小学校受験で必要な「話を聞く力と豊かな情操」を自然と身につける、最良の方法は、ご両親の言葉でお子様に語りかけることです。日本の年中行事と昔話を通して、豊かな情操を育みましょう。21世紀に活躍する子ども達の心を育てるメルマガです。
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2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
発行日: 2008/7/11●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
「めぇでる教育研究所」発行
2009さわやかお受験のススメ<保護者編>
「情操教育歳時記」
日本の年中行事とむかし話
〜21世紀に活躍する子ども達の心を育てる〜
2008年 7月11日
−36−
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《2010さわやかお受験のススメ<小学校受験編> 7/4創刊!!》
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第9章(4) 七月に読んであげたい本
七夕とお盆です。
どちらも、その縁起話があるので、紹介しましょう。
◆天女のよめさま◆ 常光 徹 著
むかし、ある村の若い猟師が、沼のほとりで昼寝から目を覚ますと、天女が三
人、泳いでいました。
若者は、木にかけてあったとび衣(羽衣)を一枚隠したのです。
水浴びが終わると、天女はとび衣を着て、天へ舞い上がって行きましたが、隠
された天女は天上に帰れません。
泣いていても仕方がないと慰め、家に連れて帰ったのです。
やがて、天女は若者の嫁になり、三人の子どもが生まれました。
ある時、太郎が、むずかる子をあやす歌を聞きとび衣を見つけ、子どもを連れ
て、天上へ帰ったのです。
家に帰った若者は、
「会いたければ、一番鶏が鳴く前に、わらじ千足分を肥やしにし、夕顔の種を
植えてください」
との手紙を読み、作ったのですが、あと一足で夜が明け、わらじを埋め、夕顔
の種を植え、眠ったのです。
目覚めた若者が見たのは、空に伸びた、夕顔のつるでした。
これで、嫁や子どもに会えると、犬を抱えて登ったのですが、もう少しの所で、
つるは止まっていました。
若者は、犬を天上に放り上げ、しっぽにつかまり、天の庭に跳ね上り、再会で
きたのです。
ところが、天上のじいさまは、若者を快く思わず、
「四町歩の畑を一日で耕せ!」
などと難癖をつけるのです。
そのたびに、嫁さまの助けで解決しますが、最後が、うまくいきませんでした。
うりの収穫が終わると、じいさまは、縦に切れというので切ると、積んである
うりが、音をたてて裂け、水があふれ出して大水となり、若者をのみこみ、流
れていくのです。
嫁さまは、毎月、七日に会いましょうと呼びましたが、若者は、七月七日と聞
いてしまい、それ以来、年に一度、七月七日に、二人は会うことになったので
す。
うりからあふれ出た大水が、夏の夜空に見える天の川になったのでした。
七月のおはなし
「かっぱのおくりもの」 松谷 みよ子/吉沢 和夫 監修
日本民話の会・編 国土社 刊
鈴木三重吉氏の「星の女」は、確か、舞台はヨーロッパだと記憶していますが、
「羽衣伝説」は、日本の他にもあるものだと、幼いながらも感動したものです。
何しろ、天女さんは、三保の松原が、最もお似合いの場所だと信じていました
から。
この話からは、「ジャックと豆の木」を思い出しませんか。
何回もいいますが、人間、どこに住んでいても考えることは同じなのです。
そう思うと、何やらうれしくなります。
本当は、心のやさしい生きものなのです、人間は。
◆お盆のはじまり◆
七月十五日は、祖先や亡くなった人たちの霊をなぐさめるお盆の日です。
お盆の縁起を伝える話が残されています。
お釈迦さまに、目連上人という神通力にたけたお弟子がいて、修行中に息を引
きとり、あの世へ旅たちました。
死んだお母さんに会いたいと思い、三途の川を渡り、閻魔大王のいる関所に着
き、母に会わせてくれるよう、願い出たのです。
大王は、上人を、湯が煮えたぎる大きな釜の所へ連れていきました。
釜の中では、釜茹の刑を受ける人たちがうめき、叫び声を上げていたのです。
上人は、母を呼んでいると、釜の中から一匹のカメがはい上がり、お前の母だ
というのです。
その訳を尋ねると、お前が可愛くて、賢いことを自慢し、お前さえ長生きすれ
ばよいと罪深いことばかり考えていたからだというのです。
上人は、お母さんを助ける方法はないかと尋ねると、毎日、石に一字ずつお経
を書き、それからお経を読んでといいかけたとき、番人の鬼がきて、カメを湯
