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飛鳥地域の歴史・文化・景観が好きな皆さん♪「両槻会」は、そんな皆さんと一緒により飛鳥を楽しもうと活動しています。飛鳥遊訪マガジンでは、歴史だけではない飛鳥の魅力もお届け出来ればと思います。皆さん!ご一緒に、もっと飛鳥を楽しみませんか♪

  • 最新号:2008-09-05
  • 発行周期:第一・第三金曜日
  • 読んでる人:146人
  • 創刊日:2007-11-11
  • Score!:99点
  • コメント数 : 49
  • メルマガID:171530
  • バックナンバー:全て公開
  • 発行者サイト:あり
  • >> 月間ランキング



飛鳥遊訪マガジン Vol. 023

発行日: 2008/6/6

  はや飛鳥も例年より早く梅雨入りしました。梅雨と言うと何かじめじめし
 たカビの繁殖しやすい季節を思い浮かべますが、昔から梅雨の雨は農作物に
 とっては欠かすことのできない恵みの雨だったわけです。梅雨があってこそ
 豊作が期待されたものです。一方先に述べましたようにカビの生えやすい季
 節であることに変わりはありませんので皆様もくれぐれも食べ物には留意し
 てお過ごしください。

  さて、飛鳥では珍しい催しがありますのでそれを紹介しておきます。来る
 6月22日(日)甘樫丘公園でなんと国蝶のオオムラサキの放蝶会があります。
 オオムラサキについての説明があり、そのあと甘樫丘に放蝶するそうです。
 「放蝶」という言葉も珍しいですが、詳しくは下記を参照してみてください。
                              (TOM)
 国営飛鳥歴史公園・イベントのページ
  http://www.asuka-park.go.jp/event/index.shtml 
 

┏◆━index ━━◆◇◆

 〈1〉寄稿     ・・・ 高松塚古墳雑考 5    / 相原嘉之先生
 --------------------------------------------------------------------
 〈2〉飛鳥話 NO.1 ・・・ 季節で巡る太古の飛鳥   / 河内太古
 --------------------------------------------------------------------
 〈3〉飛鳥話 NO.2 ・・・ ネコと歩こう飛鳥の畦道  / 笑いネコ 
 --------------------------------------------------------------------
 〈4〉飛鳥情報 
 --------------------------------------------------------------------
 〈5〉両槻会からのお知らせ 
 --------------------------------------------------------------------
 〈6〉編集後記
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┗━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━


┏◆━━━━━━━━━━
 〈1〉高松塚古墳雑考 5
          明日香村教育委員会文化財課 主事 相原嘉之先生
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━

「高松塚壁画 救出」
            
  昨年の4月から始まった高松塚壁画の解体も、8月21日に最後の床石を
 取り上げました。壁画を現地の石室の中に置いていては保存ができないこと
 から、一度石室の石材ごと施設に運び、修理をすることになったのです。こ
 の解体にあたっては、これまで多くの方法を検討してきました。石材を吊り
 上げるのに特殊な器具を開発したり、何度も解体方法をシュミレーションを
 したりしてきました。しかし、これまでは石室の中からだけの観察で石材の
 大きさや形状を推定していましたが、実際に発掘調査をして石材が露出する
 と、大きさや形状、組み方が予想外であったことがいくつもありました。前
 回紹介した天井石もそのひとつです。

  その中でも飛鳥美人で有名な西壁石の解体は最も困難な作業です。当初L
 字形の器具を使って持ち上げ、解体・運び出しをする予定でした。しかし、
 この石材は床石とぴったりと密着しており、器具の爪が入らなかったのです。
 しかも側石同士の組み合わせ方から、西壁石をそのまま外側に傾けることも
 できません。無理に爪を入れると石が割れてしまう危険性が高いのです。こ
 こで解体を担当するチームは新たな方法で石材をずらしてから、持ち上げる
 ことをしました。それは「コロ」を使うことです。まず、ジャッキで石材を
 少しだけ持ち上げ、そこに「コロ」の役割をする細い棒を差し込み、北側に
 スライドさせてから持ち上げるのです。「コロ」とは重量物を運ぶのに使わ
 れたと考えられている運搬方法で、高松塚の築造時にも使用されたと考えら
 れます。実際、石室の南側には閉塞石の開け閉めに使われたコロのレール
 (道板)痕跡が見つかっています。
  最新技術を使った解体作業の中にも、古代人の知恵を今に応用することが
 できたのです。高松塚石室の解体は古代人との知恵比べであったとも言えま
 す。  (毎日新聞学園南販売所『やまとくん 2007年9月号』より)


