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Guam在住の36歳・男・独身の小一郎が「何でこんな国なんだ」〜「身近なHな話し」のことまでノンフィクションで語っていきます。




#### 32歳モテない男の現代思考 ####

発行日: 2001/11/29

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                            2001/11/29
           32歳モテない男の現代思考
                   第四十八回・写真家を維持する

     32歳独身男性が何故独身のままなのか。謎を解明して下さい。

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1.風景写真家・アマとプロ

 11月の紅葉時期とその観光におけるシーズンが終わった。
 シーズン中の休日には、多くのアマチュアカメラマンが観光地に綺麗な紅葉を探
 しに出掛けたことだろう。
 私たちプロもそういった場所へ主に平日を中心に訪れて作品撮りをしている。
 よく「どこが良い撮影ポイントですか」と聞かれるが、仕事に忙しい第一線のプ
 ロが、そういった場所を探索している時間はない。
 だいたいにおいては、アマチュア写真家と同じで雑誌などでおおよその見当をつ
 けておき、ロケハンをするのである。
 すなわち、見当をつけた地域を一度無駄にぐるっと回るのだ。
 地域によっては、すでに有名スポットばかりで捜すまでもなく、その場所で偶然
 の気象状況に出逢えば素敵な風景写真が誰にでも撮影できるということもある。
 風景写真は、プロには絶対敵わないということはない。
 アマチュア写真家各氏は、それぞれの地元の風景を探求して自分だけの風景を見
 つけ写真に収めて、誰よりも先に発表できるという利点がある。
 そうすることによって、版権がそのアマチュア写真家に認められ「認知」を得れば、
 それは大変心強い励みになるし、その地域の文化の一部として認められていく。
 しかし、残念なことにアマチュア写真家の多くは、人に認められたいがためだけ
 に活動する人がいるのは否めない。
 その「認められたい」と思う心に付け入って、アマチュア写真家が苦労を重ねて
 見つけた風景を「ある写真家の限った場所」から「日本中の人々へ解放」してし
 まうことでお金を稼いでしまう人たちがいる。
 それは、写真投稿雑誌と写真コンテスト。
 投稿したものを審査してもらい「金賞」とか賞をつけて印刷物にするあれだ。
 その版権は、多くは主催する会社のものとなり、撮影した場所やデーターは公開
 される。
 審査をするプロ写真家も多くは、そういう情報蓄積から「自分が撮影に行くとき」
 の参考にする。
 そして、その場所で撮った素敵な風景は、印刷物によって多くの人の目に触れ、
 いつしか多くの人が撮影に訪れ、発見者の喜びは複雑なものに変わる。
 風景写真に限っていえば、特定の素敵な現象の訪れるその時間にカメラを構えて
