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親が自分の子育て全体をデッサンできるようになることが今最も求められています。その目標に向けて12項目からなるチェックポイントを考えていくマガジンです。




[Kosodaterasinban-No.387]

発行日: 2008/3/10

★子育ち12イメージ★
      【明日の幸せを期待することができる子ども!】
                            《V30:WHY-02》
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
《子育ち第10指標》
             〜希望の発掘〜

 思い通りにできない自分の弱さに直面することに耐えて,今の自分にできる
ことを見つけようとすることが,子育ちの第9指標でした。やれなかったので
はなくやらなかった後には,言い訳を言うことしか残りません。やってダメで
元々です。やってみることで明日への扉が開きます。ノブに手を掛けて開けて
みようとしなければ,何も始まりません。ところで,明日の幸せを信じること
ができなければ,やってみようという気持ちにはなりません。明日の幸せを信
じていなければ、生きていくこともできません。生きるという意欲は、明日の
幸せを目指しているときにしかわき上がってくるものではないからです。

 逆説的ですが,束縛があるから自由の喜びがあります。人の暮らしはしなけ
ればならないことがあるから,したいことを楽しむことができます。往々にし
て忘れていることは,人は時の流れに沿って生きているという事実です。朝の
来ない夜はないという言い方をするように,時の流れが状況を変えていきます。
今は束縛されているけれど,もう少し時間が過ぎたら終わりが来て自由になれ
る,その繰り返しで暮らしは動いています。親は子どもの弱点を見るとき、今
のままでは困るという発想にとらわれますが,今のままであるはずがないと考
えるべきです。そうしないと、子どもは明日の幸せに向かって育つ意欲を阻害
されます。

 カレンダーを見ると,休日は週の初めです。しかし,生活実感的には,休日
は週末です。昔々も安息日は週末でした。休んだ後に働くと思うよりも,働い
た後に休みを迎えると考える方が気持ちが楽になります。苦有れば楽ありとい
う順序です。逆順にして,楽あれば苦ありというのは,気分がめいります。生
活のリズムを,苦の後に楽というサイクルで区切るようにすると,いつも明る
く過ごすことができます。欲しいものを先に手に入れて、後から支払いの苦労
を招くというリズムは,なるべく少なくしておいた方がいいでしょう。過ぎる
と負荷に耐えられなくなります。苦楽の順序のしつけは子どもの将来を明るく
することに関わります。

 毎日を漫然と暮らすのではなく,目標を思い定めておくと適度の緊張感が背
中を押してくれます。どんなことでもいいから展望を持ち,そこにいたるステ
ップとなる目標を定めます。今日は、今週は,今月は、今年は何処まで進むと
いう目標を設定します。大まかな計画です。もちろん計画は進み具合に応じて
変更を余儀なくされますが,そこは柔軟に対応します。子どもは学年という計
画の流れに沿って育ちます。今しておくことが分かっているので,しっかりと
取り組んでいけばいいでしょう。ただし,今すべてが満点であることに拘らな
いことです。できないというし残しが少しあっても,育ちのペースのぶれなの
で,いずれできるようになります。

 お父さんのようになりたい,お母さんのようになりたい,そのような身近な
モデルを目標にできる子どもは幸せです。幼いあこがれに過ぎないでしょうが,
先が見えているということで自分の道を思い描くことができます。何処に行こ
うかという状態では足を踏み出せませんが,あそこに行こうとなるととりあえ
ずの歩みを始めることができます。歩き続けることが大事なのです。なりたい
自分,それに向かって育とうとします。何になりたい?と子どもに尋ねると,
子どもらしい答が返ってきます。それを見逃さずに,励ましてやりましょう。
ただ,子どもの関心は変わることもあるので,そのときは心変わりを咎めずつ
いていくようにします。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
《子育ち支援メモ》
      〜明日に向かって励むという経験をさせましょう〜

 継続は力なり。短い言葉ですから、いろんな局面に言い換えることができま
す。やると決めたらやり通す,あれこれ迷わず一心不乱にする,諦めずにコツ
コツ続ける,いずれにしても物事を成すには時間を掛けることが大切であると
いうことです。ちょっとやってみてできないからやめてしまう,それでは何も
できません。特に育ちの場面では,時間を掛けて練習を積み重ねることで,未
熟さを克服していくことができます。育ちそのものが継続というプロセスによ
ってしか進まないものなのです。その継続を促すのが目標です。継続はゴール
を目指して発揮されるものです。できるようになりたい,そういうモデルを持
たせてやりましょう。

