親が自分の子育て全体をデッサンできるようになることが今最も求められています。その目標に向けて12項目からなるチェックポイントを考えていくマガジンです。
- 最新号:2008-10-06
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[Kosodaterasinban-No.406]
発行日: 2008/7/14★子育て12助言★
【子どもの揚げ足をとるのはやめましょう】
《V32:WHO-02》
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《子育て第2助言》
〜子育て上手は聞き上手〜
ところで,子どもの話を聞いていると,状況判断が全く甘くなっていること
があります。優先順位がでたらめで,事がうまく運ばないのは明白な場合もあ
ります。そんなとき,子どもの幼さを正そうとします。結果が取り返しがつか
なくなる場合は当然ですが,どうでもよい場合は任せてみることです。子ども
の世界はままごとの世界です。学校も世間から隔離された教習所です。ゆっく
りと世間につながればいいのですが,子どもを消費者と見なす世間もあるのは
心配です。
小学一年の女児が試験で0点を取ってきました。ママは内心穏やかではあり
ません。ところが当のご本人はというと,「あと10点で100点だったのに」
と残念がっています。10+0=100! 意表をつかれてうろたえたママは
「どんな計算をすればそうなるの!」と声を荒げてしまいます。よその子であ
ったら笑って済ませられます。妙に納得する部分があるからです。たとえトン
チンカンであっても,子どももそれなりに考えていると思うからです。でも,
親の目は違っています。
幼稚園の面接日です。人見知りがひどく,何を聞かれても固まって無言の子
がいます。最後になってやっと発言しました。「ボク,気になることがあるん
だけど……」。「あら,お話しできるじゃないの。な〜に?」。「あの電気,
切れそう」。「……,直しておきます」。付き添っているママは,恥ずかしい
やら気の毒やら取り乱してしまい,同時に諦めさせられました。「どうしてあ
んなことを言ったの?」と問いつめても,「だって切れそうだったんだもの」。
いつ切れるか気になって仕方がなかったのでしょう。場所柄を弁えないことを
責めても,子どもの立場になれば詮無いことです。面接を希望しているのは親
だからです。
幼い子が「ママー,くまのプーさんって,苗字は熊野?」と聞いてきます。
一瞬何のことって訝りますが,そうかと気がつきます。「何をバカなことを言
ってるの,違うでしょ」。最初の一言が余計な揚げ足取りになります。勘違い
を笑ったり咎めたりすると,小さなプライドを傷つけてしまいます。間違うこ
とがいけないこと,恥ずかしいことという観念を高圧的に植え付けるのは望ま
しくありません。それは自我の発達の足を引っ張ります。勘違いを受け容れて,
正してやればいいのです。
いつも助手席に座っている子どもが,あるとき「お母さん,ガソリンスタン
ドの人はみんな親切でやさしいね」と話しかけてきました。いきなり何を言い
出すのだろうと思って考えても,思い当たることがありません。「どうして?」。
「どこに行っても必ず,『元気ですか』と聞いてくれるから」。そんなことを
聞かれた覚えはありませんが,必ず聞かれることといえば「現金ですか」。聞
き間違いをしていたのです。
そんなこというわけがないでしょ! でも,子どもの中では,元気ですかと
聞かれることが優しさとしてちゃんと納得できているのです。世界の理解が狭
いから,ガソリンスタンドでの常套句など知るよしもありません。現金ですか
と聞かれることなど思いも寄りませんし,その方が子どもにはわけが分からな
いでしょう。子どもは子どもの世界でものごとを納得していきます。大人の世
界とは部分でしか重なっていないので,勘違いは茶飯事です。それでいいので
す。子ども時代は子どもとして精一杯生きています。分かるときが来れば自分
で分かっていきます。
子どもが勝手な理屈をぶつけてきます。状況判断が幼くて,親の目から見れ
ば無理難題や話にならないことです。あっさりと却下するのは簡単です。突然
ですが,このような強権は父性の役割です。母性は子どもの中に足りない状況
判断を注入してやります。子どもには難しい場合,たとえ話をしてやるといい
でしょう。ものごとを決めるには相手の意向もあるということをゆっくりと教
えていけばいいのです。理解できないが世の中には思い通りにならないことが
あると分からせる機会です。
言うことを聞いてくれないのが子どもと悟るには,しばらく時間が掛かりま
す。塾に行きたがらない小学生2年生の長男を,言い争った末にカッとなって
殺してしまった37歳の母親がいました。子どもの判断や決定を根こそぎ否定
して,親の思い通りに支配しようとすることが間違っています。極端な揚げ足
取りです。そんなことは考えれば簡単に分かります。それでも日々子どものた
めだと思うから無理して,一時のことだからと従わせようと頑張りすぎます。
私がしなければ誰がする?