  ━━━◇『明日香村公式ホームページ』
     http://www.asukamura.jp/


┏◇◆━━━━━━━━━━
 〈2〉季節で巡る太古の飛鳥 / 河内太古
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━
 
「ささゆりの咲く頃」

  新緑の爽やかな初夏も過ぎ、週末ごとに飛鳥を訪ねていると、里山の緑が
 日増しに濃くなってゆくのが分かります。間もなく、棚田に水が張られ、田
 んぼに早苗がそよぎ始める雨の季節を迎えます。田んぼに一面に水が張られ
 ると、あちこちで蛙の合唱が聞こえ、飛鳥の里も夏に向けて衣替えしたよう
 な様相を見せてくれます。

  この田植えごろになると、飛鳥でもささゆりの花が咲き始めます。色も艶
 やかな大輪の他のゆりの花とは異なり、ささゆりには清楚で深窓の箱入り娘
 のような情趣があり、どこか心惹かれるゆりの花です。
  かっては野辺のあちこちで自生していた季節の花ですが、最近ではその自
 生地を見つけることは難しくなっています。近郊の貴重な自生地は、保護の
 ために近寄ることも出来なくなって、緑陰の緑の下草の中に白くほんのりと
 咲いているのを遠くから見ることしかできません。花に近寄るよりも遠くか
 ら焦がれるように眺めている方が、かえってこの花には似合っているのかも
 しれませんが、それだけに口も利けない片思いの佳人を垣間見るようで、な
 んとも切なくなるような花姿です。

  その花に、飛鳥の里道で出会ったときは、まさに焦がれの恋人に出会あっ
 たような気分を味わうことが出来ました。その花は自生のように自然に咲い
 ていましたが、かってその場所で咲いているの見かけたことがなく、あるい
 は気づかなかっただけなのかもしれませんが、おそらくは雑木林の斜面に人
 の手に寄って植えられたものかもしれません。
  その花をもう一度見たくなって、翌週もその場所を訪ねてみました。とこ
 ろが、その場所にあったはずの花影がどこにも見当たりません。まるで幻の
 花影をみたように消えてなくなっていました。もう花の時期が終わったのか
 と、目を凝らして雑木の下を探してみましたが、花がらはもとより花の茎さ
 え一本も見ることが出来ませんでした。たぶん見事に根っこごと獲り去られ
 たとしか思えない状況に愕然となりました。

  最近の山野草ブームで心無くも貴重な野辺の花が次々に身近なところで姿
 を消してゆくのは何ともやりきれない思いがします。花はそのあるべき場所
 に咲いていてこそ花の命です。手折るよりもあるがままの花姿を愛でる心情
 を喪わないで欲しい。その花が貴重であれば、なおさらそのあるべき場所に
 おいて欲しい、と願います。
  今年も、諦めきれずその場所を再度訪ねてみたいと思っていますが、先日
 もその傍を通りましたが、たぶん幻の花影で終わりそうですね。

  独り占めして密かに楽しむ悪癖の世相を一番哀しい思いでいるのは、多分、
 思いがけずも持ち去られ、手折られた花たちではないでしょうか。

  ・・・と書いたものの気になって、5月31日に小雨降る中、再度その場
 所を訪ねてきました。
  田植も一部のたんぼでは始まっていましたが、時期にまだ早い可能性もあ
 り、半ば諦めていました。
  ところが、そのつもりで探さないと分かりにくいのですが、雑木林の斜面
 のかなり奥に、なんと今年もささゆりが数輪咲いていました♪
  ひょっとすると、自生しているのかもしれません。 

  飛鳥のささゆり
  http://asuka.huuryuu.com/magazine/photo/23/sasayuri.jpg
 小雨降る飛鳥路にささゆりの咲く頃
  http://taiko3.imawamukashi.com/20080531%20asuka/


