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- 最新号:2008-09-20
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- 創刊日:2000-10-23
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0716ビジネス知識源:不良債権問題の根底を解く(4)
発行日: 2001/7/15※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
<<あなたと、チームの、知識とスキルのブラッシュアップを>>
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2001年7月16日(Vol.59):金融・経済・経営分野
<この国の不良債権問題の根底を解く(4)>
ビジネス知識源:良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に
(読者数:12,574名)
Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治
著者へのひとことメール⇒ yoshida@cool-knowledge.com
申込・解除・バックナンバー http://www.cool-knowledge.com
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こんにちは、吉田繁治です。地面が沸騰したような、暑い日。国内
は<構造改革!>の連呼です。
西欧と米国では、7〜8月は夏期休暇をとる人が多い。休暇を目的
に仕事をする面がある。ドイツでは社員が上司に<明日から休暇を
とります!>と言えば、無条件に優先される。「休暇」は神の単語
のようです。
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<Vol.59 この国の不良債権問題の根底を解く(4)>
1.夏という、国際金融の転換の季節
2.小泉内閣の今後を予測する
3.<中国−台湾問題>という波乱要因
4.加速度原理(経済学的説明)の理解
5.中国が、ソ連崩壊後も共産党独裁を続けることができた理由と
今後の、世界経済の停滞の影響
6.日本の企業の根本問題
7.インフレ期待の妄想
8.10年間のケインズ政策と増えた職業
9.今、財務省は何を考えているか
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■1.夏という国際金融の転換の季節
米国の8月は、お店は一勢にBack to School(いよいよ新学期、学
校へ戻ろう)のクリアランス・セール。企業も夏の休暇に、前年を反
省し、新年度で新しい戦略の開始。ファンドマネジャーも新しいポ
ートフォリオ(投資ミックス)でマネー運用を始める。
9月からは、毎年、国際金融で大変化が起こる。株式マーケットは
経済に6ヶ月くらい先行します。日・米・欧・中国・アジア・中
南米の株価の動きを、相互比較の視点で大きく見ると、半年〜1年
後の実物経済がわかる。
【波乱の始まりのキーは?】
今年の8月から9月は、波乱の開始。米国の実物経済、すなわち、
GDPの伸び率が、現代世界経済のキーですね。米国は、世界の生
産物とマネーの吸収装置です。そこから発信されるのは悪い情報の
み。
金融も企業業績も、月次の1〜3ポイントの伸び、または縮小が鍵で
す。わずかな違いが大きな差を生む。理由を示します。
▼株式投資が見る未来(重要)
月次の企業業績の伸びを24ヶ月に延長してみます。複利計算です。
例えば、インターネット企業の業績では、以下のようになる。
月次で 3%の伸び:1.03の24乗=2年後に2倍
7%の伸び:1.07の24乗= 5倍
10%の伸び:1.10の24乗= 10倍
S字カーブ(複利)を延長すれば差は巨大。投資マーケットは、S
字カーブを見る。「未来の企業収益の、想定金利による割引率での
現在化=企業価値の時価」が投資の方法です。
現在の世界経済の悪化は、17ヶ月前、昨年4月からの、ナスダッ
ク株の崩落が起点です。これが日本、西欧、東南アジア、中国の、
最初は株価に、数ヶ月後は、生産に波及した。
【現在の経済情勢の起点は?】
更にその起点は、99年までは好調だった米国IT関連企業の業績
の伸びの低下。更に遡れば、99年の米国でのパソコン売上の伸び
の低下、家庭普及の飽和。単純な原因です。モノとしてのパソコン
が、世界経済の希望の光だった。
【ナスダック株下落の意味】
IT・インターネット関連企業の2年後の企業業績は、5倍ではな
く2倍に下方修正。それでナスダック株は、60%から80%も下
