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HIDEKIWADA[2005/10/26] 靖国参拝に思う
発行日: 2005/10/26━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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先月衆議院選を圧勝した小泉総理が、今月にはいり、靖国神社を参拝しました。
周辺国を巻き込んだ靖国問題が白熱する中、文化人の立場から和田が自論を展開
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【 靖国参拝に思う / 和田秀樹 】
またまたといっていいのだろうが、小泉首相が靖国神社に参拝した。
今回は小泉首相もかなり気を遣ったようで、本殿には参拝せず、スーツ姿で、
黙祷をささげただけというものであったが、案の定、中国、韓国のような周辺諸
国の猛反発を食った。
こういう問題がいつも起こる際に考えるのは、経済的な国益である。
私は右でも左でもないし、靖国問題については、絶対ダメとか、絶対参拝すべ
しというほどの見識は持ち合わせていない。確かに戦没者を慰霊する心情はわか
るし、逆にA級戦犯が合祀されているのに参拝すると(戦前の日本がひどい国だ
という教育をうけてきた)周辺国が怒るのはわかる。千鳥が淵に戦没者墓苑があ
るのに靖国のほうを参拝するのにある種の意図を感じてしまう気持ちもわからな
いわけではない。
もちろん靖国神社だけ首相が参拝すると特定宗教に肩入れすることになるし、
大阪高裁はこれに違憲の判決も出している。これもこれでわからない話ではない。
その反面、私だって、気持ち的に靖国に参拝したくないかというと、そのくら
いいいじゃないかと思うし、戦没者の霊を慰めるのも当然といえば当然のことだ。
ただ、私はその手の宗教心がないせいか、むしろやはり国益のことを考えてし
まう。
首相が靖国を参拝しないで、周辺国の言いなりになってしまうと日本人の誇り
を損なう(つまり、広い意味で国益を失う)という考え方もあるが、そういう人
がいないことは心理屋として否定はしないが、そこまでたいそうなものとは思え
ない。
やはり中国や韓国の反発がどの程度国益を損なうかを考えるべきなのだ。
要するに、昔中国や韓国がろくな経済力をもっていなくて、日本からの援助に
頼っていた頃であれば、彼らが少々反発したところで屁でもなかった。それなの
に、当時の首相たちは行かなかった。中曽根さんは堂々といったのに、反発に簡
単に折れてしまった。当時ならまだギリギリ、彼らに嫌われてもそれほど痛くな
かった時期だったはずだと私は思う。
しかし、今ではアジアはアメリカ以上の貿易相手国だ。経済界の人たちが靖国
参拝を自粛してくれという気持ちはよくわかる。
何がいいたいかというと、周辺国に嫌われても痛くなかった時期に靖国に行か
なかったくせに、嫌われると痛い時期になってわざわざ行くのが本末転倒だとい
うことだ。
しかし、これはある意味、心理学的には納得できる行為でもある。
人間、現状がうまくいっていたり、成功者になっていたり、余裕があるときに
は、過去の栄光にしがみつく必要もないし、自分たちの尊厳とか誇りみたいなも
のをわざわざ声に出していう必要もない。過去のことを含めて自己正当化の必要
もそれほど感じないだろう。いわゆる「金持ち喧嘩せず」というやつだ。
経済成長がうまくいっているときや、アメリカをぬいて世界一だと浮かれてい
たときや、あるいはバブル景気に浮かれていたときには、靖国にどうしても行く
べしなどという機運も生まれなかったのだろう。アメリカに勝つにはどうすれば
いいかとか、過去は少々悪いかもしれないけど、今はすごいだろという感じで余
裕しゃくしゃくだったのではないだろうか?
もちろん、経済成長ばかり追いかけて、国の誇りを教えなかったことは、現在
につながる問題を誘発したのだろうし、そういう批判もないわけではなかったが、
大多数の国民にどうでもいいことのように感じられたように思われる。極端な推
理をさせてもらえば、拉致問題にしても、あの頃に北朝鮮が謝っていれば、「カ
スな国はしょうがないな」程度で済んでいたかもしれない。
しかし、自分が落ち目になってきたり、うまくいかなくなってきたり、あるい
は自信を失ってくると、まったく逆の心理が働く。自分は強いと思いたくなるし、
自分は悪くない、自分は過去にも悪いことをしていない、などと自己正当化した
い気持ちが湧き上がってくるし、自分たちより悪い国をみつけては、ほっとした
り、そこをぼこぼこに叩きたくなる気持ちにもなるのだろう。
こういう心理背景があるから、本来の国益とは逆に、景気が悪いときに、ある
いは周辺国より相対的に力が弱くなっているときに、周辺国を怒らせるようなこ
とをやってしまう。(景気がいいときであれば、まあ、周りが怒っているならし
ょうがないかと思えるのに)
そんなこんなで、多くの国は、景気が悪いときに、つまらない国威高揚のため
の戦争をやって、景気がいいときにやっていれば勝てたかもしれないのに、結果
的に大負けになってしまうのだろう。戦前のドイツも日本もそうだし、アメリカ
もベトナム戦争で負けたり、その後は負けはしないが、ほとんどメリットのない
戦争を繰り返している。
結果的に、今、中国や韓国に嫌われるデメリットは大きい。日本に残された最
後の巨大市場(インドも残っているが)ともいえる中国市場を失いかねないし、
