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Guam在住の36歳・男・独身の小一郎が「何でこんな国なんだ」〜「身近なHな話し」のことまでノンフィクションで語っていきます。




31歳モテない男の現代思考

発行日: 2000/12/1

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                              2000/12/1
             31歳モテない男の現代思考          
                     第十二回・地方の駄目さ加減

     31歳独身男性が何故独身のままなのか。謎を解明して下さい。

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1.久しぶりの徳島

 某新聞社の撮影仕事を終え、東京から帰ってきた。
 やっぱり、徳島はいいなぁ。
 時間が止まっているみたいだよ。
 のんびりしている自分勝手な人たち(僕は、徳島の人を自己中のノンビリ屋だと思
 っている)。
 でも、人口が少ないからいざこざにならないんだなぁ。
 しばらくは、フィルムや写真の整理と原稿書きになりそうだ。



2.新聞社の見栄

 現代では、大手新聞社といえども売り上げの下落に悩まされ、どこの経費を削る
 か検討している。
 普通の会社ならまず、社外に頼む発注の仕事単価を下げるのだが、新聞社という
 のは昔からある印刷出版界の巨人であり、文智派の代表みたいなところがある。
 その一流を名乗る新聞社ほど単価の下落など出来はしないのだ。
 単価を落とせば、そこで仕事をしたことのある一流どころの作家さんたちは、仕
 事の手を引く。
 すなわち、二流のレッテルを貼られてしまうのだ。
 大手新聞社の辛いところだ。
 それは、地方の支局についても同じで、予算の範囲はあれど単価を絞るようなケ
 チなことは言わないのが僕らの仕事仲間の共通意識だ。
 それゆえ、新聞社からの仕事はケチなことはしないし、気合いも入る。
 じゃぁ、地方の厳しい状態の新聞社はどうかというと、大抵は無理してでも大手
 に合わせてくれる。
 特にJPS(社団法人日本写真家協会)やAPA(社団法人日本広告写真家協会)の
 会員であれば間違いがない。
 それは、地方の名主としての立場でもあり、見栄でもある。



3.ギャラの基本

 大手新聞社は、僕らのようなペイペイカメラマンでも一日あたりの単価は、5万
 円をくだらない。
 一日あたりの取材が多いときなどはもちろん10は軽く越える。
 越えてくれなければ本当は困るのだ。
 僕の考えではそれが「維持」するためには必要な金額だと思っている。
 プロであれば、名前が売れていてもいなくても機材にかかるお金は半端じゃない
 のだ。
 機材だけで一財産になるのが普通で、それを消費資本として使っているからには
 減価償却を越えるだけのギャラを頂かなければ維持できないのだ。
 そのギャラだけを見て「高いなぁ」という方がおられるが、あなたが機材の費用
 として月に20万円払っているとしたら、フィルムやその現像代、事務所の経費
 などを考えれば一日あたりの撮影料が最低いくら必要かは解ってもらえるのでは
 ないだろうか(僕はそれが30を越える)。
 アマチュアが自己満足のために沢山のローンを組んで写真とは違うもので払って
 いくのとは訳が違うのだ。
 プロとしての意気込みがないプロは、当然この至上の命題に気づかずにアマチュ
 ア感覚で仕事を安く請けるから自滅していく。
 一日1〜2万円程度の撮影ギャラで維持が出来るわけがないのだ。
 それは、アマチュアのアルバイト代に過ぎない。
 地方や東京でも三流どころは、そういう金額でやっているようだ。
 しかし、それは主たる仕事として写真館の下請けや学校写真屋、広告代理店の下
 請けなど名前とフィルムの残らない仕事なのだ。
 それらは、カメラマンであって、カメラマンではない。
 よく、写真学校の生徒が「写真屋」じゃなくて「写真家」になりたいと言ってい
 るのを聞くが、まさにその通りなのだ。
 もちろん、この手の仕事も僕は依頼があればやる。
 ただ、最低料金を決めてそれを下回るものは事情がどうであれ断っている。
 仮に低い値段のものを請けてしまえば、何事でもそうだがその程度のものしか依
 頼がこなくなるからだ。



4.あこぎなやり方

 地方新聞社で起こりつつあることがひとつある。
 名主としての地位は保っていたいけれど、費用的には厳しいなということで子会
 社を作る。
 そこへ天下ってきたOBをおいて、その子会社から発注させる。
 そうすることによって単価を下げ、なおかつ幹部たちの退職後を保証する。
 この手は、大手出版社で行われていたことで、下請けプロダクションを作ってカ
 メラマンやライターさんに発注するパターンだった。
 僕は、こういったやり方は否定的であるのだが価格との相談かな、と考えている。
 「武士は食わねど高楊枝」では、香川事務所のように閉鎖の憂き目を見る。
 すでに徳島事務所もその憂き目を見始めて統廃合を考えているので見極めが大事
 だ。
 その見極めが決まった理由として僕の後輩(現在学生)の話がある。



5.人を人と思わない自己中心資本主義

 僕が以前やっていた某地方新聞社(何故か社団法人・天下りがいっぱい)の子会社
 が発行する本の写真撮影を後輩がやることになった。
 話しの顛末を簡単にすると単価の下落が激しすぎて1カット当たり3000円などとい
 う金額になったのでお断りをした。
 当方では、その倍をもらっても合わないと断ったので彼らは、他を捜したらしい。
 しかし、誰も請けてくれないので求人を出したのだ。
 それを見た僕の出身校の後輩が応募した。
 その仕事を請け撮影したものを現像所へ持ってきたところへ彼から話しを聞いた
 のだ。
 なんと!いつのまにか1カット300円。
 それってギャラにもならないのではないの?
 そして、元請けからの発注価格は同じ。
 すなわち、中間マージンの取りすぎなのだ。
 天下りの連中のやることというのは、所詮そんなことなのだ(景気が良くないので
 ……、とか言ってる理由なんてこんなものです。自分だけ良きゃいいんだから)。
 そして、フィルムのあがりは「アンダー」。
 彼には、その世界のばかばかしさを知ってもらい、その会社にはケチればそれな
 りのものしかできないことを知ってもらうことにしよう。
 しかし、笑っちゃうのは、それで印刷しちゃっているところ!
 地方の名主を名打つ出版物も地方は地方だという証明をしているのだ。
 こういう下劣で自己中心的な資本主義は、これからどんどんと跋扈するのではな
 いだろうか。
 それを止めるのは、やっぱり東京の一流どころのプライドと良心だろうね。
 地方には、その力はない。
 だって、競争の原理が働かないもの。


 (終わり)



●31歳モテない男の現代思考
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