落した。投資家は、月次の3%の差に、2.5倍の違いを見た。
現代金融は、未来業績を現在化する方法が組みこまれた確率とシミ
ュレーションの世界です。毎月の1%、2%の伸びや低下が、それを
累乗する未来から見れば、莫大な差になる。そうして、株価のボラ
ティリティ(変動幅)は拡大した。
▼未来の圧縮された現在化(重要)
(1)この変化は、継続する変化か、(2)一時的な変動か、(3)
予測される外生的な要因はなにか、が3大変数です。
このシミュレーションで、光線を一点に集める凸レンズのように、
未来が現在に投影され、熱くなり、現在を焼く。
それが株価・債権価格・金利変動の金融市場です。毎年、凸レンズ
のサイズは大きくなった。参加プレーヤーは増え、投機に集まるペ
ーパーマネーはインフレ的に肥大。実物経済のインフレではない。
マネーの投機の世界は、実に、ハイパーインフレです。
人々が夢に見たタイムマシンはどこにもない。しかしマネー投機の
世界には、コンピュータの内部に人々の予測を集めたフォルムで、
未来の現在化がある。金融では人間の予測が、実体経済以上に、変
動を自己強化する。これが、有名な<カオス理論>です。
長期で見れば、いずれ破綻する。長期とはいつか? 誰もわからな
い。断言できるのは、1度は破綻するということです。S字カーブ
の原理的な必然です。現代経済は、予測の自己強化を含む。あのジ
ョージ・ソロスは、自身が投機家であり、『グローバル資本主義の
危機(99年)』で警告している。
――――――――――――――――――――――――――――――
■2.小泉内閣の今後を予測する
内閣支持率が80%以上という前代未聞の環境で、選挙が始まりま
した。みんなが一様に改革の連呼です。見るべきは、選挙後の展開
はどうなるか?そのためには、今の政治的な戦いが、なんであるか
を見なければならない。
▼戦いの中味は?
<旧田中派−竹下経世会−現橋本派(家老が野中・青木)>と、<
現首相小泉−幹事長山崎−加藤ライン>の抗争です。公共投資を武
器にしてきた族議員(橋本派)と、サプライサイド経済学の構造改
革派(小泉首相)の宗教戦争と言ってよい。
小泉人気で、参議院議員を増やすのは橋本派です。しかし結束は固
くない。衆議員の小選挙区制は、派閥の縛りを無化した。当選回数
での年功序列の派閥は溶解し、政治家は、世代交替へ向かう。
▼参議院選挙が終わったあとは・・・?
始まる前に、終わったあとを言う、悪い癖ですね(笑)
(1)経済の悪化は、更に、深刻な様相を呈する。
(2)小泉政権は、国民の人気で当分は続く。
(3)小泉政権は、景気対策で補正予算を組む。
(4)失業対策の、セフティ・ネットが目玉になる。
(5)60余の特殊法人の整理、再編成が始まる。
(6)経済の、最悪の事態は、なんとか回避できる。
▼米国経済は更に悪化
米国経済は更に悪化の様相を見せます。ナスダック株の下落は、個
人の家計、401Kの年金ファンドを直撃する構造がある。90年
代末の消費景気は、株高での資産効果だった。
50%の米国世帯は99年まで持ち株の価格が上がり、預金の増加
をマイナスにして消費を増やし、買物した。今度は、それが逆にな
る。
【金融資産構成の違い】
日本人の個人金融資産の55%は、現預金(00年末:日銀)です。
債権・株・投資信託は、13%です。世帯には、株下落は直接の
影響はない。銀行と生命保険の比重が高い。
一方、米国の個人金融資産の55%は、債権・株・投資信託(00
年末:日銀)です。日本で、仮に世帯の500万円の銀行預金が1
年で250万円になったら、どうなるでしょう? パニックがおこ
る。
90年代後期は、米国の消費が世界経済を引っ張った。発電装置が
ナスダックの株。今はインターネット関連企業は300社が潰れた。
米国の消費者が、悲観色に染まるのはいつか? これが、秋以降の
世界経済を決める。この構造は誰でも予測できる。となると、<今
年の7月末から8月のブッシュ政権の世界戦略>がキーになる。
沼地が多いフロリダ州の僅差で大統領になったブッシュは、政権維
持のためには、国民の人気を高揚させる必要がある。減税は実行し
金利は、今年で6回も下げた。なお、株価は戻らない。
<予想される世帯の金融資産不安、消費の減退>、米国経済の危機
のとき、ブッシュの米国共和党が伝統的にとった戦略はなにか・・
・です。米国が最も強い部分を押し出す。危機が予想されるときの
政策は、伝統帰りするという原理がある。(焦点はアラブと中国で
す)
8月は、そうした時期です。大きな分岐点になる。
国内政治に戻します。
▼構造改革の対象・手順をめぐる政界再編成
参議院での自民党の大勝を受け、政局は流動化します。構造改革の
総論には反対しない。方法での争いがある。急進的改革派と、漸進
的改革派に分かれるでしょう。
具体論が出たとき、橋本派との抗争が強くなる。今の自民党は容易
に割れます。橋本派が最も怖いのは?