 ━━━◇『季節を訪ねて〜河内太古の写真館〜』
    http://www2s.biglobe.ne.jp/~kawati/


┏◆◇◆━━━━━━━━━━
 〈3〉ネコと歩こう飛鳥の畦道 / 笑いネコ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━

  飛鳥の野道・畦道は春の花が咲き終わり、初夏から夏の花へと移っていっ
 ています。今回は、趣向を変えて飛鳥の野道・畦道のインベーダー達...
 えっと、渡来系の植物をご紹介してみようと思います。

  渡来系(植物学的には「帰化植物」といいます)と一口に言っても、どこ
 から渡来したか、どうやって渡来したかは実に様々で、渡来後の浸透の仕方
 も色々なのです。そして今、その渡来系の中には日本古来からの植物を席巻
 してしまっているものもあり、立派な環境問題でもあるのです。

  日本は島国です。日本固有種といわれる植物以外の植物の大半は海を渡っ
 て来たということになります。「名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実一
 つ...♪」という具合です。中には大陸と陸続きだった頃に広まったもの
 もあるでしょうが。こういう植物は帰化植物とは呼ばれていません。

  では、帰化植物とはどのようなものをいうのでしょう?植物学では、人為
 的にもたらされて野生化したものを帰化植物といいます。人為的とは、農作
 物として栽培されるためにもたらされたものや観賞用に持ち込まれたものの
 他に、持ち込まれた栽培種に付いてきたものや、移動する人間・荷物に付着
 してきたものも含まれます。少し難しい話になりますが、まず帰化植物がい
 つ頃渡来したのか、ということからお話ししてみましょう。

  初めに「史前帰化植物(1943年、前川文夫氏提唱)」という呼ばれ方
 をしている稲作と共に渡来したような古い帰化植物があります。ネコの植物
 図鑑の「飛鳥で会える花たち」に収録した植物でこの「史前帰化植物」リス
 トに載っているものを挙げてみますと、ツユクサ、キュウリグサ、キツネア
 ザミ、シャガ、ツルボ、オオバコ、ヨモギ、イシミカワ、カナムグラ、イボ
 クサ、イヌタデ、ホトケノザ、ヤハズソウ、ヒガンバナ、ハコベ、ミミナグ
 サ、ナズナ、タネツケバナ、イヌホオズキ、ヤエムグラ、タカサブロウ、タ
 ビラコ、ジシバリ、アキノノゲシ、タウコギ、ミヤコグサ、カタバミ、ハハ
 コグサ、ヤブカンゾウとかなりの野草が入ってしまいます。ネコの図鑑では
 イネ科、カヤツリグサ科は収録していませんが、沢山見られるチガヤとかス
 ズメノテッポウ、エノコログサ(ネコジャラシ)、カヤツリグサ等も、「史
 前帰化植物」に入ります。

  次に、室町時代以前までの帰化植物を「古代帰化植物」といい、渡来の記
 録が残っている植物を対象とします。遣唐使が薬用として持ち帰ったといわ
 れているウメやチャは、今でも栽培されているものがほとんどですが、ナン
 バンカラムシというイラクサ科の植物は、アジア大陸が原産で繊維を取るた
 めに栽培されていたものが野生化して残っています。この時代の渡来の記録
 はあまり残っていないのではっきりとは分からないものが多いのです。ゲン
 ゲは中国が原産で1709年の「大和草本」という本に、水田の緑肥、飼料、
 蜂蜜を採るためのものとして、古くから栽培されてきたという記録がありま
 すが、万葉集の中にも詠まれている植物なので、渡来時期はかなり古いと思
 われます。

  戦国時代から江戸時代に掛けての帰化植物を「近世帰化植物」といい、鎖
 国時代を除いては物資の流通の盛んな時代でしたので、アサガオやオシロイ
 バナなど観賞用に持ち込まれた植物で、今でも残っているものがかなりあり
 ます。また、シロツメクサは長崎に輸入されたガラス製品の詰め物として入
 っていた枯れ草の種から広まったものだそうで、「ツメクサ(詰草)」とい
 う名は、そこから来ているそうです。「飛鳥で会える花たち」に収録した植
 物では、ツメクサの他にノゲイトウ、ムラサキカタバミ、コメツブウマゴヤ
 シ、マルバルコウソウがあります。また、ホテイアオイやショカッサイも江
 戸時代に入ってきたものだという説があります。

