▼ハットする切り口と考察で目からウロコが落ちると評判のメールマガジン。経営戦略情報・経済情報・IT情報▼欧米の新情報を含む高度な内容を、基礎から分かりやすく分解して提供 【分野】経営戦略・小売/流通・IT・ロジスティクス サプライチェーンマネジメント
- 最新号:2008-09-20
- 発行周期:週刊
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1029ビジネス知識源:プロアクティブということ
発行日: 2001/10/30※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>
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2001年10月29日(Vol.77.):経営とIT分野
ビジネス知識源:プロアクティブということ
ビジネス知識源:良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に
(読者数:15,727名)
Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治
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こんにちは。吉田繁治です。日々、秋が深まります。窓の外では紅
葉が混じった木々が、無音で揺れている。自然の営みは、恒久のよ
うに見えます。しかし、そこには絶え間ない、個体の死と誕生があ
る。
【個体の有限性と世代交代】
同じ風景の中で、個々の植物や昆虫は、慌しく1世代を終え、次の
生命に、DNAに組み込んだ(個体の設計図としての)命を受け継
ぐ。
去年の自然と、今年の自然は、同じものではない。個体として
同じ生命ではないことが、自然の恒久性を保証している。自然の安
定は、世代交代によって得られている。
【崩壊するものと生まれるもの】
人間にも、人間が作る制度にも、寿命と世代があります。ところが
人間の不死や永遠への希求は、個体の外部に、企業や建造物を含む
人工的なものを生み出す。
しかしながら、あらゆるものの世代の交替は、必然でしょう。
シュンペータが言った「創造的破壊」では、新しいもの(または
次世代のもの)が生まれる時期と、旧世代に適合したものが、まさ
に適合していたという理由で崩壊する時期が同時化する。
秋は、感慨を与える季節。日本人が古(いにしえ)から持っている
季節への<観>を、われわれは文化として共有している。
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<Vol.77 プロアクティブということ>
【目次】
1.21世紀初頭
2.ユニバーサルスタジオなど・・・
3.10月25日:マイクロソフトのプロアクティブな転換
4.ビル・ゲーツの次の冒険
5.XPのソフト総合と、ブロードバンド常時接続
6.連絡事項:米国先端流通業視察ツアーのホテル代割引実現
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■1.21世紀初頭
21世紀初頭は、以下のようにまとめることができる感じがします。
(1)旧共産圏だった30億人の資本主義経済化
付随する貧困と、富の対立
価格の低下は、ここから来ている。
(2)モノの価値の資本主義から、知識価値とサービス価値の資本主
義へ
付随する旧勢力の没落と、新勢力の勃興
大規模なM&A、倒産、不良債権は、ここからきている。
(3)モノの豊かさに加えた、精神的な価値の希求
付随する、旧世代と新世代の価値観の相克
モノの豊かさ以降の構図と、共通価値観が描けていない。
日本の社会の根底にある問題が、これです。
【事件後のフォルム】
戦争や政変は、旧世界と新世界を分かつものでした。テロとその組
織、テロ支援国家に対する<新しい戦争>が、その後にどんな世界
を準備するのか、明らかではありません。
確かなのは、この戦争の終結のフォルムが、国家対国家の古典的な
戦争のように、明確なものではないことです。大事件ではあるが、
