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HIDEKIWADA[2003/12/15] テロかレジスタンスか
発行日: 2003/12/16━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□和田秀樹公式 HIDEKIWADA.COM マガジン 2003年12月15日号
現在の読者数:7272名 http://www.hidekiwada.com/
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■インデックス―――――――――――――――――――――――――――――――
・今号のメールマガジン
・新着情報
・WEBSITE 関連情報
・メルマガエッセイ73 テロかレジスタンスか /和田秀樹
・編集後記
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■今号のメールマガジン
イラクのフセイン元大統領が拘束されました。今号のエッセイでは、
この事件に関して、和田がテロとレジスタンスについて考察します。
また、来年1月からスタート予定の「学力向上!親の会」の会報無料サンプルの
ご登録を受付中です。ご登録がまだの方はお早めに!
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■新着情報
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世の中には同じ能力でも人から出来るように見られる人とそうでない人がいる。
しかし、今の時代はできないように見える人には厳しく、できるように見える人
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年収300万円で甘んじない人生を送るために、稼げる能力がどうすればつくかを
考える副業のテクニックから、有利な転職術、職場の利用術などさまざまな
シチュエーションで使える仕事術を伝授します。
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■テロかレジスタンスか /和田秀樹
このエッセイに何を書こうかと思っていた際(東北大の医師派遣の謝礼金
問題――吉本高志総長が収賄で告発され、検察に受理されている――でも書こうか
と思っていた)に、突然、大ニュースが飛び込んできた。
それは言わずと知れたフセイン元大統領の拘束である。
2畳ほどの小さな穴倉に隠れていたという。麻原が捕まったときと全く似たような
情けない姿である。
死刑になるのは、ほぼ確実だろうが、こんな生き恥をさらすのであれば、まだ
勇敢に戦ったほうがはるかにましだっただろうに、結局、死ぬのが怖いから、
戦争が始まると同時にろくに抵抗もしないでさっさと逃げてしまって、100台や
そこらの戦車でバグダッドは陥落した。
私は、何度かこのエッセイで、死ぬのが怖い独裁者は結局闘うことができない
ので、さほど怖くないと言い続けてきた。だから、金正日もまったく怖いと思って
いないし(彼はむしろ戦争になるのを恐れているので、38度線で飢えた兵士たちに
よる略奪行為などの暴発を必死に食い止めているのだろう)、自分から攻めてくる
ことはほぼありえないし、そのために軍事予算を増やすのは、この不景気の折には
金のムダだと思っている(景気がよくなれば、別に見栄のために軍事予算を増やす
のは勝手だし、道路工事より大衆の迷惑にならないが)。それを象徴するような
情けない拘束ぶりだった。最後は小銃をもっているのだから、自決をするなり、
抗戦をするなりという手もあっただろうが、それさえなかったのだから。
うまいものを食わして、いい暮らしをさせておけば、独裁者はどんどん現世に
魅力をもち、死ぬのが怖くなる。ミロシェビッチもそうだった。金正日もおそらく
そうだろう。喜び組は不愉快かもしれないが、そういう現世の楽しみを喜ぶ人間で
あるほうが、ストイックで死ぬのも恐れないビン・ラディンよりよほど安全なので
ある。(こんな心理学的な解釈はあてにならないと朝生で田原氏に一蹴されたが、
私はそう信じている)ビン・ラディンに何かリッチな暮らしや、美女でもあて
がって、現世に利益を感じてもらいたいものだが、根が金持ちの子で、身分が高け
れば女なんてなんとでもなるアラブの富豪の子なので、それは望み薄だ。だから、
本当に怖い。金正日もいいとこの子なのだが、やはり幼少期に、まだ金日成が革命
闘争をしている時期に、貧乏経験があるのだろうが、やはりその辺は卑しい。彼の
後継者も、きっといろいろと争いの原因になるのだろうから、卑しい現世利益を
追求する、死ぬのが怖い人間であってほしい。(大衆と一緒になって貧乏の中で、
国を守ろうとする独裁者がでてきたほうが、よほど怖いし、たたきにくいだろう)
そういうわけで、ある程度、予想していた結果のように思われるかもしれないが、
実はそうでもない。
私は、実はフセインがアメリカと裏取引をして海外逃亡をしているという説を
信じていた。
そのほうが、アメリカも軍事費をかけずに、イラクを手に入れることもできるし、
早めの戦勝は国民を高揚させるし、フランスやドイツに冷や水を浴びせかけられる。
フセインのほうも2兆円とも言われるスイス銀行の隠し預金を温存できるわけ
だから、早いうちに裏取引をして南米にでも逃げ隠れて、整形をして、むこうで
アラブの大富豪として暮らすほうがメリットがある。
確かに二人の息子が死ぬなど、裏取引にしては多少疑問点もあるが、もともと肉親
の情の薄い人だったという説もあるし、あまり多くの人に知られるのもまずいだろう
から、極秘の裏取引はありえると信じていたわけだ。そして、ある時期が経った後、
死体で発見されて、おそらくそれが偽者という(もちろん本物として発表されるが)
筋書きだ。今回も絶対本物という保証はないが、かなりの確率で本物のようだ。
もう一つ、耳にしたのは、全然別の角度からの説だ。