<小泉−石原>の急進派新党です。全国区に出た桝添も加担します。
黒幕は中曽根です。かなりの大群になる。小泉抜きの自民党では自
分の当選挙が危うい。
自民党の大半、民主党の大半が集まる可能性がある。大都市を基盤
にする<急進的な構造改革新党>です。
形を保つのは組織を持つ公明党と共産党のみ。あとの政党は、昨日
の主張を今日は180度変える、離合集散。
橋本派は若い世代の脱藩が起こる。残党は地方を基盤にする<漸進
的な改革派>に集結する。支持基盤は、政府予算カットの具体論で
不利益を受けるであろう人です。1億人の有権者で、3600万人
です。
不良債権処理に関しての、最新世論調査(朝日:07.10)
・失業が増えても不良債権処理に賛成 59%
・失業が増えるなら不良債権処理に反対 36%
・態度不明 18%
不良債権処理が失業の増加を招くのは必然。小泉首相個人には80
%以上が支持を表明していますが、36%は具体論の不良債権処理
に反対している。具体論では、国論の2分です。
政治的対決の争点は、はっきりしていますね。
これに、日本海を隔てた中国−台湾問題が、深く絡みます。
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■3.<中国−台湾問題>という外生的な波乱要因
現在の世界経済と国際政治の焦点は、中国問題です。1994年か
らの日本の消費者価格低下も、原因は中国の<生産力−輸出力>に
よるものですね。
▼中国が商品供給基地になって、根底が変わった店舗競争
日本の製造と小売りに1994年以降、中国が及ぼした影響は、大
きなものがある。94年は消費者物価が下落に入った年です。
日本の小売・流通の経営では、中国の工場からの直接輸入、具体的
には<3ヶ月先の数量予約発注をして、売れ残りが何%か>、ここ
が分岐点になった。
ユニクロ、100円ショップの大創、ドンキホーテ。これらは、1
994年からの台頭です。伸びた会社でも、輸入商品の売れ残りを
作ったとこから、次々に脱落しますね。
経営技術と競争の内容は、単純です。
「3ヶ月先の数量予約発注での、売れ残りの量の多さと少なさ」
1993年くらいまでは、工場と店舗の間に<販社・問屋・卸とい
う、在庫リスクの吸収装置>があった。それを使えば、店頭価格競
争に負ける。競争は、(1)数量予約の精度、(2)大量入荷を売り
切る店舗網、(3)店頭品揃え維持方法、(4)販売方法になった。
▼中国という、外生的な波乱要因
台湾(2200万人)が豊かな国で、中国(13億人)が貧しい国
という現在の構図で、中国共産党の独裁が続けられるか?