歴史になり得るか。歴史とは、事実に対する人間の共同認識、つま
り観念です。
今回のテロが、妥協による共生の、安定した過程に至るには、まだ
時間が必要です。
ここで見極めるべきは、事件の展開プロセスで、
・寿命を終わり、崩壊するものが何か、
・誕生し、成長するものが何か、でしょう。
間違いなく、われわれは創造的破壊を見ていることになる。
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■2.ユニバーサルスタジオなど・・・
▼TVカメラの前の講演
先週は、2度の講演でした。ひとつは九州の商工会会議所青年部向
けのセミナー。九州までの移動時間に無理があり、ISDNの通信
回線を通じ、2つの市にオーディエンスを集める3元中継のTVセ
ミナー。聴衆のいないスタジオで、カメラに向かって話すのは、奇
妙な感じでしたが、双方向の画面で見える会場からは、熱気が伝わ
ってきた。
青年部の人達は、40代未満です。彼らが、経営目標、ミッション
として何を見つけるか、ここが今後の日本経済の課題です。
確定していることは、戦後を作った、まとめれば<貧からの脱出>
の経営目標とは違うということ。経営目標が設定されたあと、戦略
がくる、戦略では、目標は作れない。
講演の後の質問は、活発でした。最近、根底から考えたいという印
象を受け取ることが多い。諸問題が、いよいよ、煮詰まってきてい
るのを感じます。
▼ユニバーサルスタジオというアメリカ
【ユニバーサルスタジオ】
講演は新しくできたNTTのソリューションラボからの同時中継で、
米国生まれのユニバーサルスタジオの中にあります。
夕刻7時からでした。車で行くと、闇の中に豪奢な電飾が開け、大
型倉庫が並ぶ周囲の風景とは隔絶した世界が、浮かんでいた。
大阪の中の<アメリカ>
【集客】
観光もエンターテインメントも、内容を持つものは、需要を呼ぶ。
ユニバーサルスタジオの集客数は、初年度で、計画を30%以上は
上回る見込み。超不況をかこつ観光も、需要がないわけではないの
です。顧客に満足を与える内容が、提供されていないのです。
【重視されなかったもの】
この国では、生産は重視した。しかし購買に関わる小売、生活に関
わるエンターテインメントや観光は、産業政策でも一段低いものと
して軽視した。それで、いまだに本格的な産業が育っていないよう
に思えます。世界の一流を知っている顧客には、それが不満。
1年で1600万人が海外旅行に出かける時代。海外の観光に比較
すれば価格と内容で、価値差がある。加えてJRの国内運賃、航空
運賃の体系を守ったことが、日本人の海外旅行を生んだ。人為的な
政策で守ること、規制をすることは、問題を先送りにする。その間
に、守られた産業のが、結局は、顧客満足の提供をできなくなる。
ハワイへの運賃が5万円かそれ以下の時代に、国内観光は、顧客を
惹きつける価値の差異的なポイントを何にすべきか。ここを、まと
もに考えるべきです。
日本人の海外への観光 1581万人(98年)
海外からの観光客 411万人(98年)
【32位】
海外からの観光客数受け入れでは、世界で32位です。マレーシア
、インドネシアに劣る異常に低い受け入れ数です。このことを、わ
が国の魅力のなさの象徴としてみる視点は、ないのか。
ラスベガスでは、州の機関である観光局がリーダーになり、官民一
体で、州税までを無税にし、砂漠に、世界のツーリストを集客して
いる。高級ホテル、べラジオを作り、ラスベガスの80年代までの
ギャンブルの街から、ファミリーリゾートの街に変えたステーブ・
ウインの事業構想力に対比すべきものは、この国にはない。
景気対策で、多くのコンクリートの箱を作りはしたが、それに、精
神、文化、ソフトを与えることができなかった。
【日本文化の魅力がないのか・・・否】
観光客受入の上位は、1位フランス62百万人、2位米国46百万
人、3位スペイン32百万人、4位英国25百万人。
日本の411万人とは桁が違います。
日本文化は、世界の人に魅力がないのか。違うでしょう。海外から
、人を受け入れる産業が、育っていないだけです。ここにも、ビジ
ネスの機会がある。高齢化の介護だけでは、事業構想力が悲しくも
貧弱です。
