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HIDEKIWADA[2005/12/27] 金持ちが卑しい国はほろぶ

発行日時: 2005/12/27

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:10497 2005年12月27日号
                                               http://www.hidekiwada.com
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 HIDEKIWADA.COMマガジンでは、和田秀樹の新刊情報、テレビ・ラジオなどの
 出演情報などの他に、和田秀樹の最新エッセイをお届けしています。

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■インデックス*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

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 ・新着情報(新刊・TV/ラジオ出演情報)
 ・Web情報(HIDEKIWADA.COM更新情報、連載サイト情報など)
 ・メルマガエッセイ118「金持ちが卑しい国はほろぶ」
 ・編集後記


■今号のメールマガジン*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 2005年も残りわずかとなりました。今回のエッセイは、和田が今年最後に伝
えておきたいメッセージです。他にもラジオ情報等がありますので、あわせて
ご覧ください。

■新着情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

◆TV情報

 ◎『なるほどラボ』テレビ大阪 毎週土曜日レギュラー 夕方18:30〜19:00

 ◎『ザ!情報ツウ』日本テレビ系 毎週金曜日レギュラー 朝8:00〜9:54
     新年は1月6日より出演予定です。

◆ラジオ情報

 ◎『はやみみラジオ!年末スペシャル ニュースタックル2005』
  毎日放送 12月30日 昼12:30〜5:19


★新刊情報

 ◎『「自分を変えたい」人の心理学』
   新講社 1,365円 ISBN:4-86081-099-6
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 書から自己分析法、軌道修正のやり方を学んで、自己のランクアップにつな
 げてゆきましょう。  

 ◎『マッチ棒クイズ 2』
     岡田光雄/著 和田秀樹/監修 実業之日本社 500円 ISBN:4-408-40331-8
  ベストセラー『マッチ棒クイズ』の第2弾。今回はマッチ棒だけでなくコ
 インパズルもついています。楽しみながら右脳を鍛えましょう!

 ◎『30歳からの10倍差がつく勉強法』
   PHP研究所 1,260円 ISBN:4-569-64739-1
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 30代からでも十分勝ち組になれる方法を伝授します。

 ◎『和田秀樹が20代でやったすべてのこと』
   海竜社 1,575円 ISBN:4-7593-0897-0
    和田の自伝ともいうべき20代の生き方戦略を一冊に詰めこみました!人生の
 要領やお金哲学についてを、実体験から語る新機軸のビジネス書です。

■Web情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

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 『間違いだらけの就職活動』
  和田秀樹/著 財部誠一/著 PHP研究所 1,575円 ISBN:4-569-64509-7
  ただしい就職活動とは・どのような業界があり、傾向があるのか・どんな会社
が良い会社とされるのかなど、対談形式で説いた会社選びの決定版。各業界の先
輩などからのアドバイスQ&Aが巻末付録ついており、ボリュームのある一冊とな
っています。

 『失敗に効く本』
  創己塾出版 1,260円 ISBN:4-902994-14-3
  失敗の連鎖を断ち切り、成功に結びつけるためにはどうすればいいのか。ビジ
ネスでの失敗などから切り抜ける力強いアドバイスが満載。また、和田によるオ
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■メルマガエッセイ*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

【 金持ちが卑しい国はほろぶ / 和田秀樹 】

 ソニー創業の盛田家の資産管理会社レイケイが228億円の申告漏れを指摘され
て、64億円の追徴課税を受け、事業失敗もあいまって解散したというニュースが
出ていた。

 この会社は、かつてはソニーの筆頭株主だったという。

 私の妻がこの話を読んで、盛田家の零落ぶりに同情していたが、私は、これは
とんでもない話だと考えている。ただ、世間がそういう見方をする可能性は小さ
くないので、盛田氏の話だけでなく、日本の金持ち全般がおちいっている拝金主
義について考えてみたい。

 もともとこのような資産管理会社をつくることで、日本の大金持ちたちは大幅
な相続税の減免を受けている。たとえば西武鉄道の堤家についていえば、非上場
のコクドなる会社があるおかげで、堤義明氏はろくに相続税を払わないで、西武
鉄道という会社を実質相続してしまった。

 盛田家のレイケイについても似たようなものだという話だ。(ただし、この会
社のほうがソニーより古くて、ここがやっている造り酒屋からソニーの経営がう
まくいくまでソニー社員の給料が払われていたという点では、コクドよりはソニ
ー株を大量保有する大義名分はあるが)この会社が上場しておらず、その株式の
大半を盛田家が保有していたために、盛田昭夫氏の子供はかなりの節税をしたと
される。

