Guam在住の36歳・男・独身の小一郎が「何でこんな国なんだ」〜「身近なHな話し」のことまでノンフィクションで語っていきます。
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#### 32歳モテない男の現代思考 ####
発行日: 2001/11/1■―――――――――――――――――――――――――――――――――――■
2001/11/1
32歳モテない男の現代思考
第四十四回・身障者スポーツ大会
32歳独身男性が何故独身のままなのか。謎を解明して下さい。
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1.第一回全国大会
毎年、国民体育大会がどこかの県で行われる。
その後、ひっそりと身障者や知的障害者のスポーツ大会が同じ場所で時期をずら
して開かれる。
知っておられる方はいただろうか?
その2つのスポーツ大会が、対象人数が少なくなったというか予算が勿体なくなっ
たというか、そこんとこははっきりしないのだけど合併して一つの大会となった。
国民体育大会の健常者以外版と言おうか。
それが宮城県仙台市で行われたわけだ。
今回、この第一回の障害者スポーツ大会に記録写真の販売と通信をして仕事をして
いる会社からの撮影依頼を請けた。
仕事は何でもありがたいことである。
さて、国体もそうだがこの大会では、皇太子殿下が参られる。
よって、報道関係者といえども取材撮影場所の制限が加わる。
皇太子殿下の撮影できる位置にいけるのは、許可された限られた人数なのである。
また、殿下のいる段の前方には、カメラマンはおろか長い杖を持ったお年寄りも
通すことは許されない。
観客席に入るのにビンの飲み物は持ち込めないし(投げられないようにということ
らしい)、仰ぎ見たところで下からは見えない位置に殿下は座られるようにしてある。
ちょっと前時代的である(しかし、これをしても何かあれば某県の県警本部長のよ
うにクビが飛ぶ)。
記録写真でもあるから、一応撮影しておくがそれよりも殿下の挨拶を聞いている
選手団の固まりを写真におさえる。
この国の不思議は、天皇家の人々には大抵の人が「敵意」は持っていないことだ。
敬意すら持つ人も多い。
長い歴史の中に続く家柄に対する敬意だろうか?
共産主義者が聞いたら怒るかも知れないが、そういうモノを大事にしようとする
文化があっても良いと思う。
例え、無駄に思われる税金であったとしても。
話しはズレたが、そんなわけで殿下が帰られるまで大会内の警備も物々しかった。
2.報道関係者の中身
報道申請をして許可された者には、主に新聞、雑誌、役所の記録を請け負う専業
通信社、そして写真屋がいる。
私が仕事を請けた会社は、後者の二つに当たる。
役所に記録として通信する写真を撮影することと同時に選手たちに記念写真とし
て販売する業務を行っている会社だ(二つやらないと利益が出ないと言うことらし
い)。
見たことがある人もおられると思うが、競技中の写真やチームなどの団体集合写
真を会場などで展示販売しているあれである。
あの手の写真は、他に都道府県・市町村の広報などに有料かただで使われる。
また、専門業界新聞やミニコミ誌などにも配信されている。
いわば小さな通信社なのである。
大手新聞社でも子会社を使ってやっていることで、経営母体が新聞社か専門業社
かの差だけである。
大抵の報道各社は、対象の選手だけの取材であった。
総ての選手をおさえるような記録的なことをするのは、今大会では、地元から河
北新報社(地方新聞)とA写真館、仙台市役所と宮城県庁から記録係が一社、他県
から二社が選手等の記念撮影などもこなしていた。
競技の方には当然精鋭の撮影隊が入っており、それ以外に顔写真や表彰の写真な
どが必要なため、表彰式から帰るときに撮影する部隊がある。
ここで私は、陸上競技に入ることになったためフィールド内の撮影をしたいとこ
ろなのだが、陸連が許可する数社(これがあるから既得権益が発生してしまう)し
か入れないため、トラックまわりだけで撮影をこなすことになる。
目的の競技撮影が終わると、それより大事な表彰式の撮影と表彰メダルを持った
記念撮影をしなければならない。
この流れが大変忙しく、大卒でいきなりカメラを持たせて現場に行かせるような
人材不足の新聞社の記者では、撮りきれはしない(今の新聞社は、ほとんどそうな
のです)。
そこをこなしてこそプロなのだ。
プロは、プロとして成り立つためにいろんな現場を踏むわけだが、その「専業者」
を雇うほどのゆとりもない報道機関ってなんでしょうねと考えてしまうときがあ
ります。
これがなければ日本版のニューヨークタイムズみたいな新聞社は出来ないでしょう。
ニューヨークタイムスなんて30万部程度の新聞ですよ(たしか……)。
それがあれだけの知識と取材力を持っている。
あなたの地方にある新聞社は、何万部出していると思いますか?
