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『大人のための勉強法』などの著者である精神科医、和田秀樹氏のエッセイ・最新情報等が掲載されるメールマガジンです。




HIDEKIWADA[2005/09/28] 出たい人より出したい人を選ぶシステム

発行日: 2005/9/28

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:10024  2005年9月28日号
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 ・編集後記


■今号のメールマガジン*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 日本を揺るがした今回の総選挙。半月以上経ち、新たに見えてきた選挙制度の問
題点と、自民党が勝ったワケ、民主党が負けたワケを和田が分析したエッセイです。
新刊情報などもありますので、あわせてご覧ください。

■新着情報*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


◆TV情報

 ◎『ザ!なるほどラボ』テレビ大阪 毎週土曜日レギュラー 夕方18:30〜19:00

 ◎『情報ツウ』日本テレビ系 毎週金曜日レギュラー 朝8:00〜10:30


◆雑誌連載情報

 ◎『AERA』にて、「面倒見のいい大学」好評連載中!


★新刊情報

 ◎『「お金が集まる人」の心理学 』
     新講社 1,365円 ISBN:4-86081-090-2
    どうすればお金がたまるのか、お金が集まる人になるのか。お金に縁のある人
 間になるためのポジティブな提案を本書で大々的に提案します!

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     ぶんか社 570円 ISBN:4-8211-5005-0
    和田がかねてから主張している外見を賢く見せれば中身がついてくる具体的テ
 クニック集、『「本当にできる人」になる速効!必勝の勉強法』の文庫化です。

 ◎『大人のケンカ必勝法 ムック版』
     PHP研究所 1,000円 ISBN:4-569-64486-4
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  庫『大人のケンカ必勝法』が、わかりやすい図解のムックになりました!

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     日経BP社 1,575円 ISBN:4-8222-4472-5
    若返りとダイエットを内臓から行なうテクニックに、老人専門の医師でもある
 和田が共鳴を受けて日本に紹介を決意!10歳は若返る健康法満載です。


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     角川書店 760円 ISBN:4-04-710013-7
    本の選び方から本や本以外の情報源の読み方、情報の整理など、ただしい読書
 法を示した本です。推薦図書なども載っているので、読書の具体的な参考になり
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★新刊ピックアップ+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

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   DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部/編・訳
   ダイヤモンド社 2310円 ISBN:4-04-710013-7
  リーダーになる上で必要なことは、個と全体にたいするそれぞれの心をつかむマ
ネジメント。心理学を応用し、リーダーたちに起こるさまざまな障害とその改善法
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るインタビューが掲載されています。

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   文芸春秋 1500円 ISBN:4-16-367390-3
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寿をまっとうするための指南書です。和田による老人医療についてのスペシャルエ
ッセイも追加されています。

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ろばんをはじめて習う子たちのための入門書です。家庭学習の教材としておすすめ
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■メルマガエッセイ*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

【 出たい人より出したい人を選ぶシステム / 和田秀樹 】


 またあえて選挙の結果について書きたい。

 今度の選挙の結果で、もう一つ問題になったことに、比例区で、国民が望まない
人間がたくさん当選したことがある。

 自民党の側では、選挙区で予想外の当選者が出たため、名簿下位の人間が、たと
えば東京などでは全員当選ということになった。そういう際の審査が甘かったため
に、「料亭に行きたい」というような人間が、当選することになって国民の顰蹙を買
った。

 あるいは、選挙区で負けた女性刺客議員のほとんどが復活当選した。しかし、と
くに落選議員のほうは、週刊誌でスキャンダルが暴露され、選挙区の人間が嫌った
ケースが少なくなかった。

 さらに、前回のエッセイでも問題にしたように、民意にそっぽを向かれて落選を
したはずの社民党の、ゆとり教育どころか、子供に勉強するな教育の旗振り役のよ
うな男が、自民党が立てた候補者が足りなかったために当選するというハプニング
までついた。

