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▼ハットする切り口と考察で目からウロコが落ちると評判のメールマガジン。経営戦略情報・経済情報・IT情報▼欧米の新情報を含む高度な内容を、基礎から分かりやすく分解して提供 【分野】経営戦略・小売/流通・IT・ロジスティクス サプライチェーンマネジメント




1022ビジネス知識源:創刊1周年:メールマガジンというメディア

発行日: 2001/10/22

※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>
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    2001年10月22日(Vol.76):創刊1周年

 <Vol.76創刊1周年:メールマガジンというメディア>

ビジネス知識源:良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に
                          (読者数:15,516名)

  Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治
著者へのひとことメール⇒  yoshida@cool-knowledge.com
申込・解除・バックナンバー http://www.cool-knowledge.com

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◎ビジネス知識源プレミアム(有料版サンプル閲覧と購読申し込み)

http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000018

毎火曜日+増刊:9月4日から、発行を開始しています。
今月の基調テーマは、9月のCRMに続いてSCM経営の考察です。

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こんにちは、吉田繁治です。メールマガジンを創刊して、1年が経
過しました。00年10月18日の創刊号は、<ユニクロの戦略:
小売業に一体なにが起こっているのか。成功モデルのケース・スタ
ディから>でした。

1年前のことが、既に懐かしい感じがします。↓
http://www.cool-knowledge.com/1023uniqlo.html

気をつけたのは、本でも読み取れない高度な内容を扱いつつも、日
常用語で専門的なことを説明するということでした。時に、用語が
難しいとのご指摘を受けました。メールマガジンとしては長文だが
読むのに苦痛がないという評価は、嬉しかった。

・その後は、e-MP(e-Market Place)、
・2001年の経済予測、
・経営戦略ということの意味、
・サプライチェーン、
・流通の問題、
・フロントビューとバックミラーでの未来予測、
・これからの組織論であるリーダシップ、チームワーク論、
・終身雇用の崩壊とライフプラン、
・日産のリバイバルプランをケースにした、ボトルネックの問題、
・随想シリーズ
・不良債権と構造改革の問題、
・共同体の二重規範の問題
・米国同時多発テロとグローバル経済・金融の問題等をとりあげて
います。

合計で、約70編をお届けしたことになります。A4で1190ペ
ージ、単行本なら12冊くらいでしょう。よく書いたものですね。
今は毎週の有料版もありますから、24冊を1年で書くことになり
ます。

無料版の全バックナンバーは、↓以下に掲載しています。
http://www.cool-knowledge.com

今回は、(1)1年を回顧し、(2)同時に1985年から200
0年までの産業の技術革新の歴史を、簡潔にまとめ、(3)メール
マガジンというメディアについての考察をします。

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 <Vol.76創刊後1年:メール・マガジンというメディア>

 【目次】
 
 1.昨年の今頃
 2.通産省のシステム開発プロジェクトはどこから始まったか
 3.CALSの方法が一般化してサプライチェーンへ
 4.話題は一挙に卑近なところに
 5.報告(1):有料版のマガジン大賞
 6.報告(2):米国先端流通業研修ツアー

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■1.昨年の今頃

▼2000年10月以前

【開発受託】
昨年の今頃は、通産省予算を使ったシステム開発プロジェクトが終
了した時期でした。1995年頃から5年、5回の応募で4回の採
択を受け、4つのシステムを開発して納品。

【厚さメートル単位の文書】
国の予算を使うシステム開発では、膨大で正確なドキュメントが要
求されます。ひとつのシステムで、厚さが約1メートル。DTP(
Desk top Publishing System)を含め、ワープロを3つ替えました。
キーボードが磨耗し、くぼんで鏡のように光る。

2000年9月に、4つの目のシステムの通産省への納品が終わり、
時間的な余裕ができた。それで10月からクール・ナレッジのホ
ームページとビジネス知識源のメールマガジンを開始したのです。

【アウト・プット】
政府への納品文書作成を行っていた5年間の間に、溜まった知識や
情報を整理し、一般的なものをアウト・プットすることは、意味が
あるだろうと思ってはいました。

