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K3-net通信 第10号をお届けします

発行日時: 2008/5/17

新緑が眩しい季節になりました。みなさまには元気にご活躍のことと思います。

昨年12月にリニューアルしたK3-net通信(2007.12〜)も今回で第10号。
前シリーズ(2006.10〜2007.10)の発行数11回に追いついてきました。
読者数も88人と縁起よい「末広がり」ですが、100人の壁は高しです。

□K1(Kaigo)

◆認知症の人や家族を地域で支える
前号で「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」が
厚労省に立ち上がったことをお伝えしました。

埼玉県では、さいたま市の浦和区をモデル地域として、
認知症の人や家族を支える仕組みづくりに取り組んでいます。
まちづくりにつながる話なので、さいたま市の協力のもとで、
さいたまNPOセンターという、
いわゆる中間支援NPOとの協働事業として進めています。

事業を動かす推進会議の委員長は日本女子大の堀越栄子教授にお願いしています。
埼玉県の介護保険には制度が始まる頃から関わっていただいています。

堀越教授から、認知症を地域で支える取組は、21世紀型の新しい人づくり、組織づくり、まちづくりにつながることだといような発言がありました。

共助の仕組みづくり、地域福祉のあり方検討など、
あたらしいプラットフォームづくりといったことが様々な場で議論されています。
このあたりをじっくり考える時期だと思っています。

◆家族が認知症になったら読む本
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32054769
川崎幸クリニックの杉山孝博院長が3月に本を出しました。
杉山院長は認知症の関係では有名な方です。
この本の副題は、「正しい知識と理解が介護の苦労を半減させる鍵」。

認知症をよく理解するための「八大法則・一原則」が書かれています。
このことを認知症に関わる人たちが読んでいたら、
もっと楽になるのではないかと納得することがたくさんありました。

一部を紹介します。
第一法則=記憶障害に関する法則
記憶障害は認知症の基本的な症状であり、例外なく見られるもの。
この記憶障害の世界には、3つの特徴がある。
一 記銘力低下の特徴
二 全体記憶の障害の特徴
三 記憶の逆行性喪失の特徴

記銘力は新しい経験を覚えこむ力で、記憶のうちのこれが特に悪くなっていくとのこと。
だから、1日に同じことを何十回と尋ねることは起こりえるこのだとのこと。
これも認知症の症状の特徴と割り切り、本人に悪感情を抱かせないような対応が必要。

全体記憶の障害は、大きな出来事ですら、記憶したり思い出すことができないで、
その全体をごっそり忘れてしまうのが特徴とのこと。

逆行性喪失とは、蓄積されたこれまでの記憶が、現在から過去に向かって、
どんどんさかのぼって失われていくという現象。
現在を起点として、ここ数年から数十年の記憶をすっかり無くしてしまうようなことが
起こるそうです。

このため、年齢をたずねると、「40歳」とか「18歳」とか、
およそ本人とはかけ離れた答えが帰ってくることが往々にしてあるとのこと。
「会社に行くと言って、背広を着て出かけようとする」
「夕方になると落ち着かなくなり、荷物をまとめて。昔の自分の家に帰ろうとする」
「自分の子どもはまだ小さいと言い、目の前の壮年の息子を父親か兄弟であるという」
こういったことも、みんな、記憶の逆行性喪失の特徴を知っていればうなづけます。

第二法則=症状の出現強度に関する法則
より身近な者に対して、認知症の症状がより強く出るというもの。
大変な苦労をしながらお年寄りの世話をしている介護者に対して、
お年寄りは一番ひどく認知症の症状をあらわす。

このため、
「一所懸命介護してあげているのに、感謝しないばかりか、ひどい態度をとる」
と訴える介護者(長男の妻)と
「私が話してみると、しっかりしているわよ。
年をとれば、誰だって少しは物忘れをするものよ。
お義姉さんがいうことは大げさなんじゃない?」という長女
との間に認知症の症状についての認識に大きな差が出るとのことです。
たしかに、両者がこの法則を理解していないと二人の関係は悪化するばかりです。