ここが、<中国−台湾問題>の焦点です。
米国経済が好調だった90年代末までは、中国の生産物をアメリカ
人が大量に、毎年、増加購入した。2001年の米国消費の変調は
モロに中国を直撃します。
中国の工場は、輸出工場です。経済は、輸出での成長です。
ここで加速度原理を説明します。これで、経済指標が分かる。
加速度原理が理解できると、無味乾燥な経済数字が生き物のように
分かるようになる。
――――――――――――――――――――――――――――――
■4.加速度原理(経済学的説明:重要)の理解
店舗売上のわずかな変動、つまり消費変動が、上流の工場では大き
な変動になる<加速度原理:または逆加速度原理>を説明します。
加速度原理は、ハヤリのSCM(サプライチェーン・マネジメント)
で言う<ブル・ウイップ効果>です。つまり、牛を叩くムチ。ム
チの先端の動きは、手の動きに遅れて拡大します。店舗の売上の増
減が、上流の生産を何倍も変動させる、タイムラグのある波及効果
のことです。
ハヤリのSCMを導入するところが、加速度原理までを分かってい
るとは言えません・・・分かると、目が醒めます(笑)
▼加速度原理とは何か?
店舗の売上の減少、または増加が、上流の生産にどう波及するかと
いうこと。店舗での売上が10%減れば<長期では>工場の生産も
10%減る。生産も10%減で均衡するというのが常識ですが・・
<短期>では経済学が解明している<加速度原理、または逆加速度
原理>が働く。まず、店舗での10%の売上の減少は、店舗の発注
数をどう変えるか?次に、生産にどう波及するか?これが在庫循環
と言われる、現代経済学の、経済予測のキー概念なのです。
【ケーススタディ:分かりやすく単純化します】
(1:前提)店舗に100個の在庫があるとします。これが年間で
は600個売れてきたとします。(店頭在庫6回転)
(2:発注)店舗在庫の6回転の適正値の維持での月間発注数は、
売上数と同じの100個です。
(3:工場)工場は月間100個の受注を見こみ、3ヶ月先までの
総計300個の生産計画を立てていた。
ところが店舗の売上で10%、つまり月10個が減るとどうなるか。
店舗の適正在庫は100個が90個になる。店舗は10個分、在
庫を少なくします。これが、以下にモデル化するような、上流での
逆加速度を生むのです。
【発注と生産の変化】
<店舗の発注>
(1:発注数減)店舗の当月発注数は、{100−10(在庫処分)
−10(売上減少分)}=80個になる。
(2:3ヶ月)翌月と翌々月の発注は、売上90個に対応して90
個になる。3ヶ月合計での発注数は、80+90+90=260個
で、従来の300個より40個減る。
<工場の生産と売れ残り在庫>
(3:生産)ところが工場の3ヶ月生産計画は300個。工場はす
ぐには生産を減らせない。
(4:40個)その結果、300個(3ヶ月生産)−260個(3
ヶ月受注)=40個が余る。
(3:4ヶ月目)そこで、工場では4ヶ月目の生産を、100個−
在庫分40個=60個に減らすことになる。
店舗の10%の売上減少が、4ヶ月目には上流の工場生産を40%
つまり、4倍も減らす。これが<加速度原理>です。
原因は、店舗の販売と、生産計画が<同期化:シンクロナイズ>し
ていないためです。要は、リードタイム問題。
(注)SCM(サプライチェーン・マネジメント)とは?