5年間のお堅い論文調の文章、流通・IT・経営戦略での専門的過
ぎる色彩を、どういう風に、こなれたものにするかが挑戦でした。
趣味で行っていた経済の考察も、整理しました。

当初から読者の支持は、予想の速度の2倍くらいでした。謙遜で申
し上げるのではありません。1年続けて最大でも1万人の読者、妥
当な線は7000名くらい、下限で4000名だろうと想定してい
た。

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■2.通産省のシステム開発プロジェクトはどこから始まったか

95年以降、日本のITと情報利用のレベルが米国に比べて劣ると
いうことが問題認識から、国家予算を使った開発が実行されました。

それに、関連企業とプロジェクトを組んで、提案書を書いて応募し、
毎年、連続的に採用された。

▼政策意図

通産省の意図は、1995年頃は、わが国では遅れているとされて
いたCALSとe-Commerce分野でのシステム開発でした。推進の中
心になったのは、機械情報産業局の電子政策課です。

ここで若干の歴史を遡る必要があります。CALSもe-Commerceも、
企業間取引の合理化に関係し、そのため産業構造にかかわるもの
だからです。

【蛸壺型オフコン文化が、ネットワークで問題に】
90年代の情報化・IT化は、企業対企業(後でBtoBと言われ
る)のネットワーク部分でした。それ以前は、企業内のものでした
から、様変わり。

ここで、80年代までの他のシステムとデータを共有化できない蛸
壺型のシステムだった日本のオフコン(Office Computer)文化が、
企業間接続で弱さをさらします。

日米のIT利用の20年くらいの歴史を知ることは、今後のシステ
ムを考えるときに有効です。基本的なことをまとめます。

▼CALS

CALS(Continuous Acquisition and Life-cycle Support)は、
異なる企業間の調達を合理化するために、文書データを<標準化>
する仕組みです。1985年のペンタゴンから始まり、ボーイング
社の部品・部材調達システムが有名ですね。

CALSでは、複雑なデータ仕様を持つ製品の設計図、図面情報の
互換性の確保が必要になります。

【一方では、カンバン方式】
1970年代以降の日本では、優秀な下請け構造を基盤にするトヨ
タのJIT(カンバンまたはJust In Tine)の調達の方法が、産業
効率改善のトップモデルとされていました。

当時のカンバン方式は、電子データではなく、カンバンと言われる、
工場内の後工程からの必要部品の紙伝票(カンバン)を見て、部
品メーカー・問屋が必要部品を、きっちり納入するものです。
(1999年から、電子化されています)

(1)販売の最終工程での「個客」受注をもとに、(2)必要部品
に遡って組み立てを行う方法は、無駄やムラの多い部品在庫の管理
で、画期的なものでした。

一方にあったのは、同じ下請けの方式ではあっても、ゼネコンを元
請けとする二重・三重の、非効率な下請け構造です。

類似の調達構造を持つトヨタが効率的な企業の代表であり、ゼネコ
ンの下請け構造が非効率とされるのはなぜか?

(注)自動車さん業内部でも日産では、トヨタとの対抗心から、カ
ンバン方式という言葉は、カルロス・ゴーンが来るまでタブーでし
た。

【国際競争】
トヨタが「個客」受注を起点にし、乾いた雑巾絞って無駄を省く部
品調達を目指したのに対し、ゼネコンは逆に、無駄を含む構造での
下請け構造だったのです。

これには、理由があります、トヨタは世界の成熟した巨大自動車産
業と、価格と品質で競争する必要があった。自動車市場では、米国
は日本の2.5倍から3倍で、欧州もそれくらいの規模がある。自
動車は、国際商品だったのです。本場は、米国です。

【国内産業であることと雇用対策】
一方、土木・建設は、公共事業をコアにする国内産業だった。景気
対策(雇用の受け皿)としての機能を持っていたため、雇用を減ら
す効率化とはなじまなかった。

非効率な部分を保ち、入札では受注を廻す談合が見られ、ハイコス
トな構造を保つ行動様式があったのです。

両者を比較すると、下請け構造をもちながら、違う方向へ向かって
いた日本の基幹産業の2類型を見る思いがします。

▼しかしゼネコンの将来は

しかし、不良債権問題の元凶と言われ悪名高い土木・建設も、方向
を転じれば、トヨタのようになれると思っています。日本のゼネコ
ンも、アジア、米国、西欧を含む海外の工事では正当なコスト競争
・品質競争に勝ち、受注している例が多数ある。

