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030415ビジネス知識源:経営と仕事のプロトタイプ(2)

発行日: 2003/4/15

※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>

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           ビジネス知識源
      2003年4月15日号:Vol 145

    <Vol.145  経営と仕事のプロトタイプ(2)> 
            
 【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
                            (読者数: 31,034名)
著者:Systems Research Ltd. chief  consultant 吉田繁治
著者へのひとことメール⇒   yoshida@cool-knowledge.com
申込・解除・バックナンバー⇒ http://www.cool-knowledge.com
    ※120編余の無料版バックナンバーを掲載しています。

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こんにちは、吉田繁治です。先週号から始めた本シリーズは、会社の
経営と仕事の方法を、根幹になっているところに遡(さかのぼ)って
考察しようというものです。

「経営」や「管理」はマネジメントを語源とします。マネジメントと
して多くのことが語られ、論議され、実践されています。「現代経営」
を発明したと言われるドラッカーの著作も、多くの人に読まれた。
経営学と言われる学もあれば、ビジネススクールもある。ビジネス雑
誌は多数です。

しかし、改めて経営とは何かと問われれば、答えに困りますね。にも
かかわらず、経営を仕事とする経営者は、日本でも数百万人は存在す
る。その組織で働く人は、経営者グループの10倍以上、数千万人で
す。

わかり切ったことと思われ、誰もが疑問に思わないことの中に、繰り
返し問うべき大切なことや本質があります。

本シリーズを書く目的は、経営と仕事について、確固たる視座を獲得
するためです。そして、仕事とは、どんな目的で何を、どんな方法で
行うものかを明らかにするためです。仕事観は、今は、死生観や生き
ることの意味にまでつながっています。

わかりにくい経営管理と組織とは一体なにか? 
そうした視点で読んでください。

深い理解をすれば経営コンサルタントになるのも容易です(笑)
経営コンサルタントが行うのは、最初で最後のことは現場作業論と経
営管理論です。ビジョンとかリーダシップも、ここに関係します。

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  <Vol.145  経営と仕事のプロトタイプ(2)> 

【目次】

 1.「近代」経営の方法は、テイラーから始まった
 2.標準作業と作業標準(work standard)
 3.テイラーの差別的出来高給(differential piece rate system)
 4.計画部と専門スタッフ
 5.テイラーイズムを理解していないため、ドラッカーの経営管
   理法への理解もない
                   (以下次号)

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■1.「近代」経営の方法は、テイラーから始まった

▼職人制

近代以前は、封建時代と言われる中世です。古代や中世の人々も、当
然、経営や仕事は行っていた。多くが農林漁業と建築でした。しかし、
収穫高、成果、技術を高める方法は常に研究されていた。

そして、モノを作るのは職人組織だった。士農工商という、階級をと
もなう4つの産業機能は、社会と経済を成立させていた。

士は社会の管理階層であり、農林漁業は食の生産を、工は建造物や住
と衣を作り、商は生産と購買をつないでいた。これらに共通する方法
は、「職人制」としてまとめることができるでしょう。

近代の英国に始まった産業革命は、最初、蒸気機関(外燃機関)、後
に内燃機関を使うことで、生産手段を大規模にして機械化し、株とい
う方法で、大きな資本を集める資本家を成立させた。

(注)日本の明治以降の資本主義は、民間ではなく国家が管理し資本
を供給する国家資本主義から始まります。民間での資本蓄積がなかっ
たからです。官営の工場がそれです。アジアに共通します。これは、
今でも国家が管理している銀行制度、金融制度に残存していますね。

設備投資のために、大規模な資本が必要になった産業革命から、株式
会社が誕生する。しかし、その組織内容と経営の方法は、19世紀の
末までは「職人制」だったと言えます。

今でも税法上で株式会社制をとっていても、標準作業の概念がない会
社は、その基本は職人制です。(職人制がダメだという意味では毛頭
ありません。21世紀の専門知識労働は、職人制に近くなるという感
じです)

職人制とは何か? 個々人が、伝統的な、または高度に知識的な、し
たがって手順分解されていないために学習に長期間かかる固有技術と
専門知識を使い、親方が統率する組織の中で、仕事をする制度です。

職人制の特徴は、技術が個人に帰属しているということです。

職人の技術には閉鎖的な流派があった。西欧ではギルド(職人組合)
制と言われていた。生産設備は資本家が持っていても、技術は職人の
私有だった。手に職がついていた。

いろいろな学会の教授制、言い換えれば徒弟制は、中世のギルドに限
りなく似ていますね。医者、弁護士、会計士、コンサルタントの世界
も同様です。

【職人制】

   [御旦那(資本家:生産手段の所有者)]
         │
    [親方または番頭(マネジャー)]
         │
      [職人・徒弟(社員)]