  最後に、明治以降に知られるようになった「現代帰化植物」ですが、この
 中には実際の渡来時期と帰化がはっきりした時期がずれているものもあると
 思います。「飛鳥で会える花たち」の植物をご紹介しますと、オオイヌノフ
 グリ、タチイヌノフグリ、フラサバソウ、オオカワジシャ、ワスレナグサ、
 キランソウ、マツバウンラン、アジュガ、コニシキソウ、ニワゼキショウ、
 アメリカフウロ、ヒメツルソバ、ヒメオドリコソウ、ムラサキツメクサ、ヒ
 メヒオウギズイセン、オランダミミナグサ、トキワツユクサ、ハキダメギク、
 アメリカヤマゴボウ、ブタナ、ノボロギク、ベニバナボロギク、アレチノギ
 ク、コセンダングサ、アメリカセンダングサ、コメツブツメクサ、オニノゲ
 シ、セイタカアワダチソウ、ハルシャギク、キバナコスモス、キショウブ、
 といったところで、ホテイアオイとショカッサイもこの時代という説もあり
 ます。また、最近ではタネツケバナに良く似たミチタネツケバナとか、ミヤ
 コグサに良く似たセイヨウミヤコグサ、ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)
 と良く似たオオバヤハズエンドウというような帰化植物も増えているようで
 す。

  長くなりましたので、これらの植物が何のために持ち込まれたのか、とい
 うお話は次回に。

「飛鳥で会える花たち」
 http://www.asukanet.gr.jp/warainekonoheya/zukan/chiiki/asuka/ 


 ━━━◇『笑いネコの部屋』
    http://www.asukanet.gr.jp/warainekonoheya/


┏◇◆◇◆━━━━━━━━━━
 〈4〉飛鳥情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━

  飛鳥資料館の夏期企画展のお知らせです。

「飛鳥 古寺巡礼」

 期間:8月1日(金)〜8月31日(日)
   (月曜日休館 8月15日(金)無料開館)

 「飛鳥の古寺の「いま」を撮影した写真と、発掘調査の成果をとおして古寺
 巡礼をお楽しみいただく展示を企画致しました。夏の一日、美しい古寺の風
 景にかつての伽藍の姿を思い重ねながら、古寺巡礼のひとときをお過ごしく
 ださい。」

 ・主な展示品
  1.仏教の広がり
    仏教伝来・寺院創建史(説明パネル)
    寺院位置図

  2.飛鳥の古寺
    飛鳥古寺のいま(現状の写真)沿革・発掘調査成果
    伽藍配置図
    寺宝(出土品・伝世品) 


  *飛鳥資料館では、6月22日まで春期特別展が好評開催中です。
  (キトラ古墳壁画公開は、終了していますのでお間違いのないよう。)

:::::::::::::::::::::::::::::::::::


  橿原考古学研究所付属博物館で、開催中の春季特別展「はにわ人と動物た
 ち−大和の埴輪大集合−」は、6月15日までになります。
  まだご覧になっていない方は、是非♪

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  平城宮跡資料館で講演会が開催されます。電話での事前申し込みが必要で
 す。

 「第102回公開講演会」

  日 時:6月28日13:30〜
  場 所:平城宮跡資料館 講堂
  定 員:先着 250名(事前申込み順)
  申込先:文化財情報課  0742−30−6753
      (申し込み受付時間は、平日の9時〜17時)
  講演内容:
   「西大寺食堂院の井戸と古代」 
             都城発掘調査部研究員   大林 潤氏
      「造形意識の変革−霊廟建築に見る装飾意匠とその手法」
           文化遺産部建造物研究室長   窪寺 茂氏
  (講演の前に奈文研所長 田辺征夫氏によるミニ講演があります。)

:::::::::::::::::::::::::::::::::::


