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Guam在住の36歳・男・独身の小一郎が「何でこんな国なんだ」〜「身近なHな話し」のことまでノンフィクションで語っていきます。




#### 32歳モテない男の現代思考 ####

発行日: 2002/2/12

■―――――――――――――――――――――――――――――――――――■
                            2002/02/07
           32歳モテない男の現代思考
                 第五十八回・実験台

     32歳独身男性が何故独身のままなのか。謎を解明して下さい。


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 先週、PCの話しを前触れに書いた。
 どれが原因か判らないまま解体した上、パーツの交換などをした。
 何とか動くようになったのだが、それから出張となり保証できるような安定性を
 保つのかどうか未だに判らないままのウィンドウズXP機になってしまった。
 HDDは、結局データを修復できないままフォーマットとなった。
 困ったことに、過去のメールデータやアドレスが全く消えてしまった。
 うーん、話しの通りに「無くなる前のバックアップ」である…とほほ。

 ただいま、ちょっと不安なお仕事中。
 来週、無事帰れるかなぁ。


−目次−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

1.怪しい請負人
2.体質不足の免許
3.船中地獄
4.上陸後
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



1.怪しき請負人

 これを書いている今、公海上にいる。
 冬だから大変波が荒い。
 風が強く吹くので、うねりが強いみたいだ。
 けったいな仕事を請けたモノである。
 今どこにいるのかも記すことが出来ない。
 「秘密」が契約上重要なファクターを占める。
 太平洋側か日本海側かの方面すら書けない。
 ただ、言えることは、軍艦に似たそれでいて軍艦ではない、適度に大きな船で客
 席のない船上にいるのである。
 そこで揺れている船上甲板に立ち、長玉と呼ばれる望遠レンズを持って波間に漂
 う対象物を延々と見続けるのである。
 レンズには、いろいろなセンサーがついていて、センサーは上下左右に自由に動
 く船上の私と対象物を追う揺れの補正をする「人間による揺れの補正度」を計
 っているようなのである。
 (手ぶれ防止機能があるVTRがあるように手元側だけが揺れるのは、現在の技術
 で補正できるらしいが、対象物・被写体まで動くとなるとまだまだらしい…)
 確定できないのは、この仕事のクライアントであるN社がはっきりと明言するこ
 とは出来ないからなのだが、どうもそういうニュアンスが「軍需産業」向けに造
 られていくモノの一つの実験台のようである。
 私の他にも数人が実験台になったらしいのだが、データ的には芳しくなかったよ
 うで、地面が揺れている状態の甲板上で同じく波に揺られて浮いている対象物を
 安定的に追う技術のあるカメラマンなどを捜していたようで、ゴーストカメラマ
 ン仲間からお声が掛かったものだった。
 (その彼は、日本では数少ないスキーを滑りながらスキーヤーの撮影が出来る人で
 ある。ものすごい技術なのだが不思議と名前は紙面に出ない)
 技術を買ってくれるのは大変ありがたいが、なにやら写真を撮るわけでもなく、
 ただ漠然と船に乗って望遠鏡のようなモノを覗いているというのは、妙なモノな
 のである。