それ以上にまずいのは、その市場を韓国に取られてしまうかもしれないことだ。
これは大きい。そうでなくても、サムソンなどはスケールメリットで、液晶事
業や携帯電話事業などで、日本企業を凌駕しだしてきている。それが中国市場で、
日本はむかつくので日本のものは買わないということで、韓国のものが歓迎され
るのであれば、どんなものを作っても韓国企業のほうが大量生産が可能になるの
で、彼らの製品のほうが、ほかの国でも(つまりアメリカなどでも)競争力が強
くなってしまう。日本でも競争力が強くなるだろう。さらに彼らはそうして手に
した資本によって、技術開発に金がつぎ込めるのでますます強くなるかもしれな
い。そうでなくても、たくさんの会社が乱立している日本より、韓国では寡占化
の力で、電器ではサムソン、自動車では現代が力を集中しているのだ。
そういう理由もあって、今、わざわざ靖国に行く必要はないのではとは思うが、
日本人の誇りや、内政干渉に負けない強さ、あるいは先祖の霊を大切にするとい
う素直な気持ちを満たすためになすべきこともないわけではない。
それは教育に力を入れることだ。
今だって、中国や韓国がひどい反日運動をやっているが、まだ不買運動という
話になっていない。これは、まだまだ日本に経済力があって、向こうだって日本
にものを買ってもらわないと困るからだ。
まだまだ日本はこれまでの蓄積があって強いのである。
実際、日本が単独で北朝鮮に経済制裁をできると思っているのも、むこうから
は安物のマツタケくらいしか買うものがなく、わざわざ買ってやらなければいけ
ないわけではないのに、向こうはできれば日本製品もほしいし、また外貨もほし
いから日本にもものを買ってもらいたいからだろう。いくらでもほかに自国製品
を買ってくれる国があって、あるいは韓国製品が十分優秀なので、日本から買い
たいものなんかないという状況なら、北朝鮮は経済制裁を屁とも思わないだろう
(もちろん、パチンコ屋やヤクザなどが噂されているように不正送金をしている
なら、やはり屁とも思わないだろう。しかし、日本の普通の会社でも3年に一回
は厳しい税務調査を受けるのに、彼らに白黒をはっきりして噂を払拭するために
も税務調査をやれとは拉致議連も家族会も一切いわない。利権はないと信じてい
るが----拉致議連の人の中になぜか金回りのいい人が少なくないし、パチンコ屋
から献金を受けたと週刊新潮に実名報道を受けた人がいるのは事実だが----すご
く不思議に思う)。
どちらにしても、日本製品のほうが、韓国や中国製品より優れている限りは、
反日運動は単なるマスターベーション的なものになるが、彼らより製品の質で負
けたり、同等のものしか作れなくなるとすると、あるいは彼らの製品のほうがア
メリカなどで売れて、日本が競争で負けて、ろくに外貨がなくなって、韓国や中
国のお客さんでなくなるとすれば、ときの総理が靖国に行くと、彼らが経済制裁
をすることだってできるようになる。
日本は気に入らないが、日本製品はやはりほしい、あるいは日本は気に入らな
いが経済力が強いので日本に買ってもらいたい。と思ってもらえなくなればアウ
トだろう。
だから、日本は少なくとも彼らには勝ち続けないといけない。
そのためには、やはり国民の質が高くないといけない。とくに将来の国民の質
が、である。
しかし残念ながら、日本人の学力は、中国、韓国、台湾に負けている。東アジ
アで日本に学力が負けているのは、いつでも、どこの国にでも経済制裁を受けて
不思議でない北朝鮮だけだ。
こっちの問題があるから、私は靖国問題を危険視するのだ。
小泉さんがどうしても靖国に行きたいのなら、堂々とこういうべきだ。
「日本人が内政干渉を受けず、堂々と靖国に行き続けるためには、中国や韓国に
将来の労働力で負けるわけにはいかない。日本人の誇りを守るために、子供たち
には勉強をしてほしいし、勉強をさせてほしい」と。
そして、11月2日の内閣改造の際には、学力崩壊に歯止めをかけ得る数少ない
文部科学大臣の中山成彬氏を留任させるべきだろう。
小泉チルドレン優遇のために、ゆとり教育派の文部科学官僚にまた負けそうな
人を文部科学大臣に据えて、その上で、靖国参拝で諸外国に総スカンを食うのな
ら、まさに売国行為だ。
日本人の学力が低下して、商品の競争力がないのに、中国や韓国に嫌われて、
売るほうの競争に負けるようなことのきっかけを作るなら、将来、日本が貧乏な
国になったときに、小泉氏が転機の人といわれるだろうし、逆に日本人がこれを
きっかけに誇りを取り戻して、勉強の国に戻れば、小泉氏の名前は一生讃えられ
るだろう。
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好評の『センター試験突破マニュアル』を新課程入試にあわせたほか、リスニ
ング対策、理科3科目対策など、新しい入試に合わせてバージョンアップいたしま
した。
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■編集後記*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
先日、紅葉を見に奥只見へと行ってきました。そのまま温泉宿に泊まったわけ
ですが、翌日が新潟県越中地震が起こってちょうど一年の日だったとは思わず、
少しびっくりしてしまいました。一年って本当、早いですね…。
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