▼ハットする切り口と考察で目からウロコが落ちると評判のメールマガジン。経営戦略情報・経済情報・IT情報▼欧米の新情報を含む高度な内容を、基礎から分かりやすく分解して提供 【分野】経営戦略・小売/流通・IT・ロジスティクス サプライチェーンマネジメント
- 最新号:2008-09-20
- 発行周期:週刊
- 読んでる人:1780人
- 創刊日:2000-10-23
- Score!:95点
- コメント数 : 6
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030210ビジネス知識源:招かざる国債本位制の帰結(2):結局はどうなるのか。
発行日: 2003/2/11※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>
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ビジネス知識源:無料版
2003年2月10日号:Vol 136
<招かざる国債本位制の帰結(2)>
結局はどうなるのか?
【良質な経営・IT・ビジネス・経済知識の提供を目標に】
(読者数: 30,341名)
著者:Systems Research Ltd. chief consultant 吉田繁治
著者へのひとことメール⇒ yoshida@cool-knowledge.com
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※120余編の無料版バックナンバーを掲載しています。
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こんにちは、吉田繁治です。この国の金融やマクロ経済のことを書く
といつも憂鬱になります。理由はなにか。最初にこれを考えます。本
稿では、「結局、・・・の帰結」を考えます。
メールマガジンをお送りして当初、ビジネス、IT、経営・仕事に関
することを50%、マクロ経済領域の金融・経済を30%、社会思想
を含む随想的なことを20%くらいの割合で書いてきた感じがします。
この割合は今後も変わらないと思いますが、マクロ経済のことを書く
とき、やるせない疲労感と倦怠が残るのです。
2年半前はそうではなかった。仕事と経営を左右する経済環境として、
伝えようという意思でした。3年前の2000年頃は日経平均の株
価も2万円で、米国経済は絶好調でした。
その時、現在の状態、つまり米国バブルがはじけたあとが見えていた。
そして、解決したと政府が公式に表明していた不良債権問題は、こ
れから山場を迎えるという考えていた。
そうしたことを伝える意味はあったように思います。しかし3年後、
実際にその通りになっています。マクロ経済は、今、予想より深刻で
す。金融問題は引き伸ばせば深刻になる性質をもっているからです。
日銀等からは「もう・・・言えなくなった」という声が漏れ聞こえま
す。もともと正直に言わないのが中央銀行。しかし最近の低調な論調
には「異常」を感じます。
インフレターゲット論、政府予算拡大が、声高に論じられる。
デジャヴュ(deja vu:既に見たこと)という言葉があります。
まさにデジャヴュ、2年前に本マガジンで取り上げたポール・クルー
グマンの「流動性の罠(わな)」の論を踏み出すものではない。
↓
http://www.cool-knowledge.com/
インフレになったときのことを考えていない。金利という問題をどう
考えるか。インフレになれば金利は上がり国債は瞬時に暴落します。
それで、本稿は「結局・・・の帰結」です。
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<招かざる国債本位制の帰結(2)>
結局はどうなるのか
【目次】
1.憂鬱になる理由を探せば・・・
2.国債価格と金利の関係
3.超低金利の問題
4.日銀の国債保有のリスク
5.悲哀すら感じる奇妙な事態
6.結局どうなるか・・・
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■1.憂鬱になる理由を探せば・・・
▼近代経済学が無効な領域に入った日本経済
マクロ経済に1プレーヤとして参加することができるのは、政府と日
銀です。政府は予算の拡大によって、日銀は銀行へのマネー供給と金
利調節によって、です。ここで大切な認識は、政府・日銀も重要では
あるが1プレーヤーであることです。
政府がマクロ経済を自由に動かせるとすれば、合計1000兆円もの
負債で需要対策をやったわけですから、回復しなければならない。
しかしそうなっていない。1プレーヤーに過ぎないからです。
政府も、市場経済と国際金融の川に浮かぶ(少し大きい)模型の船で