2.体質不足の免許

 四国にいたときに内陸生まれの私は、船の免許を取った。
 何となく海へのあこがれと、内陸部に住む友人へのささやかな優越感だ(笑)。
 それでいて、じゃぁ船に乗る(買う)のか?というとそういうわけでもない。
 (まぁ、なかなか買えるモノではないのですけどね)
 何しろ、ものすっごく船酔いをする質なのだ。
 船舶免許の教習や実技試験でも(船を止めた状態で説明や質問がある)酔ってし
 まって気持ちが悪いのをただ堪えていたのである。
 説明なんて上の空なのだ。
 そんな人間が、船酔いにすぐに慣れてへーチャラになるわけがない。
 一緒に試験を受けた隣り合っただけの知らない人は、船酔いには全くならないと
 おっしゃっていた。
 まさにこれは、体質なのだろう。
 私は、車だって酔う人なのだ。
 山道を運転していて「運転していた私」が酔ってしまい同乗者が怯えたという逸
 話がある(笑)。
 そういう私がちょっと大きいとはいえ、船上人になっている。
 そう、揺れない時間は何とか文章を書いたり画面を見たり出来る。
 しかし、少しでも揺れていると駄目である。
 意識朦朧として気持ちが悪くなるのだ。
 それでも、外の風に当たり(ものすごく冷た痛い!)、両足で波間を踊るようにし
 てバランスをとり続けて長玉を覗いていれば、程良い緊張感からなのか何とかな
 る。
 しかし、この作業をインターバルで各二十分ほど五・六回をする頃には、平衡感
 覚が麻痺している状態になっているのが解る。
 長玉で見ていた視線の距離と、外してからすぐ近くの甲板とのバランスを視覚で
 感じるとさっきまで遠くの地平線を感じていた体が、急に近くの甲板を意識する
 ことによって宙を浮いた感じになってしまい、倒れてしまうのだ。
 こんなもの何日乗っても慣れっこない!
 お家に返してちょ!と泣き言を言いたくなっているのである。
 一日目(一日目は移動だけで実質的には二日目である)にしてハードすぎる実感を
 抱いた私としては、5泊6日なんていう行程が地獄のように思えてきた。
 幸いここ数日は、高気圧が張り出して風はあまり強くないとのことだから、揺れ
 も少ないだろう(それでは困ると実験班長は言うが…)。
 頼むから最後まで時化にならないでね、と祈るのであった…。



3.船内地獄

 …話が違う……、揺れる…、ごめんなさい…もうしません…神様…許して……。
 何に対して許しを請うているのか、ほとんど子供の戯言である。
 晴れているのにうねるらしい。風があるのだ。
 木の葉の如くとはこのことである。
 寝ている方が辛い。
 両足で立って床の上で波と合わせて踊っている方(そう見えるらしい…)が、酔い
 がきつくない。
 それでも酔っているのは酔っているから、堪えきれなくなると胃液を流しに行く。
 食べ物なんて入らない。
 入れるそばから戻ってくる始末。
 なんとか根性でインターバル5本をこなす。
 あと二日…。



4.上陸後

 …どうぞいっその事、殺してください、お願いします…。
 そんなセリフが独り言で出てくるようになった。
 さすがにまだ、理性があって船長や班長、船員の前では言わなかったが、甲板に
 いると冷たい海に沈めば総てが楽になるかも……と幻想が走る。
 臨界点を越えた気がした。
 後半の記憶が虚ろなのである。
 よって、これは陸地に上がってから書いている。
 N社の担当者が陸地で待っていた。
 そのH氏曰く「顔が死人だね〜」って、言い返す力もなかった…。
 私は、もはや地上に立ってもフラフラした状態のまま数時間を過ごさなければな
 らなかった。
 とてもこの後、車に乗って東京のN社まで行こうなどとは考えたくもなかった。
 H氏は、残業代が稼げるからなのか「のんびりしましょうよ」などと言う。
 そんなことはどうでも良かった。
 陸地のありがたさを身に沁みているのだった。
 東南アジアから来るボートピープルは、本当に命がけなのが解った。
 昔の日本人移民は偉かった。船で何十日も…。
 漁師さんや海上自衛隊や海上保安庁の人も偉い。
 あそこ(海)は、人の立つところじゃないんだ。
 そこへ宙ぶらりんな三半規管を誤魔化し誤魔化し行くんだ。
 昔の人は、目的地の陸地へ立って初めて「生きている!」って叫んだに違いない。
 まさに地上に生きる生物の儚さだ。
 たった六日間だったけど、もう二度といいや(笑)。
 (私、世界一周船の旅は出来そうにありません…)



(終わり)


 公海上…いや、現在は、陸地の近く80海里内だが電波が届く範囲でもなく、文章
 を送れる状態ではない(電送機持ってないけど)。
 週明けかな、これ(笑)。……このへん、余裕がある頃…。

 上陸後の感想:某薬品会社の検体の方が楽だったぞ〜っ。
 きちょーな体験でした。ふぅ。



●32歳モテない男の現代思考
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