 そういうわけで、比例区なんかなければいいのにという声も小さくはない。

 さらに、よくよく考えてみると、比例区がなければ、自民党が400議席などとい
う大勝をしていたはずだ。小選挙区では、風が吹くと圧勝するという怖さがある上
に、自民党の場合は、集票力に定評のある宗教団体が全面支持している政党と連立
を組んでいるのだから、小選挙区では圧勝ということになりやすい。

 逆にいうと民主党のほうは、支持団体の労働組合があてにならず、しっかりした
固定票をもっていないので、大勝は難しい。

 新しい代表は労働組合との決別をうたっているが、自民党が公明党に上手に妥協
しながら、PKOも含め、言うことを上手に聞かせながら、選挙のときは、きちんと
集票に協力させる。それに比べ、民主党のほうは、労働組合に妥協して、今回の郵
政民営化にだってきちんと賛成したりできず、自民党以上の改革路線がとれなかっ
たのに、もういっぽうでは公明党の支持母体である宗教団体ほどの集票もしてもら
えないことに問題があるのだろう。

 つまり、ある意味では自民党は上手に宗教団体を利用しているのに、民主党は逆
に労組に利用されている。

 自民党だって、宗教団体が足かせになって集団的自衛権を言い出せないのに、集
票もやってくれないというのなら、公明党と決別ということになるのかもしれない。

 しかし、私は民主党と労組の決別は賢明な選択とは思えない。労組に対して、
「そちらの主張ばかり聞いていたら、選挙に勝てない。政策は、あなたがたの生活
を守るという点では悪いようにしないから、我々に任せてほしい。それ以上に、公
明党の支持母体である宗教団体以上の集票をしてもらえないようなら、選挙に勝て
ないので、自民党のいいような政治になるけどいいか?」とでも脅して、集票には
なるべく協力してもらいつつ、政党としての自主性を確保するようにできるのが賢
い政党運営というものだろう。

 労組と組むのが悪いのではなく、労組しか集票組織を持たないのが悪いのであっ
て、ほかにもいろいろと支援団体があるから、そっちの顔も立てないといけないと
いうことで、労組をワンオヴゼムにできるかできないかが重要なポイントのはずだ。
それを国民に阿って、労組と決別というのでは、本気で政権をとるのかを疑われて
しまう。
 要するに進歩派の経営者団体だとか、公明党の支持母体である宗教団体と対立し
ている宗教団体だとか、そういう別の支援団体をなるべく多く探すべきなのだ。

 余談が長くなったが、私は比例区については、別の活用方法があると考えている。

 要するに出たい人間より、出したい人間を出せる場として使えばいいのだ。

 かつてイギリスのウィンストン・チャーチルはとても選挙が弱かった。将来を嘱
望され、イギリスの国を強くするために必要な人材と思われていたのだが、地元利
益を考えるような器用なことができないので、自分の選挙区では小選挙区制で勝て
ない。

 そこで保守党の長老たちは、チャーチルには、選挙で苦労しないで済むように、
保守党の楽勝の地盤に選挙区を変えてやったということだ。

 確かに、どんな優秀な人間であっても、一度くらいは、選挙区で苦労をさせるべ
きだという考え方はある。

 しかし、たとえば竹中平蔵氏などは、少なくとも選挙区の選挙で、選挙民まわり
をしなくてもいい状況で、政治が行なえるように配慮をされてきた。彼の政策には
賛否両論があるだろうが、考え方としては、選挙のことを考えないで済むので、嫌
われるのも怖くないし、思い切ったことができるという側面があるのは確かだ。今
回の猪口邦子さんだって、同じような発想で起用したはずだ。

 現実には、選挙のことを考えるといやになって優秀な人間が政治家を避けるトレ
ンドは続いている。

 結果的に、今回の選挙でも、比例区の猪口さんを除いて、選挙区に出た文化人と
される人たちは、無所属で出馬したホリエモンをのぞくと、多くの人が聞いたこと
がないようなレベルの人たちばかりだった。