【ワークスケジューリングと多能工】
建設コストの要諦は、最適なワークスケジューリングと、現場の多
能工化です。

無残に崩壊したワールド・トレード・センターは、米国建築技術へ
の信頼を減じた。地盤が弱く地震国である日本の高層ビル建設で蓄
積された技術は、世界に活きるはずです。

▼米国型のフルセット(Full-Set)生産と、カンバン方式の競争

【フルセット型生産】
1980年代までの米国型の産業モデルは、<フルセット型生産>
と言われた。トップメーカーGMを代表に、部品の生産から組み立
てまでを<企業で内製化>することが、効率的だとされていた。ト
ヨタの下請け方式とは、逆のモデルでした。

【組織の経済性】
経済学では、部品の内製化を「組織の経済性」と呼んでいました。
商取引で、その都度「取引のコスト」をかけ、部品や部材を購買す
るより、同じ企業で内製したほうがコスト合理的だとされていた。

欧米流の商取引契約の行動文化では、外部発注は内製よりコストが
高くなると考えるのが自然です。

ところが、日本企業の下請け構造は独立した外部企業との契約的取
引というより、<半内部的>な取引だった。下請企業が、親会社か
らのコストダウン要求を、渋々とは言え、受け入れ、合理化を図る
素地があった。ここが、日本の産業の強さの根源です。

【1970年代】
GM型のフルセット生産が、トヨタのJIT型部品調達システムに
コストと品質で負けたと意識されたのが、1970年代でした。こ
こには、米国の、強いユニオンの問題が絡みます。賃金の下方硬直
性、つまり生産性があがらなくても、賃金が上昇する制度です。こ
れが、コスト高をもたらした。

▼リーン(Lean)生産方式

そこで米国は、日本の下請けシステム、特にTOYOTAのJIT
を研究し、理論的にモデル化してまとめた。(『リーン生産方式』
ダニエル・ルースMIT教授等、1984年:日本では『新トヨタ
生産システム』門田安弘、1991年等)

米国人のこうした研究には徹底したものがあります。80年代は、
日本の産業は、世界のモデルだった。日本モデルの勉強から始まっ
た米国型フルセット生産の解体は、どんなプロセスで進んだか?

▼まずは米国、次に日本で、フルセット型生産の解体のプロセス

(1)最初は、フルセット組織生産・販売の解体は、米国内のリス
トラ、雇用カットを生んだ。(1980年代)

(2)フルセット型組織のスリム化の過程は「米国製造業の空洞化」
と呼ばれた。最終工程の組み立て、及び販売組織は米国に残った
のですが、部品調達や、組み立てまで世界化したからです。(19
80年代後期)

(3)更に徹底し、工場を持たないメーカー(ファブレスメーカー)
のビジネス・モデルも現れた。(1990年代)

代表が、パソコンのDELLやGatewayです。ここでは「個
客」受注後に組み立てを行った。DELLでは、販売の過半も、W
EBを通じて行い、<ネットワークだけの組織>になったのです。
 

(補注)
実は、ユニクロも、店舗網と物流網の販売組織を持つファブレス・
メーカーのビジネス・モデルに属します。現在のところ、在庫の倉
庫管理と、物流の面で、流通マージンの低い食品や日用雑貨の流通
と比較すれば、まだ弱点を持ちます。

DELL等のファブレス・メーカーは、
(1)完成品在庫は最小しか持たず、
(2)インターネット等で「個客」からの受注を受けた瞬間に、
(3)マレーシア・中国等の海外の工場にネットワークで発注し、
(4)完成品を空輸し、国内宅配便に受け渡す仕組みです。

このビジネス・モデルは今後の製造業の方向の、ひとつの合理化モ
デルになるものです。

(補注)
日本の現在は、国内の企業間の商取引の仕組みが、世界のコスト最
適地での生産と、最適地からの調達に変更されつつある過程です。
米国の1980年代後期と似ています。