加速度原理で、店舗のリアルタイム売上情報をメーカーが取得して
生産までのリードタイムを短縮することの利益効果がわかります。
SCMが狙う、リアルタイム情報共有化の効果です。私のミッシ
ョンの1項目・・・
▼米国の消費とアジアの関係
米国の消費と、中国の素朴な量産工場の間には、こうした加速度原
理、または、逆加速度原理が働く。米国での売上の10%の低下は
4ヶ月後に中国、タイ、マレーシア、台湾、韓国の40%の工場
生産を減らす。
【中国の2桁成長の原動力は米国と日本】
中国は輸出国。米国での消費ブームで、過去は10%を超える経済
成長があった。米国で3%ずつ消費が伸びると、加速度を生んで、
中国の工場では12%の生産量の伸びになった。日本からの輸入増
加も加わった。これが、中国GDPの二桁成長の原因だった。
【米国の変調の意味】
世界人口の4.5%で世界の商品の30%を消費する米国経済が、
停滞すると予測されればどうなるか・・・店舗は、まず店舗の在庫
を減らす。倒産と閉店が増え、出店も少なくなる。つまり、米国の
商品総在庫は大幅に減る。
既存店の在庫と発注が減るだけではない。閉店が増え、新規の出店
は減少する。これは米国から外国への発注数が、短期では激減する
ことを意味します。
加速度原理を知れば、容易に予測できますね。西欧も消費減退に入
った。日本は不良債権処理で2年〜3年は、痛みを味わうという。
生産国である中国、東南アジア、台湾、韓国は、4倍の激烈な経済
停滞になる。当然、輸出大国でもある日本も含まれます。
【世界経済の相互依存の構造】
<ナスダック株の下落と停滞→米国の個人金融資産の減少→家計消
費の引き締め→米国店舗の売上低下→4倍の逆加速度原理でのアジ
アで減産の嵐→失業と乱売> これが現在のモデルです。
世界経済は、コントロールの効かない恐竜のようなものです。
中国で経済の波乱が起こると、一体どうなるのか?
中国が共産党独裁を続けることができている理由を示します。その
理由がなくなると、中国は政体が変わる。多くの人が、それを知ら
ない。大きな外生変数です。
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■5.中国が共産党独裁を続けることができた理由と、今後の経済
停滞の影響
ソ連の崩壊は、中国にも政体の崩壊をもたらすと思われた。
中国では、共産党体制は崩壊しなかった。理由はなにか?
▼一国ニ制度
経済特区を作り、輸出での経済発展を行ったからです。これで大陸
は希望をもった。10倍は豊かな台湾に、二桁成長で追いつけると
いう希望です。中国は、社会主義と市場経済の一国二制度を敷き、
共産党体制を続けることができている。
▼中国は軍事政権
米国の消費低下から、逆加速度原理で、中国の工場が急な停滞に入
るとどうなるか?共産党体制に危機が来る。
中国は、冷戦後も軍事費を増強しています。2000年も17%の
軍事費の増加で、170万人の軍人と、戦闘機3600機を抱える
軍人の国です(中国海軍は弱い)世界は、軍縮には向かっていない。
中国では、モスグリーンの軍服は、庶民のエリートの象徴。軍人は
目が輝き、国防は聖なる仕事とされる。
比較すれば、台湾は軍人24万人:戦闘機620機。韓国が56万
人:610機。日本の自衛隊30万人:戦闘機490機。在日米軍
2万人:戦闘機130機(2001年防衛白書)
▼危機の演出の予測
この先、中国経済の急な停滞・失業が明白になると、国をまとめる
目的で、中国共産党は、国際的な危機の演出を行う。大規模な戦争
にまで至ることはないでしょう。WTOと北京オリンピックもある
し。
経済にガタが来ると、江沢民の中国共産党はもたない。危機の演出
は台湾問題です。平和ボケと世界戦略音痴の日本と、リアル・ポリ
ティクスの世界は画然と違う。アジアは冷戦が終わってない。
次に、日本企業の構造改革の根底を見ます。
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■6.日本の企業の根本問題
上場企業3000社、法人数253万社(99年:国税庁:個人企
業を除く)の、共通の構造問題とはなにか? 銀行借金の過剰によ
る、総資本(=総資産)過多です。何に対して過多か? 利益に対
して、使っている総資本が大き過ぎるのです。つまり資本の非効率。
(注)総資本とは、(資本金+利益の留保である)自己資本とは違
います。貸借対照表上の、短期・長期の負債を含む総資本です。日
本企業はROE(自己資本に対する利益率)は意識した。しかし、
世界的にはROA(総資産に対する利益率)が問題。