以下、法則のみ列挙します。関心のある方は、この本を読むことをお薦めします。
第三法則=自己有利の法則
第四法則=まだら症状の原則
第五法則=感情残像の原則
第六法則=こだわりの法則
第七法則=認知症症状の了解可能性に関する原則
第八法則=衰弱の進行に関する法則

◆審議会、研究会など
今月の審議会等情報です。
http://www.mhlw.go.jp/topics/event/monthly.html

どうしても行かなければならないものがあります。
5月28日の介護予防継続的評価分析等検討会。

わたしは、介護保険課の介護予防担当に所属していますので、
18年4月から2年間やってきた「介護予防事業」の評価は、仕事の根幹部分です。
ただ、なかなか効果測定が難しい分野です。

介護保険制度は3年サイクルで動いていて、
今年度は第4期計画(21〜23年度)をつくります。
そこでは、3年間の介護予防事業を評価して、
第4期以降どう進めるかを明らかにする必要があります。
とりあえず傍聴に行ってから考えよう。
http://www.mhlw.go.jp/topics/event/monthly.html

◆「人生85年時代」に向けたリ・デザイン
前号で紹介した「人生85年時代ビジョン懇談会」の報告書がまとまりました。
趣旨は、人生設計をデザインし直し、
仕事・生活・学び、遊び等について生涯現役の社会づくりを進め、
自分らしい「花のある生き方」を実現するための提言とのこと。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0509-4.html

内容は4つにわかれています。
1 子どもの頃から、文化を学び、
 他者に支えられていることを学びながら「自分づくり」に励む。
2 若い頃から、何度でも学び、性別や年齢にかかわらす働き、世代を超えて交流する。
3 仕事と生活のバランスをのとれた働き方を実現し、
 特に女性も力を存分に発揮できるようにする。
4 生きる知恵や経験を活かし、人のため、「世間」のために役立つ生き方を探る。

介護、保育、子育て支援、次世代育成、介護予防、共助という流れで仕事をしてきた者
にとっては、何か総まとめのような報告書です。

特に「死と向き合い、より良くいきるためのプログラム」、「年中無休の24時間営業など働き方に影響するサービスのあり方の見直しに向けた議論や取組」、「老いや介護の問題にも配慮した多様な住まいづくり」は、とても大事だと思いました。


□K2(Kosodate)

◆子どもと幼児教育・保育をめぐる動きとこれからの課題
5月11日、白梅学園大学で、教育要領と保育指針の改定をめぐるシンポジウムが開催されました。
まず、汐見学長から表題の基調講演がありました。以下、要約です。

改定の趣旨は3つ。
1 この10年で子どもの育ちが変わってきた。心配な方向への変化だ。
きれる、体力低下、学力低下、授業崩壊。親の方も子育てがつらい。
こういう状況を放っておいていいのか。
2 この10年で膨大な子どもを巡る法律整備を行った。児童福祉法は改正に改正を重ね、膨大な法律になった。発達障害者支援法もできた。幼児教育にテコ入れすべきという声が高まっている。
3 これらは先進国共通の問題。各国がメスを入れ始めた。子ども一人育てるために村一つ必要という有名な話がある。日本はこういう先進国の動きの中で遅れをとっている。
ここで動かなかったら、回復し得ない状況になる。

特に注目すべき点は、
「子どもの自尊感情が著しく低い」。これと対応することとして、
「子どもの成長についての母親の満足度が低い」。
これらは、諸外国との比較(ベネッセの調査)で顕著である。

この原因は、個人にあるのではなく、システムの問題である。
1983年を境に「生の自然体験」が著しく減っていることも大きい。
1983年以降、家庭の中にテレビゲームが入ってきた。
DVDにより画像処理が手軽になった。
遊びのIT化、テーマパーク化が進んだ。

さあ、どうするか?
新しい「育て」と「育ち」のシステムをつくるしかない。

2006年12月の中教審幼児教育部会の報告が大事だ。
7つの目標、7つの提言、アクションプログラムが示された。

目標1 幼保連携を一層促進し、幼稚園と保育園とで区別なく、
小学校就学前の子どもの育てを支える体制を整備する。
行動計画
 1 幼稚園と保育園がいっしょに研修に取り組む。
 2 保育士資格と幼稚園教諭資格の併有を促進する。
 3 教育・保育内容の整合性を確保する。
 4 行政の窓口を一本化する。
 5 相互理解を促進する。

