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HIDEKIWADA[2003/11/03] 大本営発表を信じすぎるな

発行日: 2004/11/3

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:8837   2004年11月3日号
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■インデックス―――――――――――――――――――――――――――――――

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 ・編集後記

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■今号のメールマガジン―――――――――――――――――――――――――――

 最近ニュースを見ても、どこも同じような内容の報道しか行なわれていないこと
に、辟易しています。事実は事実のまま伝えるべきですが、見解までも同じでは、
報道の自由も意味がありません。今回のエッセイは、そんなマスコミに物申す「疑
う力」について。TV出演でも、この「疑う力」について取り上げています。

■新着情報―――――――――――――――――――――――――――――――――

◆TV情報

 ◎『世界一受けたい授業』NTV系 11月6日(土)19:57より
  「疑う技術」についての講義を行なっています。
  
 ◎『情報ツウ』日本テレビ系 11月8日8:00より

◆新刊情報 

 ◎『「感情コントロール」で自分を変える』講談社 1365円 ISBN4-86081-058-9 
 人に好かれる「機嫌のいい人」になるために大切な、物事の考え方、感情のコン
トロールの仕方をやさしく説いた本。感情との上手な付き合い方から、豊かな「感
情生活」を送りましょう!

 ◎『最先端心理学による受験革命』学研 1050円 ISBN4-05-301559-6
 受験で一番大切なのは自己管理能力。心理学を駆使した「やる気タイプ自己判定
テスト」から、受験を攻略するために何が大切かを詳しく教えています。


■Web情報――――――――――――――――――――――――――――――――

 ◎受験生の子を持つ親、教育関係者に贈る「学力向上!親の会」入会受付中!
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 ◎50歳からのエルダーコミュニティサイト「遊学舎」で 「50歳からの活力人生」
   を好評連載中です。
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★新刊ピックアップ★--------------------------------------------------------

  『数字で考えれば仕事がうまくいく』
 日本経済新聞社 1,365円 ISBN4-532-31160-8

 問題の把握・解決方法の探求・相手の説得など、数字によって得る思考の力の大
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■メルマガエッセイ―――――――――――――――――――――――――――――

【 大本営発表を信じすぎるな / 和田秀樹 】


 11月6日にON AIR予定なのだが、『世界でいちばん受けたい授業』(NTV系)
という番組に出る。

 私の一回目の講義のテーマは「疑う技術」というものである。
 前々から、このエッセイでも問題にしているように、私は今の日本のマスコミは
一面的な報道が多すぎる気がしている。それに対して、何でも情報を鵜呑みにしな
いようにというのが主眼だった。

 この一面的報道は、とくにあの日朝首脳会議以降がひどい。
 当時は、北朝鮮の悪口なら何でもフリーパスだった。脱北者の証言は何でも真実
とされた。国を嫌っていなければ、国を捨てることはないわけだから、彼らの証言
がすべて真実であるかどうかは疑う必要はある。

 人間が立場によってものの考え方が変わるし、場合によっては嘘をつくというの
は、認知科学の基本的なことである。日本を嫌になってでていった赤軍派の連中
が、たとえば北朝鮮やリビアにいって「日本はこんな国だ」と言った話が真実でな
いのと同様のことだ。

 その中で気になるのは、警察発表や政府の発表を鵜呑みにして、マスコミが悪者
を作る構図だ。

 前にも触れたかもしれないが、私の同級生が、アメリカでの研究試料を持ち帰ろ
うとした罪で、アメリカからスパイの疑いで告発されたことがあったが、この事件
にしても、日本のマスコミは、アメリカの当局から流される情報を鵜呑みにして報
じ、彼を一方的な悪者に仕立て上げた。持ち帰ろうとしたデザイナー遺伝子という
のは、現実には存在しないものだったのだ。

 アメリカが技術を守るために、相手をスパイで訴えることを辞さないのに、日本
では、たとえば青色ダイオードの開発者である中村修二氏が日本の技術をアメリカ
の企業に無断で売ろうとした際に、日亜化学がそれを訴えようとしたら、日亜はひ
どい会社だということで、日本のマスコミは袋叩きにした。

 最近、気になるのは、ダイエーであれ、UFJ銀行であれ、シティバンクであれ、当
局が悪者だと決めた会社はこてんぱんに叩かれることだ。

 確かに、彼らには巨額の不良債権があったり、検査妨害があったり、日本の法律
に触れるようなことをやったわけだから、批判はされても仕方がない。
 しかし、ダイエーにしても曲がりなりに何十億円も黒字を出しているわけで、借
金のほうは今に始まったことではなく、むしろ(債権放棄はあったにせよ)昔の半
分くらいになっている。むしろ、借金がたくさんあった頃、今より収益体質が悪か
った頃のほうが、優良企業のように言われていた。

