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=== Weekly Gyousei Jouhouka News =================
週刊「行政情報化推進ニュース」
2007/06/11号(no361号)
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◎「日本版SOX法(企業改革法)と地方自治体の公会計、
その5 『東京都公会計、会計基準(no1)』」
○東京都の新たな公会計制度
(東京都の新たな公会計制度 解説書 より抜粋)
行政運営に、経営の視点を確立することは不可欠となってきた。行政と民間
との協働、住民に対する説明責任を果たすことなどが求められている。多くの
自治体において財務諸表を作成しているが、官庁会計(単式簿記・現金主義会
計)による決算数値を組み替えたものである。その上、作成時間がかかり、個
別事業ごとに作成することは困難である。
・官庁会計の問題点
単式簿記・現金主義会計とは、現金という一つの科目の収支のみを記帳する
会計方式である。内在する問題点は、
1.現金以外の「資産」「負債」の情報が蓄積されない。
−> 「ストック情報の欠如」
2.非現金情報(減価償却費、引当金、金利など)が蓄積されない。
−> 「コスト情報の欠如」
の2点であり、結果として、
3.総合的な財務情報の説明が不可能。
ー> 「説明責任の欠如」
4.正確なコスト分析による事業評価が不可能。
−> 「マネージメントの欠如」
の問題点が指摘されている。
・複式簿記の目的とは
1.財政状態の把握(貸借対照表:B/S)
2.経営管理(損益計算書:P/L)
3.外部への報告(B/S、P/L、キャッシュフロー計算書:C/F、株
主資本等変動計算書:NWM)と言われている。
東京都は、2006年4月から「新たな公会計制度」を導入し、運用が開始され
た。官庁会計に企業会計(複式簿記・発生主義会計)の考え方を加味した会計
制度である。新たな財務会計システムにより、日次の会計処理から複式簿記の
処理を行う制度であり、日本では初めてのことである。
◎会計基準
○会計基準
1.会計規範について
・客観的で比較可能な財務諸表を作成するには会計のルール(会計規範)が
必要。
・東京都は行政の財政状況の実態をより正確に示す財務諸表を作成するため、
会計のルール(東京都会計基準)を作成。
2.東京都会計基準の主な特徴について
・官庁会計では把握が困難な減価償却費や引当金の繰入額などもコストとし
て計上。
・従来の官庁会計と整合性を図るため、出納整理期間も考慮。
3.発生主義会計を導入する意義について
・発生主義会計による財務諸表の情報を住民に公表することで、より一層の
説明責任の遂行を可能に。
4.国や自治体の動向について
・総務省の「新地方公会計制度研究会」では、平成18年5月に報告書を発
表。
・国においては財務省の「財政制度等審議会」などにおいて検討。
○財務諸表
貸借対照表(B/S)、行政コスト計算書(P/L)、キャッシュフロー計
算書(C/F)の3表。
A.貸借対照表
1.貸借対照表について(貸借対照表はバランスシートとも呼ばれ、資産・負
債・正味財産を勘定科目と金額で表示。)
1.東京都の貸借対照表の特徴
東京都の貸借対照表も、資産額と負債額を示すという基本的な構成は、民間
企業と同じですが、いくつかの相違点があります。
(1)資産と負債の差額を正味財産として表示
平成18 年5 月の会社法施行後、民間企業では株主からの出資金を、純資産
の部の「株主資本」として貸方に表示しますが、行政には株主資本という概念
がありません。そこで、資産と負債の差額を正味財産として表示します。正味
財産の中身は、国庫支出金のうち資産形成に充当された金額や、東京都の資産
を区市町村に移管した際の移管相当分などが計上されます。
(2)地方自治法上の財産分類による表示
東京都の資産として貸借対照表に計上すべきものは、地方自治法上の財産が
その大半を占めますが、この財産は、公有財産、物品、債権及び基金に分類さ
れ、さらに公有財産は行政財産と普通財産に区別されます。
民間企業とは異なり、自治体では、地方自治法上の分類や区分に応じて、財
産の管理や処分が制限されます。これは、民間企業とは異なり、財産の管理や
処分が住民福祉の向上のために行われるためです。このため、財務諸表の利用
者が、資産の内容とともに、その資産の管理や処分に加えられている制限等を
併せて知ることができるように、東京都会計基準では地方自治法における財産
の分類を固定資産の表示に採用しました。
貸借対照表
科目 金額 | 科目 金額
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
資産の部 | 負債の部
流動資産 | 流動負債
| 都債
|
固定資産 | 固定負債
行政財産 | 都債
|
普通財産 | 退職給与引当金
|
インフラ資産(注1) |
|ーーーーーーーーーーーーーーーー
| 正味財産の部(注2)
|
(注1)インフラ資産:道路、橋梁、港湾、漁港、空港及び鉄道
(注2)正味財産:民間企業においては純資産の部(旧資本の部)。行政には
株主資本などの概念が無いため、資産と負債の差額を正味財産として表示する。