21世紀の需要のキーワードは<遊び>です。遊びを事業化する事
業構想力がない。世界のどこよりも、奇抜に栄えたのはビジネス街
に隣接する夜の飲み屋街だった。これは、個人の所得増加が不利に
なる税法が、支えてきたのです。つまりは社費が支えた歓楽街。
【比重を増す生活の変化と、国や都市の魅力】
21世紀の生活で、海外観光客を受け入れることのできない国は、
国としても都市としても、魅力がないことを示す。国境を越えた移
動も、国内の移動も拡大する時代に、国づくりと、産業の方向を間
違えていることを示す数字が、海外観光客の受入数の32位という
事実でしょう。
国家も自治体も企業も、21世紀に価値を増す産業がなにかを見て
いない。既存産業の保護は、新規の方向を示すときに、意味がある。
単なる保護は、さらなる堕落を生む。
【21世紀は、あらゆる面で<楽しむ>需要】
<生活を楽しむ>ことという、ますます大きくなる需要を逃してい
る。
小売り業も、買い物を楽しませるという視点が、ない。
まず、価格が不愉快です。世界の安い価格を知っていれば。
【身近に迫った海外との競争】
国内観光も、流通小売も、グローバル競争の中にある。80年代と
は、競争環境、条件、つまりパラダイムが変わっている。日本の観
光は、人の移動のグローバル化への、価格と内容での競争対応を迫
られている。
各地が、先鋭的にとがる部分、世界のどこにもない特徴をもつ必要
がある。2番煎じの特徴に満足する消費者は、今はいない。
そのことを考慮に入れないレジャー産業の経営は、経営危機を内包
したままでしょう。淘汰が、来る。座して、淘汰を待つ。
【運転資金問題は、結果】
銀行が、運転資金を出すかどうかの問題ではない。赤字経営の資金
繰り補填のための運転資金の導入は、返済と黒字化をさらに困難に
する。自力の収支で黒字にできない限り、脱出口はない。
観光のみならず、流通小売も、銀行も、建設もサービス業も競争の
本質は同じです。人と情報は、容易に、過去の商圏を、そして国境
を越え、世界が、並列した同時競争になった。
▼情報の非対称性という概念
経済学で<情報の非対称性>という概念があります。企業側の持っ
ている商品の価格情報・製品情報は、消費者が持っている情報より
多いとされてきた。このことを非対称性と言う。
20世紀企業の前提が、情報の非対称性だった。企業や店舗、サー
ビス施設は、専門的で豊富な商品情報を持っていて、消費者に対し
て有利な立場にあった。だから、供給者側は、消費者に説得的な説
明ができていた。
企業と消費者間の、情報の非対称性が崩れたのは90年代でしょう。
企業と1消費者の全情報量との比較を言うのではない。
消費者が、個人的に興味を持つ範囲の商品情報で、企業側に質でも
量でも勝るということが、起こり始めたのです。
消費者の持つ<商品情報の専門化、高質化>がある。一方、企業は、
消費者が持つ商品情報の専門化、大量化、体験(商品使用後のエ
クスペリエンス)への対応ができていない。
店舗に行くと、あそこで見た商品がない、インターネットで調べた
価格のほうがもっと安かった、宣伝コピーは、使った実感とは違う
・・・商品と価格が、説得的ではないのです。これでは、売れない。
▼海外旅行のキャンセルで、国内旅行がいっぱいに
午後8時30分に、ユニバーサルスタジオ内の、NTTソニューシ
ョンラボでの講演を終え、<のぞみ>の最終で東京へ。
前日、東京駅周辺のホテルを予約しようと10箇所くらいに電話し
ても、全部満室と断られた。何が起こったのか。大きな国際会議が
あるときでも、こんなに異常な満室にはならないのに。
辛くも、上野の不忍池のほとりにある、ホテルソフィテル東京の一
室を確保。空いていたのは、トリプルルームの一人使用でした。
<のぞみ>の最終便で到着したのは深夜12時を過ぎていた。ロビ
ーの脇にあるバーから、笑い声とフランス語が聞こえた。酔ってい
るせいか、声が大きい。
どこかで聞いたことのある名前のホテルだなと思いつつ、チェック
インの時、思い出した。ロス・アンジェルスのビバリー・ヒルズに
もある、フランス系のソフィテルでした。あぁ、ここなら、朝6時
に発つのはもったいないと思った次第。
ガラス張りの清潔なバスルームで、風呂につかり、純白のシーツの、
