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0910ビジネス知識源:軽く随想的に経営者資質を

発行日: 2001/9/10

※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>
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2001年9月10日(Vol.69):軽く随想的に経営者資質を

ビジネス知識源:良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に
                          (読者数:14,029名)
  Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治
著者へのひとことメール⇒  yoshida@cool-knowledge.com
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こんにちは、吉田繁治です。8月以降、この<ビジネス知識源>と
<クール・ナレッジのWeb>を通じて知り合った方からメールをいた
だき、お会いすることが増えてきました。

商品、業態(Type of Business)、企業規模(Scale)、地域は、
「多様」です。

共通性があります。「新しい方向を、力強く設定する時期」という
認識をお持ちのことです。近未来への戦略準備です。

今回の題は<軽く随想的に、経営者資質を>です。
最近、思うことを書きます。


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(注)今日、月曜日、日本を筆頭に世界の株価が危険です。9月末
にかけ波乱がある。別稿で分析すべきですね。

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<Vol.69   軽く随想的に、経営者資質を>

【目次】
 1.思い出すこと
 2.経営者の「姿勢」という根本問題
 3.日本は、店舗面積が不足しているのではないか?
 4.中国の、工場出荷価格40円のスリッパ
 5.10ヶ月後の今、振りかえれば
 6.ビジネス知識源プレミアムのご報告
7.米国:先端流通業現地セミナーの進行状況
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■1.思い出すこと

▼近所のお話し

身近に知っている人に倒産が増えています。一軒おいたお隣が、二
週くらい前、夜間、トラックに荷物を積みこんでいた。

シャーリーとの散歩の帰りに見かけ「夜逃げ」かな、と思った。年
代は30代で、車はベンツでした。不釣り合いだと思ってました。
水道工事の会社経営だったとのこと。それ以上のことは知りません。
後で奥さんが挨拶に来て「落ちるときは早いです・・・」と言っ
ていたと聞きました。。

ご家族が引っ越してきたとき、アンテナを立てたがテレビが映らな
いと言って、20代後半に見える奥さんが聞きにきました。

「19チャンネルだけがチラチラしますが、映りますよ」と答えた。
「それって、映るって言うんですか」と奥さん。初対面で売り言
葉です。どういう理由で私がテレビの映りが悪いことの責任を追求
されるのか? フツーの神経の私は、驚きますね。(笑)

夜逃げの後、玄関に背丈くらいの高さの、汚いゴミの山がありまし
た。会社での部下への言動、取引先への態度が見える感じでした。
さすが、行動は統一がとれています。

▼ある老舗企業の倒産で思いだしたこと

3日前、広島での講演先で、福岡県の老舗企業が民事再生法を申請
したと聞きました。今年になって、福岡県でその業界の大手企業が
ふたつ潰れたことになります。

印象深く、記憶していることがあります。
7年くらい前の講演の後、その会社の岡田社長(仮名)から、FAX
が届いた。講演の中でコストダウンの例に挙げた、住宅建設の新
興企業の資料を、送って欲しいという依頼。
熱心な人と思い、コメントをつけ送った。

資料が届いた後、電話がかかってきました。
<息子の家を、この会社に注文しようと思うがどうでしょうか?>
との電話でした。私は瞬間に<あれっ?>と思ったのです。岡田社
長は、私の講演で何を聞いていたのだろう・・・息子さんの家のた
めにアドバイスするのは、私の講演の目的ではないのです。

瞬間に、その業界のトップ10名くらいと福岡で会食した時のこと
を思い出した。前に座っていた岡田社長は<目の虹彩を使って、個
人認証ができるシステムを開発した会社が地元にある。株を、個人
で買おうと思うが、その株は、値上がりするかどうか?>との質問
でした。

変なことを聞く人だなと思いましたが、気にとめなかった。
好人物ですが、フォーカス・ポイントがズレていました。

【別の社長も】
また、別の講演での他の社長。講演の後、帰る新幹線が同じでした。
<今日、先生の講演で、コストダウンの例に出た**の株を買う
ことにした。上がるでしょうね・・・>