す。流れに逆らえば、いずれ電池が切れる。電池が国債です。切れる
状況が金利上昇です。
個々の民間企業の生産と流通活動は、ミクロ経済の領域です。経済活
動が、投資が投資を呼び、更に需要を作る乗数効果で活発になるのは、
設備投資によってです。設備はモノを生む。
設備投資が効かなくなったのは、同じ意味になりますが設備投資が減
ったのは既に、過去のような設備投資(公共設備、工場、店舗、ビル
等)が、この国の経済価値を生むのに有効さを低下させたからです。
これは従来の近代経済学が想定していない事態です。
【近代経済学が無効な領域】
モノ中心の近代経済学的なこととは別の方向に、日本の21世紀経済
は向かっているのではないか。そこに解答がありそうです。
以下にあげる2つの典型。
(1)情報社会、知識産業、知識経済は、近代経済学のモノの経済で
計ることはできない。本を1500円で買い読んで感動し、時には人
生の方向すら変えることがあります。情報価値をモノとしての150
0円には還元できない。巨大でもあるし、ゼロでもある。知識も同様
です。
価格には還元できない経済が、情報経済です。
(2)ユニクロの1500円のバックに替えてルイヴィトンの8万円、
エルメスの60万円のバッグを買って何が豊かになったのか。まと
もに考えると、理解が難しい。
こうした需要は必需需要に対置し、選択需要と呼んでいますが、選択
需要を増やすことは、結局どんな意味を持つのか。近代経済学の中に
は答えはない。
異端とされたヴェブレンの「衒示的(みせびらかし)な消費」でしょ
うか。しかし日本ではこの割合が多い。ヴェブレンの時代の19世紀
末から20世紀初頭は、「有閑階級」とされた人は少数だった。
従来の経済学の考えの根底は貧乏経済学です。モノはあればあるほど
いい。GDPは大きければ大きいほどいい。モノは不足していた。こ
れが経済的財は稀少であるという前提の、意味です。
近代経済学的なモノの経済に、はっきりは表現できないが、漠とはし
ていますが、それだけ根底的に疑問を抱いているのが、今の日本人と
思えるのです。モノや設備が増える経済に、多くの日本人は疑問を抱
いています。
その疑問が、明確な言葉やイメージにならないもどかさがあるのでし
ょう。読者の方々からの感想を読んでもそれを感じることが多い。皆
さん、相当に根底的なところで、お考えになっていると感じることが
多いのです。
▼米国は中進国
米国は日本と違います。私は米国を「20%の先進国+80%の中進
国」と考えています。年齢にかかわらず米国ワーカーの平均賃金は時
間給であり1時間$15(1800円)、月収で30万円くらい。ボ
ーナスはゼロではないのですが少ないので年収360万円〜400万
円です。日本で言えば、20代後半の平均賃金でしょう。
【欧州】
欧州は実質的に社会主義です。税と福祉負担(国民負担)が所得の5
0%を超える。スウェーデンでは80%、ドイツ55%、英国
50%です。経済の中の年金、福祉、政府予算が半分以上を占める。
▼日本は米国型から欧州型へ
日本は、米国型から欧州型に向かっています。しかし、1$=120
円では、国際比較で所得は高いので、欧州を突き抜ける。
欧州型と違う点は、福祉ではなく公共投資のダントツの多さです。こ
れは公共投資従事者の多さでもあります。
【日本の公共投資は米国では軍事費】
日本の公共投資は、米国の軍事費、軍事関連産業に相当します。米国
の軍需産業は兵器のみではない。先端技術の開発ソースでもあります
。インターネットも元は軍事技術。NASAもです。
米国の特徴は、車、住宅、軍事産業です。軍事産業で先端技術を開発
し、広い住宅に住みます。住宅が日本人の預金に相当する貯蓄でです。
1人あたりでは日本人の2倍の住宅に住み2倍の石油を使い、
25倍の国土を車で移動する。
米国は不況になると、米国最大の産業である軍事費を増額します。
石油が米国経済の生命線です。GDPの100万円当たりで日本の2
倍の石油を使うからです。
他方日本は、米国に比べれば、はるかに省エネ省資源の経済です。
オイルショックに弱いのは、米国経済です。
【補注:再び資源問題】
ブッシュ政権が中東制圧に躍起になる理由は、米国内の原油埋蔵が今
後8年で枯渇するからです。国内原油なくなれば、米国は中東やロシ
アに経済を左右される。これは米国にとって許せないことです。
中国の経済発展は13億人が電力と車を大量に使うことを意味します。
2008年までに石油は必ず不足し高騰する。そうすると米国経済
は沈む。中国の経済への参加、続く10億人のインドが、資源問題に
火をつけた。イラク問題にはこうした背景が明確にありますね。
【日本】
日本の特徴は、食費(米国の2倍)、貯蓄、公共投資です。
その貯蓄は、国内の公共投資と米国が食っています。
欧州の特徴は、年金と福祉です。
日本は、米国、欧州をどう突き抜けるか?