▼雇用の文化

雇用では生産に従事する人口が、次第に流通と最終顧客への個別サ
ービスに吸収される過程です。これが、経済の構造改革と言われる
ものの中身になる。

米国では、ワーカー階級は雇用が流動的です。すぐレイオフや再雇
用が起こる。需要にあわせた調整が、3ヶ月くらいの短期間で進行
します。日本では、雇用の固定化があるため、産業間及び企業間の
雇用調整に、数年の長期間を必要とする。身分もワーカーではなく、
普通は、商法では株主の意味をもつ「社員」と呼ばれている。

日本の産業は、ほとんどの分野で、設備稼働を高めれば約20%か
ら30%の、雇用過剰にあることを記憶しておくといいでしょう。

さて、ここで、CALSに戻ります。

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■3.CALSの方法が一般化してサプライチェーンへ

米国国防総省、及びボーイング社の部品調達でのCALSのシステ
ムと、トヨタのカンバン方式の研究は、一般化されて流通のSCM
(サプライチェーン・マネジメント)の方向を生みました。(米国
では1985年頃から)

【補注:CALSの発展】
CALSは、詳細な図面データを含み、標準化が複雑です。
SGML(文書構造とデータの意味づけのタグ情報(メタ情報)を
含む構造化文書)と言っても同じことです。データベース化した、
複雑な仕様の文書を、コンピュータに認識させる方法です。

最近では、WEBブラウザの表示に使うHTMLから、各々のデー
タに共通の意味づけを与えるXML(拡張符号型言語)に発展して
いる。

今年10月から発売される、WindowsMEとWindows2000のネクス
ト・バージョンWindowsXPでは、XML機能が標準装備されます。マ
イクロソフトのドット・ネット構想の基盤技術になるものです。

XMLは、BtoB(企業間商取引)及びBtoC(企業対消費者)
のネットワークの利用で、新しいステージを準備することになる。

▼WMSとクロス・ドック・システム

流通では、中間在庫を最適に維持する倉庫管理システム(WMS:
Warehouse Management Systemや、在庫レスのクロス・ドック・シス
テム(Cross Dock System)を生みました。

【Federatedのクロス・ドック・センター】

世界最大規模のクロス・ドック・センターは、米国ニュージャージ
ー州コーカサスにあるFederatedが持つものです。一箇所の物流セン
ターで年間の商品通過量が、6000億円の規模です。

数年前、訪問しました。所長は車椅子で、両足がなかった。ベトナ
ム戦争の退役軍人でしょう。兵站への物資補給システムをLogistic
sと言いますが、サプライチェーンのロジスティクス(発注、在庫、
輸配送システム)は、軍の在庫管理と物流システムがモデルです。

FederatedはNYが本店のおしゃれなファッション・デパート、ブル
ーミング・デールズ、及び巨大GMS:メーシーズ等の持ち株会社
です。

〔クロス・ドックの共通の仕組み〕

(1)店舗は、POSデータを元にした発注データを、メーカーと
クロスドック・センターに送る。
(2)受注を受けたメーカーは、事前出荷明細情報(ASN)を作
成して送信し、バーコード情報を含む標準化した荷札(出荷ラベル
)をつけた商品梱包を、店舗の価格札をつけ、品質チェック後に出
荷する。
(3)クロスドック・センターでは、入荷ラベルを赤外線スキャナ
で読み取り、ソーターで、行き先店舗に自動仕分けする。
(4)ベルトコンベアは、秒速数10メートルの速度で、商品を仕
分けする。商品はメーカー出荷段階で、行き先店舗別に梱包されて
いる。
(5)出荷口(アウトバウンド)に待つ、大型トラックに積む。

入荷口での積み降し、出荷口での積み込み以外は、手作業がほぼゼ
ロの合理化された仕組みです。クロスドック・センターの総コスト
は、出荷金額の0.6%に過ぎないと所長は言っていた。