3つの大きなベッドが並ぶ部屋で眠ったのが、午前2時ころ。什
器、備品は、フランス風に洗練されていた。
朝6時に起き、上野から東北新幹線で仙台へ。上野駅は、今も北国
の雰囲気があります。午前10時からの、講演予定。
ここで気がついたのです。早朝の列車にもかかわらず、老年の団体
客で満席。若い添乗員も乗っている。ああそうか、海外旅行のキャ
ンセル組み・・・
海外への流出がなければ、国内に観光客が溢れる。
お金を使いたい、時間を楽しみたいという人は、いっぱいいる。
需要の強さを、目の当たりにする思いでした。
この国の需要は強い。顧客に満足を与えられないため逃しているだ
けです。これが、はっきりわかった瞬間でした。ビジネスの機会は、
どこにでも見つかる。
日本の60歳以上は、世界で最も豊かな金融資産額(3千万以上)
を持ち、持ち家で、しかも自分が払った何倍もの年金受給に恵まれ
ている。
介護を必要とする人は、70歳以上で、10%に過ぎない。
90%の人は、時間の余裕があり、多額の貯金は郵貯です。
仙台で講演は3百人くらいの聴衆だったでしょうか。演題の両脇に、
パワーポイントの画面を映す巨大スクリーン。マイクロフォンの
感度、音響もよかった。多くが、システムエンジニアと、経営者だ
った。
▼演題に立つと
【proactriveということ】
演壇に立ったとき、ふと、<プロ・アクティブ(proactive)>とい
う言葉が浮かんだ。それについて冒頭の10分くらいを使って話し
た。
変化が起こった後の対応は、追随、フォローです。フォローは、他
人がまたは他の企業が引き起こした変化に、対応すること。プロア
クティブは、自分が先頭に立って、市場に変化を引き起こすことで
す。
他が引き起こした変化には、対応は難しい。追随は、不利な戦略で
す。先に変化を引き起こす側になれば、他の企業を、困難な追随に
追い込める。
試験で、100点を取る方法があります。自分が問題を作ることで
す。問題が作れるということは、解答がわかっているという意味で
す。マーケットに変化を引きこすことは、問題を作ることと同じで
す。
どんなに狭い小さな分野でもいい。先に、マーケットに変化を引き
起こせる企業になること。21世紀経営の要点がこれでしょう。経
営戦略の基本の方法に、変化が起こっている。
講演のテーマは、<次世代の経営と情報活用の組織>でした。
中身は、リーダシップ経営論。
【横並びの有効性】
慣れ親しんできた横並びの方法では、業界最大手でも、今の市場で
は、埋没しかない。
80年代頃までは、先行する製品やサービス、品揃えを調べ、また
は製品分解のリバース・エンジニアリングを行って、より大きな資
本(設備投資)と販売網で包みこむ方法(売り場面積の拡大も同じ
)で、成功の果実(=利益)取ることができた。
商品開発型のソニーと、国内販売網の有利性を持っていた包み込み
型の松下です。ソニーが開発した商品に似たものを量産し、包みこ
んだ。
そうした方法の有効性なくなったのが90年代。柳の下の泥鰌は、
痩せた。購買の動機で、新機能の商品であること、話題のものであ
ること、他とは違う自己表現につながることという記号消費、及び
言い訳が必要な消費を多く含んできたからです。
ユニクロの、爆発的な売れ行きも、一定部分は、新鮮さがもたらす
記号消費だった。話題になって3年も経つと、それは消えている。
それくらい、実は、商品に飽き飽きしているのが、現代人です。
新規なもの、買った後買った意味の言い訳ができるようなものでな
ければ、家庭内在庫になっているモノはいっぱいですから、買わな
いで済ますことができる。
講演の後、メールマガジンの読者の15名くらいの方と、名刺交換
することができました。他にも大勢、参加されていたようですが。
【仙台空港】
仙台空港へは、久しぶりに行きました。目に入ったのは素晴らしい
設備とデザイン。以前は古ぼけたローカル空港の印象だった。関西
新空港と同じイタリア人設計者によるものだとのこと。デザインが、
瓜二つです。
【共通プロセス】
他の都市の新空港と同じように、投資採算は採れていないでしょう。
しかし、採算が採れないからといって、残った設備が消えるわけ