ここが課題でしょう。
欧州型モデルでとどまるか、それを突き抜けるか。
私は、突き抜けると直観しています。
▼政府(=財務省)に任せれば
政府に任せれば、どうなるか。公共投資と福祉で国民負担は50%を
超え、更に増税(消費税15%以上)になって、欧州型になる。突き
抜けることはない。国民負担50%とは、個人所得の50%を、税と
福祉費用が占めるということです。
(注)現在の日本国民負担率は約40%、財政赤字を加えれば50%
弱です。
そうした帰結が見えます。
▼帰結
長期でまとめれば、以下のように単純です。
いずれも近代経済学が有効でない領域です。
(1)知識産業
(2)必需消費ではない選択的消費
(3)国民負担率50%超、です。
(注)住宅と観光が日本では未開拓需要でしょう。可能性のひとつは
ここにあります。住宅では今の2倍の広さであり、観光は世界と比較
した価値の差異化が必要。日本の観光は総じて見れば住宅と同じよう
に貧弱です。
以上は必然の未来です。必然とは必ずそうなるということ。
私は、個人的には、知識産業分野の仕事に従事し続けます。
帰結が分かったところで、そこへまで至る、直近のプロセスです。
今の日本経済、金融の波乱の焦点は、国債価格です。
国債が暴落すれば、民間不良債権どころの騒ぎではない。しかしこれ
を説明できる人は意外に少ない。10人のうち1人くらいではないで
しょうか? ビジネス知識源というなら、これをこっそり解説しない
といけませんね。(笑)
■2.国債価格と金利の関係
日曜日の朝、テレビを見ていたら、金利が上がると国債価格が下がる。
国債価格が上がれば金利が下がり、国債価格が下がれば金利が上が
るということが学者から言われるが、これはどういうことか? と司
会者が訊ねていましたね。答えは?
こうした基本的なところで、つまずく人が多いのかもしれませんね。
私も、金利が上がって国債価格の暴落が最大の金融危機と書いたこと
があります。一度理解すれば、忘れませんから、まずここを解説しま
す。今、金融の焦点が、言い換えれば日本経済の焦点は国債価格です。
▼債券価格のもっとも基本的な原理
【問い】100円額面の10年もの国債(国家の借用証書)があって、
利回りが1%だったとします。1年後に金利が4%に上がると、こ
の国債の市場価格はいくらになるか。
考えてみてください。
【2.金利のみでは・・・】
100円額面の1%利付き国債の金利は、年1円です。ここで市中の
長期金利が4%に上昇したとすれば、同じ金利は25円×4%=1円
で得ることができます。そうすると、100円額面のものの実質価値
は、金利では、25円で新たに発行される4%のものと同じになる。
100円額面の1%の利付き国債は、長期金利が4%に上昇すれば、
受け取り金利では25円のものと等価です。つまり、ここで100円
の国債は、25円相当に値下がり(暴落)することになる。
ここまでは、簡単ですね。
しかし国債は(償還のない永久債なら別ですが)10年ものなら、1
0年後に100円が償還されます。額面の償還があるので金利だけの
要素では価値が計算できません。
そこで、以下のような算式で債券価格を評価します。数式は、小学校
5年か6年くらいの算数です。算数って、意味を考えれば、意外に難
しい。
これを機会にゆっくりたどってください。
後で助かることが増えますから。
【計算方法】
10年ものの1%の利付国債は、金利が上昇し、1年後に新規発行さ
れる国債金利が4%になったときは、以下の式で価格を計算。
1%の利付き国債の価格=(額面100円+表面利率1%×残存期間
9年)×100÷(額面100円+新たな金利4%×残存期間10年)
=(100円+9円)×100÷(100円+40円)=
109円×100÷140円=77.86円
意味は、10年ものの1%の利付き国債100円は、1年後に長期金
利が4%に上昇すれば、9年後の償還は100円ではあっても、金利
4%で割り引かれますから77.86円になるということです。
22.14%も下落しますね。これが国債の暴落です。
国債だけではなく、低金利の時期に発行された地方債、債券、社債等
はすべて、金利が上昇すれば、国債に比例し、あるいはそれ以上に下
落します。20%も下がれば暴落です。これは金融機関の死を意味し
ます。国債は、個人ではなく金融機関が持つからです。
【公式が意味する原理】
新たに発行されたものが100円で、4%の金利が10年つきますか
らそれが価格の基準になる。それで同じ100円の額面ではあっても、
1年後になって1%の金利で残存期間9年のものは、100円で買
