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HIDEKIWADA[2008/01/09]年頭所感 今年は拝金論・格差社会との戦いだ

発行日時: 2008/1/9

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:11915 2008年1月9日号
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 HIDEKIWADA.COMマガジンでは、和田秀樹の新刊情報、テレビ・ラジオなどの
 出演情報などの他に、和田秀樹の最新エッセイをお届けしています。

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 ・編集後記

■今号のメールマガジン*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 新年明けましておめでとうございます。お正月はいかがお過ごしでしたか?
今年一発目の和田エッセイは、新年恒例の「年頭所感」です。
 今年度も和田秀樹公式「HIDEKIWADA.COMマガジン」を、宜しくお願い申し
上げます。

■新着情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


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 受験に役立つ必勝テクニック(和田式勉強法)を満載した、和田秀樹の初監督作
品『受験のシンデレラ』が、モナコで行なわれた「第5回 暴力描写のない映画
のためのモナコ国際映画祭(2007 Angel Film Awards Monaco International 
Film Festival(12月8日より3日間祭典))」にて、グランプリを受賞しました!
◎受賞内容…最優秀作品賞・最優秀女優賞・最優秀男優賞・最優秀脚本賞

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ていねいに解説します。ストレスフルな社会に生きる方には是非手にとっていた
だきたい本です。

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 諦めない心がチャンスをつくり、お金に好かれる人となる——格差社会の中で、
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  中央公論新社 756円 ISBN:978-4-12-150254-4
 「子どもを傷つけないようにしよう」という社会の風潮から、安全な子育てを
安易な過保護と取り違え、教育を歪ませています。子どもが本来持つ力強さを本
書で明確にし、精神医学からトラウマ理論やいじめ問題の変遷をまとめ、子育の
中で知っておいて欲しいこと、子どもに教えて欲しいことを切実に伝える教育書
です。



■メルマガエッセイ*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


【 年頭所感 今年は拝金論・格差社会との戦いだ / 和田秀樹 】


 年明けから株価が大暴落の幕開けになった。

 おそらく株価を戻すための政策があわててとられるのだろう。

 私は、日本の政治がいい加減、マネーゲームから訣別してほしいと思っている。
株価が下がっても上がっても、地方の人や階層社会化の中で上の層の人間以外、
ほとんど影響がないからだ。

 確かに一時期と比べて株価は上がり続けた。

 しかし、それは格差社会化をひどくしただけで、地方の景気はまったく回復す
ることにつながっていない。地方で元気がいいのは、株価が高い会社ではなく、
トヨタのような製造業の勝ち組の会社なのである。(もちろん、トヨタも高株価だ
が、彼らはそれをM&Aの資金にするなど、株高を背景に金を集めていない。彼らの
資金源はむしろ潤沢に貯めた清掃部門の利益である)

 一方、東京だけは株価が高い会社が潤う。あるいは、投資での金持ちが続出す
る。そして、株で儲けた金はわずか1割しか課税されないから、金持ちにはどん
どん金が集まる。

 今はまた、株価が下がったので、おそらくその1割課税という特例措置は延長
されるだろう。民主党も含めて、株価が上がれば景気がよくなることを信じて疑
う人間はいない。

 バブルの前までは、国民のほとんどが株価のことを知らなかった。ダウ平均、
日経平均の値段が新聞の一面に出て、ニュースのたびにいわれるようになったの
は、その頃からだろう。

 すっかり国民は、株価が高いと景気が良く、そうでないと景気が悪いと信じ込
まされてしまった。しかし、やっと株価が上がった結果、待っていたのは、東京
と地方、富める者と貧しき者の巨大な格差だ。

 アメリカと日本では条件が違う。

 ひとつは、アメリカの場合は、メイドであれガードマンであれ、富める者が貧
しき者を雇う文化があるから、格差が雇用を産む。しかし、日本ではそれがほと
んどない。

 ニつ目は、アメリカの場合、チップの文化がある。富める者が貧しき者に直接
お金を回す。消費税は安いが、食事をしたら、15〜20%も貧しき者に金がいく。

 三つ目は、アメリカの場合、寄付の文化がある。日本は寄付税制がないから寄
付をしないと金持ちは言い訳をするが、ビル・ゲイツにせよ、ウォーレン・バフ
ェットにせよ、寄付額は税率をはるかに上回っている。税金が安くならなければ
寄付をしないというのは、第一精神からいっておかしい。いずれにせよ、寄付の
文化がないから、金持ちに金がたまり、貧しき者たちは救われない。金持ちの税
金を減らした結果、年に200万円の生活保護費が打ち切られ、おにぎりを食べるこ
とができずに飢え死にする人や認知症の親を殺す人が出てくる。金持ちの税金を
減らしても寄付をしないのなら、それを増やして貧しき者にまわしたほうがいい
に決まっている。

 四つ目は、アメリカの場合、年金などの資金が株で運用されている。株価が上
がらないと庶民の生活に直結するが、日本はそれがほとんどない。

 五つ目は、アメリカの場合、個人金融資産の大部分が株などであるが、日本は
まだ預貯金が主流だ。アメリカでは株が下がると多くの人の個人資産が目減りす
るが、日本では一部の金持ちが困るだけだ。

 六つ目は、アメリカの場合、たとえばマイクロソフトがシアトルに本社がある
ように高株価企業が地方に点在しているが、日本はトヨタなどの例外を除けば、
株価の高い企業が東京に集中している。株価が上がっても地方の景気はまったく
よくならない。

