公開、ここがポイントです。

マイナス情報の公開は企業側がそれを認識し、克服の対策を立てる姿
勢であることを示す。

病気であることを認めなければ、原因を究明した治療はできないので
す。

カルロス・ゴーンが日産で最初に行ったことは、過年度の会計に隠れ
ていた損失を明らかにし、翌年に繰り越し可能な経費をまとめて計上
して巨額損失を出すことだった。社員の意識を覚醒(かくせい)させ、
このままでは潰れるという危機の認識から、立て直すことでした。

人間は、対策を打つ能力がある。危機に瀕すれば、協力し力を発揮す
る。糊塗するから、危機が露わになったときはもう手がつけようもな
くなる。最近の倒産に多い、突然死です。そして政府救済です。

事実を粉飾する会計の制度は、全く遅れています。
企業と政府の広報誌になりさがった新聞も同様です。

過去は正統派とされていた西側世界のマスコミも、今は、ソ連のプラ
ウダや中国の人民日報に似てきた。CNNはCIAのプラウダですね。

朝日新聞の、大本営発表を載せていた戦中の記事に似ている。

▼複式簿記

16世紀の、イタリア商人の複式簿記に基づく貸借対象表が、資産と
負債の会計の透明性によって、縁故外の、インサイダー情報をもたな
い投資家の資金を集めることができる資本主義を生みます。

会計の透明性、利益と資産査定の正確性こそ、資本主義の命でしょう


企業会計が不明朗になるとき、他人から資本を集める資本主義は死に
ます。

ところが今は、企業利益に課税し、その税で行政予算を組む政府があ
って、これが会計計算に害を流しています。

企業の利益を過大に出すための、長期の減価償却制度や、経費と損失
の繰り延べ制度で、利益を過大計上させる。変化が加速する経済のな
かで、利益が過大計上され、そこから引かれる税が半分で、十分な投
資資金にならない。

今は、過去の税前利益の2倍が必要ですね。

行政は、企業から税をとればよしとする年度会計の計算制度を生んで
います。

例えば、貸出しの2%は必要な貸し倒れ引当金を、税務上の当年度経
費(損金)に認めない。そのために、繰り延べ税金資産が自己資本と
して計上されるようなことは、財務省・国税庁が、税取り主義で、資
本主義を殺している一例です。

主税局の税制と指導こそ、金融機関の不健全会計の原因です。

企業会計は、正確な利益や資産を表わさなくなって、損金(=税務上
の経費)を意図的に繰り延べる。つまりは過大に出した利益のため、
キャッシュ不足で急に破綻(はたん)するというようなことになって
います。

一例が、「りそな」ですね。

▼財務省と税務署の、企業粉飾への共犯

税務署と国税庁は、企業利益の過大計上、つまり粉飾決算をいくらで
も容認します。

旧大蔵省は、90年代の銀行に対して、ずっと、利益粉飾の奨めすら
行っています。

これは投資家を裏切る企業の犯罪への、共犯としての加担です。

税務署は、帳簿の強制調査権をもちます。税を徴収すればいいとする
意識から、企業利益に対する見方が堕落している。

▼資本主義再生の方法

ごまかしの効きにくい<原始的なキャシュフロー会計(現金収支会計
=金銭出納帳)>に戻り、今の収益会計を、根底から見直すべきでし
ょうね。

これが、経営環境、株価、為替が月単位で大きく変わり、リスク(裏
腹の利益)を含むグローバル経済の方法でしょう。

資産は、安定した価値を持ち得る資産でなくなった。

土地、商品在庫、建物は、資産に計上できるような安定した価値をも
たない。つまり、資産への支出も、本来は当年度の経費です。

バランスシートの全資産勘定を、価格変動準備金の経費への計上の制
度化までを含め、根底から洗い直す必要がある。

中国、インド、ロシア、中東を含む30億人の経済は、80年代まで
のOECD10億人経済よりも、少なくとも3倍くらいは速度化して
います。

そして今、世界経済は、経常収支の赤字を、年60兆円(GDPの6
%)も流し、他国からの資金流入が止まれば、一瞬でドルが崩落する
米国を抱えるという危険をはらむようになっています。

今までは、西欧がその赤字の70%、日本を含むアジアが30%をフ
ァイナンスしています。

そして03年5月、米国への資金の流れに変調が起こり、またこの国、
日本が埋めていますが・・・

長年の過剰消費の米国こそ、世界の過剰生産を生んで、世界経済の最
大のリスク要因になったのが21世紀です。この認識が、日本には欠
けています。

過剰消費は続けることはできない。永久にドルに資金を集めることは
、自由に動く資金を相手にしては不可能です。

ドルにクラッシュ、信用危機が起これば、アジアの輸出経済(=過剰
生産体制)は崩壊し、受け取ったドルは急に減価する。それが、経済
の危機です。

企業収益が、国際通貨の変動に大きく左右される今は、月次決算の発
表が必要なくらいですね。集計は会計処理のコンピュータ化で可能で
す。

▼会計士の仕事の目的と責務

資産価格が下落するデフレ時代は、会計士の監査の、遅れて歪んだ今
の制度では不十分です。ブランド価値、知識資産の計量を含めて、本
当の時価の価値査定を行う、意見書の添付が必要です。

