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Guam在住の36歳・男・独身の小一郎が「何でこんな国なんだ」〜「身近なHな話し」のことまでノンフィクションで語っていきます。




#### 32歳モテない男の現代思考 ####

発行日: 2001/9/23

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                             2001/9/23
             32歳モテない男の現代思考          
                      第三十九回・撤去

     32歳独身男性が何故独身のままなのか。謎を解明して下さい。

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1.地方在住がかなわぬ日

 このメールマガジンは、地方在住と言うことがある意味で「売り」だった。
 地方都市で東京という情報発信基地の仕事をして「田舎優雅」な中にも「大事な
 何か」を訴えていければ良いなと思ったものだった。
 しかし、ことは思ったように運ばないものだ。
 地方で「家賃暮らし」のまま暮らすということがどんなに「底辺生活」を行くも
 のかまざまざと教えていただいた。
 ご近所に住む「生活保護すら受けられない老年夫婦」
 税金を誤魔化して「経費を浮かさなければならない」商店主。
 年々上がる年金と介護保険料を払うことなく、もちろん健康保険すら払えない金
 型工場で働く独身のおじさん。
 それぞれが十万円前後の収入しかなくて、それでいてサービス残業をして夜遅く
 帰ってくる。
 銀行に公的資金など導入する前にまず、銀行員の給料とボーナスを半分にしたら
 いいことなのに、それらは投入されそれでも低所得な彼らは「新聞など見ている
 余裕がない故」に意見があっても黙殺されてしまう存在。
 地方には、名士が居て「地を納める会社経営者が政治を握っている」為、低所得
 層の声が届かない。
 道路が出来るたび、土地持ちの連中に「道路御殿」が立ち並び、畑は小作農で経
 営される。
 県庁近くには、県認可の「財団、社団法人」が並び、公務員地方上級職の天下り
 機関と成す。
 国がやっているのに県がやって何が悪いと言わんばかりに平均3つ程度渡り歩き、
 退職金をその都度2000万円ほどぶんどり、正規に入った平(ひら)正職員は、
 偉くなれることなく30年間努めて3000万をもらうかもらわないか程度。
 どこにも公平さなどなくて、思うに地方ほど「不公平」であることが多い。
 このような、尋常な世界ではない中で生きていくことは、デタラメであることを
 正規として受け入れ、意見があってもおとなしく黙っていなくてはつとまらない。
 腹立たしいものは腹立たしいと言ってしまうワシの性分は、仕事でも常に反権力
 側の集団が集まってしまう。
 やっぱり、「有名人」という権力を持たないワシには無理だった。



2.知事とは恥児?

 徳島県知事選挙が行われた16日、とても晴れていたのに投票に行った人は非常
 に少なかったらしい。
 16日、ワシは出張撮影に出ていたから不在者投票していった。
 翌日、投票結果が出ていたのだが案の定、与党相乗り候補の現職が当選した。
 しらけムード満点である。
 知っている方もあると思うが、吉野川河口堰建設問題の他、大型公共事業をばん
 ばん推進する元官僚の現職と「勝手連」という自主運動態型の活動をする民主共
 産推薦の反公共事業推進者との一騎打ちだった。
 県庁所在地の都市部とその周辺のベッドタウン町村では、「もう公共事業ばかり
 いらない」という判断か、現職候補の票より対立候補の票が多かった。
 しかし、小規模市とその他郡部においては、「公共事業」しか産業がない為なの
 か、場所によってはほとんど対立候補には票が入らなかった。
 そして、組織票がしっかりと固められた現職候補に対して、対立候補に無名な上
 にさほどの親近感も覚えない無党派層は、選挙に行っても対して変わらないこと
 を悟ったのか投票に行かなかった。
 投票率は、50パーセント程度であり、組織票で有権者数の30パーセント程度
 を押さえている現職は当選した。
 さて、投票が60パーセントを超えたらどうなっていたかは解らない。
 しかし、行政は積極的に選挙へ行きましょうと言う宣伝もしなかった。
 むしろ、来なくて良いです、という素振り。
 行政の長は、現職知事だからなのか?
 ワシは、森元首相を思いだしていた。