 ほかにもいろいろな違いがあるが、要するに株価が上がっても、一部の人にし
かメリットがないのである。

 もちろん、株価が安いと日本企業が外国企業に乗っ取られるというリスクが大
きくなるという大問題があるが、それは政府がきちんとした規制をすれば済むこ
とだ。中国であれ、ロシアであれ、国を守る規制をしている国のほうが経済はう
まく成長している。

 基本的に、株価というものが実体経済を反映しているものには思えない。

 各企業は、空前の利益を出しながらも、日本株は買われない。株価は将来性を
反映するものであって、現実の業績につけられるものではないからだという。で
は、アメリカの株価が200ドル下がれば、日本の株が500円も下がるのはどういう
ことなのか?日本のほうが先行きが悪いという証拠がどこにあるのだろう。サブ
プライム問題も日本では起こっていないし、住宅バブル崩壊のリスクもはるかに
小さいはずだ。第一、株価が先行指標なら、日本企業が立て直る前に、はるかに
高い値段がついていなければならなかったのに、株が上がりだしたのは、利益を
出し、不良債権の処理にめどがついてからの話だ。

 株の値段など、理由は後からつけられるものだ。結局、日本には自分が損をし
てでも、国のために株価を守るという気概のある金持ちがいないだけだ。アメ
リカの場合は、9.11の後であれ、そのほかの暴落の後であれ、ダウだけは支
えるという金持ちがいる。日本の金持ちは、アメリカ人が売ったら慌てて売る。
税金を上げたら外国に逃げていくぞと脅す。過去の戦争犯罪を否定し、日の丸を
かかげて君が代を歌っていれば愛国者といわれるから、払うべき税金をろくに納
めず、同胞が飢え死にするのを平気で見ていられても愛国者を名乗れる便利な国
なのだ。

 私は、愛国者かどうかは、国のための自己犠牲がどれだけ払えるかで決まると
考えているのだが、そういう人がいない国では、いいように外国の都合で、国の
経済がいじられる。ただし、株価はいじれても、実体経済はいじれない。

 アメリカ型経済は、今年で終わるかどうかが決まると私は見ている。

 むしろアメリカのほうがはるかに株価に経済や国民生活が依存している国だ。

 GMやフォードのていたらくを見ていればわかるように製造業はぼろぼろだ。
GAPでもリーバイスでもアメリカ製はひとつもない。

 サブプライム問題にしても、株価だけの問題でない。実体経済がガタガタだか
ら、賃金はろくに上がっていないのに、住宅を担保にして金を借り、消費をして
いた中流以下の層が、これからは金が借りることができなくなり、消費ができな
くなる。それどころか、デフォルトが相次ぎ、生活がたちゆかなくなるだろうが、
福祉は用意されていないのだ。

 アメリカは製造業を犠牲にして、金融とITで食っていくことに賭けた。その賭
けはあたっているように見えた。代わりに別の儲かる投機をみつけて生き延びて
いくのか、それとも実態の伴わない投機経済が破綻するのかは、今年あたりに答
えが出るだろう。

 私は後者であると予想する。

 そして、アメリカ型社会を見本にすることを日本がやめることを切に望む。

 まともにものをつくって生き、貧富の差の少ない社会に戻ってほしい。多少株
価が下がっても、税金が(もちろん累進による所得税である)上がってもいい。私
自身、預金の金利があまりに安いので、実は株やファンドはそれなりにもってい
るし、数千万の損をしている。それでも株高のための金持ち優遇政策はやってほ
しくない。また累進に戻せば、やはり数千万税金が上がることもわかっている。
でも、生活保護が受けられず、同胞が飢え死にするより百倍ましである。拉致被
害者もホームレスやネットカフェ難民も日本の同胞なのだと私は信じる。

 それにしても、東京都は、よほど貧乏人が這い上がるのを邪魔したいらしい。
杉並で夜間に学習塾の授業が安い値段で受けられる夜間特別授業のシステムを止
めに入った。

 昔も都立高を解体して、東京では私立に行かないと東大に入れないシステムを
つくった東京都が、である。

 教育の機会均等上問題があるというなら、その安い特別授業が受けられない貧
しい家の子どもに補助をするほうが筋なのに、安い授業なら受けられる中流の家
の子のチャンスを奪うほうが大切らしい。

 私は、今年は格差是正のために闘うと誓いたい。

 その第一弾が、3月公開予定の映画『受験のシンデレラ』だが、これは私が格
差社会に対してどんな感覚でいるのかがよくわかってもらえる映画である。

 手前味噌になるがぜひ見てほしい。




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■編集後記*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
 正月が明け、仕事はじめの頃。喫茶店などにはいると時折耳にするのが「実家
で迎えた正月の話」。内容は、実家のおせちや雑煮、風習など。その家だけのも
のだったり地域特有の行事があったりと、本当にさまざまだと思います。でもそ
れが、「実家」だけでしか味わえない良さにつながるのだろうとも思うのです。
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 株についてそんな見方があったのか。
「格差是正の闘い」に多くの人の輪が加わればいいのだが、というより、そうならないと未来は闇だ。
日時:2008年1月12日

グランプリ受賞おめでとうございます。しかし映画のホームページがあまりにもシンプルすぎる。もっとYoutubeなどに投稿・宣伝して欲しいものです。日時:2008年1月10日


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