新幹線で、初めて同席し話していると洒脱な人でした。このときも、
あぁ、そういう聞き方をしているのか、気をつけなければいけな
い、と思った。

1994年ころのことです。

【いつのまにか、変わった関心】
以上のような講演の聞き方をするトップは、店舗の経営や社員のラ
イフ・プラン、顧客満足を考えていたと言えるか?
こうしたトップの下で、社員は生き甲斐をもって働けるか?
店舗を信用する顧客が、増えるか?
取引先からの信頼を得られるか?

【好人物】
お二人とも好人物です。書いていて心が痛みます。
経営者としては、資質の欠落と言わざるを得ない。
関心は、安易な個人資産作りや税逃れに向かっていた。

そうであれば、経営技術が必要な経営者は降り、トップをスカウト
するか、幹部をトップに引き上げる株主であればいい。しかしそん
なことは、思いの外の別世界でしょう。

創業一族が株をもつオーナー経営では、オーナーがトップダウンで
決めない限り、何も実行はできない。会社の中で、必要なすべての
決定が先延ばしになっていたはずです。そして、最後はすべてを失
う。

【一方では企業規模を3〜4倍にした会社】
一方では、同じ業界で、1990年〜2000年に3倍〜4倍の売
上(年率12%〜16%の伸び)になった会社があります。経常利
益は売上比7%クラスで盛んに出店。今は、大手になった3社です。

▼伸びた3社のなかの、1社のこと

異端視され、90年代初頭は経営不安が噂されていた企業がありま
す。ある大手商社が支援するだろうということを聞いていました。

8月末に、その商社の担当だった方に、それとは知らずお会いする
機会がありました。「私は、**社長には、本当に数年間も密着し、
どこまでも行動をともにしました。その社長に、顧客への強いロ
マンを感じたのです。それで、おつきあいを続けました。」

その会社は、危機を克服し10年で売上が3倍になり、今は業界最
大手の一角になった。偽りのないロマンが信頼を勝ち得たのです。
信頼・信用(Credit)とは、マネーのことでしょう?

▼自滅する企業群と、あとの黄金期

経営は競争に負けて破れるのではない。すべて「自滅」です。トッ
プが、顧客、取引先、社員から信頼を失うのです。

財務の困難すら、人間的信用が厚ければ、乗り切れることが多い。
苦しい時に、支援があるかどうか、その時、自分の過去の行動の真
価がわかる。人間の信用が根源。マネーはそのあとです。

部下からの信頼が厚ければ、給与を預かりにしてもついてくる。
取引先も、決済を待つ。そうした会社も、あるのです。信頼は求め
ても得られない。自発的なものですね。

80年代までは、差はなかった。親から受け継いだ好立地の地価が、
他からの参入を拒むファイア・ウォール(防火壁)になっていた。
後から出店するのは、簿価の総資本利益率(ROA)で不利な戦
いを強いられた。同じ面積で、2倍を売らなければならなかった。

