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HIDEKIWADA[2004/2/21]

発行日: 2004/6/21

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:8332   2004年06月21日号
                                                   http://www.hidekiwada.com
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 HIDEKIWADA.COMマガジンでは、和田秀樹の新刊情報、テレビ・ラジオなどの
 出演情報などの他に、和田秀樹の最新エッセイをお届けしています。

 ◆バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 --> http://www.melma.com/mag/76/m00018676/index_bn.html

■インデックス―――――――――――――――――――――――――――――――

 ・今号のメールマガジン
 ・新着情報(新刊・TV/ラジオ出演情報)
 ・Web情報(HIDEKIWADA.COM更新情報、連載サイト情報など)
 ・メルマガエッセイ85「子どもの犯罪の何が問題か」
 ・編集後記

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■今号のメールマガジン―――――――――――――――――――――――――――

 今号のエッセイでは、長崎、佐世保の11歳の少女による同級生刺殺事件などで、
和田がテレビなどのメディアでのコメントで伝え切れなかった部分をお伝えします。
 いろいろなジャンルの新刊も多数発売されましたので、ぜひ書店にて一度
 手にとってみてくださいね。

■新着情報―――――――――――――――――――――――――――――――――

◆新刊/雑誌情報 

 ◎『「すすむ路」がなかなか決められない人へ』全日出版 1,300円+税
  ISBN4ー86136ー023ー4 
  和田がこれからの進路を決める方針と、とにかく試行力でいったん路を決めて
  しまう方法のメリットなど、今の時代背景での就職方法を解説します。

 ◎『パラサイトダブルならうまくいく!』PHP研究所 1,300円+税
 ISBN4-569-63620ー9
  これからの年収減少社会、少子高齢社会を切り抜ける秘策として、夫婦で親
  にパラサイトする、パラサイトダブルの生き方を和田が提示します。

 ◎『35歳からの玉の輿道』NHK出版 1,100円+税 ISBN4-14-080879-9
  35歳からでもチャンスはいくらでもあるのに、ハナからあきらめている人に
  向けて、和田が実用的、実践的なアドバイス。助っ人として、クズ男を見分ける
  達人、倉田真由美氏、ベンチャーの勝ち組、成毛真氏、男女の機微の研究家、
  鹿島茂氏をゲストに迎えた豪華対談付きです。

■Web情報――――――――――――――――――――――――――――――――

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 『頭をよくする仮説の立て方』PHP研究所 1,200円+税 ISBN4-569-63647-0

  和田の持論である、「一つのものの見方に囚われず、別の可能性を考えろ」
  という仮説の立て方の解説の後、和田自身の仮説集として、これまで正論や
  VOICEで書いた内容を満載。

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■メルマガエッセイ―――――――――――――――――――――――――――――

【 子どもの犯罪の何が問題か / 和田秀樹 】

 長崎、佐世保の11歳の少女による同級生刺殺事件は、世の中を震撼させるもの
だった。
 おかげさまというか、多少不本意ながらというか、テレビなどいろいろなメディア
から取材の誘いがあって、コメントを出すことになった。

 テレビにせよ、雑誌にせよのコメントの多くは編集されていたり、テレビの場合、
時間が短すぎたりなどということがあって、真意が伝えきれなかった部分が大きい
ので、あえてここで私が最も言いたかったことを書かせてもらう。

 私がいちばん言いたいのは、子どもによる凶悪犯罪は増えてもいないし、低年齢
化もしていないということだ。
 触法少年(14歳未満の子ども)による凶悪犯罪は、殺人事件だけをとってみても
ほぼ毎年発生している。未遂もあわせると大体3件から10件くらいで推移している。
戦後の混乱期は、今よりはるかに多かったようだし、昭和35年には未遂と既遂を
あわせて15件の触法少年による殺人事件も起こっている。

 低年齢化についても、昔からひどい事件はある。たとえば昭和52年には、福島県
須賀川市で下校途中の小2の女の子(8)が殺害され、小学校6年生(12)が「いたずら
しようとしたが抵抗されたので殺した」と自供し、ズボンのベルトで首を絞めた
という殺人事件が起こっている。昭和53年には、神奈川県川崎市の民家に小学校
4年生の女子(9)がベランダから土足で侵入、この家の長男(生後2ヶ月)のおむつを
取りかえようと持ち上げたが落としてしまった。赤ちゃんが泣き出したので母親に
見つかると叱られると思い、顔や胸を踏みつけ頭蓋骨骨折と内臓破裂で殺害したと
いう事件が起こっている。
(以上、「少年犯罪データベース」http://kangaeru.s59.xrea.com/13.htm より
引用。そのほかにもいろいろな事件が載っていて興味深い)

 私が何を言いたいかというと、これによって、全国の親にうろたえてほしくない
ということだ。
 私の尊敬するネイティブアメリカンの子育て研究でも知られる文化人類学者で、
精神分析学者のエリク・エリクソン(アイデンティティやモラトリアムという精神
分析用語を創った人)は、部族の慣わしによる甘やかしすぎや暴力的な子育て
以上に、白人の干渉によって、親が不安になったり、子育てが急に変わるほうが
子どもの心への悪影響が大きかったという研究結果を発表している。どういう
理由でも親の子育て不安を徒に喚起することは好ましくない。