 土地の値段が下がって、借りている金より、もっている資産のほうが少なくなっ
たにせよ、回っている会社をぼろくそに叩いて、かえって客離れを誘発するようで
は、銀行が何のためにあるのかと思ってしまう。そして、バブル期に喜んで貸した
のは銀行のほうなのだから。

 UFJ銀行にしても、確かに不良債権の記載を少なめにしたということだが、最近に
なって、不良債権のもとで危ないとされる会社があまり潰れなくなってきているの
だから、ある程度、基準を銀行にも認めてやってもいいのではないかという気もす
る。

 だいたい、破綻懸念先とか、要注意先とか言われる債権にしても、それが本当に
その確率で倒産しているわけではない。また貸した金と損をする金は違う。つまり
5000億円貸して、資産を2000億円で売れることになれば、損は3000億
円だが、不良債権は5000億円ということになる。

 そんなこんなで景気が回復基調になって、不良債権が昔ほど重いものでなくなっ
てきた矢先にUFJを狙い打ちにするところに、無理にでもUFJを潰して東京三菱とく
っつけようとする当局の意図が感じられてしまうのだ。

 今回は、そういう批判をかわすためか、UFJの悪辣な検査妨害のことばかりの情報
が金融庁から流された。検査官の目の前で書類を破り捨てたなどということが、本
当にあったのかと疑うが、その話は何度となく報じられる(一回くらい、そんな本
物のバカの行員がいたのかもしれないが、それをいいことに何度も報じることに恣
意性が感じられる)。いつの間にか、UFJは悪徳金融機関の典型にされてしまった。

 シティバンクについてもそうだ。
 竹中氏が外資に甘いとされていたので、そうでもないことを示すことにはなっ
た。
 確かに、シティにはひどいセールスを行う行員もいたようだが、一般的にはアメ
リカで許されていることを日本でやったことが批判の槍玉にあがっているのだか
ら、プライベートバンク業務の規制緩和をもっとすべきなのではないかという声が
あがってもよさそうなものなのに、それはあがらない。

 私ごとになるが、私もシティの顧客であるが、日本のどんな金融機関よりシティ
に儲けさせてもらっている。歩合の関係もあって金融商品を売りたいせいか、投資
信託にしても確かに商品力に優れているし、客をだますより、客に儲けさせるほう
が、将来的に客がつくことがセールスの人もわかっているようで、ろくな金融商品
が出せない日本の金融機関に見習って欲しいところもあった。

 確かにだまされる人もでてくるだろうし、性質の悪いセールスをする人もいるだ
ろうが、それは規制緩和の諸刃の刃である。弱者を保護するか、自由競争を基本と
するかは、哲学の問題だ。これまで後者できたのに、シティに関しては前者という
のでは、政策の整合性が問われる。

 しかし、マスコミが金融庁の言いなりになって情報を流してくれるおかげで、金
融庁は気に入らない銀行はいつでも潰せるし、規制に関しても彼らの好き放題にで
きるようになった。(まったく悪いことをしていないところはOKだろうが、日本は
何度も問題にしているように非合法黙認社会だから、どんなまともな会社でも叩け
ば少しはほこりがでてくるのだろう。それを叩くかどうかを金融庁が決められると
いう構図は、スピード違反にせよ、ソープランド売春にせよ、気に入らない運の悪
い人間だけを摘発する警察の構図と同じだ。かくして警察は巨大な利権を得ている
のだ)

 もともとが大蔵官僚の集まりだから、このあたりは自分の権益を作ったり、守っ
たりするのは得意技なのだろうが、もう少しマスコミにもまともな目をもってもら
いたい。

 最近、聞いた話だが、イレッサという抗がん剤が副作用の死者をたくさん出して
袋叩きにあったが、同時にやはりよく効く薬でもあるという。そして、副作用死
2%というのは国際標準なのだそうだ。手術だって、それ以上のパーセンテージで
死ぬわけだから、そのあたりの報道もすべきなのに、それは報じられることはな
い。

 マスコミがもう少し勉強をしてくれないと、日本は相変わらず官僚の独裁国家に
なるということを最近痛感している。



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 『黄昏恋愛術』学研 1,470円 ISBN4-09-387519-7

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る――そんなあなたの恋愛観を「大人の恋愛」を巡るふたりの対話が、ゆっくりと
解きほぐしていく恋愛哲学論です。

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■編集後記―――――――――――――――――――――――――――――――――

 10月は、台風に大地震にと天災ばかりが続き、自然の脅威を見せつけられたよう
な気がします。被災に遭われた方々には、この場にて、お見舞い申し上げます。明
日は我が身、という気持ちで事前に備えないととも思いつつ。
 11月は、長雨もおさまって、穏やかな秋晴れが続くといいですね。

 次号は11月下旬頃に発行を予定しております。ご期待ください。
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