【花情報】
  飛鳥話1でご紹介しました「ささゆり」が、大神神社のささゆり園で見頃
 を迎えているようです。こちらは自生ではありませんが、清楚なささゆりに
 逢える貴重な場所だと思います。また、六月の代表的な花、紫陽花がそろそ
 ろ咲き始めているようです。川原地区の飛鳥川沿いなどは、そろそろ見頃の
 ようです♪その他、国営飛鳥歴史公園の甘樫丘地区で杜若や花菖蒲も咲き始
 めているようですし、桜井の安倍文殊院では、春咲きコスモスも見頃だとい
 うことです。
  梅雨の雨に負けず、花巡りもよいかもしれませんね。(^^)


┏◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━
 〈5〉両槻会からのお知らせ
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━

 
  第九回定例会は、只今参加申し込み受付中です♪
  現地説明会などでお馴染みの奈良文化財研究所の市大樹先生に「木簡から
 見た飛鳥−近年の出土木簡を中心に−」と題してご講演頂きます。また、恒
 例の定例会事前散歩も、予定しています。お楽しみに♪
 
  参加ご希望の方は、第九回定例会予定ページの詳細をご覧の上、両槻会へ
 メールにてお申し込み下さい。 
 http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-9/yotei-9.html


:::::::::::::::::::::::::::::::::::

  第九回定例会に関連する遺跡などをご紹介して行きます。第一回目は、
 「石神遺跡」のお話です。

  石神遺跡は、飛鳥川東岸の水落遺跡の北、飛鳥寺寺域北限とされる道の北
 西に位置します。遺跡名は、明治時代に須弥山石・石人像などが発見された
 遺跡南東端の田圃の小字名を取って付けられました。
  1981年からの奈良文化財研究所による継続的な発掘調査が昨年末で第
 20次を数え、現在までに遺跡の南・北・東の限りが明らかになっています。
 石神遺跡と一つ名で呼ばれる広範囲のこの遺跡は、遺跡の丁度北から三分の
 一ほどの地点(北限施設)を境にして、南北で遺構の様子が異なっています。

  古墳時代から平安時代までの遺構がみられるそうですが、3期に分かれる
 主要遺構は7世紀前半〜中頃・7世紀後半・7世紀末〜8世紀に大別でき、
 最も整備されたのは7世紀中頃になり、それぞれの遺構時期は、おおよそ斉
 明期・天武期・藤原期に当てはめて考える事ができるようです。

  7世紀中頃の遺構では、水落遺跡との間に遺跡の南限を示すと思われる低
 い基壇を持つ東西掘立柱塀跡が発見されています。また、この東西塀より北
 に180mの地点で北限施設と考えられる2条の東西方向の石組溝と掘立柱
 塀跡が発見され、石神遺跡の主要な遺構の範囲がおよそ南北180m、東西
 130mであることが分かりました。
  遺跡西側は、外周規模が東西70.8m・南北106mと推定される廓状
 建物で囲まれた空間、東側は、南に東西50m以上・南北40mに及ぶ石敷
 き広場、これより北に井戸と東西建物、そのまた北にはロの字型に配置され
 た四棟の細長い建物とその中に正殿・前殿と考えられる建物が整然と配置さ
 れていたそうです。北限施設付近は総柱建物跡が検出され、倉庫群の可能性
 が指摘されています。

  その後、7世紀後半にも遺跡の南北限は変わらないものの、北側で建物の
 取り壊しや建替え、溝の付け替えなどが行われたようです。
  また、遺跡の南西端では、7世紀末から藤原宮期にかけての掘立柱塀によ
 る方形区画があり、藤原宮内裏東官衙施設との類似から官衙的な施設があっ
 たのではないかと推定されています。

  7世紀以前には沼沢地であったと思われる北限施設よりも北では、幅6m
 の東西溝や最大幅16mの南北溝など、7世紀後半の遺構が確認されていま
 す。この北側の地域からは、大量の木簡が発見され、有名なものでは16次
 調査出土の元嘉暦による持統3年(689年)3月と4月の暦日を記した最
 古の「具注暦木簡」とよばれるもの(二次加工により円形)、18次調査出
 土の「己卯年八月十七日」(天武8年・679年)と記載のある観音経木簡、
 「評 五十戸」木簡を始め、文書木簡や習書木簡、仕丁関連のものだと思え
 る木簡など多数出土しています。また、木製品では文書に罫線を割り付ける
 ために用いられただろう定規や鋸なども出土しています。

