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発行日: 2008/7/4台湾の中国接近を促した日米の台湾イジメ
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-421.html より
■昨年の潘基文総長の媚中事件
「誰が中国の手先か」と言う観点に立つと、理解しやすくなるのが東アジアの情勢である。
昨年七月、潘基文国連事務総長は中国の「手先」に成り下がっているかに見える事件があった。台湾の陳水扁総統が自らの名義で二度にわたって行った国連加盟申請を独断で突き返したのだった。しかもその言い分は、「七一年の第二七五八号決議以降、国連は一つの中国政策をとっている」と言うもの。つまり「中華民国(台湾)から中国代表の議席を取り上げて中華人民共和国に渡すとの決議文が採択されて以来、台湾は中華人民共和国の領土だとするのが国連の立場だ」と言ったのだ。
これは中国の主張とは符合しても、事実とは符合しない。なぜなら同決議は台湾の領有権の帰属先を決定したものではなく、二つのチャイナ政府の間でのチャイナ代表権の所在を認定したものに過ぎなかったからだ。そもそも決議文では、「中華民国」ではなく「蒋介石集団」を国連から追放するとあったが、それは「チャイナの領土ではない台湾しか支配していない中華民国など、領土を有さないニセ政府だ」と言う意味だった(実質的起草者である周恩来が、後日そのように仄めかしている)。
周恩来の見方は正しい。なぜなら台湾は五三年のサンフランシスコ講和条約で日本によって放棄され、帰属先未定の状態となったからだ。たしかに終戦以来、チャイナ(中華民国)に占領され続けてはいたが、その領有に帰したわけではないのである。
そのことは米国も知っている。しかしこの国は潘基文と同様、陳水扁の国連加盟申請に反対の意を表明したのだ。それは潘基文の誤認識を認めたからではない。その加盟申請が「チャイナ共和国(中華民国)」ではなく「台湾」の名で行われ、それが中国を激怒させ、緊張を高めるものだからである。中国は「中華民国」の国名を否定するが、「台湾」の名だとさらに反発する。なぜならそこに「チャイナ」と付いていないからだ。
国連では、追放された「中華民国」は通用しないが、「台湾」と言う真実の名となると、さらに通用しないと言うことだ。これでは潘基文だけでなく、米国もまた中国の「手先」と言わざるを得なくなってくる。
そもそもブッシュ米政権はこのように、大国としての影響力を強める中国との間で、台湾を巡る争いを嫌ってきた。ブッシュ大統領など、「台湾独立に反対する」とまで表明して、中国側を大喜びさせたほどだ。たしかに中東問題で手一杯のブッシュには、北朝鮮問題を中国に委ねるため、その歓心を買わなくてはならないとの切実な事情もあるのだが、これでは台湾が中華人民共和国の一部と認めたに等しくなってしまう。
それでもブッシュ政権は、さすがに潘基文の誤った見解表明だけには異議を申し立てざるを得なかったようだ。翌八月には国連事務局に対し、「台湾の主権問題は未解決だ」と訴えた。
■台湾国民を裏切ったブッシュ政権
そこで今年六月二十七日のワシントンポストは、この米政府による異議申し立てに関する論評を掲載している。
それによると、「米国国務院は密かに質疑を行った。彼らは個人的に国連幹部に対し、もし国連事務局が台湾を中華人民共和国の一部だとの立場を堅持したり、台湾についてそのような意味合いを持つ名称の使用を堅持すると言うのなら、米国は自国の国家的基礎の上での立場とは異なっているとせざるを得ないと伝えた」と言う。
論評では著名な中国問題専門家であるタシク氏の次のようなコメントを引用している。
「米国の照会はたぶん遅すぎた。ブッシュ政権が六年来、台湾の有権者に与えた印象は、『台湾の民主主義が共産中国の望むところで屈服するよう希望している』と言うものだ」
「米国は民主台湾の国際的身分をいかに守るかを、アジア、そして世界に伝えなければならない」
「台湾の新総統はブッシュ政権による物質的、精神的支持の下で北京の協議しようとはしていない」
つまり、米国が台湾に冷淡でいるため、台湾は中国に接近して自らの安全を確保せざるを得なくなっているとの警告だろう。
■日本が危機感を以って立つしかない
論評は「台湾は馬英九新総統の指導下でさらに中国との関係を緊密化させようとしているなか、ブッシュ政権は米国に依存した国防強化を阻止しようとしている。たとえばホワイトハウスは最近、北京との騒動を回避するため、台湾に対する百二十億ドルの武器売却を停止している」とも指摘している。
たしかにライス国務長官は先ごろ、台湾への武器売却は北京五輪閉幕後の九月以降まで暫時延期すると表明しているが、タシク氏はすでに六月十八日、次のような事実を明らかにしている。
「台湾新政権の蘇起・国家安全会議秘書長は、中国との関係改善を図っているので、九月以前は武器売却を発表しないで欲しいと言った。ライス国務長官とアジア事務担当のヒル国務次官補はそれを聞いて、売却延期を決めた。蘇起の意見は個人的なものだが、もちろん重みがある。これはまたF16売却の延期にも繋がった」
台湾にとって国防の頼み綱が日米安保体制であり、日米にとって台湾は中国の太平洋進出を阻む最前線のとりでであり続けてきたが、その日米が台湾を飛び越えて中国に歩み寄って行ったと見てきた台湾国民が最後の頼み綱として、中国への事実の「投降路線」を進む馬英九政権を支持するのは無理からぬところでもあるのだ。
しかし台湾国民にとっての不幸は、頼みにする国民党の政権がもともと中国から台湾を死守しようとの決意に欠けていることである。なぜなら同党を主導するのは在台中国人の勢力で、自らの権益を守るためなら、喜んで中国の「手先」になる人々だ。
来年一月の発足する米国の新政権が共和党であれ民主党であれ、中国との台湾を巡っての対立回避の路線は強めることがあっても変更されることはないと見られているが、台湾の中国接近によって大打撃を受けるのは米国ではなく日本なのである。
だからこそ昨年八月には、安倍政権も米国に続き、国連事務局に異議を唱え、「サンフランシスコ講和条約で台湾を放棄したが、どこに帰属すべきかは言うべき立場でない」と強調した。つまり「台湾はチャイナに帰属していない」ことを、米国以上に明確に伝達したのである。そこには中国に台湾を取られたくないとする同政権の危機感が滲み出ている。
それについては本ブログの記事!)予想外の日本の快挙―国連の媚中姿勢に「待った」!)を参照されたい。
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/?q=%B2%F7%B5%F3
日本が、台湾国民に対し、そして米国に対して台湾併呑問題への強い懸念とそれを阻止する確固たる決意を関心を示さない限り、情勢は日本の安全を脅かす方向へと進んで行くしかない。
とにかく、すべてが中国の望むような情況だ。米国や国民党政権が中国の「手先」になったからと言って、日本までもが「手先」を演じていたら、必ず世界史上の笑われ者となることだろう。
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