 いれば、プロと同じものが作品としてフィルムに定着する。
 もちろん、撮影技術的なものは最低限必要だが、いわゆるハイアマチュアレベル
 であれば、銀座などのアマチュア写真家の写真展で見られるようにプロ顔負けの
 ものができあがるのである。
 その現象が起こるという場所や時間の情報、そして、「待つ」という忍耐力、条件が
 プロと同じならば「写真」という工業製品であるが故に、ほぼ同じものが出来上
 がる。
 有名なところでは、尾瀬や美瑛などどこかで見た風景写真がプロと同じように飾
 られている方を知っているのではないだろうか。
 しかし、たとえ同じものが撮れたとしてもその後の作品の行方は、プロとアマと
 いうだけで雲泥の差が出るのである。
 例えば、素敵な風景写真が撮れる場所を発見したとしても、アマチュア写真家と
 してフォトコンテストなどに投稿している限り、同じ所を名の知れたプロが撮る
 ことによって「そのプロ写真家が撮影した場所」となってしまうのだ。
 当然、同じ角度からの同じ作品は、その後の「物まね」でしかなく、決して評価
 される写真にはならない。
 俗に言う「有名になった者勝ち」なのだが、そのあたりは、特許を取った人か取
 らないままの第一発明者であったかの違いくらいに大きく違う。
 アマチュアがアマチュアでいるが故の悲しい部分である。
 もし、プロと同じ土俵で立ちたいのであれば(認められたいと思うのであれば)、
 独自に写真展などで発表した上で印刷物(持ち込みか自費出版など)にしてしまう
 しかない。
 風景写真家だけではなく、「写真家」という職業の人には「写真」以外で食べて
 いっている人も多い。
 写真で飯を食っているから「プロ」なのではなく、撮った写真が「買ってもらえ
 る物」だからプロなのである。
 多くのハイアマチュアの写真家が、自分の作品を卑下する最大の原因が「写真で
 食っていないので」ということらしい。
 私は、多くの写真展を見ているが「プロ」でも非道いのがいるし、これが「アマ
 チュア?」と言う作品がある。
 そして、「プロ」と名の付く人の作品しか評価しないこの国の出版関係者などに
 は、芸術など語る資格もないし、語れもしない。
 みな、ただのサラリーマンでしかないのだ。
 だから、写真家も含めて「作家」という職業には「ゴースト○○」が存在する。
 写真家に限っていえば、一番多いゴースト写真家が風景写真家である。
 写真学校の先生や写真教室、はたまた本を書いてコラムも連載して、講演会も
 やってなんていう多忙な写真家に根を詰めなければならない作品を作るのは、ど
 だい無理というものだ。
 お弟子さんなり、作風の真似できる名前は無名でも実力のある人に秘密で発注し
 ていて、彼らが黙っている限り分かりはしない。
 そこが写真の良いところでもあり、本当に「絶対的な写真」がわかる人などいや
 しないのである。
 写真の評価は、あくまで主観でしかないからだ。
 私の主観からいえば、運がなく名前が出ることない秀才写真家達が沢山人生を犠
 牲にしようとも「いい作品」を作る見る文化が育つのは良いことだと思う。