の中へ投げ込んでしまい、二度と姿を見せません。
そこで上人は、大王にお礼を言うと、不思議なことに、再びこの世に戻ってき
たのです。
次の日、上人は神通力で、八千人もの羅漢(悟りに達した仏教の修行者)を集
め、一つ一つの石に、一字ずつお経を書き、お母さんのために、盛大な供養を
行ったのです。
すると、紫雲たなびく天上遥かから、お前のおかげで極楽浄土へ行けるという
お母さんの声が聞こえてきたのでした。
上人は、その後、毎年、七月十五日になると、お灯明をあげ、祭壇に新鮮な野
菜を備え、お母さんや祖先の供養をしたそうです。
これが、お盆の始まりだそうです。
日づけのあるお話 365日
七月のむかし話 谷 真介 編・著 金の星社 刊
この話を聞くたびに、私は「子煩悩」という言葉を思い出します。
この言葉から、子どもをかわいがる親のイメージを持ちがちですが、本当はそ
うではありません。
煩悩とは、「心身にまといつき心をかき乱す、一切の妄念・欲望」(岩波国語
辞典)のことです。
「子煩悩」は、「子は煩悩のもと」と考えるべきなのです。
すると、目蓮上人お母さんが、なぜ地獄へ落ちたかわかります。
「お前のことが可愛くて可愛くてね。お前が賢いことを人に自慢ばかりしてい
たのじゃ。他の人は早く死んで、お前だけ長生きしてくれればいいと、罪深い
ことばかり考えていたからだよ」。
少子化時代のお母さん、過保護な育児をしていると、「子煩悩地獄」に落ちま
す。
被害者は、お子さん自身であることに、早く気づいてほしいものです。
次に紹介する話は、「ナヌ?」となるはずです。
そうです、芥川龍之介の世界です。
こういった作品に出会うと、「やってくれるではないですか!」とうれしくな
ります。
◆にんじんのしっぽ◆ 水谷章三 著
むかし、けちなばあさんが、じいさんと隣同士で住んでいました。
じいさんが風邪を引き、薬にんじんを分けてくれと頼むと、一本あげるのを惜
しみ、細いにんじんを半分に折り、曲がったしっぽのところを、あげたのです。
じいさんの風邪は治りましたが、ばあさんは死んだのでした。
行き先は、地獄です。
釜に投げこまれ、首だけ出して苦しみ、もがいていた時、天の神さまが、雲に
乗り通りかかったので、助けてくれと大騒ぎをしたのです。
その声が神さまの耳に届き、何か方法はないかと、使いの者を閻魔大王のもと
へ走らせたのでした。
困ったのは、大王です。
ばあさんは、何も善いことをしていないからです。
閻魔台帳を見ていると、やっと見つかったのは、隣のじいさんに、薬にんじん
をあげたことでした。
大王は鬼に言いつけて、薬にんじんのしっぽを、使いに渡しました。
神さまは、
「お前が人助けをした、にんじんのしっぽだ。これにつかまって上がれ」
と釜の上に降ろしました。
それにつかまったばあさんを、神さまが引き上げはじめました。
釜から二本の足が出ると、右足に一人、左足に一人、亡者が飛びついたのです。
すると、四本の足に一人ずつ飛びつき、八本の足となり、十六人、三十二人と
亡者が飛びつきます。
ばあさんは、かなり上まで来たと思い下を見ると、足の下に亡者がつながって
いるではありませんか。
にんじんが切れてしまうと、ばあさんが、足をこねまわしたからたまりません。
取りついていた亡者どもは、地獄の釜に落ちてしまいました。
ばあさん一人になり、天国に上れると思ったのですが、あと一息のところで、
しっぽは切れ、ばあさんも地獄に戻ってしまったのです。
そして、
「人のこと、降り落とさねばよかったってか、どうかな」
と、つぶやいたのでした。
九月のはなし
きのこばけもの 松谷みよ子/吉沢和生・監修
日本民話の会・編 国土社 刊
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」と違うのは、ばあさんの最後の一言でしょう。
お釈迦さまが、カンダタの無慈悲な心を哀れんだのに対して、このばあさんの
一声は、「人のこと、降り落とさねばよかったのにとでもいうのかね、そりゃ
どうかな。そんなことはわからないよ」
と、ばあさん本人にいわせているところがいいですね。
後悔しないで開き直っています。
むかし話は、その時代に生きた庶民の息吹を感じることが出来ます。
この話も意味深長ではないでしょうか。
人生を達観している気がします。
芥川龍之介ファンから「生意気いうな!」とお叱りを受けそうですが、カンダ
タのような泥棒よりも、このけちなばあさんの方が、私達のそばにいるような
気がします。
そういったことから考えると、私は民話の方に説得力があると思います。
(次回は、「終戦記念日、このことです」についてお話しましょう)
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