3.非公認の圧力

 知事選の前年、県議会選挙があった。
 N電気社長は、公共工事の電設関係に比重を置く会社の代表だ。
 そのN電気社長のKさんは、取引先だから知っているという程度でどういう人な
 のかまでは知らない。
 そのKさんの同級生が県議会議員に立候補した。
 要請に応じて、Kさんは従来から応援していた地元選出議員の他に彼を応援した
 ようである。
 選挙の結果、同級生は落選した。
 Kさんの仕事は、公共事業が主なので、どうしても県会議員の知り合いはかかせ
 ない。
 だから、地元選出議員を蹴ってまで同級生を応援できなかった。
 両立である。
 しかし、両立は、矛盾も生む。
 地元選出議員から「おまえのとこは、○○も応援していたではないか」と肝心な
 ときに力になってもらえなかったようである。
 その議員一本に絞っていた業者の方が美味しいところを取らせてもらうのが人情
 である。
 その年、受注額が少し減ったのは言うまでもない。
 それからしばらくして徳島市長選があった。
 徳島県では、唯一10万人を超える人口を抱える都市である。
 吉野川河口堰推進派から反対派に意志を変えた現職市長は、以前ほど評判がよく
 なかった。
 信用を落としたのをチャンスと見たのか各党無所属も含め、候補者がいっぱい出
 た。
 現職市長と各挑戦者たち。
 乱立気味の中に、かろうじて後ろ盾になっていた県議会議員が議員を辞めて立候
 補した。
 そして、落選。
 市長選挙でも与野党推薦候補の現職が当選するつまらない選挙だった。
 挑戦候補の票を合計すると遙かに当選者票を上回るのに「我、成りたし」の為に
 統一対立候補に出来なかったのである。
 完全に後ろ盾を失ったKさんは、同級生の縁で次回知事選に押されるであろうと
 目される人を紹介されたらしい。
 すなわち、現職を押しても干された現状は変わらないから、反現職側に立つ決心
 をしたと思われる。
 それは、現職知事が評判も悪いこともあり、また、自民党政治が大非難を浴びて
 いる頃だったからかもしれない。
 どうしても、後ろ盾がないと「実力」など関係がない世界なのだから会社が持た
 ない。
 知事選挙までの辛抱だと決めたのかもしれない。
 そうやって、しのいできた業者はいっぱいあるのがこの国のシステムだった。
 冷や飯食いの倒産とは、よく聞く話である。
 かくして、この知事選でKさんは、対立候補を応援するしかなかった。
 幸い、市長選の轍を踏まぬように野党側は、統一候補にしてくれた。
 期待は、大きかった。
 知事選挙投票日翌々日、N電気は「民事再生法」を申請した。
 すなわち、倒産したのである。
 反現職に立っていたために、現職が当選した翌日、銀行からの取引停止が通告さ
 れたのだった。
 「見込みがない」と言うことなのだろう。
 投票率60パーセントを達して、現職が落選していたら銀行はどういう行動をと
 ったのか知りたいものだった。



4.萎んで逝く街

 N電気への請求は「不良債権」となり、ワシも被害を被った。
 少額とはいえ、また、現金を手に入れることが出来なくなった。
 ここ1年でどれだけそういうことがあっただろう?
 景気のいい話をいっこうに聞かなくなった。
 商工会議所からは、やたらに「なんとか講習」などといった物が送られるように
 なって、タイアップで何か利益を上げようとしているようだ。
 新町商店街は、公共工事で綺麗になった通りを利用しても良いのに資金不足から
 なのか、シャッターが閉まっているか、昔のまんまで見苦しい部分が多く残って
 いる。
 人の通りは、ルーズソックスとよれた学ランの中高生しかいなくて、それもファ
 ーストフードあたりにゴミをまき散らしているだけに過ぎない。
 流行っているのは、100円ショップくらいなもので、取りたて買いに来たわけ
 でもない人で結構混み合っている。
 バイパスの道路は、信号がバラバラに変わるので統一されてないから車が少ない
 のにいつも渋滞している。
 経団連は、経済的なロスが多いから、他に道路を造ってくれと行政に訴えている
 始末。
 経済がうまく回らなくなると、人は狭い人間になるようで「自分さえよければい
 い」と多大なる負債を抱え、財産を他人名義にして自己破産する者まで出てくる。
 市町村合併に向けて話し合う行政機関も「人員削減」があるなら合併しないなど
 と市民とは反対意見の反対運動を進めている。
 中小企業の徳島支店の撤退が、大手企業の撤退により進められている。
 地場産業である木工業に経済産業振興策は、選挙前にお金をばらまくこと以外に
 なく、具体策は未だに制作されない。
 商工業のすべてが、どうしたら公の予算を取って安定した仕事をしようか、と考
 えていて誰も余所の地域からの対外資金を得てこようとは考えない、いや、考え
 られなくなってしまった。
 経済の中心が東京である限り、それ以上の繁栄がないことを知ってしまったのに
 違いない。
 街は、無気力状態のような気がした。



5.旅立ち

 のべ11年間住んでしまったこの徳島県には、もうワシのする仕事はほとんどな
 くなってしまった。
 隣の四国の都、香川県高松市で少し残っていたくらいだ。
 でも、東京の3日ほどの仕事しかない。
 良いところではあったが、しょせんは地方であったということなのだろうか。
 文化のないところに人は育たないと言うが、真似事だけで終わってしまった感が
 ある。
 誠に残念だが、撤退するしかなかった。
 未来が描けない地方の若者に明日があるのか、気力が沸くのか、具体策のない精
 神論者の小泉首相に尋ねてみたい。
 現在、東京都近辺のベッドタウンに居を構えているが、家賃が徳島市内と変わら
 ないあたりが、意外に田舎の居住維持が大変かが解る。
 違うと言えば、駐車場が少し高いくらいだろうか。
 求人情報のチラシや、情報誌などは、たくさんあって「徳島新聞」の求人欄くら
 いしかないあたりとは、大きな違いがありすぎる。
 若人は、それを知れば田舎から飛び出してしまうのは避けられない。
 良い経験だったけれど、田舎で住むにはあるところに密着しなければ生きていく
 ことが出来ない。
 それが、名士だったり、社長だったり、政治家だったり、公務員であったりする。
 そして、貧富の差が激しいのも現実だったりする。
 教育やTVなどによって外の世界を知ってしまえば、もう戻る若者はいないだろ
 う。
 かくして、ワシの周りのプロカメラマンは、みな地方出身者である。
 そして、アマチュアカメラマンは、三大都市近郊の出身者ばかりなのだ。
 自己保身を考えただけの大人たちによって、地方の時代は終わったのだと思いま
 す。




(おわり)


●32歳モテない男の現代思考
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┃このメールマガジンは一地方に住むフリーランスカメラマンの記録と
┃雑感です。どうしたらCマンに成れますかとか、弟子にして下さい、
┃などのメールにはお答えできません。
┃内容は「友達の話」ぐらいに受け取ってください(^_^)
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