<地価下落、価格下落、消費不況といわれる90年代>に、マネー
の原理が変わって、差がついたのです。

今後輩出する会社は、経営技術で優秀なところが多い。

地価の含みによる経営ではなく、キャッシュフロー経営だからです。
彼らのなかで競争が起こり、数年後には日本経済黄金期を作りま
す。

政府が不良債権処理をやらなくても、先延ばしにしても、産業の構
造改革は、経済原理で進行する。それが、今、進行中です。

日本企業の全体が、沈潜しているわけではありません。伸びるとこ
ろには、今未曾有の伸びがある。まだ各業界大手ではないだけです。

――――――――――――――――――――――――――――――
■2.経営者の「姿勢」という根本問題

経営者は、頭がいい人が多い。知識が豊富という意味ではありませ
ん。投資、経営、人事の決断で、知恵や眼力がそなわってきた。

その眼力の方向に、業界、業態での違いを感じます。
製造と小売り(含む卸=流通業)で、根本が違っていた。

▼製造業のスタンスの一般

製造業の人は、一般に、以下の図式を理解します。

〔利益=業界の平均的なコストからの、コストダウン幅〕

品質を維持、または高め、機能を洗練させた上でのコストダウンが
、利益をもたらすという、ビジネスの普遍公式です。

【重要】
正統的に言えば、品質を高めることと、つまり不良品をなくすこと、
及び品質クレームを減らすこととコストダウンは両立します。
方法的には、シックス・シグマ。つまり、製品やサービスのエラー
やミス、クレーム発生が100万分の3.4回以下であること。

【コストダウン】
コストダウンとは、品質を高め、機能を洗練し価格を下げることで
す。
価格を下げ品質をさげるなら、コストダウンには値しない。
このコストダウンを経済学に由来する経営用語で、「生産性の上昇」
と言っています。

〔GDP成長率=人的生産性の上昇率×労働力数の増加率〕です。
人的生産性が5%伸びて、労働力が4%増加すれば、
1.05×1.04で、9%のGDP成長になる。

これを、「会社成長率」に置きかえても、同じです。
A社の成長率=(A社の生産性÷業界の平均的な生産性)×社員増
加率

コストダウンは、以上のような価格の低下と成長をもたらします。
他のところと同等、あるいはそれ以上の品質と商品機能で、価格を
下げることができれば、価格競争に勝ち、利益が上がる。

日本の、製造業一般に見られる(見られた)姿勢ですね。

【日本経済の成長期】
60年代から80年代まで、西欧と米国の価格体系を変えたのは日
本の輸出産業でした。日本の輸出産業は、相手国で、供給過剰を作
った。
その後、西欧と米国は、グローバル化を国家の枠ではなく、企業の
枠で取り込んだ。

【現在の問題】
2001年現在、価格の下落が、日本の成長と見られないのはなぜ
か?新たに参入した中国、アジア、東欧からくる供給過剰と価格革
命だからです。とすれば、日本企業は国境を枠とせず、超えればい
いだけです。米国や西欧のコングロマリットが、行っていることで
すね。

▼小売り・流通業のスタンスの一般

わが国の小売り・流通業は、上で述べた〔利益の普遍公式〕への理
解の仕方が違っていると感じます。生産性を説明すれば理解はされ
る。しかし実行の方向が違うな・・・と感じてきました。

経営技術は、経営者の姿勢の後にきます。
姿勢が間違っていれば、技術は生きない。

正しい姿勢とはなにか。3項に集約されます。

(1)顧客のことを、なによりも優先して、想えるか。
(2)社員のライフプランを、支援できるか。
(3)想いの実現に向かう戦略(設計図)を描き、実行する。

当たり前過ぎて、馬鹿みたい、ですね。

当たり前のことを、自己制御し、実行できるのが非凡な人です。
3つに自信がなければ、他の経営技術があっても、トップは降りたほ
うが、社会・社員・顧客のためです。

▼小売り・流通業の利益観

小売り・流通業の一般的な「利益観」は以下の感じです。

〔利益=売上の増加×粗利益率の増加〕

売上が増加し、粗利益率(=〔売上―商品原価〕÷売上)が上がれ
ば、利益が出る。

自社のコストダウンは無視されることが多かった。革新勢力と言わ
れつづけた大手量販も、毎年、売り場面積当たりのコストを上げた。

【コストアップを、顧客負担に転嫁した】
1960年代の量販成長期は、15%の商品粗利率で利益を出すこ
とができた。しかし90年代以降は、必要粗利益率が27%以上、
30%余になっている。しかも、利益を出していない。自社のコス
トアップ分を売価に転嫁し、顧客に負担させたことになる。