今でも、多くの会社にはこうした職人制的な運営が見られます。近代
的な会社の淵源はここにあります。

▼職人制に対し、科学的管理法を提唱したテイラー

20世紀初頭に、テイラーは、中世的な職人制を激変させる科学的管
理法を提唱します。以下の骨子を持っていた。

テイラー以降は、近代産業は、以下の5つを、基本的なマネジメント
方法とするように変わります。(ここでは管理と経営を同じ意味で使
っています)

端的に言えば、職人の個人技術を、それを構成している技術要素に分
解することによって、標準作業を作って、労働者を誕生させた。

【テイラーの科学的管理法の5要素】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.中央工具室  (工具の標準化をともなうエンジニアリング)
2.計画部    (計画を立て現場を統制する本部と、標準作  
    
          業を実行する現場の分離)
3.時間計測     (作業分析による標準作業作り)
4.職能的な職長制度 (現場統制型のマネジメント組織)
5.差別的出来高給制度(作業標準と報酬の関連づけ)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

テイラーは、作業を細かく欠かせない要素(動作)にまで分解するこ
とによって、職人制では個人に帰属していた固有技術と私有の工具を、
標準作業手順で標準工具を使うものとして設計し直します。ここか
ら、ベルトコンベアの量産システムができあがる。

産業のエンジニアリング(工学)の原点は、テイラーです。

こうした科学的管理の方法で、大規模に事業的な成功をおさめたのが、
1908年からの大衆車T型フォードを作ったフォード社だった。
これは、西欧から米国に、近代産業の重心を移行させ、西欧の貴族と
職人制からくる階級制とはちがう、大衆民主主義を成立させます。

それ以降、世界のビッグビジネスは、すべて、フォードの量産のシス
テムを学習する。

最初の量産車T型フォードの写真があります。
当時の部品までが、よくわかります。↓
http://www.cmsi.jp/doc/gallery/ford-T/album.html

西欧のギルド(職能組合)制では、技術は、親方が伝授する流派であ
り、流派として守るべき閉鎖的なものでした。

テイラーは職人の技術を「工学的」に分析し、今風に言えば、フロー
チャート(作業の流れ図)にして、誰もが短時間で習得できる「標準
手順」として組み上げ、職人的な個産ではなく規格品の量産が可能な
生産ラインを設計します。

テイラーは、標準手順に区切りを作って単位作業に分け、ストップウ
ォッチで計った。生産量とコスト(原価)を計画し、計算するためで
す。

生産計画=(原材料投入量×単価)+(作業時間の投入量×単価)=
生産原価

テイラーによって、生まれたのは、計画生産と原価計算ができる工場
の生産ラインであるとともに、「一般労働者」だった。

昨日まで、自然と天候に依存する農作業に従事していた人が、計画生
産を行う工場に勤めれば、天候にかかわらず、生産高は一定で、出来
高に比例した分業の「標準賃金」をもらうことができる労働者(work
er)になった。

テイラー的な標準作業の導入によって、1人当たりの生産性が高まっ
て、経済は拡大し、人口が急増します。

「労働者階級」は、標準作業手順のワーカー制度から生まれた。
20世紀初頭のことです。

出来高による変動給だったワーカーの多くが、戦後は、賃金制度と社
会福祉の思想の普及によって、階級制の色彩を薄めた「固定給」の社
員になった。

そして、生活の手段は「就職」になり、無職であることは生活手段を
失う「失業」と見なされた。近代産業以前の農業には、貧困ではあっ
ても賃金という概念も、失業という概念もなかったのです。

会社の代わりには、共同作業を行う村落共同体があり、資本家に相当
する地主や網元がいた。助け合いの「結(ゆ)い」は人々の協働作業
だった。

ドラマ「北の国から」の最終回で、名優唐十郎が、末期ガンにかかっ
た友人の妻が夢にみる廃材を集め家を建てている田中邦衛に向かい、
しみじみと言う場面を記憶していますか?