目標2 「入園を希望するすべての満3〜5歳児」を対象として、
    質の高いきめ細かな幼児教育を行う。
行動計画
 幼児教育の無償化の検討。ここでも「幼稚園と保育園で区別なく」を念頭に置くべき。

ぜひ読んでいただきたい参考文献
1 「世界の幼児教育・保育改革と学力」 泉千勢・一見真理子・汐見稔幸編著
  2008年5月。明石書店
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32067209

2 「ひきこもりの国」 マイケル・ジーレンジガー著 河野純治訳
  2007年3月。光文社
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4334961967.html

◆改訂教育要領と改定保育指針の説明
シンポジウムは、検討委員会の委員として今回の改定に関わった白梅学園大学院教授の無藤隆教授と同じく白梅学園大学の民秋教授らから、具体的内容についての説明がありました。

今回の改定は、教育要領は比較的小さな改訂、保育指針の方は抜本的な改定だったので、
現場でも、幼稚園よりは保育園の方が戸惑いを感じている。
その具体的な戸惑いについて、幼稚園と保育園の現場からレポートがありました。

21年4月の施行に向けて、今年度は、いたるところで改定についての研究会や勉強会があるようです。参加したらまた報告します。

◆4つ葉プロジェクトの3周年タウンミーティング
6月22日に開催される4つ葉のタウンミーティングのテーマも「保育」です。
ゲストは、浜松学院大の高山静子氏、恵泉女学園大学院の大日向雅美氏、
厚労省雇児局保育課の義本博司氏とのこと。
ぜひ、参加したいと思います。
http://yotuba-project.net/tm03.html


□K3(Komine)

◆コミネテイのガーデンパーティ
オフコースの歌に「冬が来る前に」という曲があります。
学生時代、ピアノ弾き語り「オフコースベスト」を買ってひたすら練習しました。

それで、冬が来る前の、夏が来る前に、コミネ邸で、
ガーデンパーティーをやりたいと思っています。
7月の梅雨が明ける頃にと思っています。
詳細が決まったら案内します。

◆地域SNS‘grow’
新座子育てネットワークが‘grow’という自前のSNSをつくったとのことです。
何でも地域SNSは、埼玉県では初めてとのこと。

‘grow’は、「育つ」をキーワードに、知識、情報、経験、思いが出合い
ソーシャル・ネットワーク・システム。

知識、情報、経験、思い、が出合う場は、コミレスそのものです。
で、‘grow’の一画をお借りして、
「コミネティ・レストランをつくろう」というコミュニティを開設しました。
SNSにつき、個別メールでお誘いしたいと思います。

◆お出かけ情報
◇「自治基本条例を生かしたまちづくり」
 5月31日(土)13:30〜16:40
 さいたま市民会館うらわ
協働→参加のまちづくり市民研究会の主催の公開セミナーです。
地方自治総合研究所所長の辻山幸宣さんを講師に、
「自治基本条例を生かしたまちづくり」をテーマに、
基礎から事例紹介までの話が聞けるとのこと。
http://www.machiken.org/mk/modules/eguide/event.php?eid=53

◇共助の仕組みづくり研究会「地域通貨を活用した共助の仕組みづくり」
 6月5日(木)14:00〜16:00
 埼玉会館6C会議室
 ぶぎん地域経済研究所の小池清一主任研究員から地域通貨の基礎から活用までをお話しいただき、自由な意見交換を行います。
 
地域通貨はなかなか広まらないと言われます。
 でも、地域通貨は共助の仕組みづくりの一つの鍵ではと思います。
 そこで、地域通貨の基本から活用までを勉強しようという企画です。
 主催は県。誰でも参加可能です。関心があったらぜひお越しください。

◆バック・トゥー・80’S 第5回

2Fの屋根裏部屋に貯蔵している音楽カセットテープの中から選りすぐりの何本かを久々
に聴いて、旧き良き80年代にタイムスリップするというコーナーです。

前回はニューヨークだったので、今回は、西海岸の2大ギタリスト、
ラリー・カールトンとリー・リトナーから聴いていきます。

1 ラリー・カールトン・ライブ SONY/BHF/C90
  A side  Jan.30.1981 読売ホール
  Larry Carlton(g.vo)、Pops Popwell(b)、Don Freeman(kyd)、Brian Mann(kyd)
    John Ferraro(ds)
  