▼経済成長率
1980年代までの、企業の資本調達は、上場企業の一部を除いて
土地担保による銀行借り入れでした。まず、GDPの平均成長率
(実質)を見てみます。
1970年〜79年 年平均成長率5.0%で1.6倍へ
1980年〜89年 3.9%で1.5倍へ
1990年〜99年 1.7%で1.2倍へ
2000年 0.9%・・・・・・
ここ30年、GDP成長率は見事に縮小しています。全体経済の成
長率が縮小したのに、ここで、国民の銀行預金が増え続けるとどう
なるか。銀行は、企業に貸さなければ、金利が稼げないのです。
▼企業の債務残高
1970年を100とした時、30年で以下のようになっている。
1970年 2000年
名目GDP 100 → 700( 7倍:年平均6.7%)
企業の債務 100 →1200(12倍:年平均8.6%)
(データは日銀集計)
これは何を意味するか? 企業の平均売上高(正確には粗利益高)
は30年で7倍になったが、債務(借金)は12倍になったという
ことです。
日本企業の2001年現在の借金は、総平均で12÷7=1.7倍
多い。ここが、総資本(=総資産)の過剰という問題です。
企業の債務は、1986年から1993年の6年間に、収益とのバ
ランスを崩して増加した。その結果、公定歩合0.25%という人
類史上最低金利でも利益がでなくなった。企業の70%が、赤字利
益の申告(2000年:国税庁集計)です。
▼全体イメージの映像化
以上の全体をイメージ化します。以下が、日本の企業の平均値です。
(注)平均値とは、財務の悪い企業グループ(30%)の最良、良
い企業グループ(30%)の最悪です。この平均値の性格を覚えて
おくと数字が読めますね。
(1)1986年まで
仮想の<日本平均株式会社>では、売上100億円で、銀行借り入
れが50億円だった。利益も出ていた。土地の含み資産もあった。
(2)1986年から1993年の7年間
売上はバブル経済で、7年で50億円増え150億円(1.5倍)
になった。借り入れはそれ以上に増やし、85億円(1.7倍)に
なった。
(3)1994年から2001年
・売上は94年から激化した単価下落で、7年間も伸びてない。
・債務は、利払いだけをして、借り換えで85億円がそのまま残っ
た。
・経費はギリギリに減らし人員も10%はカットした。しかし、経
営は赤字である。社内過剰雇用が20%はある。
・担保余力はないどころか、不足している。銀行は債務の返済を迫
る。保有土地は、過去の30%くらいの評価になった。
(4)2001年から2002年で
債務を、緊急に10億円、できれば20億円減らし、今の100億
円の売上を維持しなければならない。これができるか。資産を売っ
ても二束三文。
緊急には10億円分の無駄な資産、赤字の資産の処分が必要である
。
今後、わずかでも金利が上がれば、赤字は深刻化し、運転資金融資
がないと倒産の危機が迫ることになることが必然。
以上が、仮想の<平均株式会社>の債務リストラです。日本全体の
70%を占める赤字経営会社に、必要になってきたのです。
このうち、30%は、倒産予備軍に分類されている。
【大切なこと】
不良債権処理は、不良資産、過剰雇用の処分を行わなければならな
い必然であるということです。政権や政府の政策がなんであるかに
かかわらず、行う必要がある。この認識が必要です。
――――――――――――――――――――――――――――――
■7.インフレ期待の妄想
借金を抱える企業には、インフレ期待があります。インフレが起こ
れば、債務は軽くなり、財務は改善される。
果たしてそうか・・・それ以上のことでは、皆が判断停止。
ここを見ます。
【1973年のことだった】
日本でインフレが起こったのは、28年前、73年の第1次石油シ
ョック。物価は1年で30%以上も上がり、賃金も同じ率上がった。
そうしたことが、また起こり得るか?
当時と今は、根本の事情が違います。
(1)30年前は、平均年齢は若く、需要超過のモノ不足経済。
(2)消費財のほぼ全部は、日本で作られていた。
(3)1000万人の、団塊の世代の核家族化で、世帯数は急増、
住宅は不足だった。
(4)国際的な、マネーの移動は制限されていた。
この4つで国内需要超過のインフレが起こった。
ところが、今はこの4つの要素の全部が、逆方向ですね。
日銀によるマネーの増発の方法は(1)日銀による国債引き受け、
(2)日銀の債権市場からの膨大な買いオペレーション(債権を買
って現金を増やす)です。これをやると、市中マネーは増えます。
インフレに向かうか? 何が予測されるか?