う人はいなくなる。
それを78.86円で買えば、100円の4%ものを買うのと等しい。
低利の国債は、金利が上昇すると、新たな高い金利のものと等価に
なるまで価格が下がります。
確かめてみましょう。
(1)残存期間9年、額面100円、金利1%のものの9年後の元利
合計は、100円+100円×1%×9年=109円です。
(2)一方、残存期間10年、額面100円、新しい金利4%の
10年後の元利合計は、100円+100円×4%×10年=140
円です。
新しい4%ものは10年後に140円になる。1年前に発行された残
存期間9年の1%ものは、同じ時期に109円にしかならない。
ここから、109÷140=0.7786倍の価値、つまり100円
×0.7786=77.86円の価格に下落するのです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
債券価格の公式で言えば、
債券価格=(100+表面利率×残存期間)×100
÷(100+現在の長期金利×残存期間)、となります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
分子になる(100+表面利率×残存期間)は、例えば100円額面
の利率1%の国債の、単利での償還金額100円と残存期間の受け取
り金利の合計額(=元利合計)です。
1%の単利の定期預金の、満期後の元利合計109円と同じですね。
分母になる(100+現在の長期金利×残存期間)は、新しい金利で
発行された債券(または国債)の新しい金利、例えば4%での、元利
合計140円です。
以上をまとめれば、前の金利のものの満期の元利合計を、新しい金利
のものの元利合計で割って、その価値(=価格)を出すという方法で
す。
これが、債券価格の基本原理ですね。長年の疑問が氷解?
実は私もさきほど、書庫を探し、公式を引っ張り出したのです。
30分もかかった・・・(笑)
■3.超低金利の問題
注目すべきことは、現在の長期国債の利回りは0.75%という超低
金利であることです。これは、国債価格が過度(バブル的)に高く評
価されていることを示します。
なぜ0.75%しか利を生まない国債が買われるのか?
他に、安定した運用がないからです。
前号で示したように、
銀行利益=【企業融資の金利の現在の最頻値(モード)3%−銀行の
業務経費1%−不良債券リスク見積もり(実態推計)4.2%=
−2.2%】です。
これは貸せば2.2%の損失の見込みがあることを意味します。
(注)貸出しの不良債権リスクは公式には2.1%とされていますが、
私は、実態ではその2倍、4.2%はあると考えています。
国債を買うのに、貸付のときのような業務経費はかかりません。
100億円買っても電話一本。額面は償還される。金利が0.75%
でも日銀の当座預金に預けたままで金利ゼロであるより、とりあえず
買っておこう。監督官庁の金融庁、財務省からの要請もあるし・・・
というのが実際でしょう。
金利が高騰し、国債価格が20%、30%も暴落すること、つまり新
たな不良債権になることは(一応は)想定はされています。
しかし暴落する前に日銀が買って国債価格を維持する、つまり金利を
低いままに誘導するだろうという「共同期待」があります。それで、
金利が低く、言い換えれば価格が高く下落リスクが大きい国債が売れ
ているのです。買う人たちは、今、恐いはずです。
今は、土地バブルに代わる「国債バブル」とみることができます。
バブル期に土地を買った人が破産したことと同じようなことが、国債
を買い、金利上昇で破産することは、十分考えられます。
土地本位は92年で終わった。そして次は国債本位になった。「本位」
とはもっとも信用されるものがなにか、つまり大量の資金(=元は
労働の余剰)を集めるのはなにかということです。
注意すべきことは、5%金利は、歴史的には正常金利であるというこ
とです。今の金利が異常です。しかし約10年も続くと異常に慣れす
ぎます。にもかかわらず異常な事態は続かないのです。
借り換え債を含めれば年100兆円以上発行される国債を、日銀が限
界なく買い続けるであろうという「無謀な期待」にしか低金利の根拠
はないのです。この期待で、国債価格が維持されています。
▼長期金利は国債市場が決める
金融市場では(もっとも信用があるとされる)国債の長期利回りがベ
ースになって、他の金利のすべてが決まります。
トヨタの社債も、(国債金利+リスクプレミアム)が発行するときの
利率になる。企業への銀行貸出も、住宅ローン金利も同様です。