実は、フセインがそれほど死ぬのが怖い臆病な人間でなく、実は、負けたふりを
して、徹底抗戦をしているという説だ。
まともに戦っても勝ち目がないので、まず無血開城の形で、降伏をしない形で
負ける。
その上で、テロの形で、ちょこちょことアメリカ軍に攻撃を加え、じわりじわりと
殺していって、嫌になってでていったところで、元の共和国特別防衛隊が蜂起すると
いうような筋書きだ。
これについて、私は前者ほどの信憑性を感じなかったが、それでも意外に弱い国が
アメリカと闘うための新しいテクニックかもしれないと感じた。
結果的に、フセイン拘束の報復テロが起こるかどうかなどのようすをみれば、
その説の信憑性は明らかになるだろうが、おそらくはNOだろう。
結局、私が注目した2方向の陰謀説(一つはアメリカによる、一つはフセインに
よる)ははずれだったわけで、その点、世の中において、外交や軍事というのは、
極めて素直なものだと改めて感心している。ますます金正日が怖くなくなった。
問題は、これでイラクの治安が回復されたり、イランがうまく治まるように
なるかである。
私は、これについて悲観的だ。
そもそも、このイラクでのアメリカや外国人への攻撃がテロなのか、レジスタンス
なのかという重大な問題がある。
これについて、あるテレビ番組で日本人の二人の外交官が殺害された翌日に議論に
なっていた。
レジスタンスだというのは、要するに民衆による(軍隊も含まれるが)抵抗運動と
いうことで、たとえば戦前の満州や朝鮮半島などの抗日運動などは、それにあたると
いうことになる。伊藤博文の殺害などもテロではなくて、レジスタンスだと主張する
人もいる。
テロは、基本的には狂信的なグループによる、破壊活動である。本人は正義と
思っているが、大衆は支持していない。赤軍派などはそれにあたる。
この定義でいくと、パレスチナの自爆テロなどは、レジスタンスにあたるように
思える。
問題はイラクがどうかだが、中東情勢に詳しい、放送大学助教授の高橋和夫氏は、
大衆の支持なしに、ここまで組織的に、しかも、かなり上手な形で、米軍や特定の
外国人(日本以外でも狙われたのは、親米を自負するスペインやポーランド、
イタリアの人たちだった)を殺すことは難しいのではないかという見解だ。
それに対して、山本一太参議院議員(以前、朝生で私が、これからの時代は戦争
よりテロ対策なので、治安の強化のほうが軍備拡大より大切と主張したのに対して、
「両方大切です。私は政治家ですから、そんな無責任なことは言っていられない」
と財政の裏づけもなしに断言した議員。私はこういう人がいるから、不景気が
収まらず、国が借金まみれになり、年間3万人以上の尊い命を奪う自殺が減らないの
だと思っている)は、「断じてレジスタンスでない。民衆は支持などしていない」と
裏づけの資料を見せることなしに論じていた。
とはいえ、私はどちらに与するつもりはない。ただ、頭ごなしに「断じてレジス
タンスでない」と言い切るところに危険を感じたのだ。
要するに、もしこれがかなりのアラブやイスラム系の人々の支持を受けたもので
あるとすれば、日本の出方次第で彼らに嫌われることは十分あり得る。
それは日本のエネルギー事情にもかかわってくることだし、協力者や支持者が多い
のであれば、日本でもテロが可能になる。
ロシアのチェチェンでは列車での自爆テロが起こっているが、それが日本の新幹線
で行われればどうなるかと考えると背筋が寒くなる。
もちろん、そのときの死者の数もさることながら、日本経済に与えるダメージは
計り知れない。復興費用はともかくとして、交通の遮断や、その後の大衆の恐怖感、
そしてもし新幹線で飛行機のような荷物チェックが必要になった際に(アラブ人が
やった場合は、荷物チェックは彼らだけを対象にすればいいからそう大変でないが、
金に困った北朝鮮がアラブのテロリストから金をもらってやったとすれば――、
大韓民航機の爆破のようにあの国にも死ぬのが怖くない人間はいるのだ――これは
新幹線にパスポートチェックがないから、荷物検査が必要になってしまう)、
アメリカの飛行機会社が被った以上の損害がJRに与えられることになる。
合法的な外交で考えたとしても、今起こっていることがレジスタンスであったと
すれば、選挙で首脳を選ぶようになれば、反米、反日政府ができることが予想
できる。これも日本の国益に反する。
そういう点でも、イラクのテロと思われているものが、どの程度大衆の支持を
受けているものなのかをもっと真剣に調査をする必要がある。もちろん、意外に
大衆が支持していないのであれば、それでいいし、今の日本の路線でいいだろう。
しかし、そんな調査もしないで、あれは断じてレジスタンスではないし、民衆の
支持も得ていないと言い切る国会議員は、あえて無責任だといっておきたい。
いずれにせよ、今回のフセイン拘束で、テロ的なものが減るかどうかで、
レジスタンス的要素が強いのか、フセイン残党のテロ的な要素が強いのかは多少は
わかる。今後の動向に注目したい。
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『「勝ち組女」の成功術 マガジンハウス』ISBN4-8387-1461-0 1,200円(税別)
女でも勝ち組にならないといけない時代を生き抜くテクニック、 恋愛で
勝ち組になる方法から、仕事や頭のよさで勝ち組に なる方法まで、賢い女の
生き方を教えます。
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■編集後記
今年最後の号になりました。来年1月からスタートする「学力向上!親の会」
の紙面もほぼ完成しましたので、会報サンプル版登録者には近日中にお届けできる
と思います。ご登録がまだの方はお早めにご登録を、登録がお済みの方はもうしば
らくお待ちくださいね。
それでは、皆さんよいお年をお過ごしください。
次回発行は、来年1月初旬の予定です。次号もご期待ください。
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