2.資産について(原則として取得原価主義により資産を計上。)
1.貸借対照表に計上する資産とは
保有する現金預金等の金融資産、建物、土地、株式などの公有財産、取得金
額が100万円以上の物品(重要物品)、収入未済などが該当します。
企業会計と同様に、東京都でも資産の表示は流動資産と固定資産に分類し、
現金預金や収入未済は流動資産、公有財産などは固定資産とし、貸付金などは
償還期間によって流動資産と固定資産に分類します。
土地は取得するために要した金額(取得原価主義)を計上します。また、建
物や重要物品といった資産についても計上することになりますが、これらの資
産については、時間の経過とともに価値が減っていくために、減価償却を行い、
その減価償却を行った後の金額を資産として計上します。
また、道路などの資産もインフラ資産として表示することになります。道路
などは公有財産としての管理ではなく、また、性質上も独特の資産であるため
に、これまで個別の資産額の把握は行っておらず、複式簿記・発生主義会計を
導入するのに合わせて再評価を行い、金額を計上します。
2.不納欠損引当金及び貸倒引当金とは
調定後、現金の収入がされていない収入未済についても資産として計上しま
す。この収入未済は時効の完成や免除などによって不納欠損となる可能性があ
ります。このため、収入未済となっている金額が、実質的な徴収の可能性を反
映していないこともあります。
こうした徴収不能となる可能性をあらかじめ見込んで、当該資産の価格を減
額させるために不納欠損引当金を計上します。不納欠損引当金額の算定は、過
去3ヵ年の実績を基に算定することになります。
貸倒引当金についても同様に、過去の実績を基に算定することになります。
これらの引当金は負債ですが、資産の勘定科目に△で表示します
3.インフラ資産及び建設仮勘定について
・路・橋梁・港湾・漁港・空港及び鉄道を公有財産とは別にインフラ資産と
して計上。
1.インフラ資産の表示
東京都の所有する財産のうち、道路、橋梁、港湾、漁港、空港及び鉄道につ
いては、公有財産とは別に「インフラ資産」として項目を設けて表示します。
2.建設仮勘定とは
建設途中の建物や工作物等を資産として計上するための科目です。建物や工
作物は完成すれば、本資産として登録されますが、完成していない資産でもす
でに支出を行っていれば、何らかの形で計上する必要があります。
このため支出額の累計を建設仮勘定として計上し、当該資産の完成後、建設
仮勘定の金額を本資産として計上しなおします。
なお、建設仮勘定として計上される資産は、まだ利用されてはいないため減
価償却は行いません。
4.負債及び正味財産について(資産と負債の差額を正味財産として表示。)
1.負債とは
将来的に支払い義務が生じるものが負債として計上されます。具体的には、
借入金、発行した債券、退職給与引当金などが該当します。
これらの負債は、資産と同様に、返済期間に応じて、流動負債と固定負債に
分けて表示します。
ア 公債の扱いについて
財産の建設や赤字の補填のために公債を発行しますが、この公債の発行額
を貸借対照表に計上し資産と対比して表示することによって、その団体の財
政状態を把握することが可能となります。
イ 退職給与引当金とは
職員が退職した際には、退職金が支払われますが、これは職員が複数年に
わたって働いた結果として得られるものです。つまり、職員が働けば、潜在
的に退職金の支払義務は生じるので、当該時期までに発生している退職金の
支払債務に見合う金額を退職給与引当金として計上します。
2.正味財産とは
資産総額から負債総額を除いた差額は、正味財産として計上されます。この
正味財産の部の内訳は、下記のとおりに分かれておりますが、貸借対照表の表
示としては正味財産という科目として表示し、内訳表示は行わず、注記におい
て構成要素ごとに増減額を表示します。
5.財産等の評価について(インフラ資産の評価方法を策定。)
1.財産等の評価(インフラ資産を除く)
東京都では、公有財産及び重要物品に関して、台帳を整備しシステムで管理
することにより、資産の取得年度や取得価額を把握していました。このため、
貸借対照表に計上する公有財産に関しては、これらのデータを基にして、さら
に減価償却費の計算機能をシステムに追加することで減価償却累計額の算定が
可能となっています。
東京都でもこうした民間企業の取得原価基準に基づく評価方法が、客観的で
あり、また、一般財源の使途を表示するという目的にも合致していると考え、
原則として取得原価主義により資産を計上します。
注)取得原価主義
貸借対照表には、取得に要した金額を資産額として計上しています。これを
取得原価主義といいます。これに対して、資産額の再評価等を行い、市場価格
等を反映した形で計上する方法を時価主義と言います。
民間企業においては、株式などの金融商品については、時価評価を導入して
いますが、建物や土地については取得原価基準に基づいて資産の評価を行って
います。
2.インフラ資産の評価
庁舎等の建物や土地とは別に、道路や港湾のような住民生活に不可欠な資産
を「インフラ資産」という項目で表示します。
インフラ資産のうち、道路の土地や道路舗装、ガードレールなどに関しては、
公有財産とは異なり、個別の資産の取得価額の把握がされてきませんでした。
