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『大人のための勉強法』などの著者である精神科医、和田秀樹氏のエッセイ・最新情報等が掲載されるメールマガジンです。




HIDEKIWADA[2007/01/16] 教育問題は、実態調査と本気で取り組む人を

発行日: 2007/1/16

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:11680 2007年1月16日号
                                               http://www.hidekiwada.com
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 HIDEKIWADA.COMマガジンでは、和田秀樹の新刊情報、テレビ・ラジオなどの
 出演情報などの他に、和田秀樹の最新エッセイをお届けしています。

 ◆バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
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■インデックス*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 ・今号のメールマガジン
 ・新着情報(新刊・TV/ラジオ出演情報)
 ・Web情報(HIDEKIWADA.COM更新情報、連載サイト情報など)
 ・メルマガエッセイ142「教育問題は、実態調査と本気で取り組む人を」
 ・編集後記

■今号のメールマガジン*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 教育再生会議が発足したものの、学力低下やいじめ問題についての具体的な政策
はいまだでていません。今回の和田エッセイでは、日本の今後に大きく関わる教育
問題に今必要なことは何かなどについてをお送りします。他にもTV出演等新着情報
もございますのであわせてご覧ください。
■新着情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


◆TV情報
 ◇ゲスト出演予定

  ◎『TVタックル』テレビ朝日 1月22日(月)21:00〜


 ◇レギュラー出演

  ◎『なるほどラボ』テレビ大阪 毎週土曜日 18:30〜19:00
  (日経CNBCよりネット放送開始 毎週 土曜13:00〜と1:00〜・日曜夜22:30〜 )


◆ラジオ情報

 ◎『とれたてラジオ』静岡放送(SBS) 1月24日(水)6:30〜


★好評連載情報

 読売新聞の毎週土曜日夕刊にて、「週間KODOMO新聞」連載中!
 毎回中学入試レベルの問題とコラムが紹介されています。子どもの学習の一環とし
て、また脳の体操などにもたいへんおすすめです。読売新聞購読他、キヨスク各店で
も購入可能です。


◆新刊情報

 ◎『命と向き合う』中川恵一・養老孟司・和田秀樹/共著
   小学館 1,470円 ISBN:4-09-387689-4
  人は永遠には生きられません。人間が長く生きていく中で、切り離せない「老い」
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 味深い本です。

 ◎『わが子が輝くエリート教育』 和田秀樹・小山泰生/共著
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 画期的な教育書です。親のもつべき意識や学校選びなどについても詳しく紹介され
 ています。

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   理系思考とは、単純に数学や理科ができれば身につくものではない。それでは実
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■Web情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

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 ◎和田が物申すブログ「和田秀樹のそれ言っちゃダメ!」が連載中!
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 ◎セブンアンドワイ「ヒデキワダドットコム書店」随時更新しています。
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 ◎50歳からのエルダーコミュニティサイト「遊学舎」で 「50歳からの活力人生」
   を好評連載中です。
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★新刊ピックアップ+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 『自分の考えを「5分でまとめ」「3分で伝える」技術』
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理本です。

 『小さなことにくよくよしない88の方法』 R.カールソン/著 和田秀樹/訳
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 全米で500万部を突破した世界的ベストセラー『小さいことにくよくよするな!』
を強力にパワーアップさせた実践書です。


■メルマガエッセイ*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

【 教育問題は、実態調査と本気で取り組む人を / 和田秀樹 】
 

 久しぶりに『TVタックル』に出演して、教育問題を論じ合った。
 そのときに、教育委員会を今後どうしていくべきなのかを話し合った。教育委員会
の問題として、権限の範囲が明確でない(高校などは、市町村では教育行政にまつわ
る最高の執行機関なのに、教員の人事権が県にある)ことや、名誉職化しているだと
か、常勤の職員(委員ではない)の多くが学校の教職員からの出向のようなかたちで、
なあなあ化しているなどという問題が取りざたされた。