 何故という疑問を持たなくなると,学びが停滞します。先生に質問をする子
どもは頭が良くないというイメージがあるのでしょうか? 質問にもよしあし
があることは別にして,質問のできない方が考える力のないことになります。
旺盛な関心や興味を持たないと疑問は出てきません。分からないことがあると
知りたくなる,育ちの本能とも言えることですが,その背景には明日の幸せに
備えて知識を蓄えようとする意欲があります。貧しい環境にいる子どもは学び
にどん欲です。一方で豊かさの中では人任せが行き渡り何も知らなくても支障
はないので,学びへの意欲が低減するのも当然でしょう。分かることが楽しく
有用であるという経験を持たせましょう。

 明日に楽しいこと、うれしいことを見つけると,今日をがんばることができ
ます。ところで,その楽しいことやうれしいことの内容が問題です。遊びやゲ
ームに関することであっては,育ちにとっては逆効果です。それはただの息抜
き程度に抑えておくべきことで,育ちの目標には相応しくありません。人とし
ての喜びに裏打ちされた楽しみをつたない形であっても見つけることができる
ように,優しさや笑顔をたっぷり与えてやりましょう。例えば,自分の育ちを
素直に喜んでくれる両親がいると,「できたよ」と報告したくなります。うれ
しいことを共感できる,そういう後押しがあれば,明日への育ちが自分への期
待になります。

 子どもにとって明日とか将来という時間の感覚は難しいでしょう。子どもは
今を精一杯生きようとしています。「今でなきゃ嫌だ」という言葉が頻繁に出
てくることでしょう。そんなときに我慢をさせるためには,明日という時間感
覚が必要です。ちょっとだけ先を受け止める経験をさせましょう。また子ども
たちは園や学校で同年齢に区切られています。そこだけにいると,将来が見え
なくなります。異年齢の子どもたちの中にいると,自分は何歳という意識がは
っきりして,同時に一年下の子ども,一年上の子どもが見えています。自分の
育ちの後と先があるので,「お兄ちゃん,お姉ちゃんのようになろう」という
明日の幸せが自然に生まれてきます。

 親は子どもの育ちを期待します。その期待に応えようとして,子どもは育ち
に励みます。しかし,期待の仕方を間違えて過剰になると,子どもを押しつぶ
す場合があります。期待の仕方は「○○であったらいいね」と待つことです。
たとえ成り行きが期待はずれであっても,それはそれとして新たな期待を持て
ばいいのです。大切なことは期待に向けて歩んだという足跡です。結果に拘っ
てしまうと,期待は義務化されて押しつけになります。そうならないためには,
期待を小分けにします。大人になってどうこうという遠くて大きな期待ではな
く,身近ですぐ届くような期待にしましょう。期待はずれという評価は子育て
の場では厳禁です。

               ・・・《子育ちは 明日の幸せ 楽しみに》

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
☆次号予告☆       
     【失敗を反省し分析することができる子ども!】
                          どうぞお楽しみに!

 明日の幸せを目指すから育ちが進むので,期待できる明日の幸せのイメージ
を持つことが、子育ちの第10指標でした。この原則的パターンが常にうまく働
いているかというと,実際には様々な紆余曲折があります。例えば,登山の場
合に頂上を目指していても途中では谷に降りる必要もあります。そのような子
育ちの現場を乗り切る方法がなければなりません。どのように子どもが育って
いるのか,その支援はどうすればいいのか,大人はきちんと弁えておくべきで
す。その一つは,よく言われていることですが,「頑張ったね」という言葉で
励ますことです。頑張ってもダメな場合もありますが,頑張った分だけ育った
と認めてやればいいのです。(以下次号)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
★落書き★

 子どもは親の前ではいい子でいようとします。悩みや困ったこと,不都合な
ことを親には知られたくないと思ったりします。親に叱られるのがいやという
ことの他に,親を悲しませたり,親に迷惑を掛けたくないとも思うようになり
ます。いじめられていても、親には隠します。いじめられている弱さを見せた
くないというプライドもあります。何でも言いなさいと言っているのに。それ
は親の側の言葉です。子どもの側のバリアを低減するように、普段のずっこけ
をお互いに語り合えるおおらかさを保つようにしてください。

 
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発行者プロフィール

ペンネーム : モリのクマさん

  • PTA会長をきっかけに家庭教育に関する分野に参画し,県の家庭教育事業等において委員長を務めてきた経験をベースにして,各地で子育てを中心とした,社会教育活動,福祉活動などに関する講演をしています。現在も各種の委員活動を通して子育ての指針を発信しています。

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