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Guam在住の36歳・男・独身の小一郎が「何でこんな国なんだ」〜「身近なHな話し」のことまでノンフィクションで語っていきます。




#### 32歳モテない男の現代思考 ####

発行日: 2001/9/8

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                             2001/9/8
             32歳モテない男の現代思考          
                      第三十七回・お笑いの質

     32歳独身男性が何故独身のままなのか。謎を解明して下さい。

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1.THE MANZAIの時代

 1980年代、漫才ブームというのがあった。
 当時を知る人ならば、そのころの懐かしい「笑い」を思い出すことが出来るので
 はないだろうか。
 当時「笑いの質」が昔と違う、ということで年輩者には受け入れられなかったの
を覚えている。
 『正統派』というのは、何を持って正統派というのか基準が難しいが、おおよそ
 落語あたりからの「うまいっ!」っと唸らせるようなひねりが必ずあったように
 思う。
 それが、あの漫才ブームでは、場の勢いや早口でしゃべくりまくる言葉の勢いで
 笑いをとる部分が出てきたように思う。
 はたして、それはそれで面白いのだが、早すぎてが聞き取りにくい部分もあった
 りして「笑いの台本としての中身」は、未完のままで過ぎ去ってしまった感があ
 る。
 即効性というか、中身を吟味させる時間を与えないほどの勢いで「笑い」を取っ
 ていく手法が認知されたのかもしれない。
 当時、僕としては、それはそれで面白いものとして受け入れ、漫才とコントを混
 ぜたようなちぐはぐではっきりしない『場あわせ』的なものにも笑えたものだっ
 た。
 もちろん、それを一緒にTVなどで見ていた両親には「何が面白いの?」と受け
 入れられない部分も多くあった。
 特にその「受け入れられない」低俗性を持った部分は、教育上よくないと言うこ
 とで大人は「規制」を入れたがったものだった。



2.2000年の笑イズム

 21世紀になって日本は、平和のまま経済的に特にどん底に落ちるでもなく、か
 といって未来予測をしたとおりにどらえもんが本当にいるわけではなく、タケコ
 プターも作られるわけがないと理解されはじめてから、人は何かどうでもいい「使
 い道のない」時間を穴埋めしてくれる時間を手頃に笑いに求めていったように見
 える。
 いわば空虚を埋めてくれる時間であり、その求める笑いには「上手下手」とかは
 どうでもよくて、手段はどうあれ「そのときの空気を盛り上げてくれればいい」だ
 けの消費活動ではないだろうか。
 「笑い」に文化というものがおおよそあるならば、その「笑い」によって人は考え、
 また、悩むことをするだろう。
 しかし今、流行っているお笑い芸人の芸を見て思ったのは、芸として出尽くしたも
 のをさらに探求する能力よりもTVという時間を垂れ流すプログラムの隙間を埋め
 るべく行われる「間に合わせ」と作られた無駄な時間をいかに無駄ではなかったか
 と思わせる「作業の一つとして利用されている技術」が大事にされているように思
 うのだ。
 近年、吉本興業や太田プロダクションなどの台頭やNHKなどの後押し番組もあっ
 て「お笑い」が再度ブームになりつつある。
 といっても「お笑い芸人」と呼ばれる人たちの主な芸は、「話芸」ではなくてTV
 番組の表題者になることであり、TV番組自体がお笑いの台本として「コント」じ
 みたものを演じることであったりする。
 それは、どこにも「漫才」や「コント」などで人を笑わせるものではなく、そのコ
 ンビなりトリオなりの代表お笑い芸人が、TV番組の一つのパーツとして出てくる
 時間消費の役でしかない。
 そこには、彼らが目指したはずの世界とは違った「食べていくためには、売れてい
 くためには、やらなければならないプログラム」が組まれてしまっているように思
 うのだ。
 はたして、彼らは現状に対して「21世紀の笑イズム」とはこれだ!と言えている
 のだろうか。



 コンテンツの不足したTV業界

 インターネット世界が広がり、電気通信業界が音楽業界やTV製作業界(地上TV、
 BSTV、ケーブルTVなど)と繋がりを重くしている。
 TVCMでは、いかにもネット世界がテレビや音楽を一つにつないでくれるよう
 に語っている。
 しかし、どこでも「コンテンツ」が重要であることを認識している。
 いわばソフト面での重要性であるが、それが数限りのあるものだということも知
 っている。
 地上波だけでなく衛星やケーブール、果てはネットTVまで出てくるともう「時
 間の隙間」を埋める作業で手一杯になってくる。
 とても、良質のプログラムをじっくり時間をかけて創る、などと言うことは出来
 ないのである。
 仮に、制作者がそう言い放ってもスポンサーが突っぱねるだろう。
 もう、時代は「余裕をぶっこいている」暇はなくなってしまったのだ。
 とにかく何でも良いから「笑わせて」視聴率のとれるものがあれば、怒鳴ろうが、
 弟子をいたぶろうが、ゲストを怒らせようが、何でもOKになってきた。
 そして、それを見た次世代の子供たちは、それこそが「お笑い芸人となる術」な
 のだと勘違いして「笑いの質」が落ちていっているのではないだろうか。
 この先、コンテンツ不足は続くだろう。
 何より「時間をかけないで手っ取り早く創る」ものによいものがあったためしが
 ない。
 しょせんは、付け焼き刃だということを知っていても作り続けねばならないディ
 レクター諸氏に同情する。
 しかし、それによって「お笑い」も地に落ちて死んでゆくことを覚悟しなくては
 ならないと思う。
 僕の大好きな人間国宝・桂米朝師匠が言っていた「芸とは、熟成されていくもの
 です。たとえ落語といえども心に残る笑いを残すには、時間の年期がいるのです」
 落語は、何度同じネタをやっても「笑える」芸である。
 それでこそ本物の笑いと言うことらしい。
 今のお笑いTV番組を見て、何度も笑えるだろうか?


(おわり)


●32歳モテない男の現代思考
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