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?千年も生きた人生の達人「金天爺さん」のちょっとためになる思い出話。抱腹絶倒の体験談の中に上手く生きるヒントあり!

  • 最新号:2008-05-12
  • 発行周期:週刊
  • 読んでる人:24人
  • 創刊日:2007-12-06
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【第13話 勇気ある行動】

発行日: 2008/2/29



今やから言えるが、
わしが昔、戦国武士やった頃、
実は滅茶目茶ビビリやった。

刀が恐くて怖くてどうしようもなかったんやな。
最初はゾクッとするくらい奇麗やなぁ〜と思てたんやが、
一回ちょっとしたミスで斬られてみたら、
血はいっぱい出るし痛くて痛くてたまらんのや。
それ以来、刀を見るだけで怖くなってしもたんや。

でも、その頃はそんなことを人に知られたら、
臆病者として一生回復できない不名誉な
レッテルを貼られてしまう時代やったんで、
絶対に人に悟られへんように立ち居振る舞いには気をつけてた。

日常生活の場面では何とかなってたんやが、
ある日、ついに出陣することになった。

戦場は最悪の場面や。
周りは全員もれなく刀を持ってる。
しかも、人を斬ることを目的としとるんやから、
わしとしてはその場に居るだけでちびりそうな状況や。

そんな中でも、ビビってることを悟られんように
胸を張り背筋をピンと伸ばして立ち、
合戦が始まるのを待っとった。

合戦開始の合図があった時、
わしは真っ先に飛び出して全力疾走で敵陣に突っ込んで行った。
あれこれ考えてるともっともっと恐くなるから、
ビビリ心が体に充満する前に走り出したんや。

走り出したらもう止まれん。
そのまま敵陣に突っ込むと、
当然周りの刀は全部わしを目標に振り下ろされて来る。
もう、恐くて怖くて、必死で敵の刀をすり抜け、
全力で自分の刀を振り回し続けるだけやった。


そのうち昼休みになって、
合戦場に仮設置された喫茶店に行った。

その日の日替わりランチは焼肉定食で
『肉のおかわり何杯でも無料』とゆう
えらく気前のいいサービスランチやった。
ところが、隣の客が喰ってる肉が見たことのない肉やったんで、
わしは肉の仕入元が気になり
日替わりランチはやめてハンバーグランチにした。

しかし、時は戦国時代、調理器具が発達してなかったんで、
包丁で肉をトントンとミンチにしてるような音が聞こえてきた。
わしは厨房をのぞきこんで「その肉どこで仕入たんや?」
って親父に声をかけた。
親父は「企業秘密や!勝手に厨房をのぞくな!」って怒り出し、
手に持ってた刀を振り回し始めたんで、
なんで包丁やなくて刀?
って思いながらも席に着いてハンバーグを待つことにした。

ところが、ミンチにするのに時間がかかったらしく、
料理が出来上がる前に昼休みが終わってしもたんで、
しかたなく再び戦場に出て行った。
良かったような、悪かったような???


午前中その中にいる時は気付かなんだが、
戦場は空腹も忘れさせる酷い光景やった。
死体がそこらじゅうに転がっとる。

その時、名案が浮かんだ♪
死体から刀を抜き取り、
ひとつの手に4本ずつ、合計24本の刀を持ち
刀のバリアを作ることにしたんや。
(当時のわしは腕が6本あって、それぞれ5本ずつ指がついてた)
刀の扇形バリアや。

コレは役に立った。
防御面ではゆうまでもなく、
攻撃時も一撃で相手を細かく切り刻み
致命傷を与えることのできる優秀な戦法やった。

気がつくと、わしの周りは敵の死体だらけになり、
さっきの喫茶店の親父が「こりゃミンチにしやすいわ」と、
仕入作業に励んどった。
やっぱりそうやったんや!
たくましい親父や。


陽が沈みきる少し前、
戦は我が軍の勝利で幕を閉じた。
わしは運良く生き延び、
刀の恐怖から開放された。

その後わしは、先陣を切ったことや
戦いぶりが勇敢だったとの理由で、
殿様から多額の褒美を貰った。
皆もわしのことをとても勇気のある、武士の鏡だと褒め称えた。

居心地が悪かった。
わしはそんな人間やないことは、
わし自身が一番よう知っとるからな。
わしはただのビビリや。
ただ、それがばれないような行動をしたり、
ビビリまくって必死になってただけや。

でも、わしへの評価はビビリとは正反対の方向に高くなった。
よく考えるとわし自身、あの戦の経験で刀に対する恐怖や
ビビリの性格が幾分か直ったように思う。
これを成長とゆうのかも知れんな。

恐いけど、何かのために無理して立ち向かう。
それを勇気と呼ぶのやろうな。
もっと簡単にゆうたら、
「やりたくないことを急いでやる」んが勇気なんやろうな。

そう考えるとわしは皆のゆうとおり手本となる侍やった。
勇気ある行動をとって成長したんやからな。

合戦開始の合図があった時に刀が恐いことを考えてたら、
たぶん体が動かんようになってたやろうと思う。
考えずにまず行動を起こしてみる。
これが大事や。

考えるんはある程度行動してからでええんや。
やりたくないことこそ、すぐに始めるんや。

仕事や日常生活の些細なことでも、
気が進まないけどいつかやらんといかんものは、
さっさと手をつけたらええんや。
たいした勇気やないはずや。
けど、その勇気の分だけ成長できるんや。

余談やが、その後あの喫茶店の親父は、
わしの戦法にヒントを得て、
刃を10枚並べた包丁を作り
“みじん切りが10倍早くできる包丁”
として特許を取って大儲けしたらしい。
そう言えば、あの親父も勇気のある親父やったな。

 
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