1時間くらい、ベルトコンベアの騒音の中を、高速でながれる商品
を見て、私はある種の感慨に打たれた。

マネジャーの言葉、<荷物を手で触る、床に降ろす、これがコスト
です、これを無くせばコストは減る>

米国人の発想には決めた原則に、例外をつくらない強さがある。
基盤技術が変わると、硬直性になることもあるのですが。

▼平和の配当

米国の軍事費は80年代末のレーガンの時、支出のピークを迎えた。
冷戦の終結後は、軍事費、NASA、CIAの予算が25%くら
いカットされた。


米国の国防予算は$3000億(36兆円)レベルで、日本の自衛
隊予算である5兆円の、7倍もある。一人当たり国民負担額は、日
本人の3.5倍。米国の公共投資は、日本の橋や道路と違って、国
防費と言っていい。国防とセキュリティは、国家の根幹とされる。

日本ではハコモノ行政が、国家政策でした。
それくらい彼我の違いがある。

【補注:世界の軍需産業の規模】
米国を含む世界の軍需産業の総規模は、年間120兆円から150
兆円と推計されています。

世界のGDPは4000兆円くらいですから、軍需産業は3%から
4%を占める巨大さです。米国は、最大の武器輸国です。米国の軍
需産業の規模は世界の50%、国防での使用と輸出を含めると、6
0兆円から75兆円の規模と推計されています。使わなければ、1
0年で、兵器・弾薬在庫が大量に溜まる。

ロッキード(軍需の兵器生産のみで$179億:2兆円)、ボーイ
ング(同$159億)、レイスロン(同$125億)が3つの大手
です。日本では三菱重工がトップで、約3000億円(1998年
:SIPRI 年報より)

【3つの平和の配当】
米国の90年代の、消費主導からきた繁栄の基礎は、軍事費削減に
よって、軍の技術(インターネット、ロジスティクス、金融工学)
が、人材とともに、民間へ流出したことによると言えます。

(1)インターネットは、情報をパケット(データの小包)単位に
分割することによって、分散型通信を生んだ。

そこに、閲覧ソフトのブラウザの開発(モザイク、ネットスケープ、
マイクロソフトのIE)があって世界へ普及した。セキュリティ
を含むソフト技術や版権は、ほぼ100%米国が押さえています。
(1990年ころから普及しはじめ、95年にS字カーブ需要へ)

(2)ロジスティクスでは、倉庫管理、在庫管理、輸配送管理の、
中間流通での革新を生んだ。(1985年ころから米国で普及)

米国政府は、ロジスティクスを含むSCMの技術とソフトウエアの
、日本への紹介を1995年頃までは、行政指導で禁止していまし
た。

日本で、米国のロジスティクスのソフトウエア会社が販売を開始し
たのは95年以降です。

・サプライチェーンの店舗システムはウォル・マートが、
・メーカーシステムはウォル・マートと戦略同盟を組んだP&Gが、
・物流を含むロジスティクスは、軍の技術を源にし、
・後工程から遡る調達方式はTOYOTAカンバン方式を見習った
ものです。

ウォル・マートの店舗在庫管理では、業務提携を図ったイトー・ヨ
ーカ堂で実行された<タンピン管理>が技術移転されています。

(3)弾道計算技術と確率は、新たな金融派生商品(デリバティブ)
を生んだ。オプション取引での価格計算に用いられるブラック・
ショールズモデルが代表です。彼らはノーベル経済学賞をもらいま
す。

【LTCMという象徴】
ソロモンブラザーズで、債券投資の天才と言われたジョン・メリー
ウエザーはLTCMを設立。LTCMには二人のノーべル賞学者、
マイロン・ショールズとロバート・マートンが参加した。天才たち
が作ったLTCM(Long Term Capital Management社)は話題を集
めます。

LTCMは従業員170名、資本金は$50億に過ぎない中小企業。
世界の金融機関が運用を託したのは、その20倍の$1000億
(12兆円)だった。

【補注:1998年夏】
LTCMは1998年8月、ロシアのモラトリアム(事実上の債務
不履行)の発生で、数時間で破綻した。金融のシステミックなリス
クを恐れた米中央銀行は、$35億を金融機関に拠出させ、危機を
回避したのは有名です。米国は、危機に臨めばダブルスタンダード
です。