 今回の事件の場合、子どもにパソコンを使わせることの危険性まで指摘されて
いるが、これは行き過ぎだろう。少年、特に今回のような触法少年の殺人事件は
決して増えていないのに、(インターネットでチャットをしていたという理由で)
日本の子どもたちのITリテラシーが奪われるようなことがあれば、まさに大きな
二次被害である。最近の調査でも自宅にパソコンのある子供は8割近くに達して
いる。それなのに、この手の事件は、少なくとも小学生による事件で発覚した
のは、まだ1件だということを冷静に考えてほしい。

 そういうことで私が、こんなことは例外中の例外で特殊事例だということを
言いたかったのだが、ほとんどのメディアにおいて「よほど面白くないこと」と
考えられたようで、ことごとくカットされてしまった。
 しかしながら、こんなことをいくら説明しても、さすがに事件のインパクトが
大きいので、不安になる親も多いだろう。

 とくに今回は「いい子」だった子による犯罪である。いい子が危ないなどという
のはもちろん、統計的事実に反している。少年院に入るような犯罪の8割は、高校
中退者か中卒後ぶらぶらしている子どもによる犯罪である。20歳未満の犯罪で
あれば、原則的に少年院に入るが、大学までいった20歳未満の子どもが少年院に
入るケースは年に数件程度なのである。

 私が、取材でもっともコメントを求められた点は、いい子の変化をどう親が察知
するかという問題である。
 これについて、私が言いたいことは一点につきる。
 心の中で思うことと、行動に移すことは天と地ほどの差があるということだ。
 私だって、いじめられっ子だったので、小学生のころにも、いじめられた相手を
殺してやりたいと思ったことがある。そういう子どもがどのくらいいるかは
わからないが、1割や2割はいるだろう。しかし、実行に移すのは年に数件なので
ある。

 問題は、それがいきなり殺人のレベルにいくか? ということである。
 確かにその可能性はゼロでないが、この手の事件では多くの場合、その前に
何らかの行動に移している。それを周囲が気がつかないか、見て見ぬふりを
しているから大事件が起こるのだ。

 今回の事件にしても、犯行の1週間前に、加害者は同級生にカッターナイフを振り
向けている。しかし、ここで迅速な対応が行われなかったことが事件につながった
と言っても過言ではない。同じ、長崎の駿くん事件でも、加害者の少年が幼児への
いたずらを続けていたことが明らかになっているし、酒鬼薔薇の事件でも、加害者
は通り魔事件を繰り返し、人まで殺しているのに、周囲がきちんとした対応を
取らなかった。

 インターネットや日記を調べて、親子関係を悪くしたり、親が子どもの攻撃性に
驚いて不安になるより、通常は多少こんなことで攻撃的になっていても、行動に
移していない限り大丈夫と安心していていい。

 しかし、行動に移しているような場合は、話が別だ。
 私もテレビ(6月13日放映のTBSサンデー・ジャポン)で、子どもを犯罪から守る
ために親がなすべきこととして、親子のコミュニケーションを深めるということの
最後に、インターネットや日記のチェックをするという項目をテロップに作られて
いたので誤解されやすいので言い訳をするが、これについては、いろいろと親が
情報収集をして、何らかの粗暴化など行動に移していることが疑われる場合に
のみ、強制捜査としてチェックしろと言いたかったのだ。(逆に明らかに疑わしい
場合は、このような強制捜査は必須といえる)別にそれほど行動が問題でない子ども
に、こんなことをして怒りを誘発したり、親子関係を悪くしても、いいことはない。

 心理学を学ぶ者として、改めて強調したいが、心に思うのは勝手であるし、
それを無理に変えることや、そこに立ち入ることは大体逆効果になる。しかし、
行動に移した場合は、それが殺人でなく、傷害であれ、万引きであれ、全く
別次元の問題なのである。

 刑法だって、何を心に思っても罪になることはない。しかし、行動に移すと罪に
なることは知っておいて損はない。 

 ところで近鉄とオリックスの合併の件だが、フリーエージェントがあるのに
ドラフトで逆指名ができて、個々の球団が放映権を握っている現状なら強い
チーム、金のあるチームだけが人気も力も得るのは当たり前で、こんなことは
とうに予想できたことだ。

 しかし、賢明な選手であれば、バッターが巨人に入れば巨人のピッチャーに
当たらなくてすむので打率もホームランも増えるし、ピッチャーが巨人に入れば
巨人のバッターに当たらないですむので、勝ち星も防御率も稼げる。一流半の選手
にとってはそれほど幸せなことはないが、真の一流選手にはフラストレーション
なのだろう。かくして日本の球団は大リーグの二軍と化してしまった。こういう
淘汰の世界は本当に後味が悪い。昔の巨人は純血主義というむしろハンディを
負いながら勝ち続けたのに、今の巨人ファンや首脳部は全員がよそから来た選手
でも勝てばいいのだろう。

 私は世の中で死んでくれたほうがいいと思っている人が二人だけいるが、
そのうちの一人が本当に何とかなってくれないかと、また痛感させられた嫌な
ニュースだった。


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 『大学へ行こう!』和田秀樹、緑鐵受験指導ゼミナール監修
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■編集後記―――――――――――――――――――――――――――――――――

 和田先生は、いつも忙しいのだけど、近頃は前にもまして局所的に忙しい模様。
 私も仕事に追われる毎日ですが、忙しい人を見ていると、なんとかがんばれる
かなって気になります。

 次号は7月1日頃発行を予定しております。ご期待ください。
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