  須弥山石の出土や広場と思える石敷きなどから、7世紀中頃・斉明朝には
 饗宴施設であり、その後天武期には、南にある飛鳥浄御原宮との関連や出土
 する遺構や遺物(特に木簡の種類)などから官衙的な役割を持った区画へと
 施設の性格が変わっていったとも考えられます。

  日本書紀では斉明朝に三度、須弥山石の記事があらわれます。
 「3年秋7月15日、須弥山をかたどったものを、飛鳥寺の西に作った」
 「5年3月17日、甘樫丘の東の川原に須弥山を造って陸奥と越の国の蝦夷
  を饗応された」
 「6年5月、また石上池の辺りに須弥山を造った」

  書紀に登場する「飛鳥寺の西」「甘樫丘の東の川原」「石上池の辺り」が、
 この石神遺跡を指すのか、それぞれの須弥山が須弥山石と名付けられた出土
 した石造物をさすのか・・・。
  今後の継続調査も含めて、まだまだ謎が多く興味をそそられる遺跡ではあ
 ります。今後の展開を楽しみに見守りましょう。       (もも)
  
  参考ページ
 「第二回定例会資料 飛鳥の遺跡 石神遺跡」
  http://asuka.huuryuu.com/kiroku/teireikai-2/teireikai2-siryou7.html


:::::::::::::::::::::::::::::::::::

  昨年ご好評頂いた「飛鳥検定」の第二回目の実施日が決定いたしました。
 只今、参加者募集中です♪

  参加ご希望の方は、第10回定例会・第二回飛鳥検定予定ページの詳細を
 ご覧の上、両槻会へメールにてお申し込み下さい。

 http://asuka.huuryuu.com/yotei/teireikai-10/yotei-10.html

  また「第一回飛鳥検定」を、インターネット版として公開しています。腕
 試しにお楽しみいただければと思います。
 
  インターネット版・第一回飛鳥検定
   http://asuka.huuryuu.com/kentei/kentei-top.html


:::::::::::::::::::::::::::::::::::

 「飛鳥検定傾向と対策」

  第二回目は、奈文研の市先生の問題を見てみます。先生のご専門は、交通
 史と木簡を中心とされていますが、今回の飛鳥検定では、主に木簡の問題を
 作成していただきました。
  これはもちろん「第九回定例会−木簡から見た飛鳥−」の講演内容を踏ま
 えたものです。ですから、市先生出題の10問は、7月12日の第九回定例
 会にご参加いただければ、100%の正解率になること間違いなしです。

  木簡ってどのくらいの数が出土しているのだろうか・・など、木簡につい
 ての基本的な知識と、飛鳥池遺跡・飛鳥京跡・石神遺跡・飛鳥京苑池遺跡な
 どからの主な出土木簡を予習されておくと良いかもしれません。人名や干支
 (年号)が書かれた木簡などは特に注目されますので、前号でお知らせしま
 した「木簡ひろば」などを活用していただくと、正解率も上がるのではない
 かと思います。また、今号の石神遺跡のご案内記事も、大いに参考になるも
 のと思います。

  検定がもう少し近づきますと、例題などをお出ししたいと思っています。
                              (風人)


┏◇◆◇◆◇◆━━━━━━━━━━
 〈6〉編集後記
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆◇━━━━

  各館で行われていた春の特別展関係が、今月でほぼ終了します。皆さん、
 ご覧になられました?σ(^^)は、結局キトラさえ見ておりません。これで飛
 鳥好きと言っていいのだろうか。(自問)

  先日、定例会の時刻は開始だけでなく終了予定も記載して欲しい、という
 ご意見を頂きました。迂闊でした。m(__)m 両槻会サイトの方に、早速追記
 させて頂きました。ご意見有難うございました。(^^)あ、定例会の当日は、
 解散前にその後のバスや電車の時刻を毎回ご案内しています。(^^)
 ・・・と、こんな風に色々お気付きの点をお知らせ頂けると嬉しいです♪

 と言う事で・・・
  飛鳥遊訪マガジンでは、皆様のご意見・ご感想お待ちしております♪

 
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