2.写真家も芸能人

 最近、写真家も良くテレビに出る。
 というか、出たいのである。
 テレビというマスメディアに出ることによって、紙のメディアでは現れることの
 ない「正体」を見てもらえ、テレビに出ることによってさらに有名になるからで
 ある。
 写真家などというものは、よほど興味がない限り一般の人が名前を覚えてくれる
 ことはない。
 また、写真を飾る文化のないこの国では、写真家などという芸術家がいるという
 ことをあまり快く思っていないところがある。
 「写真など誰でも撮れるさ」と「写真など写っていれば充分」という程度の認識
 だから使い捨てカメラが流通し、鑑賞するという文化が育たない。
 文化鑑賞する力がないから、写真や絵画の善し悪しが分からない。
 だから、写真が主観評価の物である限り、有名写真家が「これがいいんですよ」
 といえば、ある程度の人数が評価をする。
 仮に「あまり良いのではないなぁ」と思っても一流プロ写真家と呼ばれる人が
 「これがいいんですよっ」と見得を切ってしまえばそうなる。
 だれも「一流プロ写真家」を前にして「良かねぇよ、こんな駄作」とは言えない。
 それがそこそこのものであれば、すなわち「否定するだけの代物」でなければ受
 け入れられていく。
 それをマーケティングでいえば、任意の認知度と言うのであろうか。
 よってテレビ等のマスメディアに出ている限りは、固定客がつくのである。
 そして、作品は、認知度に従い売れる。
 売れる写真家であれば、作品集や巻頭ページ撮影なども頼みたいものだ。
 写真を撮って発表するものを売ることによって成り立つ職業上、どんなに良い物
 であっても売れなければ成り立っていかない。
 良い作品が売れないのと大した作品じゃなくとも売れるのでは、後者の方がいい
 のが資本主義のならいだ。
 しかし、あくまで主観で評価する物であるから「絶対」がない。
 絶対がないならば、「絶対」に近い「良いという評価」を与えなければならない。
 それには、マスメディアはうってつけの宣伝材料となる。
 だから、テレビなど出演できるなら出たいのである。
 写真家が芸能人として活躍してもOKなのである。
 まぁ、多くの写真家が「馬鹿にされない」ためにもある程度の線を越えてまでテ
 レビに出たりはしていないが。
 写真家というのが、どういう人なのか知らない人でもテレビ等でもてはやされて
 いる写真家の名前くらいは知っているだろう。
 そして、聞いたことのある写真家の写真が「何気なく本屋で手に取った週刊誌」
 などに載っていたら、つい見てしまうのではないだろうか。
 さらに、それがヌード写真や有名芸能人の写真であればなおさらなのである。
 仮に福山雅治氏が長野オリンピックで撮影をお膳立てしてもらった写真を発表し
 た後に「俺、写真家もやるよ」と言い出したら、はじめは各写真家からぼろくそ
 言われるだろうけど、沢山の仕事をこなしていくうちにぼろくそ言っていた写真
 家達より良い作品が撮れるようになるだろう。
 それは、良い条件で与えられた環境が彼を育てて行くからだ。
 センスは磨けばついてくる。
 仕事は経験すれば上手くなる。
 そして、有名であれば冒険した作品も評価される。
 これらは、無名写真家であり続けるなら絶対に届かない差になっていく。
 それを感じ取っている無名写真家は、どんなことをしてでもメジャーになって仕
 事を取ろうと思う。
 そう、例え自分が死ぬかも知れないアフガンのような戦地に行って卑怯なスクー
 プの一枚を撮ったり、自分がヌードになってその写真を全国に公開してでもだ。
 そうやって、名前が知られることによって取れる仕事がある限り(というかほぼ
 そうなりつつある)、毎年写真家志望の若者達が何かをやってくれる。
 それらの写真がどうしょうもないものであっても、いわゆるファンという写真な
 ど解らない人たちに支持がある限り、その人達は写真家として仕事が出来るので
 ある。
 それが、市場を席巻するだけの力があると判断すると(そういうことはなかなかあ
 りませんが、ブームを起こした写真家などはそうですね)、例え写真がなんであろ
 うと「新しい表現世界」という怪しい表現の元におおいなる写真の賞を「写真市場
 がより大きくなるように期待を込めて」スポンサーの意向でその写真家に与える
 のである。
 そして、実力以上の評価を得た写真家は、売れ続ける限り強引なことが出来てし
 まうのである。
 そのあたりは、ポッと出のアイドル歌手が突然売れて、「実力があるのね」と
 勘違いのまま、引退してくれるまで振り回される人たちがいるのと同じである。
 逆説的には写真家が芸能人である限り、その人の写真は売れ続けるのである。
 それは、たぶん小説家も漫才師も書家も料理家も同じだと思う。