買いや売りを囃し立てる証券アナリストが行う分析ではない。
会計士が行う企業監査の信頼性の回復が必要です。

ところが会計士協会には、資産の時価評価会計を先延ばしする動きが
あります。これは、日本経済を自滅に誘う行為です。

世界が見ている。国内の投資家も見ている。そうしたマネーが日本企
業の数字に疑義を感じるなら、逃げる。逃げる方法は、資本自由化の
今は、いくらでもある。

逆にどこの国より早く、透明な時価会計の制度を作れば、どこの国よ
り早く、世界の余剰マネーからの投資を集めることができるのに・・

方法はあります。

日本が世界に先駆けた、時価会計制度の抜本改革を行い、それを、世
界に向かって発表すればいい。

そうすれば、マイナス情報までを開示する日本は、すばらしい21世
紀になるはずです。

日本のマネーが80年代から90年代の米国を支えたこと、そして日
本が150兆円規模の対外純資産をもつことは、あまりに常識すぎて、
米国人は、心がけて忘れようとしています。(笑)

(90年代以降の海外への円マネーの流出が、日本のデフレの根本原
因だと指摘するのは、欧州で評価されている三国格付けの、三国陽夫
氏ですね。)

世界で最初に、資産と商品価格のデフレに突入した日本国の会計士の、
世界に対する職業的な責務が、時価会計制度の徹底です。。

会計士の仕事の目的を考えれば、一瞬でわかるはずです。

財務省は、資産の価格変動のリスクの見積もりを、経費(損金)計上
することを認めるべきです。

引当金は期間計算に過ぎません。マイナスの価格変動がなければ、翌
年は損金が利益になって、税は取れるのです。

政治家は、なぜ、これを言わないのでしょうか?
肝心なところを、財務省に牛耳られていますね。

日本の企業会計の基準が、世界で最も厳格だという基準を作ることで
す。

米国の80年代からの対日本戦略は、日本の金融の担保の虚妄を暴く
ことでしたね。暴かれるような、虚妄と弱点があったからです。

会計の透明化、これが日本の企業と行政にとって、多少は苦い、しか
しもっとも根本的に効く治療薬でしょうね。

これによって、ムダになっている資金、お金の最適(optimum)配分が
行われます。会計は、投資したお金の、透明な説明(アカウント)で
す。

会計士さんたち、仕事の本来の目的と、真実性と保守性の原則という
会計原理を会計学を学んだ初心に帰って思い出し、日本と世界の資本
主義の未来のために、頑張れ!

会計を志した多くの人にとって、資本主義の根幹がここにあるという
意識が、会計学を学び、職業にまでした動機になっているはずでしょ
う。会計制度を歪めたのが、利益をはき出させ、税をとるのが目的の、
大蔵省と国税庁ですが。

不労所得である土地の含み利益には課税をしなかった。それが日本企
業の真の資本だった。そのために日本企業は強かった。

そうならなぜ、労働所得である、計算された企業利益には課税し、企
業を弱体化させるような40%から50%までをとるのか?

不労所得に課税せず、労働所得に懲罰的に課税するのは、資本主義に
対するどんな根拠で決定されるのか。やるべきことは逆でしょう。

私には、ここが全く理解できないのです。税理論とは一体なにか?

いずれにせよ、21世紀の資本主義の世界は、企業会計の透明化の競
争であり、これが、世界のマネーを集める方法になります。

▼忘れられた日本モデルの再興

米国が会計の「嘘」、軍事の「悪」、ウォール街の賭博の「醜」で世
界のマネーを荒々しく集めたのなら、日本は、「真」「善」「美」で
やさしく集めることができるでしょう。

詫びとサビを高度に評価でき、美意識と味覚が発達し、粋(いき)を
知る日本人は、世界に冠たるものだと思っています。工業もモノ作り
も、根底は美意識です。物作りはデザインでしょう?

21世紀の経済と生活のキー概念は、おそらく美意識とスタイルです。

世界が評価し、ブッシュ政権が無謀にも反古(ほご)にした、二酸化
炭素の発生を抑制する「京都議定書」の精神にも通じる。

経済と企業の倫理化が21世紀です。空想的な理想主義ではなく、資
源問題と環境問題を含む、真の現実主義から申し上げています。

資源やエネルギーの節約、そして小型で高性能のものを作ることに最
も巧みなのが日本人です。

少ない消費で、豊かな生活ができるのも日本人でしょうね。世界最高、
最速の高齢化は、あたらしい経済を生みます。世界の最先端が日本
です。米国は10年遅れた中進国です。質のいい食の豊富さを見れば
分かる。日本人は1人当たりで米国人の半分の資源しか使わないので
す。

62億人の世界の経済発展は、オイルをまき散らし、資源多消費の米
国モデルでは、全くダメなのです。米国は資源の多消費が米国の弱点
と知っているからこそ、中東のオイル制圧にかかった。

彼らの動きは、いつも戦略的です。戦略的とは、明確な、表現された
狙いがあるということです。シンクタンクと政権は結びついています。
いつも、世界戦略がある。

バブルでどこよりも痛めつけられ、経済の意識が世界に先駆けて変わ
った日本人が、緻密な日本モデルの経済を、世界に広めることができ
るでしょう。高齢者の労働力不足は、得意のオートメーションとロボ
ットが補います。

日本は、世界の最先端です。

日本人と日本企業が、世界の先端で活躍するとき、世界は住みやすい
ものになる。私はそう思っています。日本人の優しさは価値です。

see you next week!!

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【先週号の目次】
     <Vol.96 緊急号:第2次金融危機が起こった>

 1.金融危機の数年
 2.金融危機と銀行問題の本質
 3.不良債権の公表額は42兆円ですが・・・
 4.民間銀行を合計したJバンクの収益構造
 5.銀行の自力再生の可能性は極めて薄い
 6.公的資金投入策の意味
 7.ハイパー・インフレが起こるとすれば
 8.銀行の根本問題

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ント>の連載を開始しました。デジタルプロセス時代の新しいチェー
ンストア経営を考察するシリーズです。
5月1日に発売の5月号は、その第二回です。6月1日から販売され
る6月号はその第三回です。

▼WEBで、他の考察を体系的に
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送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載

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