<あなたは立派な人です>

網元を演じた唐十郎の、義理の娘の名前は「ゆい」でした。
「ゆい」は村落共同体の理念を象徴する、人々の絆だった。
村は、生活の共同体でした。今、人々はこうした村を持たない。

■2.標準作業と作業標準(work standard)

確か7年前でしたか、テキサス州ダラス郊外の、大規模な物流センタ
ーを訪問したとき、軍人然としたマネジャーは「作業標準(work sta
ndard)」の意味を説明してくれた。

(注)米国では、物流関連では軍人出身のマネジャーが多い。ロジス
ティクスは、軍隊の前線での物資の必要量を計算し、食料・武器・弾
薬を含む軍事物資の配送を、適量に計画して、実行管理する技術から
来ています。

日本の第二次世界大戦での敗戦は、まずは、前線に対するロジスティ
クスのなさから起こったのです。

戦後の日本人が、米国の産業を見たときの驚異は、生産計画と資材調
達のロジスティクスの連動だったと言います。100年も前に、部門
別経営のマイケル・カレンによって成立していたスーパーマーケット
の商品補充システムも同様です。

▼作業標準

「標準作業」ということの意味は、手順を分解した結果としての標準
化ということで理解はしていました。しかし、物流センターの所長か
ら「作業標準(work standard)」と言われた時は、瞬間、「あれっ?」
と思うような耳慣れない印象をもちました。

日本では作業の標準化があっても、社員として固定給です。
ところが、米国風の作業標準を実行するワーカーは、週給の変動給で
した。

<作業標準には、標準賃金が連動している>との説明だった。

例えば、物流センターに入荷した商品の段ボール箱に入荷・検収ラベ
ルを貼るという作業があります。手順は(標準として、作業マニュア
ルで)決まっています。

作業者は、毎日、決められた手順で、トラックからおろされる段ボー
ル箱を一個ずつ確かめ、入荷管理、保管、出荷処理で使うバーコード
のついたラベルを貼るという単純作業を行う。

多くが、ヒスパニック系の移民か出稼ぎに見えた。言葉を掛けると、
返ってきたのはスペイン語風のナマリの強い英語でした。当方は日本
語風のジャングリッシュです。こうしたとき「国際」を感じます。
(笑)

作業標準に連動する賃金(時間給で$10位)には、2種類があった。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.(piece worker)入荷処理の個数で、一個当たりで、例えば
10セントと標準賃金を決めて、処理高で支払う出来高給の作業員。
これは、処理高を数字で計ることができる作業に適用される。

    賃金=処理個数×処理単価

2.(time worker)標準作業に従事した時間×時間単価で、賃金を計
算する作業員。処理個数が、数字では計算しにくい標準作業に適用さ
れます。

   賃金=作業従事時間×時間単価

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

作業標準に基づく「ピースワーカー」と、標準作業に基づく「タイム
ワーカー」の制度が、科学的(=工学的)管理法のベースであり、会
社の経営管理の原型(プロトタイプ)です。

固定給の社員制度を採用していた日本でも、21世紀に向かい、ピー
スワーカー的な、またはタイムワーカー的な変動給での労働が増えて
います。これは、資本主義の原点回帰現象です。

■3.テイラーの差別的出来高給(differential piece rate system)

テイラーの真骨頂は、差別的出来高給の仕組みにあると見ることがで
きます。差別的(differential)出来高給とは何か?

同じ作業品質で、1時間当たりの処理量が多い人に差別的に多い賃金
を支払う仕組みです。

例えば、1時間100個の処理の人を最初の尺度として、1個あたり
で10セントの標準賃金を対応させます。1個当たり10セントが標
準のコストになる。

ここで、1時間当たりで、120個の処理ができる人には1個あたり
11セントの加算給(差別給)を支払う仕組みにする。一個あたりの
コストは11セントに上昇します。

これは、単位時間当たりで、例えば20%多い処理をした人に、10
%高い賃金を払う仕組みです。作業単価は上昇する。労働者は、技術
を磨けば獲得できる報酬が増えます。これが、技術の向上を促すため
のインセンティブ(奨励)になる仕組みです。

ここだけを見れば、1個あたり処理コストは10%も上昇(原価上昇)
しています。しかし製造原価は、工場の人件費だけで構成されてい
るのではない。

販売の本社コスト、管理コスト、機械の設備費、資本の金利など、諸
々の「固定費」がかかっています。

この固定費は、時間あたりの生産量(処理量、販売量)が増えれば、
その増えた割合に応じて、1個あたりでは減少します。単純計算では、
時間当たり処理量が20%増えれば、製品1個当たりに割り振る固
定費は20%減ります。

結果は、一品当たりの製品原価=資本的な支出の固定費は20%減少
+加工人件費である変動費の10%増加、になる。

こうして、現場作業員の賃金単価を上昇させながらも、製品の原価で
は低減を図る仕組みができる。これが、テイラーが推奨し経営管理で
実践した「差別的出来高給」の仕組みです。