▼仮定の日銀のマネー増発による、インフレの内容とは
(1)株式市場は活況を呈する。
平均株価は上げる。個人金融資産が、インフレでは目減りするから
郵貯・銀行預金の解約が、株と投資信託に向かう。
外為では円売りで、円安になる。20%の日本株をもつ海外投資家
は、円安では$ベースの値下がりで、売りに走る。それを、個人が
買う形になる。個人の買いの勢いと、海外投資家の売りの勢いの勝
負。
銀行は預金流失で、資金枯渇を強める。これは銀行が見境なく、貸
出しの回収に走ることを示す。弱体銀行の倒産も増えます。高齢者
が多い郵貯は安全を求め、残高を維持する。
(2)消費財では2つに分かれる。
価格を上げても売れる商品、価格を上げると売れなくなる商品。こ
こで、企業選別になる。価格を上げられるかどうかは、価格を30
%以上げても、消費者が欲するかどうかです。中国の過剰在庫が、
大量流入します。
日本人の現在需要は、28年前のような必需財需要ではない。買わ
なくても済むものが多い。消費の50%は節約すればいらない選択
財の需要です。ガソリン並の価格のミネラル・ウォータ(水質の悪
い欧州では必需)でなく、水道でいい(笑)
日本人の消費内容は、ロシア、中南米とは違う。米国とすら違う。
米国では人口の50%は必需部分が不足な困窮者です。
(3)平均賃金は上昇しない。
企業は今、20%の過剰雇用を抱えている。今後、失業者も増える
。失業は高齢者が多い。労働市場は買い手市場。買い手市場では、
平均賃金は上がらない。雇用があっても、パート的雇用。
一方で電力、ガス、公共料金、私鉄、JR等の独占企業の料金は、
円安で原油輸入価格が上がるから、上げる。生活は、欲しいものは
物価上昇、ライフ・ラインで必需なものは料金値上げで、平均的生
活は苦しくなり消費は伸びない。
28年前のような労働市場とは、根底が違うのです。
(4)地価は上がるか。
全体には上がらない。高齢化での農業の崩壊、公共投資の減少、財
政破綻の地方自治体の土地放出、企業の不要土地の放出で、供給が
急に増えるからです。都心部等の21世紀オフィスが集中する部分
では上がります。
以上のように、現代インフレは<企業選別を加速度化>するのです。
1973年と違って、今の市中マネーの増加は、全体需要の増加
ではない。つまり、インフレは問題の解決にはならない。
――――――――――――――――――――――――――――――
■8.10年間のケインズ政策と増えた職業
90年代の、<民間投資の減少+個人消費の減退>に対して、政府
がとったのは<政府需要(公共投資)を際限なく増やすケインズ政
策>です。
▼ケインズ政策学における重大な見落とし
ケインズ経済学について、皆が見落としていた2項目がある。
(1)ケインズの有効需要政策が効果を生むのは、短期である。1
0年も続けるものでない。10年続けたたため、日本の構造問題に
なった。
(2)ケインズ政策の政府需要で増えるのは、すぐ労働が移動でき
る「単純作業」の部分である。(90年代でフリーター、パートが
急に増えたのにはこうした理由がある)
▼増えた雇用部分
ケインズが『一般理論(1936年)』を発表した時は、工場がフ
ォーディズム(フォード主義:テーラーイズムも同じ)だった。つ
まり、現場は単純作業だった。ケインズはそれを前提にしていた。
しかも、失業者への失業保険の制度もなかった。露骨な資本主義の
時代。
ところが、今の日本の主要労働は、長期雇用で、標準化されない複
雑な仕事をしていることが多い。ここでは需要拡大効果はなかった
成熟していた日本の90年代では、政府の約450兆円(10年間)
を使ったケインズ策で作られたものは、箱モノ、道路、橋などだ
った。建設・土木は約30%以上と言われる過剰雇用を抱えるよう
になった。その賃金で増加需要(実態は維持)があった流通・小売
りも同じです。
政府需要の拡大は、省庁が直轄できる特殊法人の予算拡大を生んだ。
特殊法人はバランスシートや採算の観点がない。(注)特殊法人
にも国民のために、有効な組織もあります。問題は、この有効性の
判定基準です。
政府の一般会計(約80兆円)は、一応は国会の審議を受ける。し
かし、膨大な「財投」に加え「特別会計」は、省庁による実態は隠
れた裁量行政(一般監督権)です。この部分は、国民のモニターが
ない。その結果、省庁の周囲に「直轄の固定組織」が肥大した。
特殊法人自体は、実際は自律の裁量権がない。省庁が与えた予算を
使う組織です。ハシの上げ下ろしまで、省庁が詳細に決めている。
ここで、本丸、財務省が何を考えているかを見ます。
結論は、まだまだ<古ぼけた国民統治の発想>です。
――――――――――――――――――――――――――――――
■9.今、財務省は何を考えているか?