ではない。
採算が取れる投資価格、買収価格になるまで、投資者・所有者が変
る。過剰投資の結果は、所有者の変更です。具体物の富は残る。投
資バブルの崩壊から再生に至るプロセスは、こうした所有者移転で
す。
採算ラインの下に沈んだ、豪華な90年代設備が、全国で目に付き
ます。666兆円の遺産の一部です。
みんな、10年も経って、整理の時期が近づいている。
金融機関も政府も自治体も、累積赤字を支え切れなくなった。
【構造調整】
構造調整は、オートマティックに進みます。それが、マネー原理で
す。マネー原理をゆがめるのが、政府の介入です。
次の介入も、決まっていますね。金融機関への政府資金注入です。
それで金融機関は、長期的にはさらに競争力を失う。支援での一時
凌ぎは、堕落を生む。
90年代に必要だった構造調整が長引いた理由は、政府の深い介入
があっためです。これによってハードランディングのショックは和
らいだ。しかし、問題は残った。低温火傷が、各所に及ぶようにな
った。
【日本人の反応】
大阪に帰る飛行機も、満席でした。3つのオーバーブッキングがあ
ったようです。放送で、自主的な便の変更を呼びかけていた。飛行
機も年配の団体客が席を占めていた。
今の瞬間、国内の観光地は人が溢れている。日本人のNY観光客は、
20%にまで減少している。減少率の最大は、日本人。この反応
は、なにを現すものか。
国際マネーはどうか・・・
【来年】
来年は、欧州、米国の余剰マネーが、日本を目指す動きがある。
地価、株価が、新規事業や投資の採算が取れるくらいにまで下がっ
てきつつあるの。起点は、2002年3月期でしょう。
日本の機会は、訪れつつあると感じます。米国のピークアウトは、
当分続く。過剰投資の調整に、約2年が必要でしょうか。
国際ポートフォリオ(投資選択)では、中国への投資のみでは、カ
ントリーリスクが大きいのです。
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■3.10月25日:マイクロソフトのプロアクティブな転換
▼10月25日
10月25日、Windows MEと2000の次世代基本ソフトになるWi
ndows XPが米国で発売された。日本では11月16日から。XPを
組み込んだPCは一足先に発売されました。
XPでは、90年代の最大の成功企業であるマイクロソフトの、転
換があります。
【過去の事業規定】
マイクロソフトは、パーソナルコンピュータの基本ソフトと、ワー
ドやエクセルを含むアプリケーションソフトの販売企業でした。
事業の定義は、ソフト開発・販売業だった。
【先細り】
ビル・ゲーツは、XPに、マイクロソフト社の事業の方向転換を果
すための戦略を組み込んだ。もちろん、ソフト開発・販売業である
部分は変わらない。
しかしソフト販売のみでは、マイクロソフトの事業は、先細りにな
るとの認識があったようです。
オペレーティングシステムのバージョンを定期的に上げ、他を振り
落とし、基本ソフトとアプリケーションで寡占化を図る。
この販売戦略の巧みさが、マイクロソフトの命だった。
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■4.ビル・ゲーツの次の冒険
<これまでの20年間は、信じられないような冒険の日々だった・
・・『ビル・ゲーツ未来を語る:1997年』の第1行>
数々の、信じられない冒険を乗り越え、歴史上だれも達しなかった
7兆円の個人資産を作り、ソフトウエア開発・販売の、巨人になっ
た。
▼次の冒険
次の冒険とはなにか?
市場に変化を引き起こすための<プロアクティブ>な戦略はなにか。
バージョンアップによるソフト販売の会社から、例えれば電話産業
のような、<サービス提供の会社>に変わろうとしているのです。
【サービス部分】
NTTやATTなどの電話産業は、回線敷設と交換機に投資をし、
情報通信のサービスを売る会社です。
われわれは回線というモノを買うのではない。NTTが提供する電
話回線サービスを買う。では、ソフトの開発・販売会社が、モノと
してのソフトを売る会社から、ソフトの使用という生活プロセスに
関与するにはどうしたらいいか?
