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小学校受験で必要な「話を聞く力と豊かな情操」を自然と身につける、最良の方法は、ご両親の言葉でお子様に語りかけることです。日本の年中行事と昔話を通して、豊かな情操を育みましょう。21世紀に活躍する子ども達の心を育てるメルマガです。




2009さわやかお受験のススメ<保護者編>

発行日: 2008/8/8

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         「めぇでる教育研究所」発行
     2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
           「情操教育歳時記」
         日本の年中行事とむかし話
     〜21世紀に活躍する子ども達の心を育てる〜
           2008年 8月8日 
              −40−
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千葉県内4小学校向け http://www.medel.jp/gokaku2.htm
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終戦記念日ではないでしょうか
  8月に読んであげたい本
                  
妙な解説などない方が、いいでしょう。
小さい子には難しい話です。
ですから、お母さんが感じたことを、お子さんに伝えてあげてほしい。
ガダルカナル島、中国、そして日本にあった、本当の話です。

◆「戦争の話より」◆  松谷 みよ子 著
迎えにきた、魂
戦争に行って死ぬって、敵の弾に当たって死ぬばかりじゃあないんだよ。
食べる物がなくて、飢死した兵隊も、たくさんいたんだって。
戦争に必要な物資どころか食料もなく、悪天候の中で、疫病に犯され、亡くな
っていったんだって。
死の直前に、腐りかかっている体の、どこにそのような力が残されているのか、
起き上がって、中隊長殿に挙手をし、内地(祖国)から姉が迎えに来たので帰
らせて下さいといい、許可が出ると、ばたっと倒れ、息を引き取ってしまうん
だって。
お迎えにくるのは、生きている人ではなく、みんな死んだ人の魂が、ガダルカ
ナルまで迎えにきて、連れて行くんだって、あの世へ。     

おばあさんの淡々とした口調が、悲惨な戦地をリアルに再現し、慄然とさせら
れます。
                                   
昭和十八年の冬近く、中国で戦った兵士のモノローグ。 
                             

中国の都市には、敵を防ぐ城壁があり、城にたてこもった中国側と、すさまじ
い戦いが始まった。
ある朝、薄明るい中で、人形のようなものが、城から釣り下げられていた。
突撃して負傷した者を縛り、逆さ釣りにされた日本兵だ。
下から炊く火の煙に苦しみ、もがいていた。
助けに行けば狙い撃ちされる。
戦友のなぶり殺しに手が出せない。
その時、命令が下った。
「射て、射って楽に死なせてやれ!」
引き金を引いた。
戦友は、跳ね上がり、人形が踊るように揺れた。
射ち終わったとき、もう動く者は、いなかった。
それから一ヵ月後、城は落ちた。
入場した日本兵は、負傷した中国兵を引きずり出し、油をかけて火をつけた。
火だるまだ。
突然、足に負傷した、歩けないはずの兵隊が、真っ赤な炎を上げて、わしに駆
け寄り、抱きつこうとした。
わしを道連れに死のうとしたのだ。
逃げた、逃げ回った。
やっと逃げ切り、後を振り向くと、ばったりと倒れて、動かなくなった。
わしはへたりこんだ。
これが、わしらの戦争だった。
気がついたら、みんな、鬼になっていた。         

戦争は、人と人が殺し合うのです。
しかも、一人一人が殺し合う理由もなしに、です。  

長崎のピカ
昭和二十年の八月六日に、広島に原子爆弾が落とされたの。
一発で広島中が燃え、何十万の人が死んだの。
三日後の八月九日、今度は長崎に落ちて、私の家族八人は、一人ずつ順々に死
んでいったの。
最初に死んだのは、おばあちゃん。
外出中に被爆し、真っ黒になり、はらわたを出して死んだの。
次の日に、父さんと母さん、兄ちゃんと死んでいったけれど、上の妹、ゆみ子
は、ずうっと見ていたの。
次の日の明け方に、きれいな船に、父さんと母さんと、おばあちゃんと、兄ち
ゃんが笑って、おいで、おいでしていると、かぼそい声で言うの。
「船に乗ったらだめ」
と叫んだけれど、みんなで迎えに来たよと言って亡くなったの。
顔はボールのようにはれあがり、歯ぐきはまっ黒にただれ、紫色の斑点が身体
中に出て、口も動かないの。
でも、そう言って死んだの。
気がついたら、弟も死んでいたの。
下の末っ子の妹、すず子は、防空壕で体を寄せ合っていたら、冷たくなってい
くので、マッチをつけてみたら、もう死んでいたの。
その身体を、一晩中だいて寝ていたの。
冷たくて、皮がべろべろとはげるの。
次の日、お隣のおじさんがきて、一人ずつ焼いたの。
私は、十二歳でした。           
         夏休みのはなし
             「海ぼうず」 松谷みよ子/吉沢 和夫 監修
                   日本民話の会・編  国土社 刊 