共同通信社から買っている記事ばかりを載せる新聞など、もう廃れていくでしょう。
日本の報道関係者とは、シロートとプロが入り交じっている世界なのです。
3.お役所の人の特例的なお仕事
以前、このマガジンで「現公務員の仕事に対する給与は、もっと低くて良い」と
書いた。
それはそれで現役公務員の人から、無名の罵声メール(言い当てすぎると腹が立
ちますからねぇ)を頂いたりして極端な反応に笑わせていただいたモノだった。
しかし、全般のお役所の人たちの対応は、市民がほぼ思っているとおり権威的で
高圧的で慇懃無礼であり、その責任を明確にしない。
特に無礼な者ほど名前を名乗らない。
それが、この大会にも出ていた。
スタッフの多くは、ボランティアでまかなわれており、その各部門の責任者に宮
城県庁の職員や仙台市の職員、それぞれの出向機関である特殊法人の職員がそれ
ぞれの任についている。
そういう人たちの入っている大会本部室内や役員控室は、どっかりとふんぞり返
っているお偉方に若いボランティアスタッフが給仕に仕えている図が見える。
本部会場は、陸上競技場となるため大抵は、陸上競技連盟(以下陸連、競技団体を
統括する団体。評判は良くない)の役員がそういう位置にいるのだが、不思議と
今大会は彼らよりもふんぞり返っている役人様たちが多かったのが印象的だった。
やはり、同じ役人でも東北の雄である仙台市(国の機関も東北の主な出先は仙台
だ)で働くプライドがそうさせたのかもしれない。
「他のすっぱ役人とは違うエリート」という意識か?
そんな中でやはりというべきか、報道者向けにも横車を押していた方がいらっし
ゃった。
普通の国体と違って、身障者の国体であるこの大会は、ほとんどの競技が障害別、
種目別になり、参加各選手にある程度はメダルが行き渡ってしまうくらい対象人
数が少ない。
すなわち、表彰が一種目終わるたびにあるのでまさに「記念撮影」が頻繁に行わ
れてしまうのだ。
ある意味では、記念撮影の方が多いと言っても過言ではない大会撮影である。
表彰式が終わって表彰会場から出た所、大会前の報道者会議で指定されている広
い場所で撮影をするのだが、集めるだけ集めたボランティアスタッフの控え所が
ないために自然とその広い場所にスタッフや役員が見学にたむろするようになり、
進行の妨げとまではいかずとも目障りにはなっていた。
そこへ大会司令官の赤札を着けたお役人様が「写真、もっと後ろでやれ!」と怒
鳴ってきたのである。
ボランティアスタッフは、あくまでボランティアであり行き場がないので怒鳴る
わけにもいかず、また、選手などにも当然言えるはずもないので我々報道の各社
に怒鳴ったものと思われる。
どこかの社の人が「前日の報道者会議と当日朝の報道訓辞で指定されたので」と
伝えたが、返って逆鱗に触れたようで「俺が責任者だー。文句があるか」と再度
怒鳴られる始末。
「失礼ながらどなた様でしょうか」と尋ねても氏名は証さずに、「俺が責任者だっ
て言ってんだろう」の一点張り。
大会役員は、皇太子殿下も来るので総ての人が顔写真入りの名前入り名札を付け
ているのだが、このお方は、名前の部分を何かで消してしまっていた(皇太子殿下
は帰ってしまった後だったし)。
コンビニでバイトしている「責任など取らないやんちゃ高校生」とやることが一
緒なのだ。
とりあえず、言われるままにその後ろ側へ下がって撮影していたが、さらに後ろ
へ下がるように後から指示された。
表彰式の前では、表彰式を撮影しているカメラマンを撮影中に「俺の前で撮るな」
と肩越しに振り回したりしたらしい。
他社のカメラマンは、激怒して本当の責任者を出せといったが、ついに出てこな
かった。
そしてそのお方は「俺が責任者だ」と言ってその場でも氏名を証さなかった。
結局、そのカメラマンは、希望していた県の表彰写真を撮れなかったのである。
しかし、例外があった。
地元・河北新報社のカメラマンが居るときは、そのお方は出で来なかった。
もちろん、怒鳴り込んでくることもなかった。
宮城県の選手が出ているときは、なおさらだった。
4.地元だからあしらい方も解る?
二日目の朝、その責任者とやらが一社一人しか入れないように大会本部に進言し
たらしく、本当の責任者様が報道控室で各社にそのように取材をお願いしますと
伝えていた。
あの現場の方は、何だったのか各社とも解らないままでいた。
もちろん、本当の責任者もその人は誰なのか教えてはくれなかった。
ただ、色々声が挙がってきていると、さも大多数からの苦情のように言い回して
いた。
誰も本気になどしてはいなかったが。
そして、二日目の競技が始まり複数で撮影していたモノが、一人しか入れないた
め一人で撮影することになった。
これは、忙しい。
それを見てまた、あの自称責任者様が嫌がらせをしに来た。
「外でやれ」という。
競技場の外でインタビューや撮影をしろなどと聞いたことがない。
無視してちょっと奥まったところで撮影した。
するとわざわざ見つけに来て「もっとむこうで」と中国共産党くらいの不自由さ
を押しつけてきた。
そこへ河北新報さんがやってきた(腕章がついているので一目で分かる)。
河北新報さんは、昨日一日目に言われた場所で撮影を開始した。
しかし、自称責任者様は見ぬ振りをして本部控えの方に向かっていった。
「おや?」である。
河北新報さんも写真を選手に販売するために競技場を出たところで「写真販売コ
ーナー」を作っている。
もちろん、私が依頼された会社も写真販売コーナーを持っていた。
他の他社も同じだ。
しかし、私たちが撮影していると奥で撮れとか選手は速やかに解散しなさい、と
号令する。
これは何か繋がりがあるのではないだろうか?