子どもの思い通りにしていたら,子どものためになりません。それもまた正
しいことです。甘やかせば甘やかすほど子どもは不健全な育ちに逸れていきま
す。ビシッと正すことは正さねば。でも,ちょっとだけタイムを取ってくださ
い。押してもダメなら,退いてみましょう。一度はきちっと言います。後は子
どもの判断に任せます。5分程してもう一度「いいのね」と確認してチャンス
を与えます。この5分間に子どもの気持ちは動きます。やっぱりした方がいい
かな。それでもダメなら,また5分。
ところで,子どもには考え直す時間ができますが,親の方はイライラしなが
ら待つことになっちゃうのでは? 1回目で効き目がなかったら,爆発するこ
とになりそうです。そんな心配があるなら,止めておいてください。どんな方
法でも相性があるからです。一つだけお願いしておきます。イライラが昂じた
ら子どもに当たらなくて済むような方法を見つけておいてください。お茶碗を
たたき割るという古典的な方法もありますが,ちょっと危ないですね。
揚げ足を取るというのは,どちらかといえば意地悪な目です。虎視眈々と相
手の弱点を見逃すまいとする敵視の構えです。我が子と敵対しては,元も子も
ありません。共倒れになるだけです。子どもはママだけが頼りであり,たとえ
冷たい目を感じても,幼い心は健気に信じています。虐待を受けても逃げだそ
うとしない程です。大きくなると,心を閉ざしてかろうじて防衛しています。
閉じ籠もりです。今のママたちに最も願うことは,一所懸命にならないことで
す。こうと思い込まないことです。
不謹慎に思われるかもしれませんが,ゲームを楽しむように,子育てを楽し
んで欲しいのです。こうすれば,こう返してくる。そう来たら,これではどう
かな? 子どもとの掛け合いを一こまずつ重ねていくようにします。そんな面
倒なことはできないとか,形勢が不利になったりとかしたとき,ゲームを根こ
そぎひっくり返すことをしたら台無しですね。あなたには負けた! たまには
そんなことがあってもいいのではないですか?
楽に子どもと関われば,育ちが見えてきます。そんなことを考えているのか,
と思うはずです。「あんた王様か? ぼくは家来じゃない!」と逆ねじを返す
7歳の男児がいます。勉強は自分のためと諭したら,「お母さんのためでもあ
るんじゃない?」と切り返す6年生がいます。起きないのを注意されて,「寝
坊したんでなくて,見る夢がたくさんあったの!」という5歳の子がいます。
・・・《子育ちは 初級中級 上級と》
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☆次号予告☆
【子どもの不安をあおるのはやめましょう】
どうぞお楽しみに!
子どもの言葉にはっとすることがあります。大人ができない発想を見せてく
れます。大人は考える無駄をしないように常識に添って物事を受け止めていま
す。子どもは常識という枠がないので,無駄なことをしますが,そこに新しい
こと,楽しいことが埋まっています。常識も世代が違えば非常識になることも
あります。子どもの考えを一蹴する前に,先ずは聞くようにすれば,育ちはグ
〜ンと弾みます。
ところで,子育てをする際に親の指図に従わせるというやり方が多く見られ
ます。何度言えば分かるのという場面があるのは,思い通りに進まない現れで
す。子どもが従わざるを得ない状況にする手立てが必要になります。もっとも
安易なやり方が,従わないと不利益になるよ,困ることになるよという負のメ
ッセージによる誘導です。交通ルールを守らないと反則金が課せられるという
世間一般の方策です。でも,子育てにはどうなのでしょう?(以下次号)
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★落書き★
江戸時代に新井白石という学者がいました。イタリア人の宣教師を尋問した
際に聞いたヨーロッパの事情を西洋記聞という書物に著しました。鎖国の中で
したので発禁処分になったそうですが,その書物の中で,外国の地名や氏名な
どをカタカナで書き表しました。文章は漢字仮名混じりが普通でしたが,カタ
カナで書くことで外国風のニュアンスが発揮されました。この書き方が現在ま
で踏襲されているのです。新井白石という学者が身近に感じられませんか?
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