 私も、いろいろな人から声をかけられなかったかと問われ、声をかけられなかっ
たのは無名であるから故と思っていたが、ふたをあけてみると、私以上の無名文化
人しか立候補していない。むしろ、ほかで稼げるとか、すなおに言うことを聞きそ
うな人しか声をかけられていないということで若干ほっとした気がする。

 この考え方でいくと、選挙に出ないかと声をかけられるのは政党の言うことを聞
く人か、出たがりの三流文化人か、昔は名声があったが今は終わっている人(巨泉
さんや升添さんがそうだといっているわけではないが、そう見える人も少なくない
だろう)。そして、選挙特番に出るのが一流文化人ということになる。

 そういうと選挙特番に出ていない私は二流文化人になってしまうということで、
次の選挙までの目標を選挙特番に出ることにおきたいのだが、そういう冗談はおい
ておいても、とにかく今の政治家は出たい人ばかり出て、出したい人があまり出て
いないのが現状だ。いくら名簿下位だからといって、どうでもいい人が立候補して
いると、自民党だって層の薄さを思い知らせるだけだ。

 たとえば、私が民主党の執行部だったら、あえて民主党の党首になってほしい人
の国民投票を行なう。誰が一位になっても文句をいいっこなしで、その人に頭を下
げて党首になってもらう。石原慎太郎になるかもしれないし、最悪小泉さんかもし
れない。断られたらよけいに恥ずかしいし、低迷の原因になるかもしれないが、そ
のくらいの賭けをしないと立ち直るのは難しいだろう。さすがに自民党員は無理だ
ろうが、それ以外の人間を口説くのであれば、国民投票上位というのは大きな大義
名分になるはずだ。

 あるいは、各地域のブロックの名簿一位は、重複立候補をさせずに、その地域の
優秀な改革派首長にお願いする。そうすれば、たとえば民主党は地方分権を重視す
る点で自民党と違うというような形で違いが打ち出せる。(彼らが立候補する大義
名分のために、あえて事前選挙をするという戦術はありえる)

 ついでに言うと、今回の選挙で意外に気づかれていないことは、重複立候補のた
めに身動きが取れなくなった人がたくさんいることだ。

 たとえば、亀井静香氏にしても、ホリエモンがでたおかげで選挙区に張り付かざ
るを得なくなった。これによって、いろいろな選挙区で郵政民営化反対のための応
援演説が弱々しいものになったはずだ。また菅直人氏にしても、現職武蔵野市長の
土屋正忠氏が出たために、やはり選挙区に張り付かざるを得なくなった。
 これによって、民主党は客がたくさん呼べて、演説のうまい応援弁士が一人いな
くなったということだ。

 逆に名簿一位に影響力の大きい人を据えて、選挙区で戦わないで済むようにすれ
ば、その人は各地に応援演説にいける。

 出たい人より出したい人を出すということが、改革能力を疑われる政党にとって
は起死回生の策かもしれない。社民党に誘われても出なくても、民主党なら出ても
いいというポテンシャルは残っている。当選を何回もしなくても大臣を狙えるとい
うのが、数少ないとりえなのだから、それを活かさない手はない。

 今回の小泉首相のやり方をポピュリズムと批判する向きがあるが、選挙というの
はそういうものだ。それ以上のポピュリズムの方法を考えない限り勝ち目がないの
ではないだろうか?


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■編集後記*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 先日まで猛暑の尾がひいていたと思いきや、今週にはいってからはすっかり秋の
装いです。10月にはいる頃までには、冬支度の衣替えを考えておくべきなのか、逆
に暑さがもう一度くらいは戻ってくるんじゃないか、と悩んでも仕方のないことで
悩んでしまいます。くだらないことで悩むことができるあたり、平和な証拠なのか
もしれませんね…。
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