融資金利=国債利回り+業務経費+リスクプレミアム、です。
■4.日銀の国債保有のリスク
日銀は、03年1月31日時点で、84兆円の国債を保有しています。
日銀の自己資本は、資本金1億円(!)で、引当金+準備金が5兆
円です。
これは何を意味するか? 5兆円(自己資本)÷84兆円=5.9%
つまり、たった6%の国債価格の下落があれば、日銀の自己資本はゼ
ロになり、10%下落すれば3兆円の債務超過です。
前項でのべたように、大量国債の引受難の市場になって金利が4%に
上昇すれば、長期国債価格は22%以上下落します。そうすれば日銀
が10兆円規模の債務超過になる。
興味がある人は、以下のサイトをのぞいて下さい。
最新の日銀の、危うい貸借対照表が載っています。
http://www.boj.or.jp/about/kaikei/ac030131_f.htm
民間銀行は不良債権で(実質は)債務超過です。日銀が債務超過にな
ると、どういうことが起こるか?対外的な円の信用の下落、つまり急
激な円安です。
円安も高金利を生む要因です。円安とは円が外貨に交換され、国内の
円が少なくなることだからです。円安なら国債価格は下がる。
日本の金融と政府財政は、絶対に金利が上昇してはいけない状態にあ
る。金利上昇を受け入れる余地が全くない。
しかし国債・地方債の大量発行(金利上昇圧力=債券価格下落圧力)
は続けることが確定しています。
景気が上昇すれば、資金需要が増え、金利は上昇する。ところが、金
利上昇を日銀と政府は絶対に回避しなければならない。政府も日銀も、
ともに財政破綻するからです。
■5.悲哀すら感じる奇妙な事態
とても奇妙な事態になっています。
▼奇妙な事態
(1)政府赤字を少なくするためには、景気が回復して企業利益が
上昇し、税収が増えなければならない。
(2)景気が回復し、投資の資金需要が増えれば、金利は上昇する。
(3)金利が上昇すれば、国債価格が暴落する。
(4)国債価格が暴落すれば、日銀・金融機関・政府は、財政が破綻
する。
政府が合計1000兆円もの借金をしている状況では、
・景気が回復し資金需要が盛り上がって市場金利が上昇すれば、
・政府、政府関連機関、日銀、金融機関が財政破綻するという状況で
す。
政府、日銀、金融機関は、景気回復で金利が上昇する事態は回避しな
ければならない。実際、政府当局は、景気回復後の金利上昇、つまり
国債暴落を想定していないふりをしています。
政府は2つのことを防止しなければならない。
(1)景気が回復しても、民間資金需要が盛り上がらず、金利が上昇
しないこと。
(2)円の海外流出が増えること。
防止できるのか? 疑問ですね。
▼円の流出は高金利要因
円の海外流出は、国民が行わなくても、
(i)米国の財政赤字(36兆円)による米国の国債増発、
(ii)中東の戦費、
(iii)制圧後の占領費及び援助で、増加します。
政府と日銀が米国債券を購入するという方法で、03年は急増します
。
粉飾決算のエンロン事件は、米国に深い傷を残しています。
世界の資金は米国企業の財務が恐くなり引き上げたからです。
米国としては、忠実な日本の財務省しか動かせなくなっています。
ユーローはもともと、米国支配を逃れるための欧州連合ですね。
英国のみが米国サイドですが、資金では英国は米国には従いません。
中国とアラブマネーは、テロの関連で資金の動きの監視が強くなった
米国を避け、欧州に向かっています。
▼国内で資金需要が増えるもの高金利要因
皮肉な見方を言えば、日本国内で資金需要が増えるの(つまり好景気
を)を、今後、超長期に、政府は防止しなければならない。
なぜなら、国債は年間約40兆円は増発されるだろうからです。その
ためには、民間が資金を使ってはいけない。今のように、返済のみが
望ましい。
国債のほとんどは、郵貯・簡保・年金を使った政府、日銀、金融機関
が持ちます。国債暴落があれば、これらは壊滅的な打撃を受ける。
一般には、民間の景気回復があればそれでいいとされています。
(言いにくいことですが)政府の立場での本当の事実は、そうではな
い。
民間の景気が回復し、金利は今のままでなければならない。
経済原理的には、不可能なことです。
国債増発を避けるために政府としてどんな対策があるか。
一つしか方法はない。
▼増税
消費税を15%くらいにまで(早急に)上昇させることです。
5%の消費税で約10兆円の税収。15%なら30兆円です。
20兆円政府収入が増えます。
つまり国民から強制的に収奪し、国債の増発を少なくする。
世帯あたりでは、1年約50万円の額ですね。
賛成できますか?