このため、これらの資産を貸借対照表に計上するための、金額の評価が必要と
なりました。具体的には以下の方法により評価を行いました。
(道路の土地の評価方法)
供用を開始した道路の面積に、東京都基準地価格やその増減率等をもとにし
た単価を乗じて算定します。
(道路の構造物の評価方法)
当該資産を現在取得したらいくらかかるかを算定し、その金額を各年度の物
価指数等により増減させて算定します。
なお、平成18年度以降の取得分については、取得原価によります。
6.開始貸借対照表について(複式簿記・発生主義会計を導入した初年度のみ、
開始貸借対照表の作成が必要。)
1.概要
開始貸借対照表とは、複式簿記・発生主義会計の導入時に必要となる貸借対
照表のことです。
複式簿記・発生主義会計の導入後は、日々の仕訳や財務会計システムと資産・
公債の管理システムが連動することで、資産及び負債の情報が積み上がってい
きますが、導入前(東京都では平成17年度以前)に関しては、こうした仕組
みがないために、導入直前(東京都では17年度末)の資産及び負債の情報を
財務会計システムに投入する必要があります。
開始貸借対照表の数字が基礎となり、導入後(東京都では18年度以降)の
日々の会計処理がそこに蓄積され、以後の貸借対照表が作成されます。
2.作成対象
一般会計及び特別会計(ただし、公営企業会計及び準公営企業会計を除く。)
3.調査時点
東京都においては、平成18 年3月31 日(出納整理期間を反映)
4.作成方法
資産管理システム、あるいは、官庁会計の決算帳票等の金額を、貸借対照表
の項目に合わせた形で分類・記載します。
また、発生主義会計特有の処理として、減価償却累計額や各種の引当金の計
上などの新たな項目が生じます。
次回以降、下記について。
2.行政コスト計算書
3.キャッシュフロー計算書
平成19年06月10日 記
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『地方行政と地域住民の広場』
(http://homepage2.nifty.com/npoais/)
<行政情報化ニュース>
◎『今日のニュース」
(http://homepage2.nifty.com/npoais/newsmain.htm)
1.政府・国関連サイト
・政府、電子投票法改正案を国会提出へ(毎日 07/06/06)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/solution/news/20070606org00m300080000c.html
・総務省、「地方公共団体における情報セキュリティ監査に関するガイドライン」(案)に対する意見募集( 07/06/08)
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070608_3.html
・厚生労働省、「医療・健康・介護・福祉分野の情報化グランドデザイン」について( 07/03/27)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/h0327-3.html
・Yahoo!オークションでインターネット公売を1日より実施(japan.internet.com 07/06/01)
http://japan.internet.com/public/news/20070601/5.html
2.県・市町村及び関係団体関連サイト
・徳島県・ICT推進本部( 07/06/05)
http://www.pref.tokushima.jp/Generaladmin.nsf/7d55d7de327b8c6449256d18007002cd/1380d54f605e1205492571bd008324c0?OpenDocument
・山形県・米沢市、児童登下校、保護者にメール配信 総務省事業で導入(毎日 07/06/07)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/solution/news/20070607org00m300084000c.html
・松戸市・教育委員会、メモリー32MバイトのWindows 98パソコン約1000台をLinuxで再生へ(日経BP 07/06/06)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070606/273889/
・千葉県・南房総市選管、期日前投票システム導入 来月の参院選前に(毎日 07/06/05)
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/solution/news/20070605org00m300058000c.html
3.海外及び情報・通信関連サイト
・
4.その他・マスコミ
・地方自治に求められる経営感覚(日経BP 07/06/06)
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/a/83/index.html
<Winny(ウィニー)など個人情報漏洩いろいろ>
・
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