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シンクロニシティ
発行日: 2008/3/27この前、ドナルド・E・ウェストレイクの『我輩はカモである』というユーモア・ミステリーを読んでいたら、描写に、「ベッケトの登場人物みたいだ」というのがあった。これは、サミュエル・ベケットの不条理戯曲『ゴドーを待ちながら』の登場人物エストラゴンのことを指すのだと思います(原注も訳注もないので)。
なぜ、こんなことを書くかというと、私が「我輩はカモである」の前に読んでいた本が、ベケットの『ゴドーを待ちながら』だったからです。
おおーっ!! すごい偶然!
いま、スティーブン・ハンターのアクション小説『さらば、カタロニア戦線』を読んでいます。そこでも偶然が続き、イギリスのスパイに雇われた主人公が、連絡役との目印に渡された本がローレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ』。これは次に読もうと思ってる本です。
あと、原文を見ていないので、推測の域を出ないのですが、「さらば、カタロニア戦線」の上巻168ページの2行目に「ぼくらがいまいるのは、すばらしい新世界だ。」という主人公のセリフがあります。『すばらしい新世界』というのは、オルダス・ハックスリーのディストピア小説の題名(原題はBrave New World)で、ちょっと前に読んでいました。もともと“Brave New World”はシェイクスピアの『テンペスト』のセリフから来ているので、スティーブン・ハンター(彼はアメリカ人)は、イギリスを感じさせるために、有名な小説を使ったのかもしれない。
それにしてもすごい偶然だ!!
映画と本の偶然を2つ
以前、ユーロスペース(移転前の)に、マルレーネ・ディートリッヒ主演の映画(『ブロンド・ヴィナス』だったと思う)を観に行き、開場前にロビーで、木下順二の戯曲(題名はちょっと思い出せません)を読んでいました。すると、今まさに見ようとしている映画の題名が書いてあるではないですか。たしか、『ブロンド・ヴィナス』は何十年ぶりかの日本での公開。その題名を木下順二の作品で見ようとは思いもかけなかったです。
もう一つ。
シネスイッチ銀座でイギリスの小説家アイリス・マードックの晩年を描いた『アイリス』を観ました。その中で、アルツハイマー病になったアイリスが小説の一節をつぶやくシーンがあります。その一節はジェーン・オースティンの『傲慢と偏見』からなのですが、私はその何日か前にそれを読んでいて、「あっ!」と気づいたのですが、映画ではその説明がないので、ほとんどの観客は「アルツハイマーになっても、自分の書いた小説は忘れないんだわ」と勘違いしていたのではないでしょうか。映画のプログラムには書いてあるのかしら?
シンクロニシティとは、最近とくによく目にする言葉ですが、上記のこともシンクロニシティといってもいいのでしょうか?
特にすごい意味があるとは思いませんが、人生をちょっと楽しくするスパイスみたいですね。
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