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HIDEKIWADA[2004/3/15] テレビの「専門家」はあてにできるか?

発行日: 2004/3/15

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 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:7949   2004年03月15日号
                                                   http://www.hidekiwada.com
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 HIDEKIWADA.COMマガジンでは、和田秀樹の新刊情報、テレビ・ラジオなどの
 出演情報などの他に、和田秀樹の最新エッセイをお届けしています。

 ◆バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 --> http://www.melma.com/mag/76/m00018676/index_bn.html

■インデックス―――――――――――――――――――――――――――――――

 ・今号のメールマガジン
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 ・Web情報(HIDEKIWADA.COM更新情報、連載サイト情報など)
 ・メルマガエッセイ79「テレビの「専門家」はあてにできるか?」
 ・編集後記

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■今号のメールマガジン―――――――――――――――――――――――――――

 今号のエッセイでは和田の経験談から、「テレビで専門家として登場する方々が
本当に信頼できることを話しているのか?」という疑問点について、和田の考えを
ご紹介します。

 今号ご紹介する和田の新刊発売は少ないですが、『雑学力』電子ブック版など、
話題の新刊も発売されていますので、和田秀樹公式サイトヒデキワダ・ドットコム
( http://www.hidekiwada.com )もあわせてご覧ください。

■新着情報―――――――――――――――――――――――――――――――――

◆新刊/雑誌情報 

 ◎『For Leaders(フォー・リーダーズ)--リーダーに贈るかつてないアドバイス』
 承伝社 ウェス・ロバーツ 著、和田秀樹 監修、渡会圭子 訳、1,300円+税
  ISBN4-396-65026-4
  昔の偉人たちの言葉には、現在の最新の心理学にも通じるものが多い。本書は、
  欧米のみならず現在の日本のリーダーにも役立つ一冊です。

◆関連サービス

 ◎「学力向上!親の会」3月会員の入会受付中。なお、 相互リンクしていただける
  サイトも募集開始しました。
  詳しくは 「学力向上!親の会」ホームページから
  --> http://www.oyanokai.jp

■Web情報――――――――――――――――――――――――――――――――

 ◎新刊「雑学力 人より稼げるムダ知識の見つけ方」が電子出版でも発売され
   ました。PDF、XMDFなどの形式で購入できます。
   購入できるサイト一覧を公開しました。
   --> http://www.hidekiwada.com/nrelease/zatsugaku.html

 ◎マスコミ向けニュースリリースページができました。和田秀樹及びヒデキ・
   ワダ・インスティテュートのマスコミ向けニュースリリースを配信します。
   --> http://www.hidekiwada.com/nrelease/index.html

 ◎受験生の子を持つ親、教育関係者に贈る「学力向上!親の会」入会受付開始
   しました。3月会員募集中です。また、相互リンクしていただけるサイトも
   募集開始しました。
   --> http://www.oyanokai.jp

 ◎和田秀樹監修の大学受験指導 緑鐵受験指導ゼミナール
  H16年度の資料請求を受付開始しました。
   --> http://www.ryokutetsu.net

 ◎ビジネスマン向けニュース・情報サイトBB-WAVEのコンテンツ
 「THE GROOMING MIND」にて、「ヘアケア今どき事情」を好評連載中です。
  --> http://bb-wave.biglobe.ne.jp

 ◎eS Books「ヒデキワダドットコム書店」随時更新しています。
   --> http://myshop.esbooks.co.jp/myshop/hidekiwada/

 ◎50歳からのエルダーコミュニティサイト「遊学舎」で 「50歳からの活力人生」を
   好評連載中です。
   --> http://www.yugakusha.net

★新刊ピックアップ★--------------------------------------------------------

 『雑学力 人より稼げるムダ知識の見つけ方』インプレス 本体 1,200円+税
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 「トリビアの泉」など、雑学はブームの兆しを見せています。
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 電子ブック版も販売中! http://www.hidekiwada.com/nrelease/zatsugaku.html
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■メルマガエッセイ―――――――――――――――――――――――――――――