経営管理における工学的な仕組みは、まずは、こうした現場が自動的
に原価低減に向かって技術錬磨を図り、努力する仕組み作りだったの
です。

単純作業においては、一般的に言って、単位時間内での処理量の多い
人が、能率的な方法をとっていて、1個1個を仕上げる作業品質の面
でも優れていること多い。

■4.計画部と専門スタッフ

テイラーのもう一つの真骨頂は、近代の経営管理の、方法の原点にな
っているPDC(Plan-Do-Check)サイクルのうち、プラン(P)とチ
ェック(C)を、本部が現場におろすコマンド&コントロール(命令
と統制)の仕組みを作ったことです。

そして、標準作業の手順と、個々人の課業(責任作業)に適用する作
業標準によって、生産量と原価が計画できるものに変わります。これ
が、科学的管理法、科学的経営法と言われるものです。

▼計画による管理

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
生産量計画=資材仕入れ計画 + 労働時間計画
         ↓        ↓
   [仕入れ量×資材単価」[必要人時×時間単価]=原価計画
                 ↑
              [標準時間]
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

固定費をまかなって利益を上げる生産計画(または販売計画)を作っ
て、その計画を現場におろし、時間単位、日次、週次、月次での計画
の進捗を管理しながら、作業改善を行っていきます。

作業改善が必要な部分の発見=計画生産量−実績量=計画との誤差の
原因分析(チェック)→作業改善へ

原因分析の結果を、次の標準作業へ向かって改善し、個人に課す作業
(課業)の賃金と連動させる「作業標準」も改善を続ける。

ここでテイラーは、どんなに個人技術が優れた人でも、作業者自身が
自分の作業を分解し、皆が実行できる標準作業にすることはできない
という信念を持っていました。

そのために計画と作業改善は、エンジニアリングの専門知識を持つス
タッフが行うべきであるとします。ここから、ライン・スタッフ型の
経営組織ができる。

同時に、作業者は自己管理はできず、人は放置すれば安易なほうに流
れ、怠けるという人間観を持っていた。だからマネジャーによる管理
と統制が必要としたのです。

標準作業と管理という2つの要素を組み合わせると、以下の経営組織
になる。

▼経営組織

【コマンド&コントロールの経営組織】

           [資本家]
             │
           [経営者]
             │
        [計画部]┼[作業分析を行う専門スタッフ]
             │
        [職長(マネジャー)]
             │
       [現場作業員(ワーカー)]

(注)この組織図での職長を、課長と言うときは、「課」の計画達成
に責任をもつ職長という意味になります。「部」は関連業務の課を集
めたものです。日本に多い、部課長制の組織です。

意味がわかりにくい経営管理と組織の関係も、近代経営の原型を作っ
たテイラーに遡ると、その骨格が見えますね。

計画部がマネジャーを管理し、マネジャーはワーカーを管理するとい
う経営組織が、近代経営の元になっています。

そして、第二次世界大戦後は、仕事に必要な専門知識の急増があって、
テイラーのコマンド&コントロールの統制組織を改善するドラッカ
ーが現れる。

彼は、標準作業の労働者ではなく、専門知識と情報を使うテクノロジ
ストという用語を使います。

■5.テイラーイズムを理解していないため、ドラッカーの経営管理
法への理解もない

ドラッカーは日本でもよく読まれています。しかし彼が提唱した「目
標による管理」とチームワークの組織は、意外に理解されていません。
導入も実に少ない。ましてや現場の権限を強化する、エンパワーメ
ントの意味の理解や展開はあろうはずもない。リーダシップ経営も同
じです。

これが日本の経営の現状です。現状では、テイラーイズムの統制型組
織しかないと言っても過言ではない。

多くの人が組織で働いています。そうならば、組織管理、つまりは経
営管理の方法と内容に対して、基本的な理解が必要だと思うのです。
仕事の不満は、多くが組織の硬直性への不満です。

本シリーズは経営の神様と言われる人達の、細切れの逸話に満ちた名
人芸や天才芸の意味の解説をするのではありません。経営と仕事には、
本人自身の言葉を含め、誤解が多いと感じています。

講演するとき、
(1)テイラーイズムを原型とするコマンド&コントロール型の組織
と経営管理の方法と、
(2)命令の代わりに情報と知識を使い、目標と原則によるマネジメ
ントになるリーダシップ経営の違いを話すことが多いのですが、理解
の浸透はまだ見られません。演台に立てば、意外によく見えるのです