3.仕事と作品

 プロがどこまでを言うのかは定義できないが、プロ写真家と言う職業の人は意外
 と人数がいる。
 しかし、私の見たところ多くの写真家が己の良しとする写真を発表し続ける「写
 真家」ではなく、仕事的には代わりはいくらでもいる使い捨てカメラマンである。
 まぁ、有り体に考えて雑誌の数以上にカメラマンがいるのは想像できると思う。
 その他に写真館あたりで仕事を請けているカメラマンだっている。
 多くは、有名になって自分の写真が高い価格で取り引きされるだけの写真家にな
 りたいと思いつつ、作品を作るためのお金や生活費を捻出するために不本意な撮
 影仕事をしていることと思う。
 そしてその中には、生活するだけの稼ぎを捻出するだけで一ヶ月が終わってしま
 うギャラの安い仕事しか廻ってこない本末転倒なカメラマンも多い。
 出版関係の仕事に関して言えば、繋がりはコネだけであるから「紹介」のない人
 脈のないカメラマンは、どうしても有名になることはない。
 私の知っている第一線のカメラマンは、大御所師匠のツテや有力な編集者などを
 知人に持った人であり、次に元編集者がカメラマンなどになったという内部から
 の発生であり、写真展などで作品が評価されて仕事が廻ってきたという人を見た
 ことがない。
 だから、常に東京からしか有名写真家が発生せず、チャンスを得ることも東京に
 いないと得られないのである。
 もちろん、地方でがんばっている第一線の写真家はいるが、あくまで「東京」で
 名を売ってから地方に行くのであり、名前を忘れられることのないように何ヶ月
 かに一度は、東京に出て出版社巡りなどの営業活動をしているのである。
 東京から忘れ去られることは、地方でやっていけなくなることを意味するのである。
 忘れられても良いくらいの地盤を地方に確立するまでは。
 ここで、仕事が「撮影をするカメラマン」であり、「作品が売れる写真家」である
 ことは、ほぼ同じ意味ではあるが、前者は、依頼者の言われたままに撮るのに対し、
 後者は、自分の意志で撮影したものを買ってもらうところに多少の違いがある。
 私事だが、私は「○○とか○○みたいなものを撮ってきてください」という仕事
 は良く頂くが「このコーナーをお任せします」という写真は、頼まれたことがない。
 しかし、有名写真家は「こういう写真を撮ってきたのだけど」「この写真の中で
 ページ作ってよ」という風にページを組んでもらえる。
 すなわち、私は自らの作品は買ってもらったことがないのである。
 つまり、使い捨て要員の写真家、フリーターと代わりのないフリーランスカメラ
 マンなのである。
 薄々は、気がついていたが「使い捨てなのだ」ということに気がついたのは、デ
 ジタルカメラが出てきてからだ。
 安かろう悪かろうでもいい、技術費のかからないデジタル写真の方がコストが安
 いのでデジカメを持ったカメラマンの元に発注が行くようになってきた。(写真撮
 影は、アナログだから技術料としてギャラを頂いている。しかし、デジタルはカ
 メラが技術を持っているので技術料ではなく日当扱いが多い)
 「デジタルカメラを買ってくれたら仕事出すんだけどなぁ」と言われてもスチー
 ルカメラより高いデジタルカメラを買ってもフィルムで撮るよりギャラが安くな
 るデジタル撮影では、機材の減価償却が出来ないまま利益も出ずに損をしてしま
 うのだ(デジカメは機種サイクルも早い)。
 そして、技術の要らないデジカメ撮影には、むさい男やいかつい男も要らない。
 できれば可愛らしい綺麗な女性カメラマンの方がいい。
 ある出版社で新規雑誌ができると聞いたので作品を持って営業に行ったとき「こ
 れからは女性カメラマンの時代だと思うので」と作品すら見ることなくお断りさ
 れた。
 雇う側としては、その出版社等が主収入源となる(主に男性)カメラマンになられ
 ると廃刊や休刊の時に面倒を見なければならなくなるため、できればそういう人
 は避けたい。
 女性カメラマンならば、多くが結婚すれば辞めても良いし、彼氏がいれば彼氏の
 稼ぎで暮らせばいいと多少ずるい考えの人もいる(特権でもあるが)。
 そのあたりが一致点であり、また、時代背景的に女性カメラマンを目指す人が若
 年の中では増えたというのもある。
 求めているのは、面倒にならないそれでいてそれなりに撮影のできる便利なカメ
 ラマンである。
 そこにプライドある作家性を持った写真家など要らないのが写真家を取り巻く環
 境である。
 むしろ、写真家然としている人たちは、私の見たところ何十年と真剣に作品作り
 に取り組むアマチュアカメラマンである写真家の方が多かったりする。
 そういう人たちは、振る舞いも居住まいも格好いい。
 社会的地位のある人が多いというのも写真がお金のかかるものだからうなずける。
 果たして、撮影業務を収入源としている多くのカメラマン達が、自己の作品を撮
 り続けているだろうか。
 最近、自己の作品を制作発表するだけの資金力すら貯められない「使い捨てカメ
 ラマン」のする仕事ばかりなのに嫌気がさしてきている。
 そう、自己作品にじっくりと取り組めるお金を持ったアマチュア写真家達が羨ま
 しいのである。
 「脱・カメラマン宣言」とかしてしまいそうでちょっと恐い。
 高収入をどうするのかが問題だけど。
 ちょっと、愚痴っぽかったかなぁ(笑)。



(終わり)



 今回、配信もとのパブジンにて読者の皆様に質問アンケートを設定することにし
 ました。
 もしよろしければ、以下のアドレスまで飛んで頂いてお答えいただけると幸いです。
 後にその答えを元に話題を作ってみたいと思います。
 専用ページ:http://www.pubzine.com/detail.asp?id=9007



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