トップ > コミュニケーション > 個人発信情報 > 和田秀樹公式HIDEKIWADA.COMマガジン

『大人のための勉強法』などの著者である精神科医、和田秀樹氏のエッセイ・最新情報等が掲載されるメールマガジンです。




HIDEKIWADA[2004/03/04] 先進国という理不尽に堪えること

発行日: 2004/3/4

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■ 和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COMマガジン ■ 発行部数:7888   2004年03月04日号
                                                   http://www.hidekiwada.com
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 HIDEKIWADA.COMマガジンでは、和田秀樹の新刊情報、テレビ・ラジオなどの
 出演情報などの他に、和田秀樹の最新エッセイをお届けしています。

 ◆バックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 --> http://www.melma.com/mag/76/m00018676/index_bn.html

■インデックス―――――――――――――――――――――――――――――――

 ・今号のメールマガジン
 ・新着情報(新刊・TV/ラジオ出演情報)
 ・Web情報(HIDEKIWADA.COM更新情報、連載サイト情報など)
 ・メルマガエッセイ78「先進国という理不尽に堪えること」
 ・編集後記

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
■今号のメールマガジン―――――――――――――――――――――――――――

 今号のエッセイでは、「麻原彰晃に死刑判決が出たこと」を起点として、
和田が「先進国として対応を迫られる日本の立場」について考察します。
 また、雑学や教育に関する新刊の発売やテレビ出演などの情報もご覧ください。

■新着情報―――――――――――――――――――――――――――――――――

◆新刊/雑誌情報 

 ◎『雑学力 人より稼げるムダ知識の見つけ方』インプレス 本体 1,200円+税
 ISBN4-8443-1903-5
 「トリビアの泉」など、雑学はブームの兆しを見せているが、それを実際の
  ビジネスや人間関係で使う方法を和田が教えます。

 ◎『小3までに「勉強グセ」をつける法』こう書房 本体 1,400円+税
   ISBN4-7693-0823-3
  ゆとり教育下にあって、勉強しない子どもが増えてきています。本書は、9歳
 (小3)までのお子様を持つ親を対象に、子どもの学習意欲を向上させる方法を
  伝授します。

◆テレビ/ラジオ出演情報

 ◎3月8日(月)9:00〜「ビートたけしのTVタックル」テレビ朝日系列
  医療問題についてVTR出演予定。

◆関連サービス

 ◎「学力向上!親の会」の入会受付中です。
「学力向上!親の会」ホームページ --> http://www.oyanokai.jp

■Web情報――――――――――――――――――――――――――――――――

 ◎新刊「雑学力 人より稼げるムダ知識の見つけ方」が電子出版でも発売され
   ました。PDF、XMDFなどの形式で購入できます。購入できるサイト一覧に
   ついてはヒデキ・ワダ・ドットコムで公開します。

 ◎マスコミ向けニュースリリースページができました。和田秀樹及びヒデキ・
   ワダ・インスティテュートのマスコミ向けニュースリリースを配信します。
   --> http://www.hidekiwada.com/nrelease/index.html

 ◎受験生の子を持つ親、教育関係者に贈る「学力向上!親の会」入会受付開始
   しました。3月会員募集中です。
   --> http://www.oyanokai.jp

 ◎和田秀樹監修の大学受験指導 緑鐵受験指導ゼミナール
  H16年度の資料請求を受付開始しました。
   --> http://www.ryokutetsu.net

 ◎ビジネスマン向けニュース・情報サイトBB-WAVEのコンテンツ
 「THE GROOMING MIND」にて、「ヘアケア今どき事情」を好評連載中です。
  --> http://bb-wave.biglobe.ne.jp

 ◎eS Books「ヒデキワダドットコム書店」随時更新しています。
   --> http://myshop.esbooks.co.jp/myshop/hidekiwada/

 ◎50歳からのエルダーコミュニティサイト「遊学舎」で 「50歳からの活力人生」を
   好評連載中です。
   --> http://www.yugakusha.net

★新刊ピックアップ★--------------------------------------------------------

 『部下のやる気を2倍にする法』大塚寿、奈須正裕、植木理恵氏と共著
  ダイアモンド社 1,400円+税 ISBN4-478-35052-3

  ヒデキ・ワダ・インスティチュートの精鋭たちがモチベーションマネジメントの
  心理テクニックを伝授します。
----------------------------------------------------------------------------