政治にこれが可能かどうか。
おそらく不可能でしょう。
増税を言えば政府は倒れ続けます。
方法はない。
「結局どうなるか・・・」
■6.結局どうなるか・・・
微温的な方法は増税しかないことは明らかです。
しかし、その方法はとることができない。
政府、政治家、官僚が信用を失っているからです。
増税を国民が支持するには、政府信用が必要です。
増税ができなければ、日銀が国債と債券購入を増や続ける。
国債暴落を先送りするためです。
ところが短期金利をゼロに保ち、金利上昇を先送りすればするほど、
金利が上昇した時の破綻の規模は大きくなる。今の不良債権と同じで
す。
財政融資資金(郵貯で208兆円:01年)を通じ、国債をもっとも
大量にもつ金融機関は
郵貯(総資産295兆円:01年)
簡保(積立金250兆円:02年)です。
国債価格の下落があれば、郵貯・簡保は債務超過になる。
国債を84兆も持つ日銀も含めて、です。
預金封鎖ができないとどうなるか、ペイオフ解禁をすれば取り付けが
起こる可能性がある。そうなれば、いずれにせよ預金封鎖でしょうか。
預金封鎖ができないと、預金流出分を補うために日銀が金融機関に
特融をしますから、タンス預金が溢れインフレの可能性が出る。イン
フレは、金融資産の実質価値の蒸発です。
ゴールド価格の上昇が不気味になってきた。
ゴールドは最後の信用です。
増税が可能なら、インフレ、預金封鎖、双方の可能性が消えますが、
景況はもう一段下落しますね。
これらは「なんでも政府頼み」したことのつけです。経済の実態がモ
ノの経済のケインズ経済学とは違ってきているのにモノの経済に執着
し、歴史を後戻りさせようとしたことのつけです。
政府も日銀も、国際金融の中では1プレヤーに過ぎないことを忘れな
いことです。それくらい、国際資金の動きは巨額です。モノの経済に
対して、世界の総資金量が増えすぎたことが全部の問題の根底です。
いずれバブルのように清算を迫られます。
憂鬱になる理由がお分かりでしょうか。
しかし、「知はパワー」です。
知ることで、ショックは予防できる。
私は、今、日銀サイドからの議論が低調なことが気になっています。
see you next week!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【ビジネス知識源 読者アンケート 】
1.テーマと内容は興味がもてるか?
2.理解は進んだか?
3.疑問点は?
4.その他、感想、希望テーマ等、ご自由に
5.差し支えない範囲で読者の横顔情報があると助かります。
コピーしてメールにはりつけ、記入の上以下に送信して下さい。
著者へのメールのあて先
yoshida@cool-knowledge.com
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【案内1】
『販売革新』の2月号(2月1日発売)は、「収益ドライバーになった
物流システム」というテーマで、二本の原稿を寄稿しています。
3月も引き続き『販売革新』と『商業界』に寄稿しています。昨日、
送りました。
【案内2】
有料版のメールマガジンで昨年11月に数回にわたってとりあげた『
ウォルマートのデータウエアハウス:Data Warehousing, Using Wal-
Mart Model』が、翔泳社から2月14日に翻訳・出版されます。知識
作業のデジタル化で、話題になるべき内容があります。価格は2500円
。2月5日と言っていましたが、2月14日に遅れたとのことです。
済みません。2月14日以降アマゾンで買えます。
【案内3】
2月19日の第71回商業界ゼミナール(シェラトングランデ東京Bay)で、
新しい商品管理の講座を担当します。1200名の参加予定だそうです。
19日から21日まで3日間で、50名ほどのコンサルタントの講座
から選べます。参加費は76000円です。
企業講演ではなく、公開セミナーのみは本メールで時折お知らせして
います。
▼WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載
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