例えて言えば、トヨタのような自動車作り・販売の会社が、人の移
動そのものに関わるサービスを提供するバス事業・タクシー事業、
航空事業へ乗り出すような、冒険がある。
▼顧客エクスペリエンス
このとき、導きの糸になったのが、<顧客Experience(体験)>と
いう概念です。
(わが社では、なにが良い顧客エクスペリエンスか、それを想像し
ながら読んでください。発想が沸くはずです)
顧客はコンピュータハードやソフトを買う。買った途端に、顧客は
、コンピュータの、<使用プロセス>に入る。
ソフト販売業での顧客との関係は、<点>である。
その<点>を次の<点>につなぐのが、バージョンアップだった。
PC市場が無限に拡大すると見えたときは、それでよかった。
ところが最大のPC市場である米国では、99年から、従来型のP
Cは普及率の拡大に、頭打ちの傾向が見えた。
数量の伸びは、PCからパームコンピュータや、携帯電話と一体に
なった携帯端末に移った。小型になれば、ハード価格は低価格化す
る。高性能化と低価格化が、激しい速度で起こる。
設置型のPCも、6万円の価格にまで落ちた。6万円のハードに2
万円の基本ソフトを売り続けることができるか。4万円のアプリケ
ーションパッケージが、今後もどんどん売れるか。価格バランスか
ら言って、困難です。消費者が、受け入れない。
しかし、ソフト価格を今の価格を半分にすれば、2倍の数を売って
も、同じ売上に過ぎない。短期で2倍は売れない。ソフト価格は、
半分どころか、おそらく4分の一・・・・10分の一になる。
基本ソフト、ワードプロセッサ、表計算が支えてきたソフト販売は、
頭打ちになることは目に見えている。
経済学者が、ソフトの時代というとき、もう実は、旧来型のソフト
の時代は終わっている。学者は、いつも、お墓を発掘し死体分析を
するに過ぎない。
▼次のS字カーブ成長は?
次のS字型の成長カーブに乗るものはなにか?
それが、<点>から<点>を渡るソフト販売ではなく、顧客の日々
の使用と直接に関わる、サービス部分の提供になる。
今後3年で、急速に、ブロードバンドインターネットが普及する。
1.5MビットのADSLは、5M、8Mになる。
そうして3年後には、光ファイバーになる。確定した未来です。
通信速度が、PCの内部速度と同じになる日も近い、そうなれば、
アプリケーション・ソフトウエアやデータがどこにあるか、関係は
なくなる。ネットワークのディスクが、あなたのPCの仮想ディス
クになる。
物理的には地球の裏にあるものでも、自分の使うPCのディスク内
にあるものとの区別がなくなってしまう。
▼3年後にはもう過去の習慣になること
ソフトを購入し、箱を開けて、CD−ROMからインストールする
習慣はなくなる。10Mバイトが、数秒でダウンロードできれば。
いや、ダウンロードという概念すら、消える。
PC内部のソフトを、クリックして開くイメージに近くなる。
ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)的な世界にな
る。
数十メガバイトのデータが、数秒でダウンロードできる時代には、
CD−ROMというモノにソフトを乗せ、無意味にハコを大きくし
、貧弱なマニュアルを入れて、5千円〜4万円で売ってきたソフト
商売は消える。あと、3年ですね。
企業は最高収益の時が、危険。その最高利益は、数年前のイノベー
ションの成果を、消費したものに過ぎない。
プロアクティブに、変化を起こさなければならない。
そのキー概念が、<ユーザーエクスペリエンス>
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■5.XPのソフト総合と、ブロードバンド常時接続
システムと情報分野において、あらゆることに、インターネットが
関わることは確定している。変えることのできない軸が、インター
ネットです。
インターネットの中で、今、そして今後必要なものはなにか。
・個人認証
・決済機能
個人認証のシステムも機関も小規模にはある。普及はしていない。
コンピュータソフトには可塑性があってあらゆることができる。し
かし、<できることと普及すること>の間には、天地雲泥の差があ
るのがコンピュータの世界です。
決済も、電子マネーの普及はなく、カード決済、振込みや代金引換
があるに過ぎない段階です。
▼ドット・ネット・マイサービスと、パスポート機能
マイクロソフトは、
(1)個人情報をXPの<マイクロソフト・ドット・ネットマイサ
ービス>でネットワークの中に乗せ、
(2)<マイクロソフト・パスポート>を個人認証に使う。
すでに米国のWEBでは、個人認証にマイクロソフト・パスポート
を使えるところが多数あることに気がつきます。
<パスポート>ではその1冊が含む個人情報でいろいろな国への入
国ができるように、様々なWEBでの購買の際や、会員になる際に
必要な個人情報の、その都度の入力がなくなる。
<パスポート>をクリックすれば、それだけでオフィシャルな認証