【 テレビの「専門家」はあてにできるか? / 和田秀樹 】


 先日、ワイドショー的な新番組が始まり、それに心理学のコーナーを作るので、
出演者の候補の一人にあがっているから相談したいというメールを受けた。
 こういう話はときどき来るが、大体、向こうの都合のいいように使われるだけ
なので、大体、スタッフに話をさせて、まともなところだとわかってから受ける
ようにしている。(こういうことをしているから、「偉そう」と思われてテレビの
声がかからないのだろう)

 その番組は新番組なので、ワンコーナーをレギュラーでやらせてもらえそう
だったし、打ち合わせに毎回何時間もかけるというので、気合が入っていると思い
好感がもてた。

 そして、テーマは視聴者が日常生活で役に立つ心理学というものだった。
 これは、私が普段からテーマにしているものと同じことだし、そのために心理学を
ビジネスに応用するシンクタンクも立ち上げている。研究室にこもるのではなく、
世の中の役に立つというのは実際、その学問が広がるために大切なことだ。私自身も
なるべくがんばって協力しようと、テレビの視聴者にはこんなことが役に立つという
リストもあげた。

 たとえば、人間関係がうまくいかないときに、どのようなセリフだと人が好感を
もつだとか、知らない間に人に嫌われないポイントだとか、子供が勉強しないときの
動機づけ理論を使ったアドバイス法などを提言した。あるいは、萩原博子さんが別の
ワイドショーで家計診断のようなことをやっているが、職場や近所づきあいなどの
再現フィルムを使って、ここをこう直せば、きっと人間関係がずっとよくなりますと
いう演出も可能だと考えた。ケーススタディが臨床心理学をもっとも応用しやすい
ものだからだ。

 それで、そのスタッフ氏はそれなりに納得したようだが、数日のうちに上司と相談
した結果として、こういうことをやってもらえたら、「出てもらえる」のですけど、
という内容はひどいものだった。
 どこかの心理学のホームページか心理学の雑学事典にでてくるような○○効果を
使って相手を納得させるとか、服の色を変えろとかいうものだ。それを私に解説しろ
というのだ。

 いつから、向こうが心理学の先生になって、こっちは向こうの筋書き通りに
しゃべる役者にならないといけなくなったのだろうか。向こうは「出ていただける」
のですけどというが、それを断れば出られないのだから、「このように言わないと
出してやらないぞ」と言っているのと同じである。ついでにいうと、私の本を少し
でも読んでいたらとても、それと矛盾して頼める内容ではない(テレビはたいがい、
本を読んで私に仕事を頼まない。雑誌や新聞に出るとテレビの依頼が急増する。
作り手の知的レベルがそのレベルなのだろう)

 私としては、さまざまな実験心理学にでてくる○○効果といったものは、信じら
れるものも信じられないものもあると考えているが、その多くは外国で調べられた
もので、日本で再現性を実験したものは少ない。また人間の心理は個別性もあれば、
TPOによって変わるものなので、それがいつもあてはまるとは限らない。実際、
色彩心理学その他の知見がそれだけあてになるのなら、それを使ってある色の商品
ばかりがあたるはずだが、そういうケースはほとんどない。むしろ毎年の流行色が
変わるものだ。

 そういう世間が心理学と思っている外国の実験心理学のデータを日本にそのまま
あてはめるものではなくて、もう少し、私があてになると信じている実用性のある
心理学を紹介するならいくらでも協力したいが、このように向こうが心理学と信じて
いるものをそのまましゃべる人を求めているのだ。(ただし、伊東家の食卓のように
ちゃんとそれを実験して本当にあてはまりそうなものを紹介するなら、私もただで
実験心理学ができるので、協力したかもしれない。要するに根拠のないことを
しゃべりたくないのだ)

 実際、こういうことはテレビの世界では当たり前なのだろう。
 私も以前とある健康番組に出ていたが、比較的好評で(今考えると作り手から
好評ということなのだろう)、何回か出てくるうちに、こっちが提案する企画が
つまらなく向こうに感じられるようになってきたのだろう。向こうが健康雑誌で
読んだ内容について、私が解説してもらえないかという風に変わってきた。私も
当時はテレビに出ていると、患者さんが勝手に偉い先生と思ってくれて、精神科の
場合、それがプラセボ効果になって、患者さんの具合がよくなることが多いので、
一応、一回だけあまり納得していない内容で、それをやる羽目になった。しかし、
残念ながら、かなり限定的にこの部分はよいという自分の良心の許す範囲で、
これは医学的に言ってもいいと思うことしか言わなかったので、話に迫力がないと
思われたのだろう。それ以来、私はその番組に呼ばれることはなくなった。