こうしたなかで、粗利益率の上昇は、
(1)メーカーへの、仕入価格切下げ要求であり、
(2)店頭価格を維持すること、競争がなければ高くすることです。

なぜ、こういう経営姿勢になるのか?
小売りは地域商圏という閉鎖環境での競争産業です。
一方、製造は世界での、解放競争産業です。

わが国の小売りで優等生とされてきたイトー・ヨーカ堂も、同じ商
品の価格が、独占的なシェアの地域では高く、競争が激しいところ
では安くつけている。しかも、売り場運営コストは、他より高いの
です。

イトー・ヨーカ堂を代表に、小売り業は、安い商品を集荷する考え
はあったが、自分のコストを切り下げる方向には向かわなかった。
残念ではありますが、ヨーカ堂も、1990年までの「タンピン管
理」で技術進歩が終わった企業に見えますね。

今はアジア製品の参入による競争化で変わりましたが、80年代ま
での家電生産は日本が高品質で安かった。この日本製品が、国内の
店舗では高く、コンテナで1ヶ月もかかる米国の店舗では安かった。

それで、日本は流通コストが高いと言われたのです。

シンガポールから神戸へのコンテナ輸送料が、神戸から東京への輸
送料より安かった。これが、輸入組の機会を生んだのです。

▼流通コストが高かったから、ビジネスの機会が発生した

流通コスト(=数段階の卸の合計必要粗利高+小売り必要粗利高)
が高いなら、コストを切り下げるのが、ビジネスの機会になる。

印象的に言えば90%以上の小売りが、頭ではそう考えても、経営
の実行のスタンス(姿勢)では、それを機会とはみていない。

取引構造はそのままで、上流に「フルサービス」を求め、値引きを
要求した。フルサービスとは単品発注、短納期、上流での欠品レス
在庫、返品、売れ残りの交換、販促協力金、チラシ協力金、リベー
トというコストのカタマリです。

こうしたことを他に要求する最下流の自分の存在が、流通ハイコス
トを作っている元凶だと気付くことはなかった。それで、日本の物
価は高いと、メーカーや問屋に文句を言っていた。「天に向かって
つばを吐く」とはこのことです。

カジュアル・アパレルの価格体系を変えたユニクロは、山口県の零
細小売り業だった。ユニクロ現象で実証されたことは、最下流の小
売りが変われば、価格は大きく変わることでしょう? 今はもう、
ユニクロ価格も普通になりましたが。

(ユニセックスのカジュアルウエア、1900円のプライスライン
から約2年、日本の変化能力は早い。これは驚嘆すべきです)

〔利益=売上の増加×粗利益率の上昇〕の図式で、メーカーに仕入
れ原価の切り下げを要求し、小売り・卸の多くは、自らのコストダ
ウンは行わなかった。

――――――――――――――――――――――――――――――
■3.日本は、店舗面積が不足しているのではないか?

日本の小売り業は、競争が激しいと言います。本当にそうか?
(日米とも1997年。日本は商業統計、米国は商務省集計)

       【日本】      【米国】    

総売場面積 128百万平方米   500百万平方米
人口当たり  1平方米      2平方米
店舗数    141万店      156万店
総売上    148兆円      300兆円
1店売上    1億円       2億円
1平米当売上 100万円       60万円 

(1)人口当たり、米国の半分(1平米)の売り場面積です。
(2)店舗の1平米当たり売上で見れば、米国の1.7倍(100
万円)です。

米国に比較したとき、同じ面積で1.7倍も売れている。日本の店
舗は、売上高は大きい。人口当たりの売場面積は半分です。これだ
け売れても儲からず、店舗の70%が赤字ですから、「コストダウ
ン」が課題です。日本の小売り業の根本問題は、売上高不足の問題
ではない。

米国に比較すれば、人口当たり店舗面積は半分です。
少ない売場面積と、少ない商品の展示で、多く売れている。
顧客にとって、商品選択の幅も狭く、深さも浅い。

【根本戦略への着目】
根本戦略で言えば、新たにコストダウンして出店し、新しい作業体
系を作って、単位面積あたりの売上で約40%低い水準で採算をと
るべきなのです。等しくこの戦略をとったのが、90年代の成長店
です。