大規模な金融の破綻は、数時間で起こることを記憶しておいて下さ
い。

▼平和の配当から、ニュー・エコノミー論へ

【司祭】
世界金融の司祭、象徴権力を持つローマ法王と言えるFRB議長、
アラン・グリーンスパンは、企業収益から見れば非合理に高い株価
がどんどん上がるのを見て、1997年頃になるとニュー・エコノ
ミー論を支持する。

【根拠なき熱狂が根拠を得た】
グリーンスパンもついに、100年に一度あるかどうかの大きな技
術革新の波が、米国に押し寄せていると議会証言した。これで、根
拠なき熱狂の株高に震えていた世界の投資家は、安心した。米国株、
ドル債券への投資は、まだ安心だと感じた。ここは<共同幻想>
です。

株が高くなれば、そこで信用が拡大する。信用の拡大は、民間で生
まれたマネー供給の総量を、乗数効果で拡大させ、株高の正帰還を
生む。

【中身はSCMだった】
技術革新の波ということの中身は、販売、中間流通、製造を、リア
ルタイムネットワークで結ぶサプライチェーン・マネジメント(S
CM)でした。

サプライチェーン・マネジメントによって、販売の変動が、即刻生
産に反映するから、在庫の過剰はなくなり、資本主義で皆が苦しむ
経済の<ビジネスサイクル(景気循環)>がなくなるとされたので
す。

景気循環は、100年も前から今に至るまで経済学の大問題(謎)
で、ひどければ恐慌になって、30%の失業を生むことがあり、そ
の逆のインフレにもなる。SCMの普及によって、景気循環(在庫
循環)が平準化されれば、経済は、新しい次元に入るよう見えた。

そうして1997年のタイに始まるアジア通貨危機、98年の天才
たちのLTCMの破綻を乗り越え、米国のナスダックとダウは高騰
を続けた。

【米国株の崩落】
2000年春以降、米国で60%の普及率に達したPC販売数の伸
びの鈍化、携帯電話の需要の伸びの低下を契機に、ナスダックバブ
ルが崩壊した。NYダウも、40%くらい下がった。世界の株式市
場は、合計で1200兆円の富を失ったのです。

その後、国際金融の波乱が予測された2001年9月には、同時多
発テロで、グローバル金融の、ペーパーマネーの象徴だったワール
ド・トレード・センターが崩れた。

▼再び世界の軍事費の拡張経済へ

世界は、軍事費が拡張する、<準戦時経済>に入った。
これが21世紀の最初とは、悲しいことですが現実です。

直感では、<滅びるものの最後の咆哮>に思えます。

ブッシュ政権は、10年から20年の、テロリズム及びテロ支援国
家への長期の戦いを、「不朽の自由」の旗印のもとに遂行すること
を宣言し、緊急に$1200億(14兆円)の予算を計上した。

今後、日本は自主防衛の目的で、2000年以降は縮小しつつある
日本の貿易黒字の、かなりの部分を使うことになることは確定です。
それにしても、日本の黒字の減少はすごい。これも前提の大変化。

政策上は、<残虐なテロからのセキュリティのコスト>とされる。
次の日本国のリーダーも、およそ決まりつつあるようです。

以上、駆け足で、1985年頃からの米国の産業の革新を整理しな
がら、ITを中核にする産業の技術革新のコア部分を見てきました。

長期的観点に経てば、日本の産業が、どう向かうべきか判断できる
でしょう。日本経済と米国経済は、合計で世界のGDPの40%以
上を占める国として、技術革新も含め、深い相互補完、依存関係に
ある。

ユーロの統一通貨圏を作り、米国とは距離を置こうとしている西欧
(英国は除く)とは違いがあります。

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■4.話題は一挙に卑近なところに

さて、急に、話題を戻しメールマガジンです。紙のメディアではな
く、メールマガジンを選択した理由は、現在はマイナーなものでは
あるが、何倍にもなることができる可能性を持ったメディアである
ことです。この考えは、主として、孫正義のメディア仮説から得ら
れています。こうして、発想のネタを明かすのも私の方法です(笑)

発想法に興味のある方は、<フロントビューとバックミラー>を読
んでみて下さい。↓
http://www.cool-knowledge.com/0206Frontview(1).html

更に、多くの人がインターネットに疑問を抱き、撤退が始まった00
年、01年が機会になると思ったのです。多くの投資が集中するとき
は、新規参入の機会は、小さくなる。