 ただ、このようなことがあると、少なくともその番組には疑念をもつことになる。
ほかのその番組に何回も出ている人は同じように、ネタがテレビ的でなくなると、
スタッフ側が出してきたネタを面白おかしく解説している役を演じているだけなの
ではないかと。

 もちろん、そういう事情を知ってから、その番組の健康情報を急に信じなくなった
のだが、私がちょっとかかわるようになってからだけでも、これだけ「やらせ」が
あるのだから、ほかは推して測るべしなのであろう。(ただし、スタッフが調べて
きた内容が、たとえば週刊朝日のコレステロールの神話のうそのように、私から
見ても信頼に値する科学データがあるものであれば、私も専門外でも、その話題を
テレビで供給したかもしれないが、私にはあてになるように思えないものをしゃべれ
といわれた場合は、まず断ることになるだろう)

 少なくとも、今回のテレビ局の人間が私にとった態度は、「先生の話を聞きたい
から出てほしい」と言う態度でなく、「テレビに出たいのなら、これをやってくれ」
という態度だった。そしてしゃべる内容にも選択の余地はほとんどなかった。
そんな態度がとれるのは、こちらがろくにテレビに出ていない二流か三流の文化人
だということもあるだろう(そのテレビ局の人間は私がどんな本を書いているかより、
これまでどれだけテレビにでてきたかばかりを気にして聞いていた)が、そんな態度
を取られても怒られないことが多かった、あるいはそんな態度をとってもたいてい
テレビに出ることを承諾した二流、三流の文化人が多かったからなのだろう。

 これは私は真偽を確かめようがないが、新聞報道や週刊誌の報道では、私の高校
時代の同級生の弁護士が、自分の職権を使って、さまざまな有名人の個人情報を
フジテレビに提供していたらしい。しかし、その報酬はびっくりするほど安い
もので、その弁護士がテレビに出たいからという理由としか想像できないと週刊誌は
総括していた。おそらくそうなのだと私は感じた。

 その番組も私の代わりの心理学者が、自分の企画でなく局の企画のとおりの内容を
心理学コーナーで説明するのだろう。

 だとすると、ここで重大な疑念が生じる。心理学に限らず、経済や政治などほかの
分野の専門家も、テレビに出たいという理由で、局の作った筋書き通りにしゃべる人
が使われるのではないか?だから北朝鮮問題などのコメントなど、どの評論家も
ワンパターンなのではないかという疑念だ。だからたくさん本を書いている人
(こういう人はテレビ局の言うとおりにしゃべると普段書いたこととの矛盾が問題に
なる。そして文筆家としての信頼を失うくらいならテレビにでないほうがましだ)が
テレビに出ないのだろう。

 テレビに出ている人は偉い人で、その筋の専門家と信じる人が多いが、少なくとも
心理学についてはそうでなさそうだと実感した。

 私は、これを知らせたくて今回のエッセイに載せた。やはり本当の情報を得た
ければ、テレビでないメディアを選ぶべきだということを。そして、私も食い詰めて
テレビに出なければならないといけないようになった際には、なるべくこうした
やらせはしないつもりだが、もしすることになったら、正直にこのメールマガジン
だけでは本当のことが言いたい。


 ◆エッセイのご意見・ご感想はこちらからお願いします。
 --> http://www.hidekiwada.com/contact/


★新刊ピックアップ★--------------------------------------------------------

 『部下のやる気を2倍にする法』大塚寿、奈須正裕、植木理恵氏と共著
  ダイアモンド社 1,400円+税 ISBN4-478-35052-3

  ヒデキ・ワダ・インスティチュートの精鋭たちがモチベーションマネジメントの
  心理テクニックを伝授します。
----------------------------------------------------------------------------

■編集後記―――――――――――――――――――――――――――――――――

 私は、少し風邪気味らしくモニターに向かっていると頭が痛いです。
 このごろ、暖かかったり、寒くなったりと日によって気温の差が激しいですが、
読者の皆様風邪をひかないようご注意くださいね。

 次号発行は、3月15日を予定しております。次号もご期待ください。
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