90年代で商業地の地価は70%から80%下落、郊外でも60%
〜70%は下げた。建築費も、同じ店舗面積で半分以下に下がった。

人的生産性(1人当たり粗利益)を業界平均の2倍にすれば、店舗
運営コストは半分になる。同じ粗利益率で、同じ単位面積当たり売
上なら、営業利益分配率(=営業利益高÷粗利益高)は50%にも
なる。こんなに利益の出る業界は、少ない。

これで出店が起こらないわけがないのです。90年代は、出店の自
由化の風潮もあって、もっとも売り場増加が激しかった。

以上がいま起こっている小売り競争の本質です。長期的に見たとき
現状のコストでは過半の店舗は、維持できないということです。日
々の運営努力のなかにあって、このことを基本戦略にすることです。

社員カットの安易なリストラではない。そうではなく、生産性をあ
げ、言い換えればサービスは充実し、価格は低下させる方向です。

――――――――――――――――――――――――――――――
■4.中国の、工場出荷価格40円のスリッパ

中国の工場から直接スリッパを仕入れれば、初心的に買っても、使
える品質のもので1足40円くらいで買えます。
30億人の自由世界への参入で価格体系は、激変しています。
1億人の日本経済が、世界の供給過剰を作った規模とは、スケール
が何倍も違う。この認識を深めることです。

業績を伸ばしている新興チェーン(ホームストア業態:A社としま
す)は、これを店頭価格128円で売っていた。

他の店舗(B社とします)では、売価220円でしょう。
百貨店並(C社とします)のコストなら340円くらいです。

A社マージン=128円−中国工場直接仕入40円=88円
B社マージン=220円−輸入卸経由仕入100円=120円
C社マージン=340円−(一次卸価格100円+二次卸マージン100円)
=140円

A社粗利益率=(128− 40)÷128=69%  売価128円
B社粗利益率=(220−100)÷220=55%  売価220円
C社粗利益率=(340−200)÷340=41%  売価340円

A社は多額の利益を出し、B社は赤字すれすれ、C社は赤字です。
なにが違うか? (1)仕入れ方法と、(2)在庫リスク負担、
(3)店舗運営の合計コストの仕組みが違う。

A社は、攻撃的な価格で128円の売価をつけ、顧客を増やす。
B社は、防衛のために、中国製品を取り扱った。
C社は、製品の源流(ソース)や工場出荷価格(価格の世界競争)、
コストダウンに関心がない。

【社会主義手法の価格】

〔仕入原価+必要コスト+必要利益→店頭売価〕

仕入原価に、必要コストと利益を上乗せるマークアップ
(Mark Up)手法。
これが、わが国の小売りの価格のつけ方でした。
(海外でも保守的な業界は同じです)

メーカーが強い業界では、
〔店頭売価―卸価格=系列店舗が維持できる粗利高+リベート調整〕

▼社会主義価格

これは、官僚的な国有企業価格です。(去年までの)NTT、現在
の電力会社、銀行、公共料金、電鉄、国内航空機と同じ考えでの価
格です。

01年11月のニューヨーク〜成田往復が、格安料金では5万円前
後です。大阪〜札幌は往復6万円以上。北海道が海外に観光客を取
られる理由ですね。

国内航空券が高いのには、鉄道コストの高さがある。旧運輸省の価
格指導は、「航空料金は鉄道料金を下回らない」でした。
航空業界は、これに前提に、経営のコスト構造を作り上げてきた。

【おばぁちゃんの疑問】
田舎のおばあちゃんが、言う。
「新幹線は3時間も乗せてくれて1万5千円なのに、飛行機は50
分しかしか乗せてくれないで1万5千円もとる」

こうした疑問に、どう答えるか? 時間があり、景色を見ながら道
中を楽しめば(旅の本質)、おばあちゃんの発想になる。

「おばあちゃん、今は、摩天楼のニューヨークまで15時間も乗せ
てくれ、食事は3回もお嬢さんがサービスし、ジュースはタダで格
安航空券なら片道が2万5千円ですよ。」
なんとまぁ・・・もう少し若かったらねぇ・・・と答えるでしょう
か。
15時間は、おばあちゃんには長過ぎますね(笑)