  いきなりラリー・カールトンのボーカルで始まり少しビックリです。
  ミッドナイト・パレード、曲名不明の懐かしいバラード、オクターブ奏法、後半にはク  ルセイダーズの定番曲など多彩な演奏です。

    B side  Mar.8.1981 中野サンプラザホール
  Lee Ritenour(g)、Don Grusin(kyd)、Abraham Laboriel(b)、Alex Acuna(ds)
  Steve Forman(prec)、Eric Tagg(vo)
  
  モーニング・グローリー、キャプテン・カリブなどおなじみの曲が続きます。
  MC、当時からニコニコしながらやっていたのだと思います。

  ベースのエイブ・ラボリエルとドラムスのアレックス・アクーナのリズム隊は
  数え切れないくらいのミュージシャンとやっていて、次に紹介するフレンズでは、
  ラリー・カールトンと組んでいます。

2007年の東京ジャズフェスで久々にリー・リトナーをみました。
そのときも、アレックス・アクーニャが一緒でした。

2 Friends Vs On The Line FUJI/ER/90
  A side  FRIENDS
    Larry Carlton・B.B.King(g)、Michael Brecker(ts)、Joe Sample(kyd)
Abraham Laboriel(b)、Jeff Porcaro(ds)、Alex Acuna・Paulinho Da Costa(perc)
Al Jarreau(vo)

フレンズというだけあって有名どころが集まったアルバム。すごいメンバー。

最初から、ジョーサンプルのピアノにマイケル・ブレッカーの渋いテナー・サックスでスタート。2曲目はアル・ジャロウの楽器のようなボーカル。

トトのジェフ・ポーカロ(ds)が亡くなってから15年が経つそうです。
そして、マイケル・ブレッカーも昨年逝去。
そういう意味では、すごく貴重なテープです。

  B side  ON THE LINE
    Lee Ritenour(g)、Dave Grusin・Don Grusin・Greg Mathieson(kyd)
Ernie Watts(sax)、Anthony Jackson・Nathan East(b)、Harvey Mason(ds)
Steve Forman・Lenny Castro(perc)
  
  デイブ・グルーシン、ドン・グルーシンとの競演は、美しい映画音楽のようです。
ギタリストのリーダーアルバムですが、ギターを抑えているところは、
ギターが前面に出る高中正義とは違います。
  
ネイザン・イースト(b)とハーヴィー・メイスン(ds)は、今では、ラリー・カールトン(g)、ボブ・ジェイムス(kyd)とともに、フォー・プレイというグループを結成。
たまに、ブルーノート東京にもやってきます。

ギタリストつながりでもう一人紹介したいのが、またニューヨークに戻りますが、
日本人で増尾好秋、元章兄弟です。

とにかくポップで聴きやすい音楽です。
好秋氏はニューヨーク在住37年。ちょうど、いま、日本ツアー真っ最中とのことです。

3 増尾好秋 SONY/AHF/90
  A-side  Mellow Focus
    B-side  Good Morning

4 増尾好秋 FUJI/ER/90
  A-side  Sunshine Avenue
  B-side  The Song is You and Me

5 増尾好秋 FUJI/ER/90
    A-side  Sailing Wonder
    
  B-side  Finger Dancing
    Yoshiaki Masuo(g)、Jan Hammer(kyd/syn)、Russel Blake(b)、Tony Cintron Jr.(ds)
    ヤン・ハマーは、フージョンの幕開けとも言われるマハビシュヌ・オーケストラ出身。
  キーボードをギターのように肩から下げたのもヤン・ハマーが最初らしい。

6 増尾元章 FUJI/ER/80
    A-side  Riverpool Dreaming
    B-side  Natural Mind
    弟の元章氏の方は、好秋サウンドをよりポップ&メローにした感じです。
  どこかで聴いたことのあるような親しみやすい曲が続きます。

ではまた。

 
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