 それ以上に問題なのは、会議がせいぜい週1回で、ろくに学校の視察を行っていな
い県が多々あるなどという問題である。

 たまたま、この番組に、教育再生会議のメンバーに選ばれたワタミの渡辺美樹社長
が来ていたので、「会社が非常勤の取締役(いわゆる社外取締役)だけで、意思決定
されることはないだろう?」と聞いたらところ、その通りだという回答を得た。

 そのときに、ふと思い浮かび、あえていわなかったことがある。

 「ならば、教育再生会議や、あるいは国民教育会議や教育課程審議会(前者が「ゆ
とり教育」の方向性を打ち出し、後者がそのカリキュラムを答申した)も、あるいは
臨教審といわれた審議会も同じじゃないか?」ということである。

 教育再生会議について渡辺氏は、「今回の会議は旧来のものとは違い、首相や文部
科学大臣もメンバーに直接参加しており、ここで決めたことは原則的に法にされて、
実行される」と語っていた。

 しかし、この会議も、文部科学大臣を含めて、常勤の委員はいない。

 おのおのの人間が優秀であり、おのおのの人間が教育にまつわる思い入れ(実績が
ある人は、それほどにいない。渡辺氏は、郁文館という学校を立て直したという点で
実績があることになっている。それを実績といっていいかどうかは、陰山英男氏の取
り組みと違い、教育関係者からの評価は決して高いものとはいえないような気はしな
いが、経営は立て直したようだ)があるにせよ、会議に出席して、自分の思いつきを
語るだけだ。公表された議事録を見る限り、調査に時間をかけ、そのデータに基づい
た話をしている人はほとんどいない。

 私自身、審議会の委員なる職に縁がないが(教育にせよ、医療にせよ、これだけ批
判的に語っている人間にその話をするほど官僚の腹が座っているとも思えないが)、
以前は話がくれば引き受けてもいいと考えていた。しかし、少なくとも行政にアドバ
イスするという立場の審議会ならばともかく、そこで決まったことが法制化され、日
本の子どもたちに強いられるというものであれば、非常勤で会議に出席し、好き勝手
なことをいっていいというものでは問題があるだろう。

 世界一の義務教育といわれ、各種学力調査でもトップレベルを誇るフィンランドで
は、国家教育委員というのは常勤であるし、3年以上の教育現場経験が必須となる。

 アメリカが、レーガン政権時代、自国の深刻な学力低下にまつわる調査と対策を検
討するために「卓越した教育に関する全米委員会」を設置した際も、原則的に教育の専
門家を集め、膨大なCV(curriculum vitae、いわゆる履歴・業績書)の提出の後に
厳正なる審査(たった一校、私立の高校を買い取ってうまくいった程度の業績ではア
メリカでははねられることだろう)を行ない委員が選任された。

 サッチャー政権化で、イギリスで教育改革が進められた際には、タウンミーティン
グ(これは日本のように政府主導のやらせのものでない)で、各地域の問題点を住民、
教師、そして政治家(日本の場合は、この手の集まりの冒頭に挨拶に来るだけで、話
を聞いて帰った人を見たことがない)が混じり、議論を重ねたものを集約して、改革
に結びつけた。

 おそらく先進国の中で、有名人や文化人を集めて、思いつきを語る会をもとに政策
決定を行なうといった方式をとっているのは日本だけだろう。

 では、どのようにすればいいのか?