【価格デフレということ】
以上が、価格デフレといわれるものの、構造です。世界は、距離差
も、情報差もなくなった。世界で一番、土地も物価も高かった国の
価格が修正されるのは、自然の理です。

しかし以上を知ることと、実行することには、次元の違いがある。
だれでも、説明されれば、理解はします。

【次元の違い】
ところが、
(1)在庫のリスクテークが必要な、中国工場からの直接大量購買、
そのリスクをどんな方法で避けるか、
(2)更に1歩進んで、工場への「3ヶ月先数量予約をする」こと
に、挑戦できるシステムを作ることとは、次元が違います。

小売り業・流通業が、製造業の思考方法であるコストダウンに取り
組むかどうか、岐路はそこです。

競争売価(または攻撃売価)→<(価格の最適ソース)+(発注方
法)+(在庫方法)+(店舗での商品展開方法)+(在庫処分方法
)>へ向かうことです。

方法は、コンサルタントに能力があれば、教えることができます。
その前に大切なことは、トップの姿勢です。
店舗の日々の運営と、店舗の長期戦略を混同しないことです。

▼他の例

総合商社の栽培指導で、中国野菜を仕入れ、格安で売ることができ
るようになった。多くの食品スーパーでは、安い中国野菜がたくさ
ん入ると困ると考えた。

世帯の野菜の消費量には限界があるので「顧客単価」が下がるから
です。現在の店舗のコスト構造と顧客数では、中国野菜は、競争を
横目でにらみ、お互いに一定量に留める作用が働く。

こうした「お互いの防衛」の姿勢でいいのか?
横目でお互いを見た協調的競争では、ある日「価格異端児」が現れ
市場を席捲する。ユニクロのように、ね。

業界常識や慣行は、「価格異端児」に参入の機会を与える。
97年から表面化した小売りの激変は、価格変化をせきとめていた
業界が招いたと言えるのです。

――――――――――――――――――――――――――――――
■5.10ヶ月後の今振りかえれば

昨年の10月、政府の受託開発システムの納品を済ました後、メー
ル・マガジンという「マイナーなメディア」を選択しました。

紙の書物や雑誌メディアは、今後10倍になることはない。メール
マガジンは、10倍になる可能性がある。しかも読者に近い。それ
が理由でした。

可能性があることには、リスクが含まれます。走りながら考えよう
と決めました。決めたら実行することです。

企画書は必要です。後で見なおすと予想と結果の違いで発見があり
ます。約3ヶ月後に経験を加え、結果を反省、修正する。

毎回のマガジンは、実際は、ぎりぎりのところで書いています。
有料か無料かは、書く行為にとって、無関係です。軽く書くことは
実は難しい。それができるのは、名人の域です。

将来は不明な点が多くあります。しかし将来はだれかの決断と意志
と行動が作る。将来が、降ってくるわけではない。

マガジンのなかで将来の経済事象を断定的に申し上げることがあり
ます。なぜ断定できるのか?と問われることがあります。

時に断定的に申しあげる理由は「将来は人間が作る。変化を主導す
る会社の、長期経営計画書の方向を見れば、かなりの確度で将来は
確定している」と考えるからです。利益計画と投資の方向をみれば
わかる。

将来経済は、計画され実行される投資以上にも以下にもなることは
ありません。

▼雑感

【あるメール】
6月ころだったでしょうか、大阪にお住まいの読者の方から、「ビ
ジネス知識源は、読者にインパクトを与えている。それによって、
考え方のみならず、行動すら変わってきている」とのメールをいた
だいたことがあります。

