第一線のコンサルタントが毎日、日経新聞の記事を題材として経営戦略の原理原則を解説します。経営者はもちろん、キャリアアップを狙うサラリーマン、OLの方は必読!毎日発行だから、話のネタ仕入れにも最適です。
- 最新号:2008-10-10
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【経営戦略考08/07/02】外食の食器を扱う老舗の陶器店−プロダクト的対応ができるようになるために
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価格を上げるには、それなりの理由が必要です。原油高といったコ
スト上昇というのは正当な理由ではありますが、それだけですと、
あまり芸がないですね。もうひとひねり、欲しいところです。
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■■ 外食の食器を扱う老舗の陶器店
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━━━━━ 情報源:日経MJ(流通新聞)2008.07.02【15面】━
◆イカ釣り漁船が全国で一斉休漁したという。燃料となる原油高が
原因だ。コストが増加したのなら、売価に転嫁すればよいではない
かというのが「常識」だと思うが、市場で価格が決まる商品なので、
そういうわけにはいかない。
◆同じく原油高の影響を受けているガソリンの場合、しっかりと値
上げをしている。もちろん、顧客は買い控えをする傾向が見られる
が、売るだけで赤字という状況は回避できる。
◆市場で価格が決まる場合、コストは関係ない。標準化された製品
なので、他と差別化することもできない。いわゆる「コモディティ」
と化した商品の辛いところだ。
◆「コモディティ」に対する概念が「プロダクト」だ。差別化がな
され、価格決定の主導権を握ることが可能だ。戦略を考える際は、
「コモディティ」ではなく「プロダクト」を目指そうとする。
◆イカのような海産物でも、産地ブランドを高めることで、プロダ
クト化することができる。当然、そのような戦略をとっている漁業
者・農業者が増えている。
◆いずれにしろ、価格とコストとの関係を適正に保つことができな
ければ、ビジネスを続けていくことが難しくなる。経営環境に変化
があれば、何らかの動きをとる必要がある。それはまた、ビジネス
チャンスでもある。
◆2日付けの日経MJ(流通新聞)に、老舗の陶器店に関する記事
が掲載されている。外食企業の食器を扱っているのだが、業界は
「中国など海外の安価な食器が国内に流入」という逆風の状況にあ
るという。
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■■ プロダクト的対応ができるようになるために
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●記事は「売り上げ減に苦しむ外食企業では食器にかけない店が増
えている」と説明している。この「変化」をチャンスと考えれば、
「海外の安価な食器」を輸入販売することで対応できるわけだ。
●とは言え、記事に登場する老舗の陶器店(岩間陶器店)にとって、
そのような対応は難しいだろう。「窯元から直接仕入れたり、産地
の専門業者などを通じて仕入れている」ことが強みになっているが、
中国あたりから輸入するのでは、それを活かせるどころか、せっか
くの取引関係もぶち壊しだ。
●しかし一方、記事は「厳しいばかりではない」と指摘し、「最近
の原材料高でむしろ恩恵を受けている面もある。料理のコースの価
格を引き上げる際に食器とともに見直す例が増えている」とも説明
している。
●つまり、単純にい価格だけが上がったという印象を与えないため
に、食器を変更するというニーズがあるというわけだ。食器を豪華
にすれば、同じ料理でも単価を上げることができそうだ。
●「変化」を受け、低価格・値下げに対応するという方向もあれば、
価格値上げへ向かうというやり方もあるわけだ。冒頭での説明を踏
まえれば、前者は「コモディティ的対応」、後者は「プロダクト的
対応」と言えるかも知れない。
●戦略を考えるなら、先ほどの説明のとおり、「プロダクト的対応」
を目指したい。「変化」への対応の仕方は、一方向ではない。今回
のケースでは、「価格を上げる」という「プロダクト的対応」を選
ぶ顧客が、岩間陶器店にとって、ありがたい存在となっている。
●「プロダクト」を志向することは戦略として正しいが、自社の一
方的な思いでは、その実現は難しい。その方向性に賛同する顧客が
いてはじめて、その戦略が生きてくるわけだ。
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■ 今日の教訓 ■
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あなたの企業では、経営環境の変化に対応する際、「コモディティ
的対応」と「プロダクト的対応」のどちらに行きがちだろうか。後
者を選ぶのが望ましいが、それができるかどうかは、顧客の志向に
も影響される。商品も顧客も含み、広い視野で「プロダクト」を志
向する作戦を立てていこう。
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