■メルマガエッセイ―――――――――――――――――――――――――――――

【 先進国という理不尽に堪えること / 和田秀樹 】

 誰もが予想していたことだが、麻原彰晃に死刑判決が出された。
 しかし、彼の弁護士たちは、すぐに控訴をした。

 そうでなくても、8年以上の月日が経っているというのに、なんであんな男が、
まだ何年も生きていられるのかということに理不尽を感じた人も少なくないだろう。
実際、私もその一人である。

 今は、アメリカはバリバリのタカ派のブッシュが大統領なので(彼はテキサス州
知事時代、記録的な数の死刑のサインをしたそうだ)問題はないが、現状のヨーロッ
パの流れをみる限り、死刑廃止がトレンドのようだ。これでアメリカにも同様の人権
主義者が大統領に選ばれるようなことがあれば、この流れは一気に加速しかねない。

 そうなった際に、日本は「先進国の一員」でいるために、死刑廃止を受け入れること
だろう。
 もともと法治国家というのは、多少理不尽でも、国や法に事件の解決を任せろと
いうことから始まったらしい。ありていにいうと、勝手にあだ討ちをされたのでは、
その連鎖が終わらないし、国としての秩序が保たれない。そこで、その罪の程度に
応じて、国が代わりに罰してやるというシステムが法治国家というわけだ。

 しかし、人を殺しても、必ずしも死刑になるわけではない。むしろ、更正をさせる
という教育刑の考え方がでてくると、どんどん相対的な罪が軽くなっていく。しかし、
一方で民主主義国であるので、法律というのは民衆が選んだ議員が作る。それで不服
なら、人を殺した人間はすべて死刑にするという法律を作ると主張する議員を選べば
いいのだが、少なくとも、ヨーロッパでは、むしろ死刑を廃止しようと主張する議員
が選ばれてしまうのである。

 ただ、右の頬を打たれれば左の頬を差し出せという宗教を信じている国と、目には
目をという宗教を信じている国では、どんな議員が選ばれるかはおのずと違ってくる。

 問題は、現在、先進国と言われている国々が、日本を除き、すべて一つの宗教の
価値観で染まっていることだ。男女平等というのも、我々は普遍の価値観のように
思っているかもしれないが、宗教的な価値観なのかもしれない。ただ、もしそうで
あったとしても、先進国の仲間に入れてほしければ、その価値観や社会システムを
受け入れなければならない(ただし、それが大衆の選択であればの話だと私は
信じる。その価値観を受け入れないからといって、武力制裁を行うのはまさに宗教
戦争の発想である)。

 いずれにせよ、法治国家でいたいと思っているのなら、国なり、国の選んだ裁判官
の方針なりに従わざるを得ない。先進国でいたいと思っているのなら、その国も、
ほかの先進国の方針に従わざるを得ない。この理不尽に堪える覚悟があるかどうかを
問われていると言うことだろう。

 たとえば拉致問題にしても、被害者の意向を最大限に尊重して外交を進めないと
いけないというのが当たり前の世論のようになっているが、本来、外交というのは
そういうものではないだろう。

 たとえば、沖縄に駐留するアメリカ軍の軍人がレイプや場合によって人殺しを
したとしても、今でこそ身柄が要求できるが、力関係が圧倒的に弱かった頃には、
日本は泣き寝入りするしかなかった。理不尽なことではあるが、個人の生存権より、
外交方針のほうが優先されたということだろう。

 もちろん泣き寝入りをしないという選択肢もある。フィリピンのように駐留米軍を
追い出す政権を大衆が選ぶなり、対米強腰の人間を選ぶという選択肢を大衆が取れば
いい。しかし、一般大衆はそうしなかった。理不尽であっても、大衆の利益に、
個人は従わなければならない。たとえば、北朝鮮にものすごく貴重な資源がとれて
いたり、日本の経済状況が思い切り悪くて北朝鮮が大事なお得意先であるという
力関係なら、拉致被害者には申し訳ないけれど泣いてくれという話になっていたこと
だろう。