 日本の場合、教育学者が残念ながら信頼できない。

 東大教育学部のように、教員経験のある教授がいない大学の先生方が、自分たちの
もっているモデル校での成功体験を一般化して、教育行政に強要した結果が、ゆとり
教育であり、総合的学習の時間である。

 だから、陰山英男氏のような現場の成功者や、渡辺美樹氏のようなビジネスの成功
者、あるいは、野依良治氏のような、学者としての成功者にやってもらうのは、結構
なことだ。しかし、非常勤でやる人は社外取締役のようにアドバイスと監視にとどめ
ておいて、本当に政策立案をするのであれば、常勤になっていただきたい。そのくら
いの覚悟がなければ、一国の教育行政など容易く変えられるものではない。常勤でな
ければ、現場の声を拾い上げることも、膨大な資料に目を通す時間を割くこともでき
ないだろう。何しろ日本全国の問題だからだ。

 実は、私が所属するエンジンゼロワンという団体で、教育を変えるために、民間人
校長を送り出すという提言をしていて、私もその候補にノミネートされている。

 その際に、先鞭をつけた藤原和博氏(杉並区立和田中学校校長)に受けた示唆は、確
かに常勤で今の給料では、優秀な人材は集まらないから、非常勤でいい。でも、最初
の半年くらいは毎日出る覚悟で、その後は週3回くらい出勤、うまくいきだしてなれ
てきても週2回はきてほしいという話だった。

 おそらくその通りだろう。そうでないと学校の内部のことは、教師のことも生徒の
ことも把握できないだろうし、教師たちからもお飾りだと思われてしまう。

 たった一つの学校運営ですらそうなのだから、国家教育委員会に準ずるものはなお
のことそうだろう。

 渡辺氏だって、本業ならば、月に一回やそこらの取締役会に出席するだけなどとい
うことはしないだろう。もちろん、これだけ活動範囲が広げられるのは、本業に、そ
うしょっちゅう首をつっこまなくてもよくなっているからかもしれないが、それでも
創業から10年くらいは、ほとんど全生活を会社の基盤つくりにつぎ込んだはずだ。

 常勤でなければいけないと私が訴える理由は、それだけ知らないといけないことが
多いからだ(家で、その仕事をやるのはかまわないと思うが)。

 渡辺氏は、大学入試全廃論を唱え、野依氏は塾廃止論を唱えるが、現状を把握した
上でその話をしているのか、自分の個人的経験を一般化したり、思いつきで論じたり
しているのかがまったくわからない。少なくとも、なぜそのやり方がうまくいくのか
という客観的(正確に客観的でなくても統計的におおむねあてにできる)データをもっ
て論じてはいない。

 実は、学力低下で一番危ぶまれているのは、地方の問題である。

 71年から74年のベビーブームに合わせて高校をつくりすぎた結果、1学年200万人
以上いた中学3年生が120万人前後になっている。そのため、地方では中学でビリの
ほうの成績でも、公立高校の普通科に入れてしまうのだ。このため、99年の国際調査
では、中学2年生の41%が学校の外で勉強をしていない。

 2007年から大学の入学定員と志願者数が逆転するとされるが(もう少し遅くなるよ
うだが)、今でも大学の4割は定員割れ状態である。そして先日、とある地方の低学
力大学の学力支援をしている人に聞いた話だが、大学生の半数が小学校2年生の足し
算、引き算を所定の速さ、もしくは正確さでできないのである。

 教育再生会議のメンバーは原則的に東京の人間で、このような地方の学力崩壊を知
っているように思えない(渡辺氏もそんな印象だった)。

 今必要なのは、アメリカが81年に行なったような、詳密な全国的な学力調査だろう
(これが『危機に立つ国家』というリーフレットとして刊行され、3500万部も売れた)。

 そういったきちんとした実態調査のデータの上で、能力があるだけでなく、きちん
と時間が取れる人がいないと教育崩壊を救うことができるとは思えない。



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■編集後記*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 年末年始いかがお過ごしでしたでしょうか。正月休みの感覚がそろそろ抜けてくる
頃合でもあると思いますが、私は逆にバタバタな2007年幕開けをしてしまったせいか
いまだ2006年気分が抜けません。今も時折筆記で「2006」と書いてしまうときがあり
ます。さすがに旧正月過ぎた頃には、「2007」が馴染んでくると思いますが…。 
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
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