のある情報が伝わる。なりすましは防止される。もちろん、それを
使うかどうかは個人が決めます。
従来、インターネットは匿名の世界だった。しかし、購買や決済、
商談では匿名というわけには行かない。インターネットをビジネス
化するに必須なものが、個人認証と決済です。
この部分に関わることは、インターネット戦略で基幹的に重要にな
る。
マイクロソフトは、XPでほぼすべてのWEBが採用することにな
るであろう<個人認証>と<決済機能>を普及させる戦略を明らか
にした。事実上の独占状態にあるWindowsが提供することの威力は大
きい。
もうひとつあります。インターネット電話です。
▼マイクロソフト・メッセンジャー
メッセンジャーは、最初は、イスラエルで開発され広く普及したI
CQでした。とても便利で私も数年使った。今はAOL、ネットス
ケープ、ヤフーもすべて、このメッセンジャー機能を提供する。
メッセンジャーと言っても、短文の伝言だけではない。ファイル転
送、音声でのリアルタイム対話、音声電話、テレビ電話がある。
これからブロードバンド常時接続が、普及する時期になる。従来の
パーソナルコンピュータは、それぞれがアプリケーション・ソフト
ウエアとデータを持ち、時にメールをやり取りするだけの独立マシ
ンだった。
日本の4000万人の平均接続時間は、まだ、1日30分のダイア
ルアップ接続に過ぎないのです。
ブロードバンドと常時接続が、月3000円レベルになった。常時
接続は、日本のみならず、世界で需要爆発前夜です。
ブロードバンドインターネットに、パソコンが常時接続になるとど
う変るか。国際テレビ電話が24時間つなぎっぱなしでも、月20
00円の通信費で済むということです。もちろん、国内電話も同じ
です。
相手も常時接続しているなら、NTTやKDDIの電話と、なんら
変らない。インターネットが、電話回線代わりに仕えない唯一の理
由は、ソフトの問題ではなく相手が接続していないからです。した
がって、時差のあるメールになっている。
ブロードバンド常時接続時代の<メッセンジャー>は、電話に変る
コミュニケーションの中核機能を果す。時間課金はなくなる。ビジ
ネスも生活も変る。アメリカ、ドイツ、ロシアでも、時差という障
害こそ残れ、接続時間限界も、距離もなくなるのです。
大型のディスプレーを使ったテレビ会議も、月間3000円の回線
コストでできるようになる。そうなると、威儀を正した会議のイメ
ージではない。気軽な、顔を突き合せた、しかし距離だけは遠隔の、
打ち合わせです。ここで、国際商談も、仕入れも、買い物も変る。
今はWEBでの、無言の、マウスをだけを動かす不便な買い物や、
フォームを使ったデータ入力。それがメッセンジャーのクリックで、
相手と話しができる。商品映像も、表情も、声も伝わる。
こうした<新しい>インターネット機能の普及が、次のビジネスの
S字カーブ成長の、舞台とインフラを準備する。
繰り返しになりますが、機能的には、現在のソフトでも、不便な面
を含んではいますが、できることです。しかし、できることと、ユ
ーザビリティが上がり、機能が統合化され、使いやすくなって、安
価になり、普及することには、天地雲泥の差がある。
ビル・ゲーツが、XPとともに持ち込んだ<エクスぺリエンス:体
験>の概念は、ブロードバンド・常時接続のインターネット時代の
第2幕の、幕開けを意味します。
旧いもの、社会的にも顧客にとっても有効性を失ったものがほろび
る瞬間に、次の成長カーブに乗るものが、最初は紆余曲折を繰り返
しながらも、数年後には見事に羽ばたく。
プロアクティブな戦略が、重要な時期になった。
(注)注目すべき機能として、HTMLの次世代言語XML(があ
りますが、EDIやサプライチェーンと絡め、別の機会にその意味
を解きましょう。
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■6.連絡事項:米国先端流通業視察ツアーのホテル代割引
米国先端流通業視察ツアーは、来週(11月7日〜10日)に迫り
ました。参加の方は、25名です。うち、米国在住の方が6名です。
会社で米国出張が禁止されているなか、休暇を取って参加の方も。
今回は特に、米国の現場感覚の情報が得られるでしょう。
JTB札幌を通じて申し込まれた方のホテル代は、当方で交渉を重
ねましたが、当初料金から、かなりの幅での割引きが実現しました。
JTB札幌の担当・田中課長の努力の成果です。割引分は、後日、
返金になります。その差額で、お小遣いができましたね(笑)
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4.その他、感想等
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コピーして、メールに貼りつけ、記入の上送信してください。
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