▼孫正義の発想を翻案したメディア仮説

(1)現在は、まだITのハード及びシステムの時代。PCの家庭
普及率が、20年前のほぼゼロから、米国で60%、日本で50%
くらいに達した。(事実データ)

(2)PCハード及基本ソフト(OS)、及びアプリケーションは、
今後も低価格する。この領域では、総体金額の伸びは見込めず、
一極集中の寡占化に向かう。(孫仮説)

(3)IT関連産業の、次のS字カーブの伸びは、今は漠として見
えない<情報コンテンツ産業>と、ソフトウエアではなく<業務コ
ンサルティング>の個別対応の分野になる。(孫仮説と吉田仮説の
混合)

(4)その際、個別に送るメールを使った情報コンテンツの提供は、
一極を占める。情報コンテンツとはいっても、事実情報の提供は、
膨大なデータベース化しかビジネスにならない。事実の情報を加
工した、解釈情報、つまり<知識化>して提供することが必要にな
る。(以降は吉田仮説)

(5)WEBでの情報提供は、利用者に<アクセスまでの作業負担
>を強います。その点メールは<個別宅配>。必要ないものは消せ
ば在庫にはならない。利用者に手間をかけないこと、ここがポイン
ト。

(6)一方で、情報作成にコストと手間をかけ、可能な限り内容を
高質化すること。マスコミからは得られないユニークな視点、内容
を提供すること、難しいことですが、ここに価値が生じるだろうと
思ったのです。解釈情報は、組織では、できない。個人の領域です。

こうしたことを、2000年の秋に周囲の人に話しても、<それ、
本当ですか>という表情でした。結構孤独な、賭けです。世間は、
成功モデルに追随するときは評価する。しかし成功モデルへの追随
では、<規模と資本力>が優位になってしまい、個人の手を離れる
のです。

ちょっと「偉そうに」言っています。(笑)現在はCool-knowledge
のWEBも、ビジネス知識源のマガジンも、<まだ1歳で超マイナ
ーです> あと3年はかかるでしょう。インターネットはドッグイ
ヤーですから、今7歳。幼稚園を卒業し、小学校入学です(笑) 
3年経てば、4×7=28歳で大人です。

もちろん、漫然としていて大人になるわけではない。膨大な教育投
資が必要です。1年毎に、革新が必要でしょう。

書く素材、テーマには、今のところ困らないどころか、ありすぎま
す。それだけ、世間の変化が激しい。有限な資源は<時間>です。

▼1.5MビットADSLの使用体験

私は、ADSLの将来に否定的です。光ファイバーまでの一時的な
ものという認識があります。しかし今住んでいる大阪府豊中市の光
ファイバーの工事は、来年になる。

仕方なく、NTTのフレッツADSLを入れました。
先月末で、ADSLの使用者は75万人と集計されています。
それまでは、ISDNの64Kビットの常時接続でした。

ADSLは、回線の基地局からの距離が2キロメートルを超えると
回線が不安定になります。私のところは3キロメートルです。これ
が気になっていた。だめでもいい、やってみようという感じで、申
し込んだのです。

「多少」不安定です。時々接続中に切れます。しかしISDNの6
4Kビットの世界と1.5Mビットは次元が違う。LANとまでは
行きませんが、それに近い。インターネットの遠隔ファイルが、P
C内の(遅い)ディスク上にある感じと言えば、わかってもらえる
でしょうか。

リアルプレーヤーで、インターネットの音声放送を聴いても、IS
DNでは数十秒待たされたバッファ時間が、2から3秒。接続して
すぐ聴ける。JPEG等の画像表示も、2秒という印象。

ああ、これは、違うと実感した。ISDNでのインターネットは、
比較すればニセモノです。それが、実感できます。

NTTのADSL(商品名:フレッツADSL)は、全国をカバー
するようになりつつあります。フレッツADSLでは、プロバイダ
の変更がなく(メールアドレスは同じままで)接続できます。