 今回の場合はたまたま力関係では圧倒的に日本が上なので、妥協の必要はないよう
に見えるが、アメリカの政権が変わり、余計な軍事費を使いたくないという状況に
なって、とにかく核開発を断念してくれれば拉致を不問にしろとアメリカから圧力が
かかった際に、それを突っぱねる政権を選ぶかどうかは大衆が選ぶことなのである。

 少年に殺された被害者の人権と比べてみればわかる。
 妻をレイプされ殺された上、乳飲み子まで殺された被害者の家族が、裁判所に
遺影をもちこんだだけでつまみ出される。そして加害者は死刑にされず、無期懲役の
判決を受ける。彼は少年であるが故に、おそらく10年かそこらで仮釈放され、少年で
あるが故に、匿名のまま街に住む。その少年が被害者の家族に対して、釈放後「お前の
負けだよ、バカ」と罵倒したところで、おそらく罪に問われないだろうし、それにもし
被害者の家族がカッとして殴ったりすれば、刑務所にその人のほうが入れられる。
その少年が釈放後、まだ30にもなっていないくらいなので、まだ性欲に盛りがあって、
レイプを続けたとしても、人を殺さなければ(殺したとしても一人であったなら)、
何人の女性が被害を受け一生心に傷が残った上、社会生活に支障がきたしても、
前の判決は覆ることはないし、娑婆に出た後の事件でも死刑にはならない。

 最近、もと暴走族の頭だった人間が弁護士や役者になって大成功し、その更正ぶり
が世間でヒーロー扱いされているが、彼らが現役の暴走族だった時代に、ぼこぼこに
されて、あるいは集団リンチを受けて、いまだトラウマのためにまともな仕事に就け
ていない人もいるかもしれない。しかし、被害者のほうは泣き寝入りで、加害者の
ほうは、その後、悔い改めたのだから過去は問われず、むしろ、そのころ一切悪い
ことをしなかったまじめな秀才たちよりも、ヒーロー扱いされる。彼らの書いた本を
読んだことがないので、軽々しいことはいえないが、「青少年の時代は、多少悪な
くらいがいいんです」などという発言をすれば、それを大衆が真に受けるかも
しれない。これでは、その頃、人を殴りたいのを我慢していた子どもたちや、
あるいは、そいつらに殴られてトラウマを抱えている人たちの立つ瀬がない。

 名古屋の刑務所内の受刑者の処遇問題だってそうだ。彼らにしても娑婆で人を
殺したり、ぼこぼこにしたり、レイプを重ねてきた人間かもしれない。また、
刑務所の中で、看守に殴りかかったのかもしれない。しかし、看守の側の暴力は
許されず、元加害者の人権は最大限に配慮される。

 それが法治国家というものなのである。
 北朝鮮問題にしても、何のメリットもないから、あそこの国と仲良くする必要が
ないという話になっているが、昔、日本の会社が仕事を受注することを条件とし
外国の援助をしていた日本は、自分の国のメリットのためだけに援助するのはよく
ないと、国外からだけでなく、国内からも批判された。メリットを考えずにやると
いうのが、途上国援助の原則とさえされている。これにしても理不尽な話だが、
先進国であるための義務だそうだ。

 あるいは、拉致被害者の帰国問題にしても、北朝鮮側は「一時帰国だったのだから
帰せ」と迫る。当時の報道には確かに「一時帰国」と書かれていたから、おそらく
一時帰国の約束をしたのだろう。日本人の心情としては、向こうが悪いことをしたの
だから、約束を守る必要はないということなのだろうが、相手が野蛮国でも、こっちが
先進国である以上、本当は先進国のほうは、約束を守るというのが、先進国という
ものを選んだ以上はルールなのだろう。(もちろん、相手が野蛮国であった場合、
先方がルールを破った際には、アメリカがやるように制裁をする権利は先進国にも
あるようだが)

 心理屋としての私の見解だが、今回の北朝鮮問題で、相手が悪いことをしてきたの
だから、乳飲み子を含めて何百万人飢え死にしても、経済制裁をしたり、かけらの
食糧援助もしない、相手にした約束も守らないという風な発想になるのは、先進国で
あるがゆえの理不尽に、本音のところでは、日本人も堪えられないということの発露
なのではないだろうか?あるいは、オウム事件の後のように、住民票を受け付けない
などという信じられない行為が公然と行われたのもそうだろう。