 日本の場合、さまざまな税の減免があり、盛田家の場合は、相続財産が393億
円あったにもかかわらず、相続税額は130億円だったとされる。ところが、これ
はレイケイの持ち株分は計算に入っておらず、週刊誌の報道によると実際は
1000億円以上の資産が継承されたとのことだ。

 3月に書いたエッセイでも問題にしたように、日本の金持ちはとにかく税金を
払いたがらない。しかし、現在の日本の社会も政府もマスコミも、その金持ちた
ちの意向に沿うように、金持ちの税金を減らして、貧富の差をつけたほうが、国
は活性化するとして方向性は変わらない。地方税の最高税率は18%から13%に、
所得税の最高税率は70%から37%に、相続税の最高税率は70%から50%にそれぞ
れこの20年ほどの間に下げられた。

 それでも、なおこのような脱税が公然と行なわれる。西武鉄道にいたっては、
名義貸しで相続税を払わなかった兄弟たちが、今頃になって相続財産を返せとい
っている。こんなやり方がまかり通るなら、みんな同じやり方で相続税を払わな
くなるだろう。

 国の歳入不足が深刻化しているというのに、金持ちが税金を払おうとしない。
ノブレスオブリージュもへちまもあったものではない。

 結果的に所得の不平等指数とされるジニ係数は、OECD27か国中10位でアメリカ
やイギリスと大して変わらない数字となっている。貧困率についても、メキシコ、
アメリカ、トルコ、アイルランドについで5位。人口の15.3%が貧困者だという
ことだ。

 私は社会主義者でも共産主義者でもないので、このような貧富の差をつけるこ
とを観念論や感情論で批判するつもりはさらさらない。

 ただ、一ついっておきたいのは、日本社会に貧富の差が少なかった時代のほう
が、はるかに生産性も高かったし、また世界経済フォーラムの国際競争力ランキ
ングの上位国は、アメリカを除くと、ジニ係数の小さい国や貧困率の低い国であ
るということに注目して欲しいのだ。

 なぜこんなことが起こるのだろうか?

 私はいくつかの可能性を想定する。
 一つは、スモールステップの考え方だ。

 たとえば60点を取っている子供に、100点をとったらハワイ旅行に連れて行く
というのと、65点を取ったら少年ジャンプを買ってあげるというのでは、多く
の子供が65点でジャンプのほうを動機づけにして頑張る。

 これは動物実験でも確かめられていることで、到達可能な小目標のほうが、到
達が困難な目標に大きなインセンティブをつけるより、はるかに動機づけになる
ということだ。

 日本の場合、かつて社会主義的といわれるほど、累進課税が厳しく、また社長
と一般従業員の給与格差も少ない国だった。しかし、社会主義と違って、完全に
みんなが同じ給料というわけではない。だから、一億総中流といいながら、周り
とはちょっとした差がついていた。そしてみんなが「ちょっと上」を目指してい
たので、結果的に生産性があがったということだ。これはもちろん国の教育レベ
ルを上げる。貧富の差をつけない北欧諸国が、学力調査で意外に上位に来ている
のはそういう理由があるのかもしれない。
 逆に貧富の差が大きくなって以来、日本では諦めが蔓延していて、子供たちの
学力低下も進んでいる。

 二つ目は、逆に現代は生産性より消費の時代だということだ。

 仮に貧富の差をつければ生産性があがるとしても(私は上記の理由でこれにつ
いては否定的だが)、現在、生産性は足りているのに、消費の足りない消費不況
と考えられている。これからアメリカを除く世界中の先進国で人口が減り始め、
生産性はこれからもあがり続けるとすれば、消費不況は慢性化することになる。
この場合、消費が盛んな国ほど有利なポジションにあるといえる。

 ケインズは貧しい人ほど消費性向が高いので、金持ちから税金をとって、貧乏
な人に福祉や仕事を与えることでお金を渡すのが消費を高める方法論だと提起し
たが、これは当たっているだろう。また福祉が豊かだと人々は安心してお金が使
えるということもあるだろう。

 さらにいうと、国民全体の教育レベルや可処分所得が大きくなると、消費者の
要求水準が上がるので、サービスや製品の質が上がり、国際競争力も高まる。ま
さにかつての日本のモデルである。

 ついでにいうとあくまでも経験則だが、貧富の差が大きくなると治安も悪くな
る。貧しい人にとっては失うものも少なく、得るものが大きいのだから、犯罪が
増えて当たり前といえる。