十二歳の無残な夏、平和な時代に生かされていることに、ただ感謝するだけで
す。   
私は、広島に原子爆弾が落とされた時、岡山の県境にある忠臣蔵で名高い、兵
庫県は赤穂の町に住でいました。
真っ青に晴れ渡った暑い朝でした。
突然、空が濃霧のようなものに覆われ、真夏の太陽が肉眼で見えるほどになっ
たのです。これが、あの悪名高きキノコ雲が流れてきたとは知りませでした。
「新型爆弾が落とされた」
と、大人達が声をひそめて、ささやきあっていたことを覚えています。
五歳の夏でした。                         

◆ホタルになった兵隊さん◆   堀田 貴美 著 
前の戦争のとき、九州南端の知覧に陸軍の飛行場があり、戦争末期、そこは特
攻基地でした。
特攻機は人間爆弾で、搭乗員は、二十歳前後の若者達だったのです。
基地の近くに、おばさんと二人の娘が手伝う富屋食堂があり、隊員達に親しま
れていました。
その中に、出撃後に飛行機が故障し、帰ってきた宮川三郎軍曹がいました。
再び、出撃しましたが、二度とも機械が故障し、引き返したのです。
整備隊長に、いい飛行機をくださいと訴えました。
仲間が戦死し生き残るのは辛かったのでしょう。
同じ頃、やはり、一人生き残った滝本軍曹が配属され、宮川さんと知合い、富
屋に一緒に顔を見せるようになりました。
昭和二十年六月五日の夕方に、二人は、明日出撃するので、富屋に別れにきた
のです。
娘たちは、出撃の鉢巻きを贈り、話もつきません。
帰りがけに宮川さんが娘達に、
「明日の晩九時に、ホタルが二匹入ってくるから、中に入れてやってね」
と言いました。
翌日は天気が悪く、富屋の人達は、案じていましたが、夜八時頃、滝本さんが
現われ宮川さんは行ったという。
二機並んで飛び立ちましたが、雨雲にさえぎられ、帰ろうと合図しました。
宮川さんは、お前は引き返せと、別れの合図をし、雨雲の中へ飛び去ったので
す。
娘たちは、宮川さんの気持ちが、痛いように伝わってきました。
その時、一匹のホタルが天上にとまり、時計を見ると、九時でした。
宮川さんが言った時刻と何秒も違いません。
店にいた隊員もよって、滝本さん達は、ホタルを見ながら、宮川さんの思い出
を話しました。
ホタルは、話を聞いているようでした。               
「宮川さん、やっぱり帰ってきたんじゃねえ。」
おばさんは、ぽつんと言いました。
  日本むかしばなし 23
   ジェット機とゆうれい 日本民話の会 金沢 祐光 絵 ポプラ社 刊 

最後の、おばさんのつぶやきが、本当に悲しい。
盛夏、真夏に怪談話を一席。 
むかし話にも怪談はありますが、きょう日の子ども、昆虫を殺しても、
「電池、取り替えてよ、お母さん!」
というそうですから、こんな話、恐がらないでしょう。   

◆あめかいゆうれい◆   中本 勝則 著
ある夏の暑い晩のこと。
あめ屋のじいさんのところへ、青ざめた顔をした一人の女が、あめを買いにき
たのです。
それからというもの、決まったように、夜遅く、あめを買いに来ます。
七日目の晩のことでした。
あめをくださいと差し出す手に、銭がありません。
いつもより、青ざめた顔は、悲しそうに見えるのです。
じいさんは、何をいわずに、あめをあげました。
どこの人だろうと後をつけると、不思議なことに、山寺の山門まで来ると、姿
を消したのです。
すると、寺の中から、赤子の泣き声が聞こえるのでした。
驚いたじいさんは、和尚さんに訳を話すと、まだ新しい墓にじいさんを連れて
いったのです。
先日、赤子を身ごもったまま女の人が亡くなり、それがこの墓だというのです。
掘り出してみると、棺桶中で、玉のような男の子が、母の胸にしがみつき、見
れば、男の子は、あめをにぎっているのです。
じいさんが売ったあめでした。
昔、死んだ人には、一文銭を六枚、手に握らして、墓に埋めたそうです。
死んだら渡る「三途の川」の渡し賃でした。
しかし、母親の手の中には、六文銭はなかったのです。
和尚さんは、泣いている男の子を抱き上げて、母さまは、わしが供えた銭で、
毎晩、お前のために、あめを買いに行ったのだと言って、静かに念仏を唱えた
のでした。                     
            海ぼうず  松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
                  日本民話の会・編  国土社 刊 
「和尚さんに育てられた男の子は医者になる」といった話も残されていたはず
ですが、見つかりませんでした。   
(次回は、「第9章 お月見です」についてお話しましょう)  

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