申しこみを検討されたらどうでしょう。インターネットが別の世界
になることを、保証します。

▼来年から

2002年は、ADSLの常時接続が、数百万人の規模になるでし
ょう。2003年には、光ファイバーでの接続が増え、2005年
には、政府のe-Japan構想で、3000万世帯くらいが光ファイバー
接続の計画。光ファイバーでは日本が世界最高レベルに到達します。

2002年の末頃から、インターネットコンテンツは、マルチメデ
ィア競争になる。従来の地上波放送の世界は当然残りますが、伸び
ないメディアになる。

紙の本も、今、インターネットでのダウンロードが増えてきていま
す。紙のメディアがなくなるわけではない。伸びる部分がインター
ネットになる。

来年は、クール・ナレッジでも、WEB講演をやりましょうか。
結構、簡単です。MITも世界に向かってはじめますしね。(笑)

------------------------------------------------------------

■5.ご報告(1):有料版のマガジン大賞

以下の連絡が、有料版<ビジネス知識源プレミアム>を発行してい
る事務局からきました。原文を引用します。

▼まぐまぐプレミアムNo.1マガジン大賞に!「ビジネス知識源プレ
ミアム」有料メールマガジンサービス、まぐまぐプレミアムのオー
プンを記念して、購読者数部門と売上げ部門で争った「スタートダ
ッシュNo.1マガジン大賞」

みごと両部門を制したのは、「ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月
ビジネス書5冊を超える情報価値をe-Mailで(ID:P0000018)」でし
た!

【詳細情報を見るときは↓】
http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000018 

このマガジンの購読者数は、サービス開始直後に1000名の大台
を突破し、今もなおばく進中。発行者の吉田繁治さんも「本を書く
か、メルマガを書くか、実際には手探り状態だったが、これで紙の
本に勝てるメドがついた」とのこと。吉田さんは、有料メルマガ成
功の要因を、以下のように分析されています。

<手探りで始めた「有料版:ビジネス知識源プレミアム」でしたが、
これは、「ビジネス知識源(ID:0000048497 無料)」の1万5000
名の読者の方がベースになっています。有料版の記述の方法、枠組
み、ミッションを以下のように設定したことが、功を奏しました。

(1)原理を基礎から示し実践の原則にして、最新のビジネス知識
・IT知識を提供する。
(2)メールマガジンの便利さを活用し、電子媒体を使った「定例
の仮想セミナー」を目指し、経営問題・流通・IT戦略・SCM・
CRM・ロジスティクス・経済・金融・会計、及びそれらに関連す
る最新分野の知識を、原理部分から解説していく。

最初は不安でしたが、メールは可能性の大きなメディアであると実
感しています。紙の本は10倍にはならない。しかし、メールマガジ
ンは10倍になる可能性があるのです>―― 

なお、吉田さんには、ウィまぐヘッダー広告のスペースを自由に使
えちゃう権をプレゼント!また、「ビジネス知識源プレミアム」に
投票していただいた読者さんの中から、抽選で○○○○さんに、東
京ディズニーシーのチケットをお贈りします!もうしばらくお待ち
下さいね。

<まぐまぐプレミアム> http://premium.mag2.com/

(以上で引用終わり)

7歳になって小学校の最初の運動会で、賞をもらった感じです(笑)

------------------------------------------------------------

■6.報告(2):米国先端流通業研修ツアー

11月7日〜10日のツアーは、こうした環境ではありますが、予
定通り実行します。現在、25名〜27名(若干の未定あり)の参
加になっています。もう2週間後に迫りました、早いものです。
今回は、ここまで。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【ビジネス知識源 読者アンケート】

1.テーマと内容は興味が持てるか?
2.理解は進んだか?
3.疑問点や質問点は?
4.その他、感想等
5.差し支えない範囲で読者の横顔情報があると助かります。

コピーして、メールに貼りつけ、記入の上送信してください。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▼著者へのひとことメール
yoshida@cool-knowledge.com
※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
あなたと、会社の、知識とスキルのブラッシュアップを。

▼<ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊分を超える
情報価値をe-Mailで>のサンプル閲覧と申し込み
http://premium.mag2.com/reader/servlet/Search?keyword=P0000018

▼クール・ナレッジ掲示板(BBS)で投稿
http://cgi.members.interq.or.jp/venus/yoshida/BBS/light.cgi

▼WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 
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