 そういう点で日本の国力のために今のままでは危険だと考えるのだ。

 アメリカが繁栄しているからといってまねをするのは危険だ。

 一つは、アメリカの場合、自国で生産性があがらなくても、世界中に投資して
いるし、また自国で教育レベルが下がっても世界中から優秀な人材が集まる国柄
である。

 日本がまねをしたからといって、逆に優秀な人材がアメリカから引き抜きをさ
れかねない。

 二つ目は、アメリカだけが先進国でも例外的に高齢化が遅れ、人口が増え続け
ている国である。だから、つねに生産性をあげる必要が高いが、それ以外の人口
減少国は消費をふやすことのほうがプライオリティがある。

 三つ目は、アメリカの場合、貧富の差が大きくなっても、ノブレスオブリージ
ュやチャリティの教育がエリート層になされているし、また宗教も強いので、貧
乏人がどうにかやっていける素地があるが、日本のほうが政府以外は貧乏人に冷
たいので、福祉を削るととんでもないスラムができかねないという問題がある。

 四つ目は、アメリカの場合は、金持ちほど子供に教育をつけるが、日本では年
収1200万円までは収入が増えるほど、子供の学力が高いが、それ以上はむしろ学
力が下がる。金持ちの子ほど勉強をしないのに、階層が固定化し、政治家も財界
人も世襲化され、官僚の力が落ちると、勉強をしている人間より、金持ちの子の
ほうがリッチというのが、あまりに目立つようになるので、教育のインセンティ
ブが大幅に落ちるということがある。日本が階級社会になれば、優秀な人間はア
メリカに流出する可能性も高まるだろう。

 そういう点で、貧富の差を放っておいたり、金持ちが自分の財産保全にきゅう
きゅうとし、課税の方向性も金持ち優遇が続くのは非常に危険なことである。

 それでも一部の金持ちが稼いでくれれば、日本は安泰と思うかもしれない。

 しかし、日本の最近の新興の大金持ちは、ホリエモンにしても、三木谷氏にし
ても、村上氏にしても、あるいは孫氏にしても、すべて国内の金を右から左に動
かしているだけで、外貨をさっぱり稼いでいない。日本の経済そのものが沈んだ
ときに、生き残れるかはわからないだろう。現実に外貨を稼げる企業というのは、
トヨタやキヤノンのような終身雇用で企業内福祉のしっかりしている会社だ。

 ついでにいうと、日本がヨーロッパ型の大きな政府にすることに、今の日本人
は否定的だが、財政が肥大化して、莫大な借金を抱えることになったのは、決し
ていわゆる「大きな政府」のためではない。

 日本の場合、医療費や教育費の政府支出は対GDP比では先進国の最低レベルなの
である。福祉についても、基本的には税金ではなくて、保険の方式を使っている
ので、国家予算からの支出は決して多くない。その上、医療や教育の政府支出に
は、世界でいちばん建物だけは立派な学校や病院のようなハコモノにばかり金を
使っているから、入院患者一人当たりの看護士の数も、学校のクラスの人数も先
進国では最低レベルだ。要するに土建業者を儲けさせるために税金が湯水のよう
に使われ続けてきた。だから、政府の支出が減ると、土建業者は立ち居かなくな
るし、民間工事では手抜きが横行する。

 あるいは、赤字国債が増え続けたのは、確かに世界でもっとも安い消費税とい
うこともあるが、歳入欠陥が明らかなのに、金持ちの最高税率を減らし続けたこ
とによるといっていい。

 結果的に社長が何百億も資産をもっているのに、社員の平均年収が400万円とい
うような日本経済が強かった時代は考えられなかったことが起こっている。

 金持ちはどんなに貧しい国でも金持ちである。フィリピンがどんなに貧しい国
になってもマルコス一族は大金持ちだったし、北朝鮮の金正日レベルの暮らしを
している人は日本にだって数えるほどしかいないだろう。

 国の豊かさは、貧乏人の少なさや相対的な貧乏人の生活レベルの高さに負う。
だから、アメリカ人がカトリーナで貧しい人たちが激しい被害を受け、途上国さ
ながらの生活をしている実情をみて愕然とするのである。

 金持ちの卑しい国はほろぶ。

 これは私が本年最後にしておきたい予言である。



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きにさせることによるメリットなど、ふんだんに盛り込まれた教育指導書です。

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■編集後記*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 今年も無事、2005年度最後のメールマガジンをお送りすることができました。
 2005年度のHIDEKIWADA.COMマガジンも和田のエッセイ共々"ため"になったり
楽しんでいただけましたでしょうか?来年も変わらずコンスタントに配信して
いきたいと思います。 それでは、よいお年を。
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