そう勘ぐらない方がおかしいのである。
それに後で解ったことだが、河北新報だけは複数の人が競技場には入れたのだ。
推測でしかないが、競合する業界の中で写真が撮れなければ同じ土俵にも上がれ
ないわけだから、そこを任意の許可制にしてしまえば許可を得た会社は、美味し
い思いが出来る。
それが河北新報社だと見るのが自然なのだが、カメラマンにはそういうそぶりが
見えなかったから(こういう状態の時、優越の態度が出るモノだ)、地元として地
元気質を知っている河北新報さんが、現場連中が仕事をしやすいように取り計ら
ったのだろう、と考えるのが自然だ。
すなわち、他の会社は、協賛金の額が少なかったか、役員接待の宴会費を出さな
かったかあたりで「広義での賄賂がなかった」だけなのだろう。
ついでながら国民体育大会時も、報道用駐車場に車を入れるときに喧嘩腰だった
お役人様がいたと聞いた。。
そのカメラマンさんは、私も知っている人で温厚な方なのですが激怒していました。
仲裁に入った他社のカメラマンも見ており、仲介者が「そんなに喧嘩腰にならな
くても……」と仰ったところ、お役人様が「いいんだよ!喧嘩してやるんだから!
そうすりゃ仕事できないだろう!」と強権を笠に着ていたそうです。
某市の職員らしいです。情けない。
それを聞いたとき、あぁ、賄賂を要求していたんだな、と思いました。
なんか、パキスタンやベトナムに取材にいくみたいな話しです。
田舎過ぎますねぇ。醜い。
例え一部なんでしょうけど、やっぱり、公務員は、一度全員を退職させ優秀者を
再採用するか、首長交代時に総ての人事が変わらなければ駄目だなと思います。
公務員体質というのでしょうか。
首長交代時に全員がクビになるくらいの怖さがなければ仕事に熱中しないのでし
ょうね。
今の現役公務員さん達に再就職先があるでしょうか。
私が経営者ならほとんどの人を採らないでしょう。
そういうことが総てを物語っています。
そして、午後にはその場所での撮影が禁止となり、全員の写真が無いため展示場
の販売コーナーでは苦情の嵐だったようです。
本人や親にとっては、撮影できない写真だからです。
市民へのサービス業であることを心得ていないからこうなるのです。
(でも、展示コーナー出店代金とバックリベートは受け取るのだ)
5.障害者が与えるもの
障害者の多くは、「可哀想」と憐憫の目で見て欲しくないと思っている。
私は、彼らを大きなハンディを持った人たちとして見ていた。
このハンディを持ちながら、これだけのことをしようとしている。
そういうものを見せつけられると「はて、自分が同じ立場になったとき、ああま
で出来るであろうか?」という疑問にぶつかる。
努力が素敵だとか、綺麗事は嫌いだ。
健常者から見れば、一つでも障害を持っている体になったとしたら嫌で嫌でたま
らないと思う。
いままで思った通りのことが出来ないことに絶望感すら覚える。
それを乗り越えた人たちが、そこにいる。
もう、どうしょうもないことなんだ、と気持ちを切り替えて次に向かう姿勢を見
せた人間がいる。
それが凄い。
正直なところ、借金まみれになろうが、仕事が無くなろうが、試験などに受から
なかろうが、あのハンディを乗り越えた力強さを見せつけられたらへこんでなん
かいられない。
彼らが超えてきたモノの大きさをその場で感じることが出来る。
とても憐憫な目でなど見れるモノではない。
人間の可能性の凄さに素晴らしさに驚かされる。
もし、こういう大会を見る機会があったら見に行くことを勧めたい。
行政も予算をこういうところにこそ使って欲しいと思う。
それほど強い感動を彼らは毎年与えてくれるのだから。
(おわり)
聴覚障害者との会話は、手話が出来ないとなかなか出来なかったが、彼らは驚い
たことに携帯電話の端末「Eメール」の製作ページを開いて文字を書いて会話を
試みようとするのだ。
これは、意外な使い方があるモノだと感心した。
ネットの中では、健常者も障害者もない。
文字が伝達の総てであるからだ。
筆談がパソコン上で出来るのと同様に、その端末が携帯電話機になっただけなん
だろうけど、便利な世の中になってきました。
●32歳モテない男の現代思考
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