同じ趣旨のメールは、他の方からも、いただいていました。
「今の仕事を辞め、コンサルタントを目指す」とのメールが4、5
人の方から届いています。

この「数人」の意味は? CRMではクレームを言うのは4%との
調査があります。他の96%は黙っている。もちろんメールはクレ
ームではありませんが、同じ反応率が推計されます。そうすると、
(4名〜5名)×(96÷4)=96名〜120名が推計されるので
す。

コンサルタントは経験で申し上げれば、困難な仕事です。
サラリーマンは、可能なら、やめないほうが安全ですよ(笑)

▼理想化がありますが・・・

以下、私ができていないことを、理想的に申し上げます。

約3ヶ月単位でのかなり大幅な知識更新と、12ヶ月単位での自己
更新が必要です。いい面もあります。アウトプットの必要があるの
で、インプットを迫られる。そして次のアウトプットへ向かう。ま
たインプット。この繰り返しです。

アウトプットするほど、インプットされるものが増えるのが内感で
す。インプットが増えるから、アウトプットが増えるのではないで
すね。アウトプットでの、引っ張り型の感じです。

「原理や原則」ができあがったと感じる時があります。過去の無意
識の知識や経験が、整理される感じになる。知識が、映像化されま
す。それがあると、半年位は豊穣な時になる。

経験のない業界や、企業規模の大小にかかわらず、「筋」のような
ものが見えてくる感じがします。筋のようなものを、文章やレジュ
メの形式に表現すると、形をもった対象物になる。書いてしまうと
自分にとっては「過去」です。それを使い、講演や指導を行う。

そして、乗り越えの作用が起こる。また次に向かう。
以上は、私の「内感」を素直に申し上げています。

3年単位で、波の乗り越えが必要です。
企業経営と同じです。存分に、アウトプットすることです。

思っているだけ、インプットだけでは、価値を生まない。

――――――――――――――――――――――――――――――
■6.<ビジネス知識源プレミアム>のご報告

有料版の<ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊を超
える情報価値をe-Mailで>は、9月6日時点で、781名の方から申し
込みをいただいています。ありがとうございます。
(1日で20名〜50名くらいの範囲での増加があります)

8月時点での私の予想は、01年9月末で1000名でしたから予想を
上回っています。インターネット情報の有料化は、簡単ではありま
せん。例えば、新聞社のデータベースでは、アクセス数の約1%が
、有料会員というのが水準です。「相当いい線である」というのが
私の素直な感想です。(申し込みのインターフェースが障害になる)

(1)9月4日の創刊直前の、9月1日と2日は<まぐまぐ>のシ
ステム不調で、会員登録が不能だったとの連絡を受けました。(今
は回復)ご迷惑を、おかけしましたね。

(2)ジャパン・ネットバンクは、口座開設の書類郵送に、2週間
を要したようです。あわせてお詫びします。

(3)海外在住の方は、郵便番号欄に000-0000等を適当に入れ、ア
ルファベットの住所を「全角文字」でお願いしますとのことです。
住所入力が半角では、エラーになるようです。

(4)9月4日早朝に、創刊号の配信を済ませました。有料版だか
ら、本無料版より価値が高いかどうか、判断しかねます。無料版も
有料版も、書くエネルギーは同じです。両方とも私にとって同じ比
重です。有料版は、経営指導的な色彩を強くしています。

(4)9月の数回は、<CRMシリーズ:CRM経営の本質を解く>
です。

毎週火曜日の発行で、次回は9月11日(明日)です。以下にサンプル
版を公開しています。
1度ご覧の上↓、ご希望ならお申し込み下さい。月額600円です。

http://premium.mag2.com/j/011/0002.htm

どうも、自己宣伝は苦手です。でも、案内は載せていますね。この
矛盾のハザマに、現実があります。(笑)

――――――――――――――――――――――――――――――
■7.米国:先端流通業現地セミナーの進行状況

期日は、ロスアンジェルス時間で<11月7日(火曜日)から10
日(土曜日)の4日間>の予定にしようと考えています。(メール
マガジンの読者の方のソフト・ウエア会社で、約15名の申し込み
が、すでに決まりました)