小泉構造改革の、シナリオの基本は、財務省が書いています。
<財務省 制度等審議会財政構造委員会:部会長 本間正明):0
1年6月8日公表>です。↓ここにあります。
http://www.mof.go.jp/singikai/zaiseseido/tosin/zaiseia130608.htm
現時点では、唯一具体的な内容を示す36ページです。官の文書独
特の、ぼかした表現を、端的に言い換えれば次のようになる。
(注)審議会は形式では民間の識者の意見ですが、シナリオはキャ
リアの課長クラスが書きます。官僚が推薦した委員は日当1万〜2
万円をもらう。正直に言えば、私も片隅のコンピュータ関係の審議
会で、もらったことがあります。その時は、幾分は、得意になって
いた・・・
(1)聖域なき政府支出の構造見直し、つまり予算削減を行う。
政府一般会計、政府特別会計、地方自治体予算を含む。
(2)金融システム不安や不良債権に、政府責任はない。
(別の言いまわしでの表現になっています)
(3)サプライサイド重視の、規制緩和を進める。
(4)国民の自助、自律での精神。つまり、社会福祉の削減。
(5)医療関連の政府補助の削減
(6)公的年金の削減
(7)公共投資の削減
(8)地方自治体の予算の縮小
8項目をまとめると<福祉と公共投資の予算を減らす>ことの宣言。
問題の根は<省庁−官僚>の無謬の原則にある。政府が過去にやっ
たことは正しいという主張です。小泉氏がこれを変えることができ
るか。
ここが、痛みを与える構造改革の精神でなければならない。
官僚が進んで痛みをかぶれば、この国の国民は、奮い立つ。
あらゆる前進は反省と、行動様式(Value)の変更から始まる。
民間は倒産がある。公務にも倒産制度の立法が必要ですね。公共事
業が有効か無駄かは、利用効果を計る制度で決めるのがベスト。世
間の原理です。寝ていて人は起こせない。「米百俵」にもある精神
であり、改革のリーダシップの根幹であり、そして常識です。
(第4部終わり)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【アンケート項目】
(1)内容は、興味が持てるか持てないか?
(2)内容は、理解が進んだか?
(3)疑問点は?
(4)ご意見は?・・・等ご自由に、<ひとことメール>で
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(1)著者へのひとことメール
yoshida@cool-knowledge.com
※友人、知人、同僚、部下、上司、取引先への転送は自由です。
あなたと、会社の、知識とスキルのブラッシュアップを。
(2)クールナレッジ掲示板(BBS)で投稿
http://cgi.members.interq.or.jp/venus/yoshida/BBS/light.cgi
(3)eメールで届くパーソナルコンサルタントをゲットしよう
⇒ http://www.mag2.com/m/0000048497.htm
(4)WEBで、他の考察を体系的に
http://www.cool-knowledge.com
送ったマガジンを含め、後日、修正と付加の説明を加え掲載
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