 本音では、先進国のように加害者の人権なんて認めたくないし、こんな理不尽は
勘弁してほしいのだろう。だから、人権屋たちも一緒になって被害者の味方に
なったり、加害者の肩をもつようなことをいうと袋叩きになるのが怖いようなケース
では、かんたんに加害者の人権などは吹っ飛んでしまう。

 この不自由さや理不尽に堪えるかどうかは純粋に価値観の問題だ。選挙などを
通じて、先進国として、キリスト教的な価値観に従わないという選択は十分に可能だ。

 シンガポールにしても、中国にしても、善良な一般市民の人権を優先して、加害者
には重罰を与えるという選択をしている。多少の圧力にも動じないし、むしろ勝手な
価値観をおしつけるなと突っぱねる。

 私は、先進国型とシンガポール型のどっちがいいのかはわからない。ただ、精神
科医としての直感としては、後者のほうが宗教をもたない日本人のメンタルヘルスに
いいように私には思える。 


 ◆エッセイのご意見・ご感想はこちらからお願いします。
 --> http://www.hidekiwada.com/contact/


★新刊ピックアップ★--------------------------------------------------------

  『「一匹狼」で成功する人、「賢い羊」で勝ち残る人』南淵明宏氏と共著
   PHP研究所 1,200円+税 ISBN4-569-63384-6

   会社が自分を守ってくれないこれからのせちがらい時代にどう生き残って
   いくかを、一匹狼の成功者、心臓外科の達人南淵明宏氏とともに考える
   サバイバル術の書。
----------------------------------------------------------------------------

■編集後記―――――――――――――――――――――――――――――――――

 一日お休みを取ってメールを受けていなかったら、その次の日にウイルスが
添付されたメールを大量に受信してびっくりしました。
 このメールマガジンの読者の中にも結構コンピュータウイルスに感染している
人がいるみたいです。トレンドマイクロ社などもオンラインでウイルスチェックが
できるサービスを無料で提供しているので、不安な方はチェックしてくださいね。

 次号発行は、3月15日を予定しております。次号もご期待ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆配信停止をご希望の方は、http://www.hidekiwada.com/magazine/ で、
 ご登録のメールアドレスを入力することで、購読解除できます。

 ◆和田秀樹への執筆・講演・セミナー・取材依頼及びご意見・ご感想は、
 http://www.hidekiwada.com/contact/ の投稿フォームからお願いします。

 Copyright (c) 2001-2004 Hideki Wada Institute, co
 ※掲載記事の無断使用・転載を禁じます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 このメールマガジンはmelma( http://www.melma.com )を利用して配信しています。

 
このメルマガの読者になる
規約 
>> メルマ!の会報誌もお届けします

ブックマーク: はてなブックマークに追加del.icio.usに追加Buzzurlにブックマークニフティクリップに追加ライブドアクリップに追加Yahoo!ブックマークに登録My Yahoo!に追加Add to GoogleRSS

このメルマガを読んでいる人はこんなメルマガも読んでいます

疋田智の「週刊 自転車ツーキニスト」
環境、ダイエットに効果抜群。どなたにもオススメの「自転車通勤」ですが、そのノウハウやポリシーを色々な人にお伝えするメルマガです。 と、思ってたので...
大前研一通信マンスリ−レポート
ビジネス情報、政治・経済、教育、社会問題までを網羅した、会員制の総合情報誌「大前研一通信」のご紹介です。英国エコノミスト誌で5人の「現代社会のグル」...
週刊アカシックレコード
02年W杯サッカー韓国戦の「誤審」を世界で唯一「前日」に誌上予測し、誤審報道を「常識化」した推理作家(金正日の「遺書」で始まる「中朝戦争」後の北朝鮮...
宮崎正弘の国際ニュース・早読み
 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析
社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!
シリーズ第3弾「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている・編」がスタート! 実は、“見方”がわかれば、世の中は“ヒント”だらけなのです。こ...


この記事へのコメント


コメントを書く
コメントはありません。

おすすめキャンペーン

三井住友銀行カードローン
金利 年6.0%〜12.0%。最高500万円までお借入可能。
最短30分審査、即日カード発行可能。
お申込はこちら⇒

発行者プロフィール

ペンネーム :


このメルマガの読者になる

規約に同意する



このメルマガの最近の記事


このメルマガの最近のコメント


注目情報


新着記事トピックス