(1)定員は大型バスに余裕をもって乗れる40名くらいになりま
す。
(2)期日:11月7日〜10日の4日間、吉田繁治が同行します。
(3)集合方式は併用
 ・現地集合方式
  (国際空港から30分のトーランス地区のホテルに集合)
 ・JTBとの連携による、成田からのパックツアー形式
  この両方を、併用しようと思っています。
  ※9月11日にJTBと打ち合わせ予定です。

(4)内容予定(現地期日)
11月7日:トーランス地区のホテル(ヒルトンかマリオット)で
      のガイダンスと、米国流通業セミナー

主旨:店舗見学の要点と、米国流通業の解説
   基礎から先端競争部分まで、物流システム、SCM、
   CRM、店舗システム、セグメント・商品戦略等を含む。

11月8日〜10日の3日間:
   午前10時から午後6時まで、8時間のバスツアーでの店舗
   視察、及び移動中の車中での解説(各日3〜4時間くらい)

視察:25兆円小売り業ウォルマート、Kマート、ターゲット
   ファッション専門店、Limitedグループ、Gapグループ
   パワーセンター、ショッピングセンター、ファッションモー
   ル、住関連の店舗、ベッド・バス&ビヨンド、ホーム・デポ
   百貨店、Expo、食品スーパー(日常型・グルメ型・専門
   型)ドラッグ・ストア等(行程で多少の変更あり)

店舗を視察する前にポイントを解説し、見た後に店舗の商品戦略、
ITシステム、物流、店舗管理、カスタマー・フォーカス等を解説。
米国の店舗、ショッピングセンターは明確なカスタマー・フォー
カスをもっていないと存在できません。

(吉田は、渡米歴が80回くらいです)

11月10日の最終日夕刻から、参加者の夕食会を行う予定です。

(5)参加費用
  ・バス費用を含め、現地集合方式の4日間で8万円くらいにな
   るでしょう。
  ・JTBを使ったパックツアー形式での参加費用は詳細が未定
   です。

(6)詳細が決定次第、臨時号で案内をします。
  (定員約40名の、先着順受付けです)

▼ある読者の方からのメール(原文のまま)

いつも楽しく拝見しております。メルマガの内容を印刷し、行き帰
りの電車の中で読みふけっています。(隣席の人の視線を感じたこ
とも何回かあります。)自分の頭の中が、鋭い切り口で整理されて
いくのを実感しています。本当に感謝しております。

11月にロスで開催される「先端流通業研修」の件、参加したい気
持ちはあるのですが、現実には出来ません。
他の方からも同様の要望があると思いますが、参加したくても出来
ない人の為に何らかの対策を講じて頂けないでしょうか?

(1)講義内容(概要)をレジュメで公開する。
(2)現地でビデオを撮影し、ウェブサイト上から見れるようにする。
 (ほんの数分でも構いません。ビジュアル的に発想したい。)
(3)メルマガで研修内容を配信する。

本当に参加したいのです。宜しくお願いします。
   (以上、無断で掲載したことをお許し下さい:吉田)

なんらかの、セミナーでも行ったほうが、いいようですね。
今回は、ここで。

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【アンケート項目】
(1)内容は、興味が持てるか持てないか?
(2)内容は、理解が進んだか?
(3)疑問点は?
(4)ご意見は?・・・等ご自由に、<ひとことメール>で
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▼著者へのひとことメール
yoshida@cool-knowledge.com
※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
あなたと、会社の、知識とスキルのブラッシュアップを。

▼<ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊分を超える
情報価値をe-Mailで>のサンプル閲覧と申し込み
http://premium.mag2.com/j/011/0001.htm

▼クールナレッジ掲示板(BBS)で投稿
http://cgi.members.interq.or.jp/venus/yoshida/BBS/light.cgi

▼WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加等を加え掲載
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