原因は、自明のこととしていたテイラーイズムが一般に理解されてい
ないことではないかと気がついたのは、昨年です。

リーダシップ経営の方法は、階層的で統制型のPDCサイクルでのマ
ネジメント(経営)を修正した、リーダシップとチームワークによる
自律型のWWHDCです。

▼WWHDC

[What (何を)]→「Why(なぜ、どんな原因と理由から)」→[How(
どんな作業方法で)]→[Do(誰が、どんな専門知識と技術をもって実
行し)]→[Check(どういう方法でチェックするか)]という仕事のサ
イクルになる。

これによって100年前に原型ができたテイラーの近代経営法が、現
代経営として展開されることになるのですが・・・

今、本部統制のPDCがあまり有効でなく、WWHDCを管理方法と
すべき、専門知識による仕事が増えているからです。

以上、経営ということのへの基本的な視座はできたでしょうか?
理解の鍵は、1.標準作業、2.マネジャーによる管理、3.そして
個人の課業(責任作業)です。

標準作業は労働者を生み、知識労働はテクノロジストを生む。清掃業
でも、清掃の方法を科学的に研究するテクノロジストが必要です。配
送業も、今は、情報を使う技術のカタマリになりつつあります。チェ
ーンストアの現場作業も同様です。

以下次号で。

see you next week!!

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▼先週のビジネス知識源プレミアムの目次と要約

   <個人の視点の復権と、ビジネスルールへの考察>

【目次】

 1.個人の復権
 2.マス(カタマリ):パブリックス(分極):パーソン(個人)
 3.「ホットな資本」の変化の方向
 4.サプライチェーンの一面
 5.ウォルマート流とはなにか?
 6.価値観の共有化ということ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【要約】

資本が、大規模な工場設備のような具体物から、知識資本化とともに
、個人化しつつあるように、メディアの面でも個人化が起こりつつあ
ります。

マクルーハンは、パブリックスがマスになってしまうところまでを言
った。われわれは、マスが個人へ回帰する時代に立ち会っています。

[私的世界]−[パーソナルメディア]−[私的世界]という構造。
これは、真に新しい。

ウォール街では、世界から資金を集め(=借りて)、レバレッジで膨
らませ、米国内を含む世界へ再投資するマネー循環の構造ができあが
っていた。

マネーの膨張と循環の構造が崩れたのは、2000年春からの米国株
の下落からです。米国発で、世界の株価は2000年水準の50%以
下に下落しています。これをどう回復するかという資本の運動が、暴
力的な性格を再び見せています。これがイラク戦争という現象になっ
た。

ウォルマートが日本に上陸し、これを契機に、商取引のルールが問題
になる。

ウォルマート的なサプライチェーン取引は、以下の構造です。
[メーカー]→[物流:クロスドックセンター]
  ↓↑              ↓
[バイヤー]→[協働商品計画]→[店舗]→[顧客]

こうした取引構造とシステムの中で、メーカー(ベンダー)は、ウォ
ルマートの売り場の棚で、ウォルマートとの取引協約へのコミットメ
ントを通じ、自分の直営店を持つことになると考えることができる側
面を持っています。

ウォルマートは、それ自体が、新しいビジネスです。
21世紀を解く鍵が、ここにもある。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【案内1】
4月24日(木)に、佐賀で、『ウォルマートのエブリデーロープラ
イスの背景』というテーマで、他の3人のコンサルタントと一緒に商
業会主催での公開講演をします。参加費は2万円。場所は、佐賀駅か
ら15分の、話題の西友巨勢店があるショッピングセンター「モラー
ジ佐賀」内です。私の持ち時間は90分。視察と受講が同時にできま
す。12:30−18:15までの時間。

申し込みと問い合わせは、03−3224−7488(商業界)
まだ、空き席は十分にあるようです。

【案内2】
4月1日に発売の『販売革新4月号』から、<新・リテイルマネジメ
ント>の連載を開始しました。デジタルプロセス時代の新しいチェー
ンストア経営を考察するシリーズです。

先週、5月号に載せる第二回の原稿を書きました。

【案内3】
有料版のメールマガジンで昨年11月からに、数回にわたりとりあげ
た『Data Warehousing, Using Wal-Mart Model』が、翔泳社から翻訳
・出版されています。

知識作業のデジタル化で、話題になるべき内容があります。価格は25
00円。アマゾンで買えるでしょう。検索は「ウォルマートに学ぶデー
タ・ウェアハウジング」です。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4798103233/ref=